歴史の業が行くヒーローアカデミア!   作:柳瀬塔矢

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彼の活動理由は情状酌量の余地があると言えるだろう。それは当時の社会の負の面なのだから。ーーーまぁ、だからと言ってやった事全てが許される訳ではなく、それ故に今の社会の分裂に繋がっているのだが

ーーーAlice著【個性の変遷記録】より一部抜粋ーーー

尚第二版以降にこの文章を確認する事はできなかった



結果発表ーーー!(某格付けのアレのように)/崩壊の序曲

 

掲示板に張り出された文字列に人々は歓喜し、悲しむ。誰が落ちているのか、誰が落ちてるのかが分かりやすくなっているからだ。

 

「A組!なんと全員合格だぁ!」

 

そう、なんと全員合格だったのだ。本来ならば轟と爆豪が不合格であり、これから行われる追試で合格するという話だったがここでは違う。爆豪は言わずもがな一彩・・・いや、個性的には龍牙か。龍牙の対応をしていた為救助した人が少なくなっていたことにより減点が少なかった。その為ギリギリではあったが合格であった。また、轟は1vs18の頃に負けて以来協力する事などを知り夜嵐との蟠りが残りつつも的確に対処することに成功。それによって合格していたが、これはすなわち轟側が引いただけに過ぎず夜嵐の方は不合格だったりする。

 

そして公安の目良の話は続く。

 

「えぇ・・・今回不合格だった人の中でもまだ再起出来そうだと認定された人の用紙には追試に挑める為の諸々も記載されてます・・・なので・・・」

 

A組達はその言葉でなんとなく察していた。追試を受けるにも値しない人達が普段よりも多いことに。実際爆豪なんかは空中にいた為に分かりやすかったが、彼にアてられて動けなくなっていた人も多かった。まぁそんな奴らは揃って糞雑魚だからどうでも良かったのだが。

 

そしてそんな彼らに一彩が近づく。

 

「よっ、全員合格おめでとさん」

 

その飄々とした姿に爆豪が苛ついているが、それ以外は普段通りである。

 

「今後お前達は【一学生(タマゴ)】ではなく【ヒーロー(プロ)】として社会に姿を晒すことになる。今のこの弛んだ社会を引き締められるように頑張れよ?俺に負けるなよ」

 

すると爆豪が「そういやテメェ」と詰め寄って来た

 

「名前変えたんだってな?何にしたのか言えやゴラ」

 

一応彼なりの配慮でもある。ヒーロー達はヒーローネームで呼び合う為変更しているのならそれを通達しておくべきなのだ

 

「ステラ。霊長(アラヤ)でもなく星の守護者(ガイア)でもないのならば我は(ステラ)そのものであろう、ってところから来たな」

 

「けっ、そうかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィランサイドは慌ただしかった。オールフォーワンが敗れ、明確なトップが居なくなったのだから。そんな中、死柄木弔達【敵連合】と絶滅危惧種たる極道、治崎廻(オーバーホール)率いる【死穢八斎會】が手を組んだ。・・・のだが、その実態は若干違う。なにせ死柄木は最近多重人格の可能性があるのだ。そう、半洗脳状態の死柄木と純粋な悪である志村転孤の二つの人格がせめぎ合っていた。しかし彼らには個性【2倍】のトゥワイスがいる。肉体を増やした時、それぞれの人格が別れたのだ。そのせいなのかどうなのかは分からないが、別れた先の肉体、志村転孤の方の耐久力はそのバグのような何かによって泥のように柔らかい物ではなくなんと元に戻る事は無くなっていたのだった。二人の外見は瓜二つな為治崎も気がついていない。・・・なので死穢八斎會にいる【エリ】に対する扱いが違う。死柄木は無視をするが、転孤は無視をしない。その為死柄木がメインで対応している。

 

そして何が問題なのかというと・・・転孤の個性は既に覚醒していたのだった。それ故に何を崩壊させ、何を残すのかを直接触れているのならば選ぶ事が出来るようになっているのだった。・・・つまりだね、転孤は全員に黙ってエリを助けていたのだ。元々マグネを殺された時から崩壊させる事は決めていたのだから、ヒーローを使って壊せば良いと考えていたのだ。それにエリの個性は身に余る物だ。

 

・・・なので死穢八斎會はエリを探しているのだが、その為なのかヒーロー側が準備していることには気が付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また視点を戻す。

 

全寮制になってからというもの、ほとんどの生徒は余り外に出る事はなかった。しかし蛇寧一彩はそのほとんどに当て嵌まらない例外であった。なにせ【元No.1ヒーロー】の一族を継ぐ可能性のある為時々本家に顔を出す必要があった。

 

 

 

 

・・・ところで覚えたいる読者はいるだろうか。彼が覚えているヒーローに【ヨロイムシャ】がいた事を。そしてそのルビに【姉を襲ったクソ野郎】と振っていた事を*1。この時期なのだ。彼が彼たる所以は。・・・まぁ龍牙としての人格方向はそのヨロイムシャが起こしたとある事件が起因している。

 

一彩には姉がいた。名前は桜。母体としての優秀さでは劣っていたが、家庭的なスキルはとても高く、彼としても自慢の姉だった。美人であったが故にそんな姉をナンパする人も多かったが、その時は率先して守っていたし、守れることを誇りにすら思っていた。しかしそんな秋口の頃、自宅から悲鳴が聞こえて来た。これまでで一番血の気が引いたが、身体は走り出していた。普段は行わない個性の使用という逮捕される可能性すら考えず、姉の元へと向かった。そして見た光景は・・・忘れることができない。最愛の姉がクソみたいな見知らぬジジイにレイプされていたのだから。脳が否定したがっていた。目の前の事象はまやかしか何かだと。しかし彼の姿を見て逃げたソイツの存在が現実だと引き戻してくる。・・・その光景が脳裏に焼きつき、日に日に憔悴していく姉を見て、犯人を殺すと決意した。どうせ学校には行っても意味がないのだ。ならばあのクソ野郎を特定して殺すと。二度と蘇れぬように殺してやると決意した。

 

それからの行動は早かった。近くの魂の痕跡を探すという荒技にて犯人は特定できた。しかしそいつはヒーローだった。・・・そう、ヨロイムシャだ。本名【草薙清十郎】*2・・・なんと名前からかけ離れた男なのだ・・・と失望までした。その日だ。9月25日。最愛の姉が自殺した。遺書には生きていくことが辛い事など書いてあった。・・・認めよう。もし緑谷と会わなかったら俺は人類を殲滅する修羅に成り果てていただろうと*3

 

あぁ憎たらしい。あのクソジジイがいまだにヒーロー活動をしている事が。なんもなかったかのように生きていることが!警察も旧公安も何も動いちゃあくれなかった!*4あぁそうだ。自殺なのだから!だからこそ、俺がヨロイムシャ・・・いや、草薙清十郎を殺す事が俺がヒーロー科を受けた理由だ・・・!殺した後はどうなろうとどうでもいい!家の事は俺の他にも適正者はいる。だから・・・せめてあのクソジジイだけは・・・!

 

・・・そういやあいつらはどっかの島で一週間くらいのインターンだったか?*5俺は本家の事情から免除されたがこうやってこっちに送られたんだし・・・

 

 

 

本家にはいろんな血筋がいる。もちろんその全家が一人っ子って訳じゃあない。姉妹とか兄弟とかは普通にいる。・・・なぜ今その話題を出すかって?・・・雄英の敷地を出て少しした所で如何にも家出して来たと思われる幼女がいたのだ。それも身体中には包帯・・・虐待で確定だが・・・この子を今雄英に入れたくない。それなら本家に育ててもらった方がいい。カルラ婆とか面倒見いいから育ててくれるだろ。

 

「・・・名前、言えるか?」

 

「・・・エリ」

 

やはりか・・・そうだ。死ぬ前の姉さんに似てるんだ。・・・なら助けないとな。ヒーローを殺すヴィランに成り果てようともそれはこの子には関係のない事だ

 

「家が怖いのか?」

 

「・・・うん。じっけんとかいって、いたいことされる」

 

「・・・なら俺がとりあえず誰も手が出せない所に連れてって助けてやる。・・・安心しろ。【俺が居る】」

 

「・・・ヒーローさん?」

 

「そうだな。ステラだ。よろしくな」

 

この子は恐怖からかあまり感情が表に出ていない。そんな事をしたこの子の親は許されない・・・!どうせヴィランに認定出来るだろうよ・・・!

 

 

 

 

 

*1
6話参照

*2
オリジナル設定

*3
実際平行世界では緑谷と合わない場合所謂映画のラスボスとして登場する・・・が、その時空は所謂原作時空とヨロイムシャが死んでる事以外変わりないのでOFAはなくなっている。まぁ【魂魄】の影響で一時的に蘇るとかいうご都合主義的な展開になるが。・・・まぁそんな事はまたいつか書こうと思う

*4
創世の一族を対応している公安の人は別件で動けなかった。そんで旧公安はクソだからね。この一件もレディ・ナガンが動く理由の一部になったのは本人は知らない

*5
映画のやつ。映画に出るとこいつ受難が受難じゃなくなるし・・・っていう。なに?原作よりも強化されてる?まぁそこはほら、OFAを一時的に渡す必要がなくなったって事でひとつ






・・・もし、桜が生きていた場合でも彼はヒーロー科を目指します。だがその動機は【家を継ぐ】程度なのでそこまで介入しません。なんなら相澤先生に除籍にされる可能性すらあります。幸か不幸かヨロイムシャを殺すと言う原動力、そしてその果てについて考えてしまったから強めに介入しているのです。・・・そしてそれはどうなるのか。それについてはまだまだ先の話

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