ヤンデル大鯨ちゃんのオシオキ日記   作:リュウ@立月己田

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※今話は……グロくないですけど……


 電話先の高雄さんと取引をして、まさかの連続オシオキ開始~♪
さてはて、どうしようかと思って書類に目を通してみると……むぐぐ、許せません!
今回は本気でやっちゃいますよ――と、思ってたんですけど……


 余談ではありますが……

 艦娘幼稚園 ~遠足日和と亡霊の罠~
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舞鶴鎮守府編 幼稚園児をお助け……です? その3「まさかのオシオキが!?……の巻」完

「それではこれで」

 

「はい。ではでは~」

 

 頭を下げた高雄さんに向かって手を振ります。

 

 場所は先ほど化け猫中佐をオシオキしていた地下室ですが、綺麗サッパリと清掃され、血液も拭き取られています~。

 

 アレから電話で高雄さんの頼みごとを快く了解した私は、代わりと言っては何ですけど――と、化け猫中佐の後始末をお願いすることにしたんです。もちろん、初めからそのつもりだったんですけど、等価交換にした方が気軽にできちゃいますからね~。

 

「さてさて~、まさか続けてとは思ってなかったですけど……まずは資料に目を通しましょうか~」

 

 高雄さんから貰った資料をペラペラとめくりながら目を通していきます。これはとある男性――作業員の方みたいですけど、いったい何をしたんでしょうかね~。

 

「ふむふむ。勤続5年目の30歳で艤装の整備を担当し、周りの信頼もそこそこ。これでいったい何が問題なのでしょう?」

 

 そう呟いて、化け猫中佐が座っていた椅子に目をやります。そこには資料にある写真と同じ、無精髭に筋肉質の身体をした男性が、「ぐーすかぴー」と寝言を言いながら鼻提灯を膨らませていますけど……なんつーふてぶてしさですか……

 

 ちなみに鼻がぐにゃりと曲がってるんですけど、これって折れちゃってますよね~。

 

「んっと……あぁ、ここに容疑内容が書かれてますね~。主にヲ級に対するセクハラ行為……」

 

 ……ふむ。

 

 ……そうですね。

 

 ………………

 

 ヲ級ちゃんにセクハラ行為とか許せませんよっ!

 

 今すぐ殺りますっ! さぁ、覚悟は良いですかっ!?

 

 ――って、まだぐっすり寝てますしっ! しかも幸せそうな寝顔がなんだかイラっとしますっ!

 

「とりあえずファーストアタックッ!」

 

 

 

 パシーーーンッ!

 

 

 

「おふぅっ!?」

 

 右頬を思いっきり平手打ちで叩き起こし、今から殴りますよと言わんばかりのガン飛ばしで男性の顔を睨みつけちゃいます。

 

「……んあ? ここ、どこ?」

 

「……状況が分かっていないとしても、そのふてぶてしさには驚くモノがありますね~」

 

「そして、あんた誰?」

 

「喋り方からイラっとしますが……そうですね。まずは自己紹介をしておきましょうか」

 

 私は大きくため息を吐いて目を閉じたのですが、

 

「うおっ、なんだこれ! 俺って縛られてるじゃん!」

 

 ……気づいてなかっただけですか。

 

 しかしまぁ、己の状況を知れば少しくらいは焦るでしょうし、私もやりやすくなるんですけど……

 

「な、何これ……緊迫プレイとか……はぁはぁ……いきなり高等テクニックじゃん……」

 

 ………………

 

 ど、どうやらこの男性……変態さんみたいですね……

 

 頬を赤く染めて……ハァハァと息が荒いですし……

 

 こ、このパターンは初めてですね……

 

「これでヲ級ちゃんが攻めてくれたら言うこと無いんですけどっ!」

 

 ………………

 

 とりあえず、容疑自体は聞かなくても確定っぽいですねぇ~。

 

 正直げんなりですけど、オシオキはしないといけません。ただ問題は、この男性って多分というか間違いなく……

 

 

 

 マゾですよね?

 

 

 

「う~ん……ちょっと質問なんですけど、宜しいですか~?」

 

「はぁはぁ……今から俺は何をされるんでしょうか……はぁはぁ……」

 

「うぅぅ……なんだかやりにくいですよぉ……」

 

 キラキラした目で見つめられては、オシオキする気力が無くなってしまうんですが……

 

 しかし、ヲ級ちゃんに魔の手が伸びるのを放ってはおけません。残念ながら殺してはいけないと言われているので、ロリコンを矯正するオシオキをしないといけないのです。

 

「今から……はぁはぁ……」

 

「うぅぅ……高雄さんったら、本当に無理難題ですよこれ……」

 

 大きく肩を落としながら、私は何度も大きなため息を吐き続けました。

 

 

 

 

 

「とりあえず、どこまで我慢できるか試してみましょう」

 

 大きなタライに油をたっぷり入れて、その下に火を焚きます。もちろんその中に入って貰うんですけど……

 

「いい湯だなぁ~ははは~ん♪」

 

 ……お風呂じゃないんですけど。

 

 普通に自分から入ってるんですが、状況を理解しているんでしょうか?

 

 油の上には蝋燭を浮かべた小舟があるんですが、油面を揺らしてしまうと火が落ちて大炎上……という、有名な油風呂なんですけどねぇ……

 

 微動だにせず、蝋燭の灯が消えるまで我慢することで助かるという拷問なんですけど、この調子だとまったく効果が無い気がしますねぇ~。

 

 でもまぁ、だんだん温度が上がれば耐えきれないかもしれませんし、とりあえず続けてみましょう。

 

「それじゃあ、温度を上げる為に薪をたっぷり投入して~」

 

「程良い温度で気持ち良いですタイ」

 

 ……なんでいきなり方言が出るんでしょうか?

 

「更に追加追加~」

 

「熱くなってきたでごわすが、余計に気持ちが良くて……はぁはぁ……」

 

「やっぱりこれダメですーーーっ!」

 

 マゾに拷問しても意味無いですよぉっ! 始末するなら楽なのに、なんでロリコン矯正だけなんですかっ!

 

「とりあえずヲ級ちゃんに手を出さないでくださいっ!」

 

「だが断る」

 

「なんでどこぞの漫画家さんなんですかっ!」

 

「ヲ級ちゃんは俺の生きがいだ! ファンクラブ会長として、一歩も引くことはできないっ! 引かぬ、媚びぬ、省みぬだっ!」

 

「今度は世紀末キャラッ!?」

 

「ヲ級ちゃんへの愛は世界一ィィィッ!」

 

「もう何が何だか分かりませんっ!」

 

 収拾つかないレベルじゃないですよぅっ!

 

 誰ですか、こんな人を矯正しろって言ったのはっ!

 

 無茶にも程がありまくりですよっ!

 

「はぁ……はぁ……」

 

「むむ、なぜお主が息を荒らげるのですかな?」

 

「貴方のせいですよっ! ――っていうか、あまりに酷過ぎて私のキャラが崩壊しかかってるんですよっ!」

 

「ふむ……キャラ崩壊とはまた難儀な……」

 

「それ以前に、天ぷらを揚げれそうな温度になっているのに、なんで平然としてるんですかっ! いくらマゾでもおかしいでしょうっ!」

 

「心頭滅却……しなくても、そもそも熱いの得意なんで」

 

「もはや人間レベルじゃありませんしっ!」

 

 いくらなんでもありえなさ過ぎなんですけど、このまま続けても効果が見られないので別の手段を考えるしかなさそうですね……

 

「とりあえず、そこから出てください……」

 

「うい。良い湯だったでごんす」

 

 顔色一つ変えずに油から立ちあがる男性ですが、本当に人間なんでしょうか……

 

「次の準備をするので、その椅子に座っていただけます?」

 

「んー……というか、一つ聞きたいんだけど」

 

「……なんでしょう?」

 

「なんで俺って、こんな目にあってるのかな?」

 

「………………」

 

「お、おふぅ……その視線が……イィ……」

 

 ジト目で男性を睨みつけますが、その視線までもが快感に変わるようで、もはや手に負えないんですけど……

 

 でもまぁ、ちゃんと伝えておかないといけないことですし、それが目的なのでもう一度お話ししましょう。

 

「さっきも言いましたけど、貴方がヲ級ちゃんに手を出さないようするのが私の仕事なんですよ~」

 

「………………」

 

 あれれ? なぜか男性は黙り込んだまま私の目を見つめていますけど……新たな反応ですね。

 

 もしかすると、何かしらの弱みとかがあったりするのでしょうか?

 

「なるほど……そういうことか」

 

 言って、男性はごほんと咳をしてからもう一度私の目をしっかりと見つめ、

 

「君もヲ級ちゃんファンクラブに入りたいんだねっ!」

 

「こいつ全然ダメですぅぅぅっ!」

 

 まっっっっっっっっったく分かってませんっ! 手に負えるレベルじゃないですっ!

 

 もうこの仕事ほっぽり出して帰って良いですかっ!?

 

「それならそうと言ってくれれば良いのに。それじゃあ、この必要書類に署名をしてくれれば……」

 

「そうじゃありませんっ! 私は貴方のロリコンを矯正するように頼まれたんですよっ!」

 

 懐から取り出した書類を手で叩いて、怒りながら大きな声をあげたんですけど、

 

「お、おふぅ……その顔……凄くイィ……」

 

 ……ダメです、変に手出ししたら喜ばせるだけです。

 

 うむむ……こうなったら、色々やってみるしかないですよね。

 

 気のりはまったくしないですけど、ここで引く訳にもいきませんからね……

 

 

 

 

 

 ロープで緊迫プレイッ!

 

「縄の締め付け具合が……イィ……」

 

 

 

 続けて鞭アターーーック!

 

「ありがとうございますっ!」

 

 

 

 ライターで地道に火炙りっ!

 

「あったかいだけでーす」

 

 

 

 氷水をかけまくって凍えさせますっ!

 

「たまには冷たいのも良いよねー」

 

 

 

 疲れたのでちょっと休憩を……

 

「放置プレイですか……おふぅ……」

 

 

 

 ………………

 

「更なる放置プレイ……やばっ……ちょっとイきそ……」

 

「いったいどうすれば良いんですかーーーーーっ!」

 

 ダメですっ! もうこの人をオシオキする方法が浮かびませんっ!

 

 こうなったら、このままここに閉じ込めておくしか方法が無いですよぉっ!

 

「う、うむむ……」

 

「……どうしたんですか、いきなり悩むような顔をして」

 

「ここまで攻められることが無かったんだけど、ヲ級ちゃんの愛から貴方への愛に変わってきたで候」

 

「………………は?」

 

 あ、あの……えっと……

 

 ほ、頬を染めて……私の顔を見るのは……止めて欲しいんですけど……

 

「ということで、もっとお願いしますっ!」

 

「お、おおおっ、お断りしますっ!」

 

 キラキラ度合いが更にアップして見つめられても困りますっ!

 

「そんなことを言わないで、さぁっ、さぁぁぁっ!」

 

 縛られたまま要求してくるとか意味が分かりませんっ!

 

 こ……こうなったら、も、もう……殺るしか……

 

 で、でも……そうすると契約違反に……うぅぅ……どうすれば……

 

 

 

 ヴヴヴヴヴ……ヴヴヴヴヴ……

 

 

 

「……っ!?」

 

 ポケットの中の携帯が……?

 

 高雄さんなら、ちょっと相談が……って、この番号は……

 

「も、もしもし……」

 

「こんにちわ。今ちょっと良いかな? お話があるんだけど……」

 聞き覚えのある声。

 

 ――そう。この声は、あの時の……

 

「私も用事があったんですっ! 今すぐこっちに来られませんかっ!?」

 

「え……えっと、まぁ、会って話したいことがあったから良いんだけど……取り込み中かな?」

 

「はい! ですから至急お願いしますっ!」

 

「わ、分かった。それじゃあ、今すぐそちらに向かうけど、場所は……?」

 

 天からの救いと思いこんだ私は、電話先の相手にこの場所を伝えて大きくため息を吐きました。

 

「はーやーくー。もっと、しーてーよー」

 

「分かりましたから、静かにしててくださいっ! 暫く放置プレイですっ!」

 

「やったぁっ!」

 

 ………………

 

 いや、それで良いなら、このまま放っておいても良いような気が……

 

 そう思いながら、私はもう一度大きなため息を吐きました。

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

「……それで、結局のところ成果はどうなったのかしら?」

 

 高雄さんに会う為に連絡を取り、ヲ級ちゃんを初めて見たあの食堂のテーブルに座って対面してました。

 

「とりあえず、ヲ級ちゃんに対する執着は無くなったと思うんですけど……問題が無いとは言えないんですよね……」

 

「……? 少し分かりにくいのですが、いったいどういうことでしょうか?」

 

「結局、あの男性は何かに執着していないと生きられないみたいなんですよ~」

 

「はぁ……なるほど。たまに見かける厄介な人……ですか」

 

「まぁ、人それぞれ何かしらそういうのは持っているのですが、あの男性の場合はかなり度が超えていたみたいで……」

 

「なるほど……それで、ヲ級ちゃんに対して危険な行動をしていた……と、先生から連絡があったのですね」

 

 そう言って大きなため息を吐いた高雄さんは、テーブルの上に置かれていたお茶を一口飲んでいました。

 

「それで、問題というのは?」

 

「はい。オシオキをしているうちに、ヲ級ちゃんへの執着よりもオシオキをする私にソレが向いてきました。しかも男性はかなりのマゾでしたので、実際にオシオキはまったく効果をなさないどころか、喜ばせるだけなのです」

 

「そ、それは……」

 

「なので、残念ですが執着するのを矯正することは不可能に近いです」

 

 私の言葉を聞いて唖然とした表情の高雄さんは何度も溜息を吐きながら考え込み、

 

「し、仕方が無い……ということですわね……」

 

 ――と、目を閉じ頭を左右に振ってました。

 

「それで……あの男性は?」

 

「約束では始末するのはダメということでしたので……」

 

「そうですね。作業員としては腕の良い方なので、できれば引き続きと思っていましたが……この結果であれば、それも仕方のないことかも……」

 

「いいえ。最大限に有効活用させていただいてます」

 

「……え?」

 

 ニヤリと笑みを浮かべた私を見て、高雄さんはビックリした表情を浮かべました。

 

「むしろ、このまま使わせて頂きたいと思っているんですよ」

 

「そ、それはどういう意味で……?」

 

「マゾで、色んな拷問に余裕で耐え抜く体力と精神力がある。これほど良い『実験体』はありませんからね~」

 

「……っ!」

 

 高雄さんは目を大きく見開きますが、私は気にせずに言葉を続けます。

 

「今は、私の弟子である響ちゃんの練習台として頑張ってもらってます。いやぁ……なかなか良い感じなんですよね~。ど・ち・ら・と・も……ウフフ~♪」

 

「し、しかし……それは……」

 

「今更ダメだとか言わないですよね~? そもそも、オシオキ自体がアレですから~」

 

「………………」

 

 ギリリ……と歯を噛みしめる高雄さんが私を睨みつけますが、知ったこっちゃありません。

 

「約束はちゃんと守ってますし、も・ん・だ・い・な・し……ですよね~? それに、当の本人たちが喜んでいるんですから、み~んな幸せ大ハッピーですよ~」

 

「くっ……」

 

「ではでは、私は他の依頼の方に出向かないといけませんので。また必要になったら呼んでくださいね~」

 

 高雄さんの返事を聞かずに立ち上がり、私は踵を返して入口へと向かいます。

 

「それじゃあ、またのご利用をお待ちしております~♪」

 

 言って、私は食堂の外に出て携帯電話を取り出します。

 

 ボタンを押して、コールを開始。暫くすると、聞き覚えのある声が聞こえてきました。

 

「もしもし、響だよ」

 

「はろはろ~。どんな感じですか~」

 

「フフ……なかなか良いね。凄くやりがいがあるよ」

 

「そうですか~。そう言って貰えると私も嬉しいですよ~♪」

 

「早く響も一人前にならないとね。そうじゃないと、みんなを守れないから……」

 

「ええ。精一杯練習して頑張って下さいね~。それじゃあ、私は次の現場に向かいますので~」

 

「了解。それじゃあまた」

 

「ではでは~。良いオシオキタイムを~♪」

 

 プツリと電話を切ってポケットへイン。

 

 さてさて、次のオシオキ相手はどこかな~。

 

 今度は私を満足させてくれますように。

 

 そうじゃないと、貴方にオシオキしちゃうかもしれませんよ~?

 

 

 ウ・フ・フ~♪

 

 

 

 ヤンデル大鯨ちゃんのオシオキ日記 ~舞鶴鎮守府にやってきましたっ♪~ 完

 




 後味は最悪でしたか? まだまだ甘いですか?
正直、ちょっと困ってたので私的には結果オーライなのですよ~。

 --とまぁ、久しぶりの復帰ヤン鯨がたじたじになっちゃうお話でした。
気が向いたらまた書きますが、希望する方おられます?

 さて、次回は艦娘幼稚園の方へと戻ります。
次章は幼稚園に新たな仲間が増える……というお話ですが、相変わらず先生は苦悩の日々。
だけど、ちょっぴり美味しい思いも……?

 さすがはラノベ風主人公だね!



次回予告

 雨が降る前にお菓子を買いに行こうとする先生とヲ級。
ちょっとばかりコンビニ店長には引き気味だけど、あれからは問題もない……と思っていた矢先のことだった。

 艦娘幼稚園 ~新しい仲間がやってきた!~
 その1「言っとくけど、真冬だからね?」


 乞うご期待!

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