ヤンデレ女神に愛され過ぎて辛い   作:マロン64

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今日は早めに投稿してみました。


第9話 稽古と商品開発の話だよね。

 次の日になったよ。朝起きたら、リリィお姉ちゃんが抱きついたまま離れなくて僕の下半身は大変なことになってたよ。しかもリリィお姉ちゃんが寝ぼけながら下半身をサワサワしてきたから色々な意味で困ったよ。

 

 起きてきたリリィお姉ちゃんがスッキリさせておく? とニヤニヤしながら言ってきたから、真剣な顔でリリィお姉ちゃんなんて嫌い!! って言ったらおろおろして謝ってきたのは別の意味でスッキリしたな。

 

 もちろん、リリィお姉ちゃんは好きだよ。でもこうやって弄ばれて黙ってるのは違うと思うんだ。だから厳しく叱ったよ。

 

「僕ちゃん、からかいすぎちゃったね、本当にごめん。でもスッキリしたかったら言ってね? お姉ちゃん、あの、その…… いつでも歓迎だからね??」

 

 と言われた時はリリィおねえちゃんにクラっとしたよ。こう言うところで許してたらキリがないから怒ったふりを続けたけどね。

 

 朝食は丸黒パンと目玉焼きと猪肉の干し肉だったね。かなり固くて、噛みちぎれないかと思ったから、セスに頼んで細かく切り分けてもらったよ。セスは軟弱ですねえ、と言っていたが、普通に食べてるみんなが異常なだけだ!! 

 

 ゴン太師匠との稽古は充実したものになったよ。まずは昨日の「魔気」の復習から始めてたな。

 

「うん、いい感じだ。次は魔気を鎧のようにイメージしてみるだ。」

 

 これが意外と難しかった。まず僕はまだ魔気を纏うだけで精一杯だ。だから追加で鎧を纏うイメージができなかったのだ。ゴン太が闘気を鎧のように変える姿を必死で目に焼き付けたんだよ。

 

 それでもできなかった。僕は西洋鎧を見たことがなかったからねぇ。

 

「何かイメージしやすい形に変えてもいいだよ。鎧じゃなくてもいいだ。」

 

 ゴン太のアドバイスで何かイメージしやすいものを考えることにしたんだ。ゴン太はどんなイメージなの?? と聞くとオラは武術の神と言われるランカル様の像をイメージしてるだと言われたよ。

 

「オラはなぁ、若い頃は無鉄砲で誰にでも突っかかっる馬鹿ばかりしてただ。道場破りみたいなこともしてたんだなぁ。でもある時行った武術の道場でそこの師範にボコボコにされただよ。オラは闘気を纏って戦ったのに闘気も魔気もなしで動けないくらいだ。

 

その師範に言われただ。そんな生半可な体と心と技術では俺には勝てん。だが武神ランカル様なら言われるだろう。武の道は誰にでも開かれている、と。ならその武の道ってやつに挑んでやると思ってそこの道場に通っただ。

 

その時飾られていた武神ランカル様の像が忘れられなくていつの間にか闘気の鎧が武神ランカル様の鎧になってだよ。トオルは忘れられない鎧や身を守るイメージのものはないだ?」

 

 ゴン太師匠の過去の話は興味深いものだったね。そんなヤンキーみたいなことしてたとは想像できなかった。武の道は誰にでも開かれているか。勿論僕にも開かれているはずだ。いっちょがんばりますか!!

 

 自分が身を守るものとして頭に浮かんだのは結◯師の主人公が使っていた結界術の一つ、絶界だ。あのオーラを纏った姿は今でも目に焼き付いているよ! だから魔気をあそこまで大きく身に纏い、世界を拒絶するオーラとなす。

 

 確か作中でのイメージは自分を中心とした力の渦の流れを作り、身に纏うだったな。まず魔力の渦を自分の中で練り上げて、更に自分の外側に丸く纏うように魔気を増幅する!! そして完成した。

 

「トオル、それは……!! 伝説の纏い術「仙気」につながる「魔気」の極み、「魔界」じゃねえか!!」

 

「ゴン太師匠、これは「魔界」ではない、「魔絶界」だよ」

 

「「魔絶界」…… だべ……?」

 

「魔絶界」とは魔気の極みの一つで世界を遮断し、拒絶するもの。魔絶界で敵に突っ込むと敵は消滅する、らしい。試しに石ころを魔絶界を纏った僕に投げてもらったがチリも残さず消滅した。

 

 できた技がカッコ良すぎて有頂天になって喜んでいる僕にゴン太師匠は釘を刺してきた。纏い術を極めているものには通用しないと。ゴン太師匠は少し悔しそうだったからただの負け惜しみだと思っていたけど、すぐにそれを実感するのであった。

 

 ゴン太師匠が最近体の底から力が湧いてくるんだべ!! と言って、ボディビルダーがするようなマッチョなポージングを見せてくるのはイラッとした。

 

 これで午前中の稽古は終わりだ。昼ごはんを食べて少し休憩する。次はお待ちかねの商品開発だ!!  これにはリリィお姉ちゃんとセスがついてくる。ガラルも何とか煙草に代わる商品を作ってくれ!! と言って送り出してくれた。

 

 商品開発としてまず最初に始めるのは何にしょう。そうだな。アナザークラウドの煙草がなぜ魔力を回復させるのか、リリィお姉ちゃんとセスに教えてもらおう。

 

「僕ちゃんも詳しく知らないけど、原料に魔力を回復させる魔力草が使われているのは知っているわ。後はハーブと…… 後は知らないかも」

 

「爺は知っていますぞ。魔力結晶の粉と癒しの樹脂と魔力増強の花を含んだものを混ぜているようですな。オーガ族の煙草を自作する職人に聞いたことがあってですな。」

 

 ふむふむ、知らないものばかりだな。神様ノートで調べてみるか。

 

 魔力結晶:魔力を蓄える能力があり、粉末を煙草に混ぜることでその効果を持続的に放出させることができるわ。

 

 癒しのレジン:燃焼時にリラックス効果をもたらす樹脂で、吸引することで心身の疲れを癒やす効果があるのよ。

 

 エナジーフローラ:特定の花から抽出されたエキスで、魔力の回復速度を高める効果があるみたいね。

 

 なるほどなあ、魔力結晶で煙草に魔力を蓄え、癒しのレジンで煙草にリラックス効果と燃焼効果をつけ、エナジーフローラで更に香り付けをして、魔力の回復速度を高めている。

 

 このタバコの仕組みを考えた人は天才だな。敵に回したら手強そうだぞと考える。それにしても難しいなあ。スナック菓子はまずポテチだろ、普通のじゃがいもで作るとあっという間に人族に真似されそうだから。色々考える必要がある。

 

 そして保存の問題もある。樹脂からプラスチックとほぼ同じのレジンを作って袋を作ろうかと考えたが問題がある。袋詰めの方法が僕にしかできないのだ。

 

 ガラス瓶でもいいのだが、ゴブリン村では鍛冶や工芸技術は必要最低限のものしかないらしいね、困ったよ。他の村に頼むという手もあるのだが村と村の距離が遠いのがネックだ。

 

 うんうん、唸っている僕を見かねたセスが言う。

 

「トオル様はいかんせん、頭で考えすぎな風に見えますぞ。爺に話してくだされ。そうすれば解決方法が見えてくるものもありますぞ。」

 

「僕ちゃんにも話してよ、トオル君は頭が良いかもしれないけど、1人でできることには限界があるんだからね。それにまずやってみないと分からないことも多いんだよ。」

 

「それもそうだね、セスもリリィお姉ちゃんもありがとう。ひとまずやってみるよ。」

 

 ひとまずポテチは置いといて、アナザークラウドで旅に必要なものを知ることにした。セスとリリィから出てきたのは5つの大事なことだったよ。

 

1:武器と防具:旅路の危険から身を守るために、剣や盾、鎖帷子などが必要だよ。

 

2:食料と水:旅の途中で補給が難しいため、乾パン、塩肉、水筒などを持参するね。

 

3:馬または荷馬:長距離を移動するための主要な交通手段だ。

 

4:地図とコンパス:道に迷わないようにするために必須だよな。

 

5:宿泊用具:テントや毛布、生活魔法による種火、なければ火打石など、野宿に必要な道具を準備するよ。

 

 特に水は重要だよね。そう話すとリリィお姉ちゃんがあーっ!! と僕を指差す!! 何だ何だと思って聞いてみると、初めて会った時にしてたことを思い出して!! と言われたよ。

 

 初めて会った時って…… おっぱい揉んだこと?? 首を捻っていると、リリィお姉ちゃんが言う。

 

「僕ちゃんの、その、それはいいの!! トオル君が倒れてて、周りの地面が濡れてたでしょ?? だからトオル君の錬金術で水を出して飲もうとしたんじゃないか! って思ったの!!」

 

 あっ!! そのことか〜〜 確かにそんなことやった気がするな。そして食いつくセス。

 

「なんと!! 水属性適正や生活魔法持ちでなければ、水は出せないと言うのに、錬金術でそれができると言うのですか!! ぜひ爺に最初に教えてくだされ!! 」

 

 聞けば、セスは魔法全般に強いスキルと魔法やスキルを魔法陣にして物体に刻むことができる魔法陣術というスキルを持っているのだそうだ。だが肝心のMPがあまり多くないそうで、魔力の節約には並々ならぬ熱意を持っているそうだ。

 

 そういえば、セスをしっかり鑑定したことなかったよな。鑑定しておこう。

 

名前:セス・G・ランドロス

 

性別:男性

 

年齢:150歳

 

ステータス

 

体力:C

魔力:C

筋力:E

器用さ:B

防御力:D

速さ:C

運:D

 

スキル

 

魔法全般:レベル7

魔法陣術:レベル10(マックス)

魔力制御:レベル9

魔法知識:レベル8

 

ユニークスキル

 

指揮者の魔法陣:レベル5

 

称号

 

魔法陣の名手

魔法学の教授

 

 セスのステータスを見ると、かなり魔法系のスキルが強いなあ。でも魔力はCで僕と一緒だ。筋力がEで防御力がDだから、物理的な強さはあまりなさそうだ。僕のイメージする典型的な魔法使いって感じかな。

 

 魔法全般がレベル7で魔法陣術はレベル10か、魔力制御と魔法知識も高い。称号に魔法学の教授が付いているだけあるな!! ただ魔法陣術と指揮者の魔法陣はどう違うのだろうか??

 

 

 「指揮者の魔法陣」というユニークスキルは、セスが複数の魔法陣を同時に操り、これを組み合わせてより大規模かつ複雑な魔法効果を発動させる能力だそうだ。

 

 一方で「魔法陣術」は、単一の魔法陣を使って特定の魔法効果を引き出す技術を指すらしいよ。

 

 つまり、「指揮者の魔法陣」は複数の魔法陣を組み合わせることで新たな可能性を生み出し、より戦略的かつ多様な魔法使用が可能になるスキルみたいだ。

 

 複数の魔法陣を操るのはかっこいいな! 組み合わせ自体で幾らでも可能性が生まれる魔法の中でも最強スキルの一角じゃないか!! 

 

 と思ったのだが、セスによると魔法陣を発動させるのは自身の魔力か、空気中の魔素を取り込んでするものみたいなんだ。

 

 それなら無限に使えるじゃないか! と思われるかもしれないが、空気中の魔素を集める魔法陣を組み込むと魔法陣がかなり大きくなり、無駄も多いため運用が難しいみたいなんだ。

 

 だから、自身の魔力を運用する方法が取ることが多いみたいだよ。つまり今回の水筒に使う魔法陣にも自身の魔力を流して水を作る方法が取られる。ただまたぎもんができた。

 

「ねえ、セス、水魔法で水を作り出す魔法陣を水筒に刻めば良いんじゃないの?」

 

「トオル様、それはですね。何かしらの属性がついた魔法陣は無属性の魔法に比べて格段に魔力を取られるのです。だから水魔法の魔法陣を水筒に刻んでも使う魔力が増えるため、魔力量が多い者にしか売れないのです。」

 

 なるほどなあ、ついでにセスに属性の種類についても聞いてみたよ!!

 

火属性 - 炎や火を操る魔法。

 

水属性 - 水や氷を操る魔法。

 

風属性 - 風や気流を操る魔法。

 

土属性 - 土や岩を操る魔法。金属や鉱物も操ることができる。

 

光属性 - 光や輝きを操る魔法。

 

闇属性 - 闇や影を操る魔法。

 

雷属性 - 雷や電気を操る魔法。

 

木属性 - 植物や木を操る魔法

 

心属性 - 心や感情を操る魔法。

 

時空属性 - 時間や空間を操る魔法。

 

生命属性 - 生命力や治癒を操る魔法。

 

無属性 - 特定の元素や自然力に依存しない純粋な魔力で操る魔法。

 

 僕も魔法が使いたくなってきたよ、属性の種類はどこで調べられるの?? と聞くと属性やステータスは冒険者ギルドや教会で調べられるものらしい。鑑定の高位スキル持ちが常駐しているそうだ。

 

 セスは一部は初級魔法しか使えないが全属性使えるそうだ。ただ得意な属性、苦手な属性はもちろんあるみたいだよ。

 

 教会には鑑定以外にも行くメリットがある。確率は低いが信仰する神の加護を受けられる可能性があるらしい。なるほどなぁ、それなら色んな神様の像を作って配置した教会、いや神殿を建ててもいいかもしれない。

 

 加護はステータスに補正が乗るから、例えば僕に魔神アラン様の加護がつくと体力と筋力が強くなるし。ゴブリン神の加護は防御力が強くなる。他の神様もそれぞれ補正や別の何かが貰えるだろう。

 

 これは神殿を建てるのも急ごう。実はガラルから村人の家を立て直してくれないかと頼まれている。急ぎではないから神殿から建てても問題ないとおもうんだけどなあ。

 

 

 

 

「それで、トオル様、あなたの錬金術は具体的にどのようなプロセスで進行するのですか?」

 

 トオルは静かに頷いた後、説明を始めた。「基本的には『理解』、『分解』、『再構築』の三段階で進むんだ。まず、『理解』では対象となる物質の性質を詳しく調べる。例えば、空気から水を生成する場合、その空気がどのような成分から成っているかを知る必要がある。」

 

 リリィが興味深そうに尋ねた。「へえ、空気って何でできているの?」

 

 トオルは答えた。「空気は主に窒素と酸素で構成されている。窒素が約78%、酸素が約21%だよ。残りの1%にはアルゴンや二酸化炭素など、さまざまなガスが含まれているんだ。」

 

 セスが驚いた表情で言った。「なるほど、それは面白いですね。では、その情報をどうやって学んだのですか?」

 

 トオルは微笑みながら答えた。「さまざまな場所で学んだんだ。とにかく、次に『分解』で空気中の酸素と水素を分ける。そして『再構築』でこれらを組み合わせて水を作り出すんだ。」

 

 リリィが続けた。「それで、その水をどうやって実際に作り出すの?」

 

「うん、それはね。空気中の水素と酸素を適切な比率で結びつけるんだ。こうして、少ない魔力で効率的に水を生成することができるわけさ。」

 

 実演を始めるトオル。彼は集中して手を振り、空気中の成分を操り始めた。「空気を『理解』し、必要な成分を『分解』、そして水として『再構築』するんだ。」

 

 この時、最小の魔力で『再構築』することを心がけたよ。 

 

 青白い光がトオルの手の周りで輝き始め、少しずつ水が形成されていった。成功の瞬間、透明な水が空から彼の掌に落ちてきた。

 

 リリィは歓声を上げた。「すごいわ、トオル! 本当に水が作れたなんて!」

 

 セスも感心して言った。「これは非常に有用な技術ですね。この方法なら、魔力の消費も大幅に抑えられるでしょう。実に革命的だ。」

 

 トオルはやや照れくさそうに笑った。「まあ、これは僕のオリジナルスキルじゃなくてね、ある漫画、いや文献からヒントを得ただけだけどね。」

 

その後、彼らはこの新しい水生成技術をさらに洗練させ、村での生活をより豊かにするための方法を模索し続けた。

 

 

 

「僕ちゃん、この水筒の名前は生命の水筒でいいと思うなあ。セスはどう?」トオルがリリィお姉ちゃんに尋ねた。

 

「爺もそう思いますぞ。名前にインパクトもありますし、魔力が回復するとなれば冒険者は飛びついて買うでしょう!」セスが賛同する。

 

 その会話を聞いていた村人も加わり、「確かに、この水筒ならば村の名産としても売れるだ。オラたちの村も少しは潤うかもしれんだ!」と笑顔で話した。

 

 トオルは水筒を手に取り、改めて見つめ直す。「確かにこれなら、どんな冒険者でも欲しがるだろうね。リリィお姉ちゃんのアイデアは本当に素晴らしいよ!」

 

 リリィお姉ちゃんはにっこりと微笑みながら、「ふふ、トオル君の錬金術とセスの魔法陣術を合わせて作ったからこそ価値があるのよ。私たちもね、これを使って村のみんなに恩返しができるわ!」と熱く語った。

 

 その夜、村の広場で水筒のデモンストレーションが行われた。トオルは、村人たちの前で、錬金術を駆使して水筒から清らかな水を生成し見せた。村人たちはその光景に驚きと歓声を上げ、その場で注文が殺到する。

 

 セスが満足げに言う。「この水筒があれば、旅の途中で水が尽きる心配もなくなりますな。冒険者だけでなく、商人たちにも重宝されるでしょう。」

 

 そして、翌日に予定されていた行商人の訪れが待ち遠しい。トオルとリリィは、行商人を通じてこの水筒を広く世に出す計画を立てていた。

 

 リリィはトオルに提案する。「トオル君、行商人が来たら、この水筒をどう宣伝するかも考えておいた方がいいわ。特にその魔力回復の効果は強調して、どれだけ価値があるかをしっかりと伝えましょう!」

 

 トオルは頷きながら、「うん、それと、この水筒のデモンストレーションもしっかりと見せないとね。みんながこの水筒の価値を理解してもらえるように、実際に使ってみせるのが一番だろうね。」

 

 こうして、トオルとリリィは新しい朝を迎える準備を整えていった。村での小さな革命が、これから始まろうとしていた。

 

 朝日がゆっくりと村を照らし始める中、トオルとリリィは早朝から水筒の最終準備を整えていた。村の外れにはすでに行商人の馬車が見え始めており、二人の心は期待で高鳴っていた。

 

「リリィお姉ちゃん、今日の行商人さんはいつも来るマーカスさんだよね?」トオルが確認しながら、新しく完成した水筒を丁寧に箱に詰めていく。

 

「ええ、マーカスさんよ。彼なら私たちの水筒の価値をちゃんと理解して、良い値段で他の村にも持って行ってくれるわ。」リリィが応えると、二人で馬車が停まる場所へと向かった。

 

 マーカスは太陽が完全に昇る頃に到着し、あたたかい笑顔を浮かべながら話しかけてくれた。

 

「おはよう、トオル、リリィ! トオルは初めましてだね、しかも人族か。私と一緒だね。今日は何か新しいものを持ってるって聞いたけど、それがこれかい?」と言いながら、興味津々で水筒を手に取る。

 

 トオルは自信を持って説明を始めた。「これは『生命の水筒』って名付けたんです。この水筒、使うだけで魔力を回復できるんですよ。見てください!」とデモンストレーションを行った。空気から水を生成し、それが水筒から滑らかに流れ出る様子を見せる。

 

 マーカスの目は驚きで大きく開かれ、「これは凄い!こんな魔法のアイテムは見たことがないよ。これがあれば、長い旅もずっと楽になるね。どれくらい用意できるの?」

 

 リリィが答えた。「初期の販売数は50個です。でも、需要が見込めるならもっと生産を増やす予定です。」

 

「50個だって!それなら僕が全て買い取ろう。他の市場でも絶対に売れる。それに、この水筒の話を他の商人たちにも広めておくよ。」マーカスが即答する。

 

 取引が決まり、トオルとリリィは安堵の笑顔を交わした。マーカスは水筒を馬車に積み込みながら、「これからも新しいアイデアがあればいつでも言ってくれ。お前たちの商品なら何でも買い取るからね!」と約束して、村を後にした。

 

 その日の夕方、トオルとリリィ、ガラル、セスは村の中央広場で「生命の水筒」の成功を祝って小さな宴を開いた。村人たちもこの新しい発明に興奮し、その場で試したいと言い出す人々で賑わった。

 

「セス爺、これで私たちも少しは楽になるよね?」トオルがセスに話しかけると、セスは嬉しそうに頷いた。

 

「そうですな、トオル君。君たちのおかげで村がもっと豊かになる。これからが楽しみだよ。」

 

「本当に素晴らしい水筒だ!! トオルに感謝する!!」

 

 夜空に星が輝く中、トオルとリリィはこれからの冒険に思いを馳せながら、今日一日の成功を噛みしめていた

 




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