【書籍化進行中】異世界で職業:ヒモとしてみんなにバフを撒いてたら完全に逃げられなくなっていた話   作:スーパー巨大特濃葛根湯

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【71】 ひとりでできるもん

 構えたショートソードのむこう側から、鋭く光る目が僕を射抜く。

 ジリジリとした緊張感が息苦しい。

 

 ……僕とてこの異世界に来てから、みんなが戦うのをずっとそばで見てきた。

 だから、もう今更生き物の命を奪うことに関する葛藤とか、そういう心理的な問題は抱えてねぇ。

 今この場にただあるのは、そんな生温い感情論ではなく、ただ純然たる技量と実力の鍔迫り合い。

 どちらかが生き残りどちらかが死ぬという結果だけをもたらす、限られた椅子の奪い合いだ。

 飲み込んだ唾が、妙に熱い。

 

 

 先に動いたのは相手だった。

 長く伸びた脚が軽快に地面を蹴り飛ばし、まるで弾けたように僕へと迫りくる。

 鈍重そうな外見に反し、そのスピードは極めて速い。

 間違えてYouTubeを2倍速で再生したみたいな、そんな現実味に欠けた速度をこの世界の生き物は容易く出してみせる。僕アホだから倍速視聴だと内容理解できないんだよね。

 そもそも根本的な身体性能そのものにおいて、おそらく地球の生き物を軽く凌駕したチューンが神によりなされているのだ。市販のベイブレード組み立てるタイプと自分で改造しちゃうタイプくらい違うかもな。普通なら勝ち目はねぇ。

 

 しかし、僕だってみんなと同じく普通ではないのだから、これくらいなんとでもしなきゃなんねぇだろ。

 

 地を滑るようにこちらへ肉迫する肉の塊を前に、僕は数回のステップで撹乱する。

 あんな速度を出しておきながら、むこうがある程度ちゃんとついてきてる事は驚愕だが、しかし流石に完璧とは言いがたい。

 このままぶつかったとて真芯で捉えたとは言い難いヒットとなり、吹き飛ばされた僕はセンターフライかせいぜいファールラインを大きく超える程度まで抑えられるだろう。つまり点数は取られないが僕は死ぬって事。パワポケと同じで、人生は野球じゃないんでね。

 だからこそ、僕はまだまだ足掻かなきゃならん。

 芯を外れた角度の体当たりをそのまま身体で受けるのではなく、手に馴染んだ円盾を接触の直前に差し込み、腕の力も使って僕自身の重心を傾けることで、更に相手の力のベクトルを逸らす!

 こうすることにより、ようやく完璧な受け流しが完成……するハズもなく、僕は森崎くんのごとくふっとばされた。

 

 

「おぼっ! ごっ! べぇ! んぎぎ! ……っと、まだまだァ!」

 

 ごろごろと地面を転がりながら、今の一当ての何が悪かったかを考える。

 全身痛むが幸い頭も打ってないし骨も折れていないので、まだ戦闘は継続できると思う。

 衝撃はすさまじかったが盾越しだし、なにより重心を傾けていたおかげで回転がかかり、エネルギーがそちらに移ったのも助かった。

 まともに当たってれば、水切りの石が水面を叩くが如く地面にバウンドしながら吹き飛んで、等身大のハンバーグになっていたとこだろう。伯邑考……。

 ……まぁ、その場合はそうなる前に補助が入った気はするが。

 

 で、悪手だったのは恐らく「受け流そう」と考えたことそのもの。

 相手は車くれぇでっけぇ野生動物なのだから、その質量が100%の駆け足ブチかましたりすれば、そりゃひょろひょろ軟弱現代っ子に良い相撲が取れるわけない。四股が足りてねぇっすね。

 だから僕がこの相手に徹底して行うべきは、「全ての攻撃に当たらないこと」だろう。簡単に言ってのけたが、もちろんそんなの普通の男子高校生にできるわけがない。言うは易し、行うは難し。机上で演習してんじゃないので、僕は僕の稼働領域内の行動のみで目的を達成せねばならない。

 なので、僕は僕にできることをしよう。僕は深く息を吐くと、食い殺さんばかりに僕を睨みつける……っつーか食い殺す気満々で獲物を捕捉している獣と視線を合わせる。目と目を合わせて、真意を探る。相手のやりたい事や言いたい事を、目を見て自分から理解しようとするのがコミュニケーションの基本らしいからね。お客さんへの対応に慣れない僕へ店長が授けてくれた接客の極意さ。ハウツー本の受け売りらしい。改めて思うが、僕はかなりの割合であの人に影響を受けているなぁ。地球に帰ったら、無断で数ヶ月バックレてた事だけは菓子折りもって謝罪に行く事にしよう。敵意。全力の突進。飢えもある。大きく頭を振って手っ取り早くついばもうともするだろう。

 再び眼前まで迫った緑色の塊に対して、大げさなまでに距離を取ってその巨躯を躱す。

 こっちだって何も毎日ボゥギフトを走り込んでないぞ。

 それに突進なら鹿野ちゃんで見慣れてるし、なんならそっちのが速いまである。見れば僕の後ろにあった岩が、鶴嘴の如き口先で粉々に砕かれていた。これからも走り込みは続けようと心に決める。健康の為にもね。

 

 先程は気分良く吹き飛ばせた矮小なムシケラが生意気にも自分の突進を避けた事実に、明確に目の前の獣が苛立ったのを察する。

 その混じりっ気のない怒気に、思わず小さく身震いしてしまった。他者の気持ちがわかるのも考えものだね。

 飛べもしない未成熟な翼を羽ばたかせ、まるで癇癪を起こしたように地団駄を踏めば、ドスドスと重量級な足音が地に響く。

 舞った緑色の羽毛を気にも止めず、彼はオレンジの嘴をガチガチと打ち鳴らし敵愾心を露わにする。

 本気で怒っているぞと、相手を萎縮させる為のアピール。言語を解さないが故の、直截的なまでの威圧。

 

 しかしこんな真剣に戦ってる相手がクソでかいだけの緑の雛だってんだから、つくづく僕はカッコつかんというか……ま、普段荷物持ちしかしてない奴にはお似合いか。

 とはいえ車くらいデカいと雛でもかなり怖いもんだな。質量差ってのは馬鹿にできんわ。

 

 

 ボゥギフトから片道3時間かかる草原まで来た僕たちは、冬支度の為に大玉雛をハントしていた。

 大玉雛とは軽自動車くらいデカくて緑な飛べない鳥の雛の姿をした魔獣である。

 この雛が成長したらどんな鳥になるのかは、未だに分かっていないらしい。

 なんでもタマゴも見つかっておらず、人の飼育下ではどれだけ大事に育てても、この姿のままぶくぶく太って大きくなるだけなんだそうだ。その場合は交配もしないとか。

 だからこの生き物はこの姿でもう大人なんじゃないかっつー話もあれば、やっぱりなにがしかの自然条件下で成体になり子を成すのだろうっつー話もある。

 聞けば聞く程謎多き生物だが、トビキイロオオフシトカゲも大抵謎生物だったからまぁそんなもんなんだろうな。

 もちろんこの異世界生物学の講義もラウ爺さんによるものだぞ。

 

 ま、なんにしろ大変食いでがあって毛皮も取れて羽毛も山ほど取れるので、この世界ではかなり重用されている生き物と言っても過言ではないだろう。

 ご飯屋さんで出るお肉、たいていチキンかトカゲ肉だからね。いや地球のチキンと同じ感じじゃないんだけど。結構硬いし、なんか噛んでると粉になる感じがあるんよな。でも噛み応えって美味しい。肉な時点でウマい。

 食糧事情が悪くないあたり本当に良い異世界だココは……。

 

 で、今はギルドの依頼も含めて何事も無く6匹討伐済みでバフ付与済みハッチーもギシギシ言ってんだけど、最後の一匹をみんなの見守りの元僕が単独で狩らせてもらっているってワケ。

 

 

 とりあえずこれだけ膂力が違う以上、僕は防御ではなく回避に専念しなければならない。

 倒す倒さないの前段階として、死なない為にすべきことがそれだ。

 ダメージが許容量なら被弾覚悟で時短できるが、一発でダウンとられるしなんなら死ぬってレベルだったら、時間をかけて慎重策をとるしかない。

 問題があるとすれば、それは僕がいったいいつまで避け続けられるかってコトと、攻撃を避けてるだけじゃ相手は死なんというコトだ。

 これは後詰めや後衛からの援護射撃があって成り立つ単なる時間稼ぎでしかなく、今回はそれに頼らず僕がダメージを与える必要がある。

 

 さてはて、どうしたもんかな。

 今まで自分一人で戦うという経験がほとんど無かった僕にとって、命を賭けて稼いだ時間で状況打開の手を探るというのは至極新鮮な感覚だった。

 以前のスライムリュックやクッションの如くなんやかんや用意してきたが、まだそれを出しても相手に対応されてしまう余地がある……気がする。

 そんな事を考えながら、もう一度突進を回避する。

 もはや怒声に近い鳴き声が、そのまるまる太った身体に相応しい声量で発された。

 そうだね、腹立たしいよね。

 今まで数えきれない量啄んできたような、小さく弱い生き物風情が何度も自分の攻撃を避ける事に、鳥君はとても苛立ってしまっている。

 それでもなお攻撃手段を変えないのは、彼がそもそも離れた相手に対する攻撃手段として、突進以外の方法を持っていないからだ。

 ごめんけど、これはズルして事前に調べて来ちゃった。

 ほら僕ってテスト前日に詰め込み勉強するタイプだからさ、今回も夜の酒場で先輩冒険者から一夜漬けしてもらってきたとこなんだよ。

 

 ただねぇ、あの人らから聞いてた攻略法は、ちぃと使えそうに無いかもなんだよな。

 どうも突進避けて追いすがり剣で真っ二つってのがセオリーらしいんだが、実際に目の当たりにしてみるとあの速度に追いつけるワケないしあんな丸々とでけぇのを真っ二つにできる気もしない。炭治郎が岩斬るのにあんだけ苦労したんだから、苦労していない僕がこんなの斬れるかって話だ。

 つまり僕だけの攻略方法を今この瞬間に叩き出すしかねぇってこと。

 コソ勉しといて出題範囲を間違えたようなもんだからバカの誹りは甘んじて受けよう。

 しかしそもそも僕は攻略サイトは見ないタイプでね。

 プレイしながら手持ちの道具で答えを探るのは、わりと得意な方なんだよ。悠長にゲームしてる時間あんま無くて、惰性で長時間プレイはできなかったし。

 

 もう一度繰り返されるソレを、ある程度余裕をもって回避した。余裕をもって、回避できるようになっている。

 なにもこれは僕が「この短時間で戦闘の中成長している……!」みたいな主人公タイプだからっつーワケじゃなく。

 相手の方がフットワークによるフェイントに露骨に引っかかり始めているだけ。

 つまりはやっこさん、相当頭に血が上ってきてるらしい。

 そんなに怒りっぽいと人付き合い難しいだろ、老婆心ながら心配になっちまうよ。

 そういう時はアンガーマネジメントだ。どうも怒りを感じた時は6秒目を瞑って待てば良いらしい、ちょいとやってみねぇか。そうしてくれれば僕も近づいて切れる。

 

 どっこい……しょっ、と!

 これで7回目の回避。

 途端、これまでとは純度の違う殺意を纏った視線が僕を貫く。

 お、ようやくみたいやね。

 

 度重なる煽りにブチギレて、大玉雛が目の前の獲物を殺す事に本気になったのだ。

 もうあの子には僕しか見えていない。

 その視界には僕しか映らなくなった。

 そんな感情を、そんな思考に似た機微を、そんなバステ状態を、動物特有な剥き出しの敵意から察する。

 

 じゃあそろそろ終わりにしようか。

 パターン入ってからが長いと見てる視聴者が飽きちまう、でしょ?

 なによりそろそろオーディエンスの方々が、手を出したそうにウズウズしてきてらっしゃる。

 僕はインディージョーンズじゃないから、固唾を飲んで見守るみんなをハラハラドキドキさせるのは本意ではない。これは僕だってこんだけできるってのを証明するための時間なんだから。

 

 

 僕はあえてフットワークを最小限にし、体当たりの方向をできる限り絞り込みつつ、鞄のサイドポケットに入れていた物をコッソリと手に取る。

 これまでで一番速いタックルを、すんでのところで紙一重の回避。

 直後、甲高い悲鳴が上がった。

 走っていた大玉雛が、爆走の勢いそのままに地面へ激突し転がる。

 

 その足裏に深く突き刺さった、いくつもの金属製の刺々しい異物。

 それはボラ釣りの釣り針をデカく太く直角にしたような形だ。

 今週のビックリドッキリメカコペルニクス1号、いわゆる一つのマキビシである。ニンニンつってなガハハ。もしも大玉雛が万全の状態なら、三度目の突進の頃なら、脚捌きだけで躱された事だろう。しかし怒りに我を忘れた彼に、足元を見る余裕はない。

 返しも付いてんのにスゲー切れ味良いだろ? なんてったってヒダルさん特注品だ。お金があるとこういうのも用意できていいね。

 非力で鈍足かつ反射神経も人並みな僕は、こんな小手先の小細工で差を埋めていくしか無いんだ。

 卑怯な手で悪いね。でも忍者は汚いもんだろ?

 

 大玉雛が立ち上がろうとすると、鉄の棘はより深く食い込み激痛を与える。

 再び体勢を崩し倒れ込んだ所へ、僕は剣を腰溜めに構えて突進し根本まで突き刺した。

 刺さったのは脇腹だが、これだけ深く刺されば臓器まで達しているだろう。

 そのまま渾身の力を込めて剣を数回捻り剣先で体内を掻き回し、引っこ抜いて離脱……りだ……ぬ、抜けん!!

 痛みから羽ばたき危うく手羽でぶん殴られかけたので、やむを得ずバックステッポでカカッと距離を取って足がもつれゴロゴロ転がった。ゲェーッ!

 

 大玉雛は身悶えする度にちょっと抜けてきた剣から止めどなく大量の血液が流れ、マキビシが深く刺さった足では満足に歩く事もできない。

 これが四本足ならなんとか歩くことはできただろうが、二本足の飛べない鳥にマキビシは致命的だったらしい。

 恐らく……このまま放置すれば死ぬ、と思う。

 まだいくつか小道具はあるのだが、小道具過ぎてトドメをさせそうなものは無く手の出しようが無いのだ。

 タッパがデカいからタフネスも桁違いだろうし、失血死するまでは時間がかかるだろうが、しかし助かることはあるまい。基本的に野生動物は己の怪我を治す術を持たず、保有するカロリーに任せた自然治癒能力で命を永らえるしかない。まぁ高位の魔獣であれば治癒魔法くらい使うだろうが、大玉雛が魔法を使うという情報は皆無だった。

 そんな彼らが人の作り出した悪意の細工に嵌ってしまうと、遅かれ早かれ衰弱して死んでしまう。

 だから、醜くても情けなくてもカッコつかなくても、この生存競争は僕の勝利なのだ。

 

 駆け出し冒険者がオオトカゲの次に狩る程度の魔獣を倒すのにこれじゃ、僕がみんなの足を引っ張らず自衛できる域に達するまでどれだけかかることやら……。

 達成感もあるにはあるが……命を殺めた感触が残る手の方が、ずっと印象的だった。

 論理で脳が納得していても、実際にやってみるとまた違うようだ。

 普段僕の分を受け持ってくれているみんなに、心から敬意が湧いてくる。感謝をしているつもりでも、まだまだ実感として理解はできていなかったようだ。甘えた性根が嫌んなっちゃうね。

 

 

 

「青海君、お疲れ様でした。怪我はありませんか? ……やはり、一度目の接触で跳ね飛ばされた際に数カ所擦りむいてますね。複数個所打撲もあります。消毒しますから動かないでください」

「アオ、よくやったなァ! ヒヤヒヤさせやがってまったくこのぉ!」

 あ、ありがとう委員長。心配かけちゃって申し訳ないです先輩。お゛あーしみるしみる!

 ずっと遠巻きに見ていてくれた委員長や明星先輩たちが思い思いのことを口々に話しながら、近寄ってきて肩を叩き膝を消毒し服の土を払い危うくそのまま胴上げされかけた。

 おわわわわわ勢いすごい勢いすごいすごいすごい落ち着いて落ち着いて!!

 

 今まで一度も魔獣を狩った事が無いのを思えば、これはある程度の進歩とは言えるだろう。

 言える、とは思うのだが……これじゃまるではじめてのおつかいじゃんねぇ。これには思わず我ながら苦笑いだ。

 自分のなんとも恵まれた過保護な境遇に、ほとほと情けなくなってくる。いやめちゃめちゃありがたいし、安全に経験を積ませてもらえるのは理想的なんだけど、しかしあまりにちょっと自立できてなさ過ぎやしないか。

 こーれちょっと良くないっすね、ヒモっつーか愛玩動物に近いぞ。

 いやみんなが望むならペットになる事に否やは無いが。お手もおすわりも完璧だし。だてに高校入ってねぇからな。

 珍しく対抗心が刺激された僕は、犬猫たちに学歴マウントを取り自身の尊厳を守る事に成功した。これで守れてしまう事が悲しいよ。

 

 しかし……得てして室内飼いの動物は、自分じゃ何もできなくなるのが定番だ。

 それを危惧して今回一人で狩りをさせてもらったのに結局これでは……あんま意味が無いんでないか? という思いが鎌首をもたげた。

 プライドや矜持なんて安っぽい問題じゃなく、単にみんなと同じ場所に立てなくなってしまう事を僕は危ぶんでいる。

 男の子だから荒事もできらぁ!とかじゃなく、もうホント単純にみんなの戦闘の邪魔になったらダメでしょっつーこと。

 バフ職な僕は……いやヒモを職と呼称するのは抵抗があるが便宜上そう呼ぶとして、その性質上僕は戦闘などが起きた場合常にみんなの傍にいなければならない。

 これは緊急時にみんなが財布をパージして更なるバフの増強を図ったり、などのバフ強化が柔軟にできるからだ。

 その時に最低限自分の身を自分で守れないと、みんなが全力で戦う事ができなくなってしまう。

 野盗の時しかりコールダウさんの時しかり、不意打ちに弱いんだよなぁ。

 なのでこの前全身鎧を着込む事も試したのだが、それはそれでみんなの移動スピードについてけなくて迷惑かけちゃうんだよね。

 ……果たしてこの問題が解決する日はくるのだろうか。

 

 

「んじゃ、苦しめるのも可哀想だから〆ちまうぞ」

「……ハイ、すみません。先輩」

「なに、気にすんな。これなら間違いなく時間の問題で死んじまうよ。お前はちゃんと狩れてたって……ま、次からは予備の剣もあっていいかもな」

「……ですね、肝に銘じます」

 

 僕が時間をかけ苦戦していた魔獣を、苦しませぬよう一発で屠る先輩の後姿を見ながら、僕は深くため息をつくのだった。

 みんなの神から与えられた壊れないし手元に戻って来る武器を見てたせいで、予備の武器という発想が無かったのは僕の落ち度だね。

 しかしこのままじゃ山ほど武器背負う弁慶みたいになっちゃいそうだぜ……。

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