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1度単話で投稿したのをこちらに纏めました
トレーナーさんの寮室、私は我慢が効かず、ソファで本を読むトレーナーさんに話しかけた。
「トレーナーさん、股……閉じてもらってもいいですか」
「分かった、いいよ」
最初は、緊張を和らげる為のものだった。本当に、真面目に、私の緊張和らげる為のものでそこに一切の下心は…………いや、多少はあったかも。でもでも!だとしても本題は緊張を和らげるものだったんです。
「おいで、ツヨシ」
「はい、失礼します」
それが、どうしてこんな風になってしまったのかと思うのと同時に、幸せだとも思ってしまいます。
私はトレーナーさんの閉じた脚の上に乗り、そのままトレーナーさんの背へ腕を回し強く…強く…抱擁──ハグをした。トレーナーさんも私を体と密着させようと腕に力を込めて抱き返してくれる。
「んっ───はぁ……」
自分の力とトレーナーさんの力の分だけ、私達は愛を渡し合う。そして私は脱力し、そのままトレーナーさんの力に──愛に身を委ねる。
「ツヨシ、苦しくない?」
「少しだけ……」
「じゃあ緩めようか?」
「………トレーナーさんのいじわる」
「ごめんごめん、からかった。ゆるして」
「許して欲しかったらもっと力を入れて下さい」
「分かったよ、ツヨシ」
トレーナーさんは更に腕へ力を加え、ギューッと私を抱きしめる。
トックン、トックン、胸の音がうるさいと思う位胸の中心で騒ぎまくってる。火照る体が、トレーナーさんの熱を感じて更に強く燃え上がる。
「すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……」
鼻腔をくすぐるトレーナーさんの匂いが、思考を甘くさせる。
「トレーナーさん、すきです」
「俺も好きだよ、ツヨシ」
「ッ!」
何時も言って貰ってる言葉、トレーナーさんの私に対する本心。ソレがこんなにも私に熱を与える事を分かって、今の私にとってソレがどれだけの劇物か分かった上で、私にくれるヒドイヒト。わたしのわがままをうけとめてくれるだいすきなひと……
「んむぅ〜……」
「ふふっくすぐったいよツヨシ」
私はトレーナーさんの首や肩に顔を擦り付け、更なるスキンシップをする。
「大好きだよツヨシ」
「はぅ〜ッ!」
その後しばらく私達は、この熱い〝抱擁〟を続けた。
♢
「今日も、付き合ってくれてありがとうございましたトレーナーさん……」
「別に構わないよ、ツヨシに頼られるのも甘えられるのも、俺は好きだしね」
「うぅ〜……」
最初はレース前や体調不良で、緊張したり不安な時にハグをして貰ったのが始まりだった。トレーナーさんも、私に抱え込まないで頼って欲しいと話した後に頼られる内容がコレだった為最初は面食らってた。けど私の為にと優しく抱擁してくれた。その優しい抱擁が、暖かな抱擁が私は好きだった。
転換期は私達が恋仲の関係になってからだ、恋人になったんだからトレーナーさんにも思う存分甘えても良い……そう思ったら止まらずオネダリをした。
『トレーナーさん』
『なんだいツヨシ』
『何時もは、その…私の事を気遣って優しく抱いてくれてますが、1度だけお互いの思うがままに抱き合ったりとか……してみませんか?』
コレがダメだった、何がダメだったかって言うと全部というか……
「本当にツヨシはこのハグ好きだね」
「だ、だって……普段私の事気遣ってるトレーナーさんの剥き身の愛情を感じれるから、その……すっごくほわほわポカポカするんです」
そう!このハグ……幸せになるのはいいけど、幸せになりすぎて半ば溺れかけてる。
「はしたないから、控えようとは思っても……我慢できないんですよね」
「でもやってるのはハグだけでしょ?そう深く思い詰めたくてもいいと思うよ」
「むっ!トレーナーさんはハグしてる時私がどれほどヤバい状態か分からないからそう言えるんです!」
「そうなの?」
「そうです!」
「ふ〜ん………」
「な、なんですかトレーナーさん……」
トレーナーさんが目を細めながら私を見つめてきたので、身構える私。
「──ツヨシのむっつり」
「んなッ?!ち、違います!ツヨシはむっつりじゃありません!」
「え〜ほんとうかなぁ?」
「本当です!」
「ならもっかいハグ、しよっか」
「え?」
「むっつりじゃないなら、もっかいハグしても何とも無いでしょ?」
「あっいやソレとコレとはまた別と言いますか、話が違うと言いますか」
「じゃあむっつりさんなの?」
「〜ッ!やりますよ!もっかいハグ!私はむっつりじゃないので、何ともありませんとも!ええ!」
「そっか、なら良かった。はいっギューッ………」
「……ッ!…………………ッ!」
私は、この甘やかし上手なトレーナーさんが……大好き過ぎるのです。