迷宮都市、オラリオに無事に到着する事が出来た。各建物はヴェルムントの様なThe、中世といったデザインで、露店が並んでいて人間、獣人、少なからずだがエルフが歩いていた。このような賑わいの場は本当に久しぶりだ。馬をもんの傍に建てられた馬小屋に預け、ブルズアイと活気がある都市を進む事にした。
初めは楽しく周りを見渡して目を惹かれるものを見ていたんだけど……
「覚者様、どうやら私達の様な獣人は珍しいようですね」
オラリオに住む獣人達は頭に動物のカチューシャを着けている様なタイプなのだが、自分とブルズアイは顔がまんま
「どこでもいいから何処か、店に入ろう。段々恥ずかしくなってきた」
昔から人に獣人だからと批判的な目で見られてたけど、物珍しい目で見られるのは初めてだ。だから何とか人目を避けようと何処か入れる店を探さないと。
「キャッ!すみません急いでるので!」
突然前からリュックを背負った茶髪の女の子がぶつかってきてすぐ謝った後走り去ってしまった。その時、正面から軽装備の男が走ってきた。
「クソ、あのガキどこに行きやがった。すみません、背がこれぐらいの茶髪の少女見ませんでしたか?」
質問されてしまった。きっとこの男はさっきの女の子を追いかけているのだろう。普通ならどこに行ったか教えるけど、コイツはどうも信用できない。目は血走っていてとても酒臭い。それに頭に筋が立っているから怒りを抑えているのだろう。
「あぁ、その子ならあっちに行きましたよ」
俺は女の子が走り去った反対の方向を指さした。
「あ、ありがとうございます!」
そう言って怪しい男は人混みを掻き分けて消えていった。
これであの子は逃げ切れるだろう。そう安堵していたらブルズアイに腕を引っ張られた。
「覚者様、あの建物はどうでしょうか」
「うん?あぁいいんじゃないか」
入る場所を適当に決めた事が自分を後悔させる事になるのはまだ知る由もなかった。
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中に入ると各カウンターで話をし、テーブルに座り雑談等をしている冒険者達が見えた。
「なぁ、ここってもしかしてギルドか?」
「あぁ…そのようですね」
オラリオに入る前に馬車の乗り手から聞いた情報をブルズアイと纏めていた際、2人でここに行くのは避けようと決めていた。それがギルドだ。ギルドはダンジョン、そしてそこから溢れる富を管理し、ファミリア同士の騒動が起きても基本的に中立、他国との外交・交易等も、この組織が取り仕切っているらしいのだ。そこで俺が気にしたのはギルドの情報源だ。これ程の機関なのだからそこら辺に密偵がいたり、監視の目があってもおかしくない。それにただでさえ珍しい獣人が2人もいるのだから長くても二三日間マークされるかもしれない……とにかくギルドは今の自分達にとって1番近寄りたくなかった。だがギルドが行っている素材の売買や通貨の交換のサービス等は実にありがたい。
ここはポジティブに考えギルドを利用しよう。
「よし、今持ってる通貨を交換してもらうか」
「はい、そうしましょう!」
そう言って空いたカウンターに向かいメガネをかけたエルフに話しかけた。
「すみません。今大丈夫ですか」
「はい構いませんよ。本日はどのような件でしょうか」
「実は今日この街に着いたのですがここで使われている硬貨が違ったので交換したいのですが」
「分かりました。では硬貨が入った袋をご掲示ください」
自身とブルズアイが持つ腰巾着をカウンターに出した。そして交換に時間がかかると言われ、開いてる椅子を探し二人で待つ事にした。
「覚者様、これからどうなさるのですか?」
「これからか?」
「はい。口には出しませんでしたが覚者様と同じ様に私もここが私達の知っている場所とは違うと確信しました。しかし、その次はどうすればいいのか、私には分かりません。……覚者は帰りたいですか」
「正直に言えば帰りたくないさ。この気持ち、お前もわかるだろ」
彼女は何も言わずに頷いた。せっかく繰り返されてきた理から抜け出せたのに戻りたいとは思わない。
「でも、帰らないとな。俺らが居なかったら誰が世界を救うんだ?」
「…?!……はい。そうですね」