ーーーAlice著【個性の変遷記録】より一部抜粋ーーー
仮免試験。日本のヒーロー活動に於いて高校生が最初に挑む試験であり、その殆どはニ年生である。ではこの会場はというと、かの有名な雄英高校の1年が参加していた。勿論のこと周りの学校達は舐められていると感じているが・・・実際に絡みに行かない辺りそこら辺の線引きはできているようだった。
第一試験は篩い落とす為の試験。合格者から抜けていくタイプのバトロワであった。コスチュームに的を三つ付け、それら全てが点いたらアウト、脱落である。二人を脱落させたら合格である。的を点灯させる為のボールは最初に二つ支給される・・・つまり漁夫の利が一番強いとされる戦法だが・・・
今回の試験、一つ誤算があったとすればそれは士傑だろう。一人の男が数百という数を脱落させたのだ。これには流石に驚かされた。その後は雄英を重点的に狙う様々な人を捌きつつ順調に合格して行った。そして、第一試験にて脱落した雄英生は居なかった。これに対して観客席で注目を浴びていた*1蛇寧一彩は(まぁ当然)とは思っていた。・・・思っていたかは謎だが。何をどう考えてるのかわからないのだから。
第二試験が始まる前、公安が近づいてきていた。俺・・・蛇寧一彩は嫌な予感を感じつつ話を聞く
「貴方に第二試験の敵役を頼みたいのです。確か姿を変えることもできたでしょう?」
この声・・・どこかで聞いた事のある声だ。どこだ・・・?あぁ、本家か。つまり俺の事情を知ってる側だな?
「あぁ、そうだな・・・分かった。出よう・・・何、手加減はしないしなんなら悪化させてやるよ」
そして案内されるとギャングオルカ*2が居た
「貴方も敵役なんですね・・・過剰では?」
と話すと彼のサイドキックらしい人が
「なんか今回だけ難易度物凄い高めるらしいんだよな。なんでかは教えて貰えなかったけど」
と答えた。そして俺も個性を発動させる準備を始める。どれが良いのだろうか・・・なるべく俺だとバレないのが良いな・・・となると魂魄による龍化は避けて・・・
「その姿について聞いても良いかね?」
と、ギャングオルカが話しかけてきた。
「・・・リヴァイアサンと名乗っておこう」
彼は人である。当然だ。でなければ人権を持たないのだから。
彼は創世の一族である。これもまた当然だ。個性とDNAがソレを証明している
しかし彼は化物である。異形型の個性とはまた違う、本物の化物であった。もしオールマイトなどが見たらギガントマキアなどと間違えそうではある
ソレは白い鱗に身を包み、空中に浮遊している。ソレは周囲のことなど気にせずにただ時を待つ。そして、呼ばれ、進み、暴れる。ソレこそが役目なのだから
ヒーロー仮免二次試験【実地想定】
HUCの人達を被災者想定とし、神野区を元にした仮想都市にて救助試験を行う。HUC及び観客席からの公安による減点式の試験である。その試験の想定は【ヴィランが暴れている】のである為、勿論ヴィラン役はいる。・・・だが、その人数は普通1だと思うだろう。まぁヴィランサポート役もいる訳だから1ではないが・・・
彼らの視界は突如暗くなる。ふと上を見ると、白いナニカが飛んでいる・・・いや、浮遊しているというべきか。まずソレに挑んだのは偶々手が空いていた爆豪であった。
しかし、その直後彼はナニカに弾かれるように地面に墜落する。彼は何があったのかは分からない。ただ【弾かれた】事のみである。そして周囲に告げた
「アレは多分【斥力】だ!何かの制限はあるはずだから空中でヤれる奴ぁ俺様について来いやぁ!」
正解である。かつて封印された時は胴体全てに斥力を貼ってしまった状態で【正面から】の一撃にて封印されている。しかし残念な事にこの試験会場で空中に対処出来るのは数が少なく、その中でも特にヒーローに近いと言える夜嵐イナサはギャングオルカの対応をしている。ソレ故に爆豪は【一人で】この【化物】に挑む必要があるのであった
(どうする・・・!?誰も来ねぇなら一人でやるしかねぇが何も思い浮か・・・いや、何かしら制限はあるはずだ・・・!舐めプ野郎なら個性の併用はしねぇよなぁ!?【アレ】試すか!)
地上では凡そ四つのグループに分かれていた。
1,HUCを救助する人達。人命の救助は求められている資質の為やらなければならない
2,救護室にて対応する人達。これもまた大事な事である。救出よりも救護の方が向いている個性の持ち主もいるだろうから。
3,ギャングオルカ及びそのサイドキックの対処をする人達。これは数が少ないが、ヴィランの退治も重要なファクターであると言えるだろう
4,上空の化物の恐怖感にアてられて動けない人達。彼等はヒーロー失格である為確実に不合格になるであろうし、不合格者用の追試等々も受ける資格は無いだろう。
あとは化物に挑んでる爆豪(ソロ)。これはもはやしょうがないと言えるだろう。ある程度被害は出るだろうが、どこまで抑えられるかを試験管は見ている。
彼はさまざまな方向から複数の技を試している。ソレは広範囲だったり、一撃の威力が高かったりと対ヴィランに対してはとても有能である事を示しているが・・・生憎リヴァイアサンには届いてない。しかしソレでも彼は焦っては居ない様だった。彼はリヴァイアサンの正面へと向かい、強力な一撃を溜めている。
「俺の想定通りならコレぁ通るよなぁ!?・・・APストライク:バスターシフト!・・・時間差ァ・・・クラスターァァァ!」
その一撃が放たれた時、リヴァイアサンの周辺にて囲うように爆破が起きた。ソレに対して斥力が発生していると、正面から来る本命に対処出来ずに、リヴァイアサンに当たり・・・池に落ちていった
彼はその風景を見ている余裕は無いのか、即座に追撃を行った。確かに理屈は分かる。落ちているだけでは仕留めたか分からないなら明確に仕留めた方が良いのだから。そしてその一撃を入れようとしたその瞬間
『ただ今を持ちまして、HUCが全員救助されました!ソレに伴い、二次試験の終了を宣言します!』
とアナウンスがなる。爆破寸前で止められた爆豪はどうすればいいか分からず、なんとも形容しづらい、それでいて怒っているのは分かる顔をしていた。
リヴァイアサンに変身していた彼は、そのままどこかへ去っていった
「お疲れ様でしたー・・・ギャングオルカは相当やられてますねぇ?」
すると、サイドキックの方が答えてくれた
「そうなんだよ!すげー人が何人かいてさ!俺達なんかすぐに捕縛されちゃってさぁ・・・でも君もやばかったよね?最終的に一人にやられてたけど」
まぁ爆豪一人にやられたのは別に気にして無い。対して本気でもなかったしなにより【人型】ではなかったからな。自然災害のようなもんだ。
「まぁ俺の姿見て動けなくなってる人達とか目立ってましたし役には立ったんじゃないですか?」
と答えておく。なにせ俺の役目は【ヴィラン役】だ。勝つ必要なんてどこにも無い。ヒーローの選別が出来ればいいのだ。
「そろそろ結果が発表される頃だ。見に行くぞ・・・そう言えばヒーローネームを聞いてなかったな。職場体験の頃から名前は変えたと聞いたがどうしたんだ?」
「いやぁ、悩みましたよ。アラヤではなくなったんですから。かといってガイアを名乗る事も烏滸がましいですし・・・なのでこうしました」
【ステラ】
次回は結果発表からです。・・・星を守護する事もなく霊長足る所以もないなら彼はどこに向かってるんでしょうね?