MARVEL STUDIOS 「ブルーアーカイブ」 作:MAN
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高等部に入学してから約半月が経ったとある日の夜。私は寮の部屋に帰るなり、鞄を机の上に放り投げてベッドに飛び込んだ。
「ただいま~。もう、急に会合やるってんだから遅くなっちゃった」
パテル分派の会合を行うとのことで、出席が可能な生徒は極力参加するようにと昼頃に連絡があり、今までそこで話し合いをしていたということだ。
ひとり暮らしだとひとり言が多くなるってアテちゃんは言ってたけど、私の場合は少し違うんだよね。
『お帰りなさいませミカ様。本日もお疲れ様です』
ホログラムが起動し、そこに可愛らしい顔文字を模したヘルマちゃんが表示される。
ホログラムと言っても、アテちゃんのラボにあったものみたいにジェスチャーで操作もできないし、画質も悪い簡易的なものだ。ミレニアムで売っていた画面を表示するだけの機械に、ヘルマちゃんをインストールしたタブレットを繋いだだけの簡素なもの。
「ありがと。今日もアテちゃんを探す方法をずっと話し合い。あの首長もアテちゃん大好きだったのは分かるけど、毎回同じお話しばっかりしてて眠くならないのかな?」
きっとアテちゃんも「馬鹿の一つ覚えだな(`・ω・´)キリッ」って感じで不満を口にしそう。こんな話し合いでも会合だから、欠席したらパテル分派の子たちに何言われるか分からないし。
人を率いるのには、思っている以上に覚悟と冷静さが求められるものだぞ。なんてアテちゃんがよく言ってたのを思い出すね。
その度に、どうせアテちゃんが首長になるから別にいいじゃん。なんて言ってたけど……今思えば、元からアテちゃんはティーパーティーになるつもりはなさそうだったよね。
「あーあ。アテちゃん、今頃何してるんだろ」
ヘルマちゃんが何も言わないから多分無事なんだろうけど、こうも音沙汰がないとちょっと不安。
春休みが終わったら戻って来るって言ってる人が大半だったけど、やっぱり戻ってこなかったし。連邦生徒会からの連絡がないってことは、どの高校にも入学してないみたいだから、きっとどこかに引きこもって機械弄りしてるんだろうな。アテちゃん学校行く以外は引きこもりのオタクだし。
ご飯とか飲み物は全部部屋に配達させてたし、私とナギちゃんに誘われないと家から一歩も出ないんだよ? 信じられないよね。
「やっぱりナギちゃんにも教えてあげた方が良いかな。ナギちゃん、日に日にやつれちゃってるし」
結局、私はナギちゃんにアテちゃんが失踪した理由を教えられていないままだ。
学校が始まってからのドタバタや、本格的にティーパーティー候補生となったことによって、プライベートで会う時間もそんなに取れなくなっちゃったのも大きい。
……でも、本当のことを知ったら、ナギちゃんショック受けるだろうな。
女の子しか居ないキヴォトスでも、とりわけ私たちトリニティは男の人の免疫少ないし。その中でも真面目なナギちゃんだったら、ずっと一緒に暮らしてた子が実は男の子だったって知ったら、もしかしたらアテちゃんのことを嫌いになっちゃうかもしれない。
もちろん、アテちゃんの秘密を私だけが知ってることに、全く優越感を感じていないかと聞かれれば嘘になる。でも、それを無視したとしても、アテちゃんが失踪した本当の理由を言うべきとは思えなかった。
「なんて言うのが正解なのかなぁ」
『9年間女の子として一緒に過ごしたアテちゃんは実は男の子で、元々高校入学と同時に姿を消すつもりだったの。でも私がアテちゃんの秘密を知っちゃったから居なくなっちゃった』……なんて言ったら、ナギちゃん泡拭いて倒れちゃうよ。
お風呂とかは頑なに拒んでたし、水泳の授業もずっと見学してたけど……一緒にトイレに行ったり、下着を選んだり、小さい頃は3人で同じベッドで寝たりしてたからね。……懐かしいなぁ。
「ヘルマちゃん、昔アテちゃんの部屋でお泊まりしたときの写真って、まだ残ってたりする?」
『はい。アテネ様から好きなタイミングで写真を撮ることを許可されていたので、500枚ほど保存しています』
……何というか、ヘルマちゃんも結構アテちゃんのこと大好きだよね。本当にAIとは思えないよ。
アテちゃんが小学1年生のときにはもうヘルマちゃん居たし、そんなに小さい頃に作っちゃうなんて流石だよね。
ヘルマちゃんがインストールされてるタブレットに、いくつかの写真がダウンロードされていく。プレビューをサッと流し見していくと、特に目に留まる写真が1枚見つかった。
「わぁ……! 可愛いっ!」
その写真は、アテちゃんのクイーンサイズのベッドで3人で横並びになって寝ている写真だった。
真ん中のアテちゃんが私とナギちゃんに揉みくちゃにされていて、寝づらそうに眉をひそめているのが鮮明に写っている。
「あははは! ナギちゃんほっぺぷにぷに~! 私もよだれ垂らしちゃってるし」
寝相よく横向きにアテちゃんの腕を枕に眠るナギちゃんと、大の字になってアテちゃんの上に足を乗っけている私が全然違くて面白い。
楽しかったなぁ。初めてのお泊まりだったもんね。
……よし、決めた! 明日学校でナギちゃんに本当のこと伝える。きっとナギちゃんなら説得する方法考えてくれると思うし。
もしアテちゃんのこと悪く言おうものなら、そのお口をロールケーキで塞いであげればいいもんね。
お口をロールケーキで塞がれて、もごもご言いながら涙目になるナギちゃんを想像して笑っていると、鞄の中のスマートフォンが振動して着信を知らせた。
「もしもし? どうしたのナギちゃん?」
『……すみませんミカさん。先ほど連邦生徒会から連絡があって、急いでかけてしまいました』
噂をすれば、電話をかけてきたのはナギちゃんだった。
酷く焦ったような声色で、若干電話越しに聞こえる息の音も荒い。一体何があったのかな?
そんな疑問符を頭に浮かべている私に対して、ナギちゃんは驚きの内容を口にする。
『落ち着いて聞いてください。────
「え……?」
────────────────
ミカさんにアテネさんの話を電話で伝えてから数分後。私は自身の所属するフィリウス分派のグループトーク画面を開いていました。
そこに書かれていたのは生徒会長の一人でもある、フィリウス分派の首長が全体に送ったメッセージ。
『ティーパーティーはこの件に対して、一旦静観を貫くことを決定した。各自疑問や思う所はあるだろうが、ひとまずは新しい情報が入ってくるまで行動を起こすことの無いように。特にナギサ、分かったね?』
『承知しました』
『……君は有望なティーパーティーの候補生だ。辛いかもしれないが、今は耐えてくれ』
『はい。ありがとうございます』
基本的に連絡事項以外の雑談は禁止だが、名指しされたため閲覧しているという意を込めてメッセージを送ります。
もう少し気の利いた言葉を返そうとしたが、今の私にとってそれは難しかった。文面では冷静を装うことができたが、私は手を押さえるので精一杯だったのです。
生きていたという安心感と、私たちを捨てて別の高校へ入学してしまったという悲しさが、私の情緒を酷く揺さぶっています。
「……なぜ、今になってアビドスなんかに……?」
────アビドス高等学校。かつてはキヴォトス最大の資金と兵力を持つとして繁栄を誇っていた、アビドス自治区の高校。しかし数十年前に頻発し始めた砂嵐によって経営が悪化。殆どの生徒が転校し、キヴォトスで最も人口減少率が高い瀕死の病人。
それが、アビドスに対する印象でした。現に、連邦生徒会への議席も最も少ないです。こっそり入学する点で考えれば、悪くはない選択肢でしょう。
しかし、結果として書類を確認した連邦生徒会に気づかれ、私の元まで連絡が伝わって来ています。
捜索届が出されていると知らずに申請をした……? いえ、アテネさんに限ってそれはあり得ませんね。この6週間の間、全くの目撃情報も音沙汰もなく過ごしていた徹底っぷりを見るに、私たちが身柄を求めていることは既に伝わっているはず。
正直、保護してもらうのであればミレニアムに行くのが最も効率的でしょう。アテネさんの腕ならば特待生として入学することも可能でしょうし、ティーパーティーからの要請を跳ねのけることができるのは、同じくキヴォトス3大学園と呼ばれているゲヘナを除いて他にありません。
ゲヘナに関しても可能性は低いですが、あり得なくはないでしょう。アテネさんはゲヘナの生徒に対して悪感情を抱いて居ませんでしたし、何なら常日頃、友好を結んで対立関係から脱却したい。と言っておりました。ですが生徒の大半はそうは思っていません。トリニティからゲヘナに入学が周知となった時点で、元々関係の深かった私やミカさんまで責められるのはほぼ確実と言っていいでしょう。
ですので、ゲヘナに入学したのであれば、私たちのことは二の次。失踪した理由も私たちのことが好きではなくなったから。と推測できると考えていました。……そうならなかったのは不幸中の幸いかもしれません。
「はぁ……はぁ。ナギちゃん!」
私が深い思考の海へと潜り込んでいると、ミカさんが扉を破る勢いで部屋に入ってきました。ひどく息が荒く、パテル分派の寮から走ってきたことが伺えます。
フィリウス分派、それもティーパーティー候補生の部屋にパテル分派の生徒がいるというのは、褒められた状態ではありませんが仕方ありません。
「座ってください。紅茶を入れておきました」
こういう頻拍した状況でこそ、一度落ち着つく必要があります。昔ミカさんが夏休みの宿題が終わらないと泣きついてきたときも、アテネさんはまず缶のコーラを差し出していました。
それに習ってダイニングテーブルに紅茶を注いだカップを置き、その対面に腰掛けます。
すると、ミカさんはわざわざそのカップを移動させ、私の隣に座りました。
「……あの」
どうしてそこに座るのですか? と言おうとしたとき、ミカさんは私の両手を取って懇願するように話し始めました。
「ナギちゃん、あのね。……なんて言っていいか分かんないんだけど」
瞳を白黒させながら言葉をまとめるミカさん。それを待っていると、何故か最初に飛んできたのは謝罪の言葉でした。
「────ごめんナギちゃん! 私っ、実はアテちゃんが居なくなった理由、知ってるの!」
「はい?」
────ミカさんの口から語られた内容は、それはそれは信じがたい言葉でした。
「……ええと。要約すると、アテネさんは実は男の子で……ミカさんに裸を見られてそれがバレたから、嫌われるのを恐れて逃げ出した……ということですか?」
「違うよナギちゃん! 私がアテちゃんのお風呂に突撃して、その時にアテちゃんの■■■■■とか■■■■をぎゅって■っちゃったから、男の子だって分かったの!」
「……それ、あえて言い直す必要ありましたか?」
ミカさんの口から出た訂正の言葉は、聞くに堪えないような言葉の羅列。
勝手に気負って勝手に逃げ出したアテネさんに、思う所が無いかと聞かれれば嘘になりますが、それ以上に少し気の毒に感じてしまいます。
「でも大事なことだよ? 私がビックリして気絶してなかったら。逃げようとするアテちゃんを捕まえて縛り上げれば解決だったもん」
「……確かに」
アテネさんの腕力は一般的な生徒程度のもの。銃を撃つこともできないですし、ミカさんなら逃げ回るアテネさんの背中を撃ち抜いて、痛みに悶絶している所を縛り上げることなど造作もないことです。
『思考が過激になっていますよ。一度紅茶を飲むことをお勧めします』
そのとき、久しぶりに聞いたヘルマさんの声が、ミカさんのスマートフォンから聞こえてきました。
「……もしかして、ヘルマさんもミカさんの元に?」
「うん。アテネちゃんの場所はトップシークレットだから教えられないらしいんだけど、いろいろ手伝ってくれてるの」
「……なるほど」
何故私に教えてくれなかったのかという言葉が喉まで出かかり、寸前で止まりました。
ミカさんのことですから、あまり深くは考えずに、私に心理的な負担をかけたくないと考えての判断でしょう。もう過ぎたことですし、彼女を責めてもどうにもなりません。
「もう教えてくれても良くない? ヘルマちゃんのいけず!」
『申し訳ございません』
そう思ってはいるのですが、目の前で楽し気にヘルマさんとやり取りをする姿を見ていると、やはりいろいろな感情が湧いてきてしまいます。
「んもう。……ナギちゃん?」
薄暗い感情が渦巻きつつある私の瞳を、心配そうに見つめるミカさん。
……いけませんね。今は過去の事ではなく、もっと先のことを話し合うべきです。
「少しめまいがして、すみません」
「大丈夫だよ。……だからね、明日アビドスに行ってアテちゃんとお話しようかなって思ってるの」
「……私たち2人だけで、ですか?」
「うん! 私たちがアテちゃんのこと大好きだよって言えば、アテちゃんもきっと戻って来てくれると思うの!」
そう確信して疑っていないのでしょう。ミカさんは、満面の笑みで声を上げます。
……確かに、アテネさんの勘違いは正した方がいいかもしれません。でも、私にはそれで解決するほど単純な問題ではないと思いました。
「……私は、一度アテネさんの動きを待つべきだと思います」
「え……」
時が止まったと錯覚するほどに、呆気にとられたまま固まるミカさん。
「なんで? ……アテちゃんは今も悲しんでるかもしれないんだよ?」
心底理解できないといった様子で、震える声で言葉を紡ぐ。
「何か、考えがあってアビドスに入学したはずです。……抜けているところはあれど、政治的な状況での勘の鋭さや頭の回転の速さは、私たちが一番知っているでしょう?」
「でも……!」
それでもなお食い下がるミカさんに、私は胸の奥にピリッとした、電気が走ったような感覚になりました。
「今の私たちが説得しに行っても、外から見れば友人同士の話し合いでは済まないんですよ。ティーパーティ候補生が対話を拒む他校の生徒に無理やり話をつけに行ったことにしかなりません。それが、かつてトリニティの希望と呼ばれていた、芙蓉アテネでも変わらないんです」
アテネさんは確かに、初等部、中等部とトリニティで過ごす中で、生徒や教師の信頼を得てきました。
授業態度もよく、成績は常に学年トップ。部活動にこそ所属していませんでしたが、中等部では生徒会長として革新的な改革を行ってきました。……面倒な実務は全てヘルマさんに投げて、研究に没頭していたようですが。
先輩後輩問わず生徒との関係は良好。私やミカさんはもちろん、サンクトゥス分派のセイアさんとも関わりがあったそうです。一時は融和的すぎると、その政治体制に不満を持つパテル分派の生徒も居たそうですが、そういう話は彼女が生徒会長になってからは聞かなくなりました。
経済や投資についての学もあり、キヴォトスの様々な企業に出資を行っている資本家としても有名です。発明品の特許使用料で貯めた資本を投資し、投資で得た金額の一部をトリニティに献金したりもしていました。
フィリウス分派の首長候補に選ばれたときは嬉しさ反面、アテネさんを相手とって政治を行わなければならないことへの苦悩すらあったほどです。
そうです。彼女……彼は優秀すぎるのです。
正直言って、ただのティーパーティ候補生が失踪しただけならば、ここまで話が大事になっていないでしょう。私を含めて、トリニティの生徒は、彼の放つ強すぎる光に目をずっと焼かれ続けてたんです。
「それに……そんな生徒が、男だと分かったら、きっと大変なことになります。アテネさんはそれを危惧して、誰にも告げずに一人で出て行ったんです。……私は、そんな彼の覚悟を尊重したいだけです」
何でも出来るからこそ、何でも背負ってしまう。そんな彼の苦悩を、私は知らずに甘え続けていたんです。
上に立つ者としての心構え、従える方々との話し方、勉強だってそうです。私たちがティーパーティのメンバーになっても大丈夫なように、教えて頂いたことのおかげで、私は今この地位を確固たるものとして確立できました。
ならば、最後の最後くらいは、彼のやりたいことを尊重してあげたい。
そう思うことは、そこまでおかしなことなのでしょうか?
「知らないよ! 私は、大事なアテちゃんが勘違いして馬鹿なことしてるから、戻って来てってお願いしに行くだけ!」
そんな私の想いなど知った事ではないのか、ミカさんは瞳に涙を滲ませながら、駄々っ子のように声を荒げます。
「何でアテちゃんのこと突き放そうとするの? 色々言い訳して、結局はアテちゃんと話すのが怖いだけでしょ!」
「ミカさんこそ! 少しは己に与えられた立場の重さを自覚したらどうなんですか!? アテネさんから継いだその座を、考えなしの行動で台無しにするかもしれないんですよ!?」
そう。ミカさんはいつもそうでした。
自分の望まぬ事が起きれば感情的になって声を荒げて……そうすればどこに居ても、必ずアテネさんに助けてもらえるから。
私は……彼に失望されるのが怖かったから、辛くても、痛くてもジッと堪えて我慢してきたんです。
その度に頭を撫でられながら、ナギサはしっかりしてて偉いね。という言葉だけで、私はどこまでも頑張ることができました。
「……元はと言えば、ミカさんが入浴中のアテネさんのところに行ったのが悪いんじゃないですか?」
それは違うだろう。そんなことを言ったところで、何の解決にもなりはしない。
理性ではそう思っても、いつの間にか沸騰間際まで沸き上がった感情が、私の口を止めることを許してくれませんでした。
「アテネさんが頑なに体を見せようとしなかったことくらい、知っていましたよね……? だって今まで、一緒にお風呂すら入ったことがなかったんですから!」
「それは……」
それを言うなら私も同じだ。
時折見せる彼の申し訳なさそうな笑顔に、その違和感に、気が付けていた筈なのに。
こちらから踏み込んで拒絶されるのが怖くて、私はその笑顔から顔を背けてきた。
「────あなたのその安易な行動が、アテネさんを苦しめたんじゃないんですか?」
「……っ!」
ああ。言ってしまった。
無意識のうちに放った言葉の罪深さを悟ったのは、砕けそうになるほど歯を食い締めて、瞳から大粒の涙をポロポロと溢す、ミカさんの顔を見たときでした。
「ナギちゃんのばかっ! もう知らない!」
椅子を倒しながら立ち上がり、袖で瞳を擦りながら廊下を駆け抜けていくミカさん。
扉を強く閉める音が鳴り響き、辺りには静寂が取り戻されました。
「……これで、良かったのでしょうか」
冷めた紅茶を口にし、椅子にもたれて小さく呟く私。
……そうです。これで良いんですよ。ミカさんがむやみに突っ走ることはなくなって、私たちは来年無事、ティーパーティーのメンバーになれるんです。彼が……アテネさんが望んだとおりに。
「あれ……? 何で私、泣いて……」
ポロポロと零れ落ちていく涙を、私ははしたなく袖で拭います。ポケットからハンカチを取り出す余裕もありませんでした。
でも大丈夫です……泣き顔を見せたくない人は、ここにはいませんから。
でも────
「こらこら、綺麗な服が汚れるぞ。私のハンカチを使うといい」
────なんて言ってくれる人も、もうそばには居ないんだ。
「っ……ひっぐ……ひっ……」
そう思うと、何故だか涙が止まりませんでした。
アンチ・ヘイトとか曇らせタグ付けた方が良いのかな……
ブルアカのキャラだとミカが断トツで好きなんです。特にエデン条約辺でのナギサとの友情は美しいですよね。
それはそうとして、書いててアテネに腹が立ってきました。はよ仲直りしろ。
高評価、感想、ここ好き頂ける作者の励みになります。モチベは投稿頻度にも露骨に作用するので、面白いと思ったらよろしくお願いします!