ツルマルツヨシのトレウマ   作:ゴールド@モーさん好き

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巫女服が人気?

 放課後にカフェで談笑していた時、クラスメイトがたまたま持ってきていた〝男性向け雑誌〟が話題の発端だった。その娘曰く、こういう雑誌の方が男の人の本音が良く出てるから市場調査にはもってこいらしい。

 

「彼女にして欲しいコスプレランキング……なんですか、これ」

「そのまま彼女にして欲しいコスプレランキングでしょ」

「いや!確かにその通りのは分かるんですけど!?コスプレってそんな簡単なものでしたっけ?!」

「さぁ?まぁだからこそ願望としてやって欲しいって皆が言うんじゃない?」

「えぇ……えぇ……」

 

 よく見たら婦警さんやナースさん、メイドさんとかあるし……

 こんなランキングが出る位男の人がそういうのを求めてるって知って、顔が少し暑くなるのを感じる。

 

「男の人って、こういう所ありますよね」

「まぁまぁ、私ら女の子だって男の人に着て欲しいカッコイイ服やセクシーな服はあるしお互い様よ」

「そうかなぁ……」

「そ・れ・よ・り、ツルちゃんにちょっと聞きたいんだけどさ」

「ん?なぁに?」

「こないだの駿大祭の時、巫女役やったでしょ?」

「ソレ着た時、トレーナーさんどんな反応してた?」

「うぇ?!トレーナーさん?!なななっなんで今トレーナーさんの事が出るの!?」

 

 ガールズトークの途中に、〝あの人〟の事を出され心臓が跳ね飛んだ。

 

「えぇ〜?それ言っちゃいますかぁ?」

「ツルちゃんがトレーナーさんの事、〝慕っている〟のはバレバレよ〜?」

「え?………ええぇぇぇぇぇぇ!?なっなんで!」

「やっぱり、アレでバレてないと思ってたんだ…」

「気づいてる?ツルちゃん、トレーナーさんの隣にいる時尻尾……トレーナーさんの脚に巻きついてるよ?」

「へ?」

「他にも、トレーナーさんと出かける時私達と遊びに行く時以上に気合入ってるもんねー」

「あの、その…」

「いやでも気づいちゃうわよ、JCの恋に対する目敏さ舐めちゃダメよ〜?〝そう〟なんでしょ、2人って」

「うぅ……」

 

 うそうそうそうそ!?私達って周りからバレバレだったの!?顔から火が出そうな位恥ずかしいッ!

 

「わ、わかった!認める!認めるから私の恥ずかしい行為の数々を突きつけないで!」

「あらら、爆発しちゃった」

「確かにいじめ過ぎちゃったね」

「酷すぎるよ、たく……それで、あの巫女服姿をトレーナーさんに見せた時どうだったかって話だよね?」

「そうそう、ランキング1位になるくらい世の男の人達は巫女服にある種の願望を寄せてる。ツルちゃんのトレーナーさんだって、そう思ってても不思議じゃない!」

「そ、そうかな……」

「そうだよ!」

「あの衣装、確か貰えたんだよね?」

「うん、巫女服は勝負服のルーツとされてるらしくて、毎年毎年オーダーメイドで役者に渡されるんだって」

「じゃあ巫女服は自室に?」

「いや、綺麗に保存しときたいからトレーナー室に置かせて貰ってるんだ」

「「………うん」」

「?」

「ツルちゃん……」

「あのさ……」

 

 

 翌日、私はトレーナー室で先に1人待っていた。

 

「ッ!」

 

 廊下から足音が響いてきた、何となくトレーナーさんのものだと分かった。私はカーテンに身を隠し、張り裂けそうな胸を少しでも留めようとしていた。余談だが、ここのカーテンは2枚組になっているから〝外から私の服装は見えていない〟。

 そうこうしているとノックが鳴った。

 

「はい、どうぞ」

「はいよ、ツヨシ見せたいものって………何してんだ?」

「いや、その……なんと言いますか、あはは」

 

 そうですよね、呼んだ本人がカーテンに隠れてたらそうなりますよね!

 

「あの……ちょっと、トレーナーさんに衣装の感想を改めて聞きたいなと思って」

「衣装?」

「はい!どうしてとかはとりあえず気にせず、感じたままを話してください!」

「おっおう」

 

 そうして私はカーテンを持ち上げて、姿を見せた。

 

「──ッ!」

「あっあの……どうです、かね?」

「……………」

「………?トレーナーさん、どうしました?」

「えっ!あっうん!似合ってる!とっても!駿大祭の時も言ったけどやっぱりその姿綺麗だよ、ホント!」

 

 動揺してる、普段私の体調の事とかの為に冷静さを欠かさないトレーナーさんが……〝この姿の私〟に対して凄く動揺してる。

 

「あの、トレーナーさん。それだけですか」

「え」

「他に、なにかありませんか」

「ちょ、ツヨシ?なっなんか今日変じゃない?」

「そうですね、今の私はちょっと変になりました。たった今」

「たった今!?」

 

 私はトレーナーさんににじり寄り、壁まで追い詰めた。

 

「トレーナーさん!」

「はい!」

「まだ!トレーナーさんが感じてる事、思ってる事、ありますよね!」

 

 私は壁際まで下がったトレーナーさんを両腕で壁ドンし、私で閉じ込めた。トレーナーさんは顔だけじゃなく、耳まで真っ赤になっていた。

 

「どうですか!貴方の愛バが綺麗な服を着たんです!トレーナーさんの本音を全部聞かせてください!」

「世じゃソレをマッチポンプって言うんだよ!?」

「じゃあ嬉しく無いんですか?」

「いや、ソレ着てるツヨシ見れてぶっちゃけ嬉しいけど………クソっ!」

「ッ!?」

 

 トレーナーさんは意を決した顔をしたと思ったら、急に私を抱き返してきた。

 

「あのっトレーナーさん?!」

「可愛いよ……」

「ッ!」

 

 身長差のせいで、トレーナーさんの口元がちょうど耳元に──

 

「初めてその衣装を着てるキミを見た時とっても可愛いって心の底から思った、ハッキリ言って心が奪われた」

「えっんな!?」

「正直、今も頭がクラクラがする位やばい。心臓も爆散しそうなくらいやばい」

「〜〜〜ッ」

 

 想定外だ、友達からこの衣装でおねだりしたら案外ポロッと本音で沢山褒めてくれるんじゃない?って言われてやらされたけど、まさかこんなにもどデカいお褒めの言葉が出てくるとか想定してなかった。

 

「それから」

「えっまだあるんですか?!」

「あるに決まってんだろ、そっちから始めたことなんだから、終わるまで付き合ってもらうぞ」

「えっと、あの、せめて抱きしめるのやめてくださーい!?」

「だーめ」

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