MARVEL STUDIOS 「ブルーアーカイブ」   作:MAN

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復興対策委員会へようこそ!

 

 

 

 アビドスの生徒会室で縛られた両手を上げている先生と、その先生に向かって拳銃を向けるホシノ。

 

「ど、ドッキリ……?」

 

「ん、我ながら中々面白い余興だった」

 

 そして、その間で胸を張ってドヤ顔を決めるシロコ。

 それを見た私は、この状況を作り出した人物が目の前に立つシロコということを何となく理解した。

 

「……説明してください。シロコちゃん」

 

 ホシノも同じ結論にたどり着いたのか、拳銃をテーブルの上に置き、そのままソファの上に深く腰掛けた。

 

「説明……えっと、何だっけ?」

 

 シロコは顎に手を当て何かを考えるような仕草をした後、困ったように後ろに立つ先生の方へと振り返った。……もしかして、シロコ自身もよく分かっていないのか? 

 急に話を振られた先生は苦笑いを浮かべ、一歩前に歩いてシロコの隣に並んだ。

 

「うん。じゃあ、私から説明するよ」

 

 腕を縛ったネクタイを外してもらいながらそう語る先生。

 その言葉に満足げに頷いたシロコは、当たり前のように私の股の間にドカッと座り込んだ。

 

「こら、客人の前だぞ。そっちに座りなさい」

 

 腕を縛って銃を向けた時点で礼儀なんてあったものじゃないが、それでもこの体制は少し恥ずかしいため注意する。

 しかしシロコは否定するように喉を鳴らし、更に頭を後ろにして寄りかかってきた。頭の上についたもふもふとした獣耳が首筋をくすぐってくる。

 

「私は大丈夫だよ。座ってもいいかな?」

 

 そんなこそばゆさに目を細めていると、先生は微笑ましそうな目線を向けてきた。

 

「はい……すみません」

 

 そう謝罪すると、先生はありがとうと言って対面にあるソファーに腰掛けた。

 話し出しを迷っているのか、頬をポリポリと掻きながら視線を左右に動かす先生。

 少しして、ここに至った経緯を教えてくれた。

 

「……なるほど。道すがらシロコちゃんに出会って、事情を説明したら拉致られたということですか」

 

「あはは……まあ、端的に言えばそうなるのかな?」

 

 聞く人が聞けば卒倒しそうな、しかし間違っていないまとめ方をするホシノ。

 話を聞けば聞くほど申し訳なくなってきたのは私だけではないようで、ホシノは先生の話を聞き進める毎におっかない顔になっていく。先生が気まずそうに笑っているのはその表情を見た故だろうか。

 

「シロコちゃん、何か言うことはありますか?」

 

 そう問いただすホシノの瞳に影が差しているように見えるのは、私だけではないだろう。

 自分に向けられているわけでもないのに自然と背筋に悪寒が走る。

 

「?」

 

 しかし、それを直接向けられているシロコは可愛らしく首を傾げるのみ。この子のメンタルの強さに驚いたのは何回目だろうか。

 数秒の沈黙の後、何かに気が付いたのかシロコは耳をピンと立てた。……おいおい、頼むから変なこと言わないでくれよ? 

 

「ん、ドッキリのプラカードが無かった。今度家で作ってくる」

 

「なんでそうなるんですか!? まずは先生にごめんなさいでしょう!」

 

 案の定とんちきなことを言い出したシロコに声を荒げるホシノ。

 まるで世話焼きな母親のようなことを言っているが、私からすれば見慣れた光景だ。

 

 どうなだめようか迷っていると、先生の後ろの扉がガラガラと音を立てて開いた。

 

「おはようございまーす。どうしたんですかホシノ先輩? 廊下の外まで声が聞こえてましたよ?」

 

 そう言って中に入ってきたのはノノミだった。

 

「……どういう状況? これ」

 

「おはようございます。……そちらの方は?」

 

 後ろにはセリカとアヤネの姿も見える。

 3人を見るや、先生はソファから立ち上がり、首にかけたシャーレの名札を見せて挨拶をした。

 

「シャーレの顧問先生です。今日はアテネに招待してもらって来たんだ。みんなよろしくね」

 

 穏やかな物腰で挨拶をする先生。

 これで、私が所属しているアビドス生徒会……アビドス復興対策委員会のメンバーが全員揃った。

 

「丁度全員揃ったみたいだし、私が紹介させていただきます」

 

「ん」

 

 ホシノのお説教を止めたいという気持ちが無かったと言えば嘘になるが、まずはみんなのことを知ってもらうのが先だろう。

 膝の上に立つシロコの脇の下に手を入れ、ひょいと持ち上げて立ち上がる。

 

「待ってくださいアテネ! まだ話は終わって……」

 

「ほら、立った立った。まずは先生にみんなを紹介するのが先だろ?」

 

 話を遮られたことにムッとするホシノだったが、私の発言の正当性は分かっているのだろう。仕方なしといった様子で立ち上がった。

 ノノミたちの所へ向かい、アビドス生徒会全員で横並びになって立つ。

 

「紹介が遅れましたね。改めて、私たちがアビドス復興対策委員会……生徒会の役員です」

 

 不満げに頬を膨らませたままのホシノに手を向け、紹介を続ける。

 

「そっちの膨れてるのが生徒会長をやってる3年のホシノで」

 

「膨れてない! ……小鳥遊ホシノです。よろしくお願いします」

 

 不機嫌ながらも挨拶はしっかりとする、ホシノが差し出した右手を握り返す先生。

 

「この子は2年のノノミ、同じくシロコ」

 

「よろしくお願いします、先生~」

 

「さっきは良いリアクションだった。よろしく」

 

 人好きのする穏やかな笑みを浮かべながら、片手を軽く振るノノミ。

 シロコはサムズアップを先生に向ける。無表情かと思いきやよく見ると口角が少し上がっているのがシロコらしい。

 

「そして1年のセリカとアヤネ」

 

「どうも」

 

「奥空アヤネです。よろしくお願いします」

 

 端的な言葉と共に小さく礼をするセリカと、対照的に丁寧な口調で深く礼をしたアヤネ。

 

「そして私が、生徒会副会長を務めております、芙蓉アテネです」

 

 最後に洒落をきかせてトリニティ式の挨拶をしようとスカートに手をやったところで、自分が制服ではなくラフな格好をしていることに気が付いた。

 

「……すみません、こんな格好で。今制服を着てきます」

 

「制服……? もしかして、学校では女物の制服を着てるの?」

 

 中々答えづらい質問をしてくる先生。

 そんな先生に返したのは、私ではなく隣に立つノノミだった。

 

「そうですよ~。アテネ先輩の制服姿、見たこと無いんですか?」

 

「うん……シャーレではいつも私服だったからね」

 

「じゃあビックリすると思いますよ! 先輩の制服姿、すっごく可愛いんですから」

 

 やめてくれ。そこまでハードルを上げられるとこっちが気負うだろうが。

 

「……まあ、そういうことなので。あんまり期待はしないでくださいね」

 

 そう言って、私は逃げるようにして教室を後にした。

 

 

 

 着替えと化粧を済まし、人前に出ても問題ない程に身だしなみを整えること数分。私は再び生徒会室の前へと戻って来た。

 部屋を出た後に先生を一人置いて来ても大丈夫だったかと心配になったが、今更戻っても微妙なため先生のコミュニケーション能力を信じることにした。

 もしこれで冷めきった空気が流れていたら謝ろう。うん。

 

「だから、いつもアテネには助けられててね。あの子は凄い子だよ」

 

「流石先生。一週間でアテネの魅力を理解するとは」

 

 そんな気持ちで扉を開いたのだが、教室の中は良い意味で予想外の賑わいを見せていた。

 

「あ、おかえりアテネ先輩。……今日ちょっと気合入ってる?」

 

「客人の前だからね」

 

 興味深そうな視線を送るセリカに淡々と答える。あまり意味深なことを言わないでほしいものだ。

 

「ふふっ、ノノミちゃんに言われて引かざるを得なくなったんですね……あうっ」

 

 ほら、こうなるんだからさ。

 ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべるホシノにデコピンを食らわせ、先生の隣に腰掛ける。

 

「お待たせしました。……どうしました?」

 

 まじまじと顔を見つめて来る先生に首を傾げる。

 

「……本当に男の子? だよね?」

 

 ……いくら初めて化粧をした姿を見せたとはいえ、一週間を得てそこを疑問に持たれるのか。

 嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちだ。

 

「うん。アテネはちゃんと男だよ。前に()()したから大丈夫」

 

「ん?」

 

()()? 一体どういうことだ? 

 

「……シロコちゃん。それ、どういう意味?」

 

 ホシノも同様の疑問を持ったのか、遠慮がちに質問する。

 途端に静寂を取り戻した教室の空気など意に介せず、シロコは淡々と衝撃の事実を述べた。

 

「どうって、アテネが今日みたいに寝てたときに、服を脱がせて……」

 

「ストップストップ! ……多分、それ以上は良くないと思う」

 

 何てことしてるんだこいつは!? 

 見ろ! セリカなんか顔をゆでだこみたいに真っ赤にしてるぞ! 

 

「そ、そうなんだ……そこは誤魔化しようがないもんね」

 

 先生も混乱しているのかよく分からないことを言っている。

 まったく、どうしてくれるんだよこの空気。

 

 ……ほら、ホシノ。生徒会長として何か言ってやれ。

 

「うへぇ……わ、私も見たこと無いのに……」

 

 セリカと同じくらい顔を赤く染め、何やら小さくぶつぶつ呟くホシノ。……駄目だ、ホシノもシャットダウンしてる。

 

「まあ、一緒に住んでるくらいだし……うん」

 

「そういう問題……?」

 

 そうだよセリカ。だから距離感が近くなるのも仕方がない……仕方が無いか? 

 うん。自分で言ってても分からなくなってきた。

 

「えっ」

 

 その言葉に目を丸く開き、驚いたように口元に手を持ってくる先生。

 

「あれ、言ってませんでしたっけ? 私、アビドスにある別荘で二人暮らししてるんですよ」

 

「だから朝は一緒に自転車で登校する。運動不足を直すために……それなのに、アテネは先週ずっとサボってた」

 

 ごめんって。シャーレで働きながら学校に行くのは流石に厳しいんだよ。

 

「シロコちゃんは、去年アテネ先輩とホシノ先輩が保護した子なんですよ。そのときは自分の名前以外何も覚えてなかったみたいで、そこからアテネ先輩の家にお邪魔してるんです」

 

 ノノミがそんな補足を入れてくれた。

 一行でまとめると中々壮絶な過去だな。実際は誰でも彼でも噛みつく文字通り狼みたいな子だったんだけど……今は角が取れて、悪戯好きの人懐っこい犬みたいになってる。

 いやぁ……このいたずらも可愛いんだなこれが。今日みたいなことをされてもつい許してあげたくなってしまう。

 

 その度ホシノにお前は甘すぎる、とガミガミ怒られるんだけど。

 

「そうなんだ……偉いんだね、2人とも」

 

 先生もその言葉に感極まったように目頭を押さえている。

 そんなに深刻に捉えなくていいですよ。家のラボに行くなりスーツを着させろ、と言ってきたのは懐かしい思い出だ。

 今は自転車の方がお気に入りだそうで、彼女の体格に合わせて作ったスーツはラボのショーケースの中で寂しく眠っている。

 

 着たいってなっても体格的に多分もう着れないだろうな。身長も去年はホシノと大して変わらなかったのに、今や10センチメートル近く成長してまだ止まることを知らないからね。

 まあ、その場合もう一度作り直してあげるつもりだけど。旧式のスーツじゃシロコは満足しないだろうし。

 

「だから、アテネは早く家に帰って来るべき。これ以上あっちに泊まるなら、私がシャーレに突撃することになる」

 

 どうやら思っていた以上に寂しい思いをさせてしまったみたいだ。

 スーツを使えばすぐに帰れるんだし、これからは横着せずこっちに泊まることにしよう。

 

「分かった。これからはちゃんと帰るから許してくれ」

 

「ん、ならいい」

 

 頭を撫でると、シロコは気持ちよさそうに目を細めて耳を倒した。

 

「……いや、まだ話は終わっていませんからね。シロコちゃん、まだ先生に謝ってないですよね?」

 

「大丈夫だよホシノ。私は怒ってないから」

 

 怒っていないとは思ってたけど、いざそう言われると驚きだな。目隠しされて縛り上げられてこれだから、逆に何をしたら怒るのか気になるくらいだ。

 

「先生もこう言ってる」

 

「相手が許しているからといって、謝らなくていい理由にはなりませんよ」

 

「何も説明せず休んでたアテネにも問題はあると思う」

 

「アテネに関してはもういいです! 肝心なことを言わずに心配をかけるのは昔からなので!」

 

 ……言葉足らずのせいでトリニティとアビドスの抗争にまで発展させた私の耳には、ホシノの言葉はかなり痛い。

 

「駄目だよアテネ。シロコに心配かけちゃ」

 

 シロコを許した聖人先生にも咎められる始末ときた。

 

「あはは……すみません」

 

「ん……ごめんなさい」

 

 隣に立つシロコの頭を持ち、一緒に頭を下げる。終始不満そうなシロコだったが、私が頭を下げたのを見てようやく謝罪する気になったのだろう。

 

「うん。ちゃんと謝れて偉いよシロコ」

 

「ふふっ、これくらい楽勝……あうっ」

 

 先生に頭を撫でられ、ドヤ顔で胸を張るシロコ。

 そんな彼女の頭を軽くチョップしたのは、我らが生徒会長のホシノだった。

 

「調子に乗らない」

 

「むぅ……自分だってアテネを独占したくせに」

 

 あっ、このこのタイミングでそれはマズいんじゃないか……? 

 私の懸念通り、ホシノは膨れるシロコの頬を両手で摘まみ上げ、左右に引っ張って声を荒げた。

 

「あうっ、ぅあう……」

 

「減らない悪いお口はここみたいですね! 独占なんてしてませんから! だいたいあなたは────!」

 

 こうなってしまってはすぐには終わらない。彼女たちは隅に置いて先生たちと話を進めよう。

 

「あはは、仲が良いんだね、あの二人は」

 

「はい。ホシノ先輩は、シロコ先輩のお母さんって感じですね」

 

 二人の様子を楽し気に見つめる先生に、アヤネが上品に口元に手をやって笑う。

 それを聞いたセリカが、私の方を見て口を開いた。

 

「その場合、アテネ先輩がお父さんって感じ?」

 

「そうなんだ」

 

 ……そうかな? あんまりそういう自覚は無いんだけど。

 

「そうですね~。アテネ先輩はシロコちゃんに凄く甘々で、こういうやり取りは日常茶飯事なんですよ☆」

 

 奥で取っ組み合いになっている2人を見て、楽しそうに笑うノノミ。

 

「きっとホシノ先輩、シロコちゃんに嫉妬してるんですよ。アテネ先輩がシロコちゃんに付きっきりになっちゃったので」

 

「ノノミたちが入ってくる前はアビドス生徒会も3人だけでしたから。でも、やっぱり人が多い方が賑やかで楽しいですよ」

 

 今は生徒会の運営もだいぶ楽になって来たし、3人で頑張るのとはまた違った良さがある。

 

「3人ってことは、アテネとホシノ以外にも居たんだね」

 

「はい。ユメ先輩っていう、2つ上の先輩が……」

 

 そのとき、窓の外から車の音と共に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「ひ、ひぃぃん、助けてみんなー!」

 

「ん? この声は……」

 

 窓を開けて顔を出すと、その下には大型商用バンの後部座席の窓から顔を出した、ユメの姿があった。

 ユメは私の顔を見るなり、安心した様子で涙で濡れた頬を緩めた。

 

「あ、アテネちゃん! 良かった……んんっ!」

 

 しかし、その口は隣から顔を出したヘルメットを被った生徒によって防がれてしまう。

 恐らくヘルメット団の残党であろう生徒が、私の方を見ながら身を乗り出して声を荒げた。

 

「お前らの市長は私たちカタカタヘルメット団が預かった! こいつを返してほしかったら、この紙に書かれた場所に金を持ってくるんだな!」

 

「ひぃぃぃん────!」

 

 そう言うと、ヘルメット団は窓からぐしゃぐしゃに丸めた紙を窓に投げ入れ、そのまま走り去っていった。

 ユメの悲鳴がドップラー効果によって救急車のサイレンのように段々と遠ざかっていく。

 

「……あの子たちは?」

 

「カタカタヘルメット団っていう、不良集団の残党ですね。リーダーを含め、大部分はアビドスに編入したので勢力は小さくなりましたが……未だこうやって、ちょくちょくテロ行為に勤しんでる集団です」

 

「あいつら……! いい加減諦めなさいよ!」

 

 落ちた紙を広げ、机に叩きつけるセリカ。土地に根差した不良集団というのは厄介なもので、捕まえようと思っても監視の目が行き届かない場所に逃げ出して暴れ出すのだ。

 ドローンをそこら中に飛ばせば解決するのだが、町の景観や市民が不安になるという観点から放置せざるを得ないのが現状だ。

 

「ああいう集団は、勝てる勝てないの話で動きませんから。最早意地のようなものなのでしょうね」

 

 いつの間にかシロコとの勝負に決着を付けていたホシノが、その紙を見て神妙な面持ちで呟く。

 

「懲りない人たちには、またお仕置きをしないと」

 

「仕方ないですねぇユメ先輩も☆ そのお仕置き、私も手伝っちゃいますよ!」

 

 頭にたんこぶを作ったシロコが、キリっとした表情で銃を背負う。

 ノノミもやる気いっぱいと言った様子で、自前のミニガンに弾倉ベルトを取り付けた。

 

「行くわよみんな! ユメ市長を虐める奴らには、目にもの見せてやるんだから!」

 

「私もお手伝いします。サポートはお任せください!」

 

 1年生2人もやる気満々なようで何よりだ。

 ヘルメット団が残した紙を見ると、そこには町外れにある廃工場の場所が指定されていた。

 

「私は先に行って偵察してくるよ。もし良ければ、先生も私たちの戦いを見て行ってくれ」

 

 予定は大幅に狂ってしまったが、アビドスの底力を見せられるという点では悪くない状況だろう。

 

「……みんな、凄い冷静なんだね」

 

 先生は私たちの対応の速さに驚いたのか、目を丸く開いて驚きを露わにした。……そう言えば言ってなかったね。

 窓から身を乗り出し、後ろを振り向いて先生の質問に答える。

 

「────ユメが誘拐されるの、これで5回目ぐらいですから」

 

「えぇ……って、そんなところに立ってたら危ないよ……っ!」

 

 先生の警告を無視し、そのまま窓から飛び降りる。

 生徒会室があるのは三階の端。いくら体が頑丈なキヴォトス人でさえ、当たり所が悪ければ普通に怪我をする高さだ。

 

 だが心配はいらない。何故なら、私には優秀なスーツがついているからね。

 下を向いた状態でどんどんと地面が近づいて来る。しかし、その間に入るように背面を開けたスーツが割り込んできた。

 即座に羽とリパルサーを展開し、滑空の後に空中でホバリングする。

 

 生徒会室の窓には心配してくれたのか、身を乗り出して驚いたままこちらを見つめる先生の姿があった。

 マスクの前面を開き、にっこりと笑って空中に浮いたまま敬礼をする。

 

「では、行って参ります☆」

 

 マスクを閉じ、そのまま私は空中へ急上昇する。

 

「か、かっこいい……!」

 

 そんな、珍しく興奮したように呟いた先生の言葉を耳にしながら、ヘルメット団の指定した場所へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ──基本ステータス

 

 名前:アテネ(Mark25)

 役割:STRIKER

 ポジション:FRONT

 クラス:アタッカー

 攻撃タイプ:神秘

 防御タイプ:重装甲

 市街地戦闘力:S

 屋外戦闘力:A

 屋内戦闘力:D

 装着可能装備:帽子、ヘアピン、腕時計

 

 ──EXスキル:2コスト

『ソフィオスの(やり)

 空中飛行状態へ転換(5秒間)/

 空中飛行状態では全ての攻撃、状態異常を無効化する/

 円形範囲内の敵に対して、攻撃力のXXX%分のダメージ。

 

 ──ノーマルスキル

『UNI-ビーム』

 20秒毎に、直線範囲内の敵に対して攻撃力のXXX%分のダメージ/

 さらに気絶状態を付与(X.X秒間)/

 また、発動時にコストを1回復する(愛用品T2装備時)

 

 ──パッシブスキル

『アークリアクター』

 攻撃力をXX.X%、会心ダメージ率をXX.X%増加

 

 ──戦闘補助システム:H.E.R.M.A

『サブスキル』

 全ての攻撃を確定命中に変更/

 EXスキル並びにノーマルスキルを全属性特攻とし、各属性特攻をXX.X%増加させる

 

 ──固有武器

『リパルサー・レイ』

 アイアンマンの標準攻撃用光線兵器。両手両足、羽の付け根に搭載されており、右腕にはシロコに落書きされた絵が描かれている。

 消すことは容易だが、アテネはこの絵をとても気に入っているようだ。

 

 ☆2:パッシブスキルが『アークリアクター+』に変化(攻撃力、会心ダメージ増加を追加)

 ☆3:市街地戦への地形別戦闘力をSSに強化

 

 ──愛用品

『淡く光る手作りネックレス』

 ミカとナギサがデザインし、アテネが作ったネックレス。

 装着者の神秘に反応して宝石の部分が淡く光るようになっている。

 ミカとナギサにも同じものをプレゼントしたらしく、3人共大切に使っているそうだ。

 

 T1:会心値260

 T2:ノーマルスキルが『UNI-ビーム+』に変更

 

 

 




 
 心労が減ったことによりお母さんになるホシノも良いと思います。自分で言うのもなんですが、犬化が進むシロコも可愛いですね。

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次話投稿は13日12時の予定です
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