ヤンデレ女神に愛され過ぎて辛い   作:マロン64

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第6話までは毎日投稿します。


第2話 第1異世界人との出会い〜

「んんっ〜、ここはどこだ?、頭が痛い〜」

 

 ああ、そうだ。俺は異世界転生でアナザークラウドに来たんだ。だが、まさか酸素濃度が下がるくらい、魔力を込めていたとは思いもしなかった。これは魔力操作も覚えないと大変なことになりそうだ。

 

 顔を上げるとボーイッシュなショートヘアーの美少女と言うべき、緑肌の女の子がいた。鑑定をしてみると名前がでてくる。

 

名前:リリアナ・G・オーラン

性別:女性

年齢:**

 

ステータス

体力 B

魔力 D

筋力 A

器用さ G

防御力 B

速さ  C

運   D

 

スキル  

    他種族言語スキル レベル7 淫魔スキル レベル5

    剛力 レベル8 槍使い レベル10(マックス) 魔力探知 レベル6

 

ユニークスキル 魔言スキル レベル7 プリンセスの意地 レベル10(マックス)

称号  魔神アランの加護 

 

 なるほど、この美少女はリリアナというのか。名前の GはゴブリンのGかな?筋力Aはすごいな。ただ年齢がきにn、おっと殺気の様なものをこの美少女が放ち始めた。これ以上は危険なようだ。プリンセスの意地と魔神アランの加護とか気になるスキルも加護もあるが、鑑定スキルで見たことを言わない方が良さそうだ。そして淫魔って…… なんかエッチな気持ちになってきた!!

 

 そして何か柔らかい物が首の下にある。これは!!膝枕!膝枕で寝かされている!目の前には緑の肌の豊満ないっぱいおっぱいが!!!寝ぼけているふりをして、少し優しく、鷲掴みにしてみる。

 

「ヒャンッッッ!!な、な、な、何ですか!!僕ちゃんのおっぱいを揉む、悪い奴はどこですか!?」

 

 どうやら、まだバレていないみたいだ。次は先をピンっと摘んでみる。

 

「ヒャアアアアッッッ、ってきみー せっかく助けてあげたのに恩人にこの仕打ちをするとは僕ちゃんのお仕置きが必要みたいですね〜」

 

「す、すー、すぴー、ぐがー、すぴー」

 

 下手くそな寝息といびきをするトオル。それを上から青筋を立てて見下ろすリリアナ。

 

「しっかり、謝れば許してあげようと思ったのに、そんなにお仕置きされたいんですねえ。オ・シ・オ・キは…… くすぐりだーーーー!!こちょこちょこちょ!」

 

 ひゃああああああ〜〜 だ、だめ、世の中に伝わる108のオシオキ術の一つ。くすぐり。ハハハハハハハハハハ、きついきついきつい、息が苦しい。てかなんか体がおかしい。火照って苦しい。ナニカがオカシイ。快感が体に溜まって……鎮まれ、我が分身よ!!

 

「ふふふふふ、ゴブリンプリンセスである僕ちゃんのオシオキ術。メラメラがとまらないでしょ??この後、美味しくいただいちゃいますからね〜」

 

 ガウガウガウガウ!!!突如、森にオオカミの吠え声が響き渡る!!

 

「君、苦しいからってオオカミちゃんの声真似するなんて、はしたないよ〜。大人しく僕ちゃんに食べr」

 

「いやいや、違うから!!モノホンのオオカミに囲まれてるから!!!やばいから!!」

 

「あ、本当だ。」

 

 今までの間延びした声とは違い、ものすごく冷静な声だ。しかもかなり冷たい声だし、背筋にピリッとした感触がした。いきなり無表情だしなんかゾクゾクする!って違うから!ギャップ萌えってやつだから!ドMじゃないから!

 

 ちょっとどいて。と言われ,オオカミにビクビクしながら僕ちゃんこと、リリアナの邪魔にならないようにする。なんかリリアナから、よくわからないオーラが出てる気がする。うっすらと青白い気のような物が出てる感じだ。

 

「ガア、ガア、ガウ。これでいいか。はあ、僕ちゃん、オオカミ語は得意じゃないんだけどねー。まあ仕方ないか、じゃあいくよー。僕ちゃんの君くんのおしおきを邪魔した罪は重いよ。魔言『失せろ』」

 

 その言葉はオオカミたちにとって『死の宣告』のように聞こえた。そして長老のオオカミの絶対の命令にも思えた。その命令に従わなければ、殺される前に。

 

 オオカミたちは全員尻尾を巻いて逃げていった。以降このオオカミの群れはゴブリンとトオルを絶対襲わなくなったという。それどころか、全面的に従うようになるのは、少し後のこと。

 

 トオルもパニックに陥っていた。トオルに影響を与えないようにと、狼語によって、放たれた言葉は自分に向けられたわけではないと分かっていてもあの言葉は恐ろしかった。そして今はゴブリンプリンセスのリリアナが恐ろしい。こわい、コワイ、逃げなければ!!!

 

 尻餅をついて、這って逃げようとする、トオルを訝しげにみつめる僕ちゃん。

 

「なんで僕ちゃんを見て、逃げるのかなあ、ちゃんとオオカミ語で言えたはずだけど。ていうか最初からおかしいんだよね。ゴブリン語を喋ってたよね、君くん。」

 

 なぜか、魔言スキルが効いているみたいだし,いやまさか?あらゆる言語が喋れる言語スキルを持ってるとか?それは異世界からの勇者しかありえないはず。こんな子が勇者?僕ちゃんは考えを巡らせながら、君くんを落ち着かせることにした。

 

『落ち着いて、僕は君の敵じゃない。』

 

 その魔言を聞いて、少し動揺がなくなるトオル。トオルは何故かリリアナを無意識に昔の彼女のように見ていた。

 

「お、お姉ちゃん……」

 

 涙目で無意識にトオルが放った言葉に僕ちゃんことゴブリンプリンセスは陥落した。それまでの疑惑は置いておいて私はこの子のお姉ちゃんになろう、そう決意した。

 

「お姉ちゃん!?いつも、姫って呼ばれる僕ちゃんをお姉ちゃんって呼んでくれるの?か、可愛い、僕ちゃん、君くんのお姉ちゃんになるね!!君くんの名前は?」

 

「と、トオル」

 

「トオルくんね!僕ちゃんは、リリアナ・G・オーラン。リリィってよんでね?あ、僕はゴブリン族のお姫様だよ?」

 

 これがトオルの第一異世界人のリリィとの出会いだった。のちのお嫁さん候補である。

 

 

 閑話休題

 

「なんでトオルくんはここで倒れたのかな?僕ちゃんは、大量に魔力を使った残滓(ざんさい)があったからここに来たんだけど。あと何故か、ここだけ空気が薄い気がして。なんでだろ〜な〜。」

 

「そ、それは森で採取をしようとして道に迷っちゃって。魔法を使おうとしたら失敗しちゃったんだ。空気が薄い理由はわからないな〜ヒューヒュー」

 

「へー、お姉ちゃんはあやしいな〜って思ってるよ??」

 

 下手くそな口笛を吹きながら、誤魔化すトオル。彼の精神年齢は見た目と同じになっているため、思考が幼くなっているのだ。

 

 ジト目を向ける、リリィ。目を背けるトオル。トオルが誤魔化しているのは深い意味はない。なんとなく、まだ出会って間もないリリィには異世界から来たと言うのは信じられないと思ったからである。裏で異世界の勇者かもと疑われているのは知る由もないトオルだった。

 

 2人で話しながら、手を取り合い歩いていると木の柵に囲われた村が見えてくる。ここがオーラン村と呼ばれるゴブリン族の村だった。

 

「姫!!急に屋敷を飛び出すとは!!爺は心配しましたぞ!!」

 

 村の中で息を切らしたゴブリン族の老執事が焦った様子で、話しかけてきた。

 

 リリィは少々辟易とした態度で老執事をあしらった後、トオルに老執事をしょうかいしてくれた。どうやら、狼執事の名前はセスと言うらしい。

 

「私の名前はセスと言います。それにしても、人族ですか……」

 

 どうやら、リリィがいきなり飛び出して、得体の知れない人族を連れて来たのが気に食わないようだ。神様ノートにも人族と魔物には問題があると書いてあったが、この偏見の事かもしれない。

 

「セス!私が連れてきた客人に対して、その態度は何??」

 

「これは失礼しました。ではお客人、村の奥の屋敷にどうぞ。」

 

 トオルは不躾な態度を取るセスに対して、腹が立っていたが、リリィの顔を立てて見逃すことにした。もう少しどういう事情があるのか知りたかったというのもある。

 

 3人は村の中に入っていく。その途中、目にしたゴブリン族の家は掘立て小屋に等しい物だった。これは……と言葉を失うトオルに対し、リリィは表情が暗い。どう言うことなのかと聞いてみると、魔物には元々建築をする文化があまりない。大工を雇って、立派な家を建てようにも、人族からは法外な金額を要求され,家を一軒建てるごとにそんなお金を払っていたら、村の財政が傾いてしまう。

 

 そもそも、何に金を使っているのかというと食糧と日用品と曙光品だ。魔物は食事を必要としないが、魔力だけではお腹が空くのだ。食事を摂る様になってからは、それが当たり前だと思う様になってしまったため、食糧は必要になってしまった。

 

 後は日用品と曙光品だが、魔物は煙草を好んで吸う。この世界の煙草は地球でいうニコチンやタールのような依存性のある物質は含まれていないが、魔力を回復させる成分が含まれているため、魔力をエネルギーとして動く、魔物全般に人気なのだ。

 

 そして意外にいい匂いがする。人族は魔物のこの習性を利用して儲けているらしい。トオルは地球の世界史の授業を聞いているようで悲しくなった。これでは大帝国と植民地の関係である。

 

 そして着いた屋敷も到底屋敷とは呼べない、ボロい一軒家に到着した。日本の一般的なアパートと同じくらいの大きさだ。トオルは更にゲンナリした。

 

 この世界の1日の時間は地球と変わらず24時間だ。現在、夜の19時くらいだな。

 

 

 

 

 

 セスに案内されて、屋敷の中に入る。応接間の様なところに案内された。小さいリビングみたいな感じだった。漆みたいなものも塗られていないシンプルな机と椅子があり、そこに腰掛けてリリィのお父さんを待つ。

 

 そしてリリィのお父さんである、ゴブリンキングとご対面。オーラの様な物を纏う世紀末ゴブリンだったが、来ている服も家具も家の中もボロくていまいち迫力がなかった。

 

 服とか家具とか気にしたことなかったけど、与える印象が変わるから本当に大事なんだなあ。ちなみにトオルは無地の白いTシャツにジーンズのラフな格好だ。この格好もリリィに怪しまれた理由の一つだろうな。

 

「よう!待たせたな。俺がこの村の村長のガラルだ。」

 

「トオルです。リリアナお嬢様に助けられて、この村に来ました。」

 

「トオル、そんな堅苦しい喋り方はしなくていい。リリィの客人なのだろう?」

 

「そうです、いや、そうだ。僕は森に迷い込んで、魔法で水を出そうとしたら失敗したんだ。それで倒れたところをリリィに介抱されたんだ。オオカミに襲われそうになったのを助けてもらったんだ。この恩を何かの形にして返したい。」

 

「ほう、恩を返すか。それにしてもこの俺の娘を愛称で呼ぶとは、大層なご身分じゃないかあ、ええ!?」

 

 トオルのリリィ呼びに、青筋を立ててブチギレるガラル。いやいや、最初はリリアナお嬢様って言ってたでしょ!言葉遣いを崩したらこれだよ!!トオルはこんな展開になるとは思わず困っていた。

 

 それを救ってくれたのは、やはりリリィだった。お父さん、僕ちゃんが愛称で呼んでって言ったの!っと顔を膨らませて講義してくれた。大天使リリィだ。いや大お姉ちゃん天使か。

 

「こんな小さくて、可愛いトオルをいじめたら、お父さんでも許さないよ!!」

 

 その一言にガラルはたじろいで、怒りを収める。いや収めたふりをしてトオルを睨んでいた。こんなチビに家の可愛いリリィを嫁に行かせるなんて許さんと小さい声でブツブツ呟いていた。いやお付き合いすらまだしてないよ!

 

 ガラルの機嫌が治るまで暇だから、ガラルのステータスの鑑定でもしておくか。

 

 ステータスはこんな感じ。

 

名前:ガラル・G・オーラン

性別:男性

年齢:108歳

 

ステータス

体力 A

魔力 E

筋力 S

器用さ C

防御力 B

速さ  B

運   E

 

スキル  

    他種族言語スキル レベル9

    剛力 レベル9 槍使い レベル10(マックス) 気配探知 レベル10

    大剣術 レベル8

 

ユニークスキル 魔言スキル レベル4 キングの覇気 レベル4

 

称号  オーラン村の村長 魔神アランの加護 ゴブリン神の加護

 

 リリィよりも魔力は低いが、他のステータスはかなり高いな。筋力Sは相当高い。体力もAだ。どうやら、魔神アランの加護は筋力と体力に補正がのる称号のようだ。ぶっちゃけ大当たりじゃないか、それ?女神ミリアの加護よりも……

 

『ミリアよ。それ以上考えたら、トオルの毛根寿命を大幅に減・ら・し・てあげる。』

 

 ひぃいいいいい!ミリア見てるのか。それよりも人の心を読めるなんてずるいし、プライバシーの侵害だ!!ってすみません、すみません。もう罰当たりなことは考えません!!

 

『よろしい。今度教会に行きなさい。お祈りしたらまた会えるわ。赤ちゃんプレイも待ってるわよ!』

 

 やったああああ!!ってなるか!別にバブバブ言うのが好きなんじゃないんだぞ!!赤ちゃんプレイそのものはそこまで…… って話が逸れたな。ステータスの話に戻ろう。

 

 ステータス的にはSSSの値まで現時点で確認されているそうだ。それ以上のステータスもあるのかな。ゴブリン神の加護は防御力のみに補正がのるそうだ。羨ましい。魔言スキルは発した言葉を相手に強制的に行動させるスキルみたいだ。

 

 かなり強いな、僕にも欲しいって思ったら、僕のステータスに魔言スキル生えてるじゃん!体感したから生えたのか、天賦の才能のおかげなのか、検証したい所だな。しかし年齢が108歳か、ゴブリンは短命のイメージがあったが結構長生きするみたいだな。

 

 ちなみにガラルの見た目は中年くらいの細マッチョなイケおじだ。緑肌なのは、ゴブリン族共通みたいだが、頭から短い角が2本生えている。赤い目をしているようだ。リリィも赤い目だな。ここでやっとガラルの機嫌が治ったようだ。

 

「それにしても、トオル。お前は流暢なゴブリン語を喋るな?」

 

「え?いや、そんなあ。 知り合いにゴブリン族がいてその人に習ったんだ。」

 

「謙遜する表現なんてゴブリン達は使わないけどなあ。お前隠し事をするには向いてねえ。まあいいわ。お前のその格好からしても想像つくからな。」

 

 いやだ、この世紀末ゴブリン、鋭いわ。っていうか僕が正直すぎるのか。そういえば事務職に入る前はこんな感じの性格だった気がする。新卒で事務職に入ってからいい意味でも悪い意味でも鍛えられたんだろうな。精神面で素直になってるのはいいことだけど、また鍛え直しだな。

 

 それにしても異世界から来たことはバレてるのか?まあ、なんでもいいか。とりあえず話を変えよう。

 

「先程も言ったが、リリィに助けられた恩を返したい。オーラン村に来てから思ったが、この家もぼr、いやめちゃくちゃ古くなってるじゃないか。僕に直させてくれ。」

 

「家を直すって言ったってトオルはとても大工には見えねえぞ。どうやって直すんだ?」

 

「僕は錬金術師だ。家くらい直せる。」

 

「あ?舐めてんのか?」

 

 ガラルから掛かるプレッシャーが急に強くなる。こちらの目をギラギラと睨んでくる。目を逸らして、逃げ出したい気持ちになるが、ここは男の意地を張る場面だと思い、目を逸らさず必死で睨み返す。

 

 数秒にも数十分にも感じる瞬間が過ぎた後、ふっと目を逸らしてニヤリと笑うガラル。

 

「俺のキングの覇気に負けずに睨み返してくるとは気に入った。錬金術師なのは嘘じゃねえみたいだな?だがこの世界の錬金術師はそんな事できんぞ?そしてここで言っておく。娘はやらんぞ?」

 

「まだお付き合いすらしてません!!」

 

 またこの話になったと呆れるトオル。ガラルは家の娘を要らねえって言うのか!?と怒り心頭だ。全く話が通じてない。リリィはへー、僕ちゃんとはお付き合いしたくないんだ?と何故かプリプリ怒っている。どうしてこうなるんだ、と頭を抱えるトオルであった。

 

「いいか、娘と結婚したいなら強くなれ!この俺よりもな。」

 

 別に結婚したいわけじゃないんだがなあ、と思いつつ、戦うこともあるだろうと考えて稽古をつけてもらうことにした。だけどスローライフもちゃんとするぞ。トオルが決意を固めた。

 

「今、村に有るのは木材だけで石材は無いんだが良いのか?」

 

 聞けば、この世界で地震が起きるのはほぼないらしい。なので石材も使うことにした。だが建築士じゃないのでどう家を建てればいいかわからない。困ったなと思っていると思いだした。神様ノートがあるではないか。

 

『仕方ないわねえ。神様ノートに建築方法を追加しておくわよ。』

 

 流石ミリア様だ、と手を合わせてお祈りをしているとガラルとリリィに変な顔をされた。でもいいもん。文字通りの神頼みが通じたのだから。

 

 この後、夜も22時ごろになっていた。お腹も空いていたので、木の実とかた焼きの黒パンを食べさせてもらった。黒パンはめちゃくちゃ硬くて食べるのに苦労したのは内緒だ。木の実はリンゴみたいな味がして美味しかった。

 

 屋敷の使っていない部屋を借りて寝ることにした。就寝する頃になって、リリィがおねちゃんが一緒に寝てあげる!と部屋に突入してきた時は、びっくりしたな。ガラルも気づいてみんなでギャアギャア言い合ってたよ。

 

 結局、リリィが折れて一緒に寝るのは諦めて、ガラルを恨めしそうにみながら部屋に戻って行ったよ。翌朝はケロッとした顔をして、おはようと言ってきたから切り替えは早いタイプだな。

 

 朝食はまたも木の実とかた焼きの黒パンだった。今回の黒パンも非常に硬く、柔らかい白パンを作ると心に決めた。今回の木の実は桃みたいな味がして好きだったな。

 

 ガラルとリリィと僕で、朝食を食べながら、話をする。ちなみにこの屋敷にメイドさんはいないらしい。雇う金もないし、自分の部屋の掃除くらい自分でできるとガラルは笑って言っていた。セスが食事を作ったり、洗濯をしているようだ。

 

「ああ石材を取りに行くなら村のはずれに大岩がある。人手が欲しいなら暇そうなやつを何人か連れて行け。いや何なら俺もついて行くか。暇だし。」

 

「村長が遊んでていいんですか?ピッケルを貸してもらえれば大丈夫ですよ?」

 

「ああ?鉱山がない村にピッケルなんて置いてあるわけねえだろ。こう言う時は大剣を使うのさ。」

 

 はあ?大剣がなぜ石材を取るときに必要なのか教えてくれ。しかし見ればわかると押し切られ、村長もついてくる。とりあえず大岩がある村のはずれについていく。

 

 やる気満々の村長が何故か大剣を構えて、腹から呼吸をして気合いを入れる。

 

 村長の体から白いオーラが立ち昇り、大剣に流れるよう移動したところで、カッと目を開き

 

「セイヤアアアアアアアアッッッッッ!!」

 

 大剣は目にも止まらぬ速さで虚空を切ると大岩が縦に真っ二つに割れる。村民は歓声を上げていて、リリィも父親のいいところが見れて嬉しそうだ。トオルは、ステータスを見ていたため特に驚きはなかったが、この世界の戦闘シーンはとても白熱したものになるのだろうと考えると胸が熱くなった。

 

 

 




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