なんかブルアカ×サイバーパンクとか流行ってるのでいけるやろと思いました。
私のミスでした…なので初投稿です。
「…ん…あれ…私、なんでここで…」
目が覚めると私は、トリニティ総合学園の敷地内に存在する救護騎士団の病院にいた。
窓からは暖かな日差しがさしている。どうやら昼間のようだ。
暖かな日光を浴びた私はそのまま二度寝をしたい気分になったが、直後に全身を襲った痛みでその眠気は吹き飛んでしまった。
一通り外を眺めて満足した私は視線を下げて自分の身体を見てみる。いつもの正義実現委員会の服ではなく、着せられている病院服から覗く自分の身体は包帯だらけで左手には点滴の針が刺さっている。
そして、正義実現委員会の活動で鍛えられて、最近少し筋肉がついたと思った足も包帯がグルグル巻きにされている。まだ怪我が治りきっていないのか左足に力が入らない。
そして…全身痛いはずなのに何故か一切痛みを感じなかった右腕。薄々どうなっているかを想像がついていたけれど、麻酔が効いているだけ、痺れているだけと思って受け入れたくなくて見ないでいた右腕。
しかし、いつまでも目を背けてはいられない。
私は意を決して右手を見た。
「……あぁ………」
やはりというべきかそこにあるべき私の腕はなくなっていた。右腕の関節の上辺りから先のところには本来あるべき腕ではなく包帯が巻かれているだけだ。ヘイローの護りがあるキヴォトス人は、先生のような外の人達よりも頑丈だ。それでも、欠損を伴う怪我をする人もいないわけではない。
ただ、自分がそうなるとは思っていなかっただけだ。
なんとなく予想していたこととはいえ、辛い。
未だぼんやりとした頭は、これからのことや先輩や友人達に心配させてしまったことなどを考えていたが、口から漏れでたように呟いたのは、
「…本のページが捲りづらくなったわね…」
ということだけだった。
そのままぼんやりとしていると病室の扉が開く。
扉の音に気づいてそちらを向くと救護騎士団の人だった。
あの人はシャーレの当番に行ったときに見たことある…確か…鷲見セリナさん、だっただろうか。
「目が覚めたんですね!良かったです」
そういうと彼女は、失礼しますねと言って私の状態をみながら手元のチェックシートに何かを記入している。
そのまま状態を観察されたり、いくつかの質問に答えると全てのところを埋めたのか、チェックシートをしまった。
「ありがとうございます、下江さん。治療できたところはほぼ回復したようです。ですが…」
そこでセリナさんは一旦言葉を切り私の右腕を見る。
「欠損した部位は手術により治療は出来ました。ですが、部位の回復は残念ながら…」
そう言って首をふる。詳しく聞くとただ切断されただけで切断面がきれい、かつ取れた方の腕がちゃんとあれば多少の障害は残るものの、再び動かすことが出来るように出来るが、私の右腕の状態はどちらもぐちゃぐちゃで繋げることは不可能だったようだ。
「そっか…」
説明を聞き終わって思わず漏らした一言に、セリナさんの表情が曇る。
その様子を見て、私は慌てて
「ううん!大丈夫だから。今回はだめだったかもしれないけど、私はとても感謝してる」
と言った。
その言葉にセリナさんは何か言おうとして言葉を詰まらせ、少しすると絞り出すように。
「…そうですか…お大事に、してください」
と言った後に扉まで歩き、出ていこうとしたところで思い出したかのように振り返る。
「詳細な怪我の状態についてお話するのは後にしましょう。目覚めたばかりの時にショックを受けるのも良くないですから」
「それから、下江さんに面会希望の方々がいらっしゃるのですが…お通ししてよろしいでしょうか?」
「面会…」
相手が誰なのかはなんとなく想像がつく。おそらくヒフミとアズサに先生、そして…ハナコ。
もしかしたらハスミ先輩やツルギ先輩、ミカ様かもしれないがこんなに早く来るなら補習授業部のみんなだろう。
「うん、お願い…します」
通して構わないと告げたが心の準備はまだ出来てない。それでもせっかく来てくれたんだから話さなきゃ。
その一心でじっと待つ。
そうして3分後、病室の扉が開く。
視線を向けるとやはり補習授業の面々がいた。ただ、皆沈んだような顔をしている。
「どうしたの?私のお見舞い何でしょ?もっと明るい表情で来なさいよ!気が滅入るでしょう!」
いつものように声を上げると、やっと皆が顔を上げる。
ひどい顔だ。ヒフミはとても心配そうな顔をしているしアズサも心配そうだ。ただ、アズサはこういう人を見たことあるのか強すぎるショックは受けていなさそうで安心する。
それよりも…
ちらりとハナコを見る。やっぱりだ。
今にも死にそうな顔色と表情で私を見ている。
「…ハナコ」
「!…はい…」
あぁ……そんな顔をするんじゃないわよ。せっかくの美人が台無しじゃない。貴方はエッチなことを言って私をからかって笑ってるときのほうがよほど素敵なんだから。だからそんなに自分を責めないで。
「ハナコが無事で良かった」
「私が無事でって…」
私がそういうと一瞬目を見開いた後に飛びかかるようにハナコは私に抱きつく。
「ごめんなさいコハルちゃん、ごめんなさい…!私が、私が余計なことをしなければ!あそこに行ってみようって言わなければ…!」
抱きつかれている私からはハナコの表情は窺えない。ただ、泣いているのだろうと思った私は、そっと右手で頭を撫でようとして、
「あ…」
そうだ、私の右腕はもう無いんだった。
最悪なことに、私が頭を撫でようとしようとして腕が無いことに気づいた一連の流れをヒフミとアズサにバッチリ見られてしまい、二人とも居た堪れなさそうに顔をそらす。
「ふふっ…」
仕方なく残った左腕でハナコを撫でる。かつて自分が母親にやってもらった時のように。
「そういえば先生は?」
こういうとき、真っ先に来そうな先生がいないことに気づいた私はヒフミに聞いてみる。
「あっ先生だったらミレニアムに行くって…」
「ミレニアム…」
おそらく私のために義手を探しに行ったのだろう。本人不在で義手を探しても仕方ないだろうに。
そう思いつつ、生徒思いは変わらないなと少し嬉しくなった。
「コハルちゃん」
「ん?なに?」
「どうして..そんな大怪我を?」
怪我の理由か…
だいぶはっきりした頭を働かせ、少しづつ思い出しながらこの怪我に至るまでの過程を私は話し始めた。