歴史の業が行くヒーローアカデミア!   作:柳瀬塔矢

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ソレは3番目の業である。ソレは物質を透かし、個性という業を超越した

ーーーAlice著【個性の変遷記録】から抜粋ーーー


実践訓練ってその状態になった時点で現実ではかなりアウトじゃない?

 

 

俺の個性は【魂魄】。魂を観る個性だが案外役に立たない。なにせ相手の個性を見る事くらいしかできないのだから。まぁ魂に干渉なんて使い道もあるが生者に使ったらヴィラン扱いされるのだから。だからこそ俺は【オールマイトの個性】と【緑谷が個性を得た方法】がわかるのだが・・・これって国家機密級だよな?アメリカのスターアンドストライプのような扱いだよな・・・黙るしか無いんだよなぁ・・・

 

 

 

今は戦闘訓練・・・らしい。そんでペアは口田か・・・特にやる事ないな。個性使っても意味ないし・・・アレを試してみてもいいかもな

 

そんで初戦は緑谷・麗日ペアと爆豪・飯田ペアか・・・オールマイト2世とインゲニウム2世の対決か?いや、爆豪がノイズだな・・・

 

初手奇襲とはやるじゃないか。戦において奇襲は正義だしまともじゃないか。なんでこいつらはそんなに怒ってるんだ?

 

・・・爆豪と緑谷は同じ中学校だっけ。なら爆豪の癖は読まれてるだろうが・・・緑谷は個性に慣れてないな・・・オールマイトも教えるの下手か?0・100しか教えてないのかよ・・・おっ、緑谷・お茶子ペアの勝ちか

 

「それじゃあ今回のMVPは誰か分かるかな?」

 

「そんなの誰も居ないでしょ。この想定だと負けるのはまず論外、時限式にしなかったヴィランはその時点で論外だしヒーロー側は核を奪われてる時点でアウト。強いて言うなら爆豪でしょ。及第点は。・・・建物の損害?ヴィランにそんなの聞くなよって話です。核を奪って起爆出来る時点で死ぬ覚悟はできてるんですし最悪爆破心中も視野に入れて行動するのが普通のヴィラン。なら建物が崩壊して起爆してもヴィラン側からすれば問題ないじゃ無いですか。なんでアウトなんです?ヒーロー側なら分かりますがヴィラン側ですよ?問題なんてないじゃ無いですか」

 

・・・なんでドン引きしてるんだ?設定に忠実であるべきだろ?

 

「・・・ま、明確にヒーローとヴィランに分けたのが間違いでしたね、そもそも核を奪ってる時点でその手の個性持ちは居るでしょうしヒーローもどきが行っても足手纏いですし・・・俺VSその他とかでどうです?さっきの感性のままなら俺は負けませんよ。主席として」

 

その言葉に全員が一つになったと言っても過言では無い。大怪我を負った緑谷は居ないが、他18人は戦える。爆豪も良い感じにあったまって居るだろうが・・・

 

「・・・うん。それもいいかな!じゃあ蛇寧少年がヒーロー側、他はヴィラン側で始めようか!」

 

「あ、始めるタイミングはいつでも良いですよ。幾らでも準備してよ。それくらいじゃ無いと核なんて奪わないだろうしね」

 

 

 

そして始まった俺VSその他。推薦のエンデヴァー2世と八百万の嬢さん、インゲニウム2世辺りはキツイかな。俺は始まるまで個性の調整をする事にした。

 

「目に使えるなら他の場所でも使えるはず・・・因子を流して、回して、満たして・・・」

 

瞬間、身体が埋まる感覚が脳を襲った。ついに成功したのだ。物質ではなく身体に個性を使えるようになったのだ!

 

「この全能感は何度でも味わいたいねぇ・・・」

 

すると、オールマイトから「スタート!」の合図が聞こえた。まずは悟られないように手をポケットに入れ*1焦らず、ゆっくりと歩を進める核の位置はわかった。時限式でもなく特に起爆スイッチがあるわけでも無いなら触れて落とせば勝ちか。

 

「・・・緩いな」

 

先程試して分かったが、魂魄とは重力から解放されている状態の事らしい。ならば脚のみなら・・・

 

「やはりか」

 

壁を歩くことも可能なのだよ。なんか「ずっけぇ!?」とか聞こえるが出来ることをやってるだけなのだがな。個性は能力なのだから問題などないだろう?

 

そのまま核のある一個上の階から建物に入り、床越しに核の位置を探る。そのまま真上に立てば・・・ここに人がいない理由は分からないが、罠だとしても問題ない

 

「魂魄」

 

上からの奇襲、障子は気づいてそうだが・・・上まで聴覚を張って無かったな?だから弱いんだよ・・・高校一年生だからなんだ?プロとは生まれながらにして目指すものだぜ?

 

そのまま核に触れて、核ごと落ちる。魂魄を物質に付与してる時、その質量は俺に対しては無視されるからどこまでも運べるのはとても楽だと思う。

 

『そこまで!ヒーロー、WIN!』

 

コレで俺の勝ちだ

 

「それじゃあ反省会と行こうか!何故この人数差で負けたか分かる人は居るかい・・・蛇寧少年は除いてね!」

 

そこで手を挙げるのは八百万さんか・・・まぁ的はずれな時もあるが回転率が高い事は認めるからな。

 

「常識に囚われ過ぎていた事、想定のパターンが少なかった事、想定外に対処できなかった事でしょうか」

 

「まぁそれくらい分かってれば及第点かな!実際の現場ならもっと間違いは多いけど・・・それは自分達で探してみたまえ!それでは今日のヒーロー実践学はここまで、さらばだ!」

 

 

 

その後、教室に戻ると爆豪が帰ろうとしていた。

 

「残れよ、爆豪」

 

「あぁ?何故だクソが!」

 

「この後お前らに反省点を述べていこうと思ってな。お前にも伝える事はあるから残っていけ。後で伝えるのは面倒だ。それとも逃げるのか?入試で主席にもなれなかったプライドマンがここで主席から逃げるのか?」

 

「チッ、逃げるかクソがぁ!」

 

そして全員集まって

 

「よし、なら反省会を始めようか。まず緑谷」

 

「あっうん!?」

 

「お前の個性の扱いは悪くは無いが今のままでは良くもない。もっと頭を柔軟に回せ。常識に囚われるな。一週間、全力で考えてみろよ。お前は既に自傷せずとも個性を使えるんだぜ?」

 

「・・・うん。分かったよ」

 

「そんじゃ本題だ。俺から見てのお前らの間違いを映像付きで教えてやる。心して聴くように」

 

映像は核の位置を決めるところから始まっていた。まずはそこで止める

 

「はぇーよ!そんなに間違ってたか・・・?」

 

「そりゃそうだろ。なんで見てわかる場所に置いてるんだよ。個性持ちが十八人だぞ?隠すのが定石だろ。轟ならソレが簡単だし爆豪や八百屋さん、芦戸さんならそれの手伝いも出来る。口田は特に手伝うことはできないが異形系特有の力の差はあるからそう言う部分の補助は出来たな・・・ちなみにどこに隠すのが正解だと思う?」

 

その言葉に全員が悩んでいる・・・流石に思いつかないか?

 

「正解は地下だ。何故か分かるか?」

 

それに答えるのは爆豪だった。

 

「チッ成程な・・・地下に隠してしまえばヒーローは周囲に影響の出る個性の使い方ができねぇ。さらにヴィランが捕縛された後にも発見されねぇからいつまでも警戒体制が解かれねぇって事か」

 

「そうだね。更に言ってしまえばビルの倒壊=心中になるから捕まっても問題なくなるっていうメリットがあるよ」

 

そして映像は流れて行き、スタートのタイミングで一旦止める

 

「んじゃここで君達は準備が終わったと誤認していたわけだけど・・・何が問題だったと思う?主に三つなんだけど」

 

そこに答えるのは障子だった。

 

「俺の索敵が狭かった、建物の外で足止めをする役割が薄かった、遠距離持ちがいなかった・・・か?」

 

「まぁ及第点かな。正確としては『屋上からの侵入を想定していなかった』『入り口にしかトラップを設置していなかった』『核が爆発する仕組みを複数設置していなかった』・・・かな。個人個人での間違いとかはあるけど全体に言える事はこんな感じかな」

 

「んじゃ各個人での問題点を挙げてくねー

 

切島は屋上からの襲撃に備えるべきだったね。核の周りを守るだけが防衛じゃないよ。そこは今後学んで行けば良いかな

 

蛙吹さんはもっと個性の幅を広げようか。蛙なんて奇襲しやすい個性なんだから案外警戒してたのにちょっと残念だったかな

 

常闇は・・・本体よりもダークシャドウの方だよねぇ・・・もっと強化倍率あげてったら?後は守る場所を暗くするとかも出来たよね

 

轟は・・・何考えてんの?炎使わないとか馬鹿なの?家の事は知らないけど自分の個性封じてどうするのさ。そんなにエンデヴァーが怖いか?・・・それが治らないならお前はいつまでも弱いままだよ

 

八百万さんは・・・残念かなぁ。そんなに頭が回るのになんで屋上からの襲撃の可能性を捨てた?それとトラップの数少なすぎ。あれの5倍は欲しかったね。あとは核の起爆装置もあった方が良いし・・・作戦を立てるって事は負けた時の原因を背負う事だからね。そこ考えて動いた方が良いよ

 

飯田は・・・まぁ及第点かな。俺が上から奇襲しようと壁を登って核を超えた時にいち早く気づいて全速力で上に来ようとしてたからね。あとは小回りが出来るようになればまぁ問題ないんじゃ無い?速度はまだ遅いからそこは要改善かな。

 

尾白は普通なんだよねぇ・・・俺が物理効かなかったからあれだけど物理効く相手なら奇襲防げたし。

 

麗日さんは・・・もっと無重力の容量上げようか。ソレができればかなり戦略の幅広がるよ

 

青山は・・・そのビームはなんのためにあるの?脅せたよね?なんでしないの?脅せない理由でもあるのかな?

 

上鳴は・・・その放電が収束できるようになれば問題がなくなるんだけど・・・今回なら屋上とかで待機してると効果的だったかな。今後に期待

 

芦戸さんは・・・酸の種類を増やしたら良いんじゃ無いかな?物は溶かさず皮膚は溶かす酸とか核に覆われてたら奪いづらいし。今後に期待

 

耳朗さんはなぁ・・・俺との相性が悪すぎた。基本音が鳴らない俺に対して音の索敵は相性が悪いよね。まぁその索敵の効率は問題ないし攻撃手段を手に入れたらバッチグーじゃない?

 

口田はさっきも言ったけど今回の試験とは相性が悪かったね。現実を想定するならこんな場所に来た時点でアウトかな。まぁヒーローなら急行する現場とかも厳選していこうか。森の中とかなら強いからそこで何ができるかを今後示してくれ

 

障子はね、索敵範囲は問題なかったよ。耳朗さんが音響測定してるなら視覚に頼るのは普通だし。まぁソレ故に上の方に行かれたから見えなくなったってのはしょうがないし。まぁその複製腕なら壁も壊せるし壁越し奇襲とかしなかった理由は聞きたいね

 

葉隠さんはなぁ・・・それこそ潜入系の個性だしする事ないってのは分かるし・・・俺の想定だと核を奪う時にこそ輝くから今回は核を奪えたって時点で仕事はしたと言えるよね

 

峰田は・・・そのもぎもぎが俺に効くかどうかだよな・・・ちょっと一個出してみて・・・あっ効かない・・・まぁ壁に設置するとかは出来たよね。肩鍛えてスピードと正確性増して行こうか。あとは出せる上限も上げていこう。俺が相性悪かったな

 

瀬呂はなぁ・・・天井にテープ張り巡らせるとか出来たよな?ソレをやるだけで落石防げたんだぞ?もっと有効活用しろー

 

爆豪は・・・お前が一番核と相性悪いんだから全力で俺を止めに来いよ。迎撃来るかなぁとか考えてたんだぜ?後でタイマンしようや多分俺を止められるのは現状お前だけだぜ?

 

・・・ま、こんな所かな。んじゃ今日は解散!爆豪は後で相澤先生に体育館の使用許可聞きに行こうぜー!」

 

 

 

 

 

 

 

緑谷の個性が俺の察知できてる範囲全てで来られたらワンチャン負けてたんだが・・・それはまだまだ先かな?アイツ自身まだ覚悟と身体が足りないし・・・今は自傷しない使い方を探って欲しいね。あわよくば身につけて欲しい所だ。体育祭までには・・・ね

 

 

 

*1
ヒーローコスチュームは普通のスーツのまま。特にぱっと見でヒーローだとは分からないようになっている




蛇寧一彩 個性【魂魄】対象の魂に属性を付与することが出来るぞ!物質に使用した場合はその物質のウィークポイントが見れる!入試に於いてはこの使い方でロボを壊していた。また、自分自身に使う事で他人の個性を見る事が出来たが今回から物質からの透過という技を身につけたぞ!コレによって大抵の個性には優位を取れるようになったぞ!

真面目な話魂魄ってだけで強いんすよね・・・ミリオが作中で最もオールマイトに近いって言われた理由もその使い方と予測精度の高さから来た話ですし・・・
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