夢の続きをもう少しだけ   作:ツキ0912

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Day1

目が覚めると、違和感を覚えた。

この部屋には本来私1人。

それでも人の気配を感じる。

カーテンを開け、電気をつける。

 

いるはずのない人がそこにいた。

 

「ユメ...先輩...?」

 

私が声を掛けてもなにも答えない。

ただ穏やかに微笑んでるだけだった。

よくよく見ればなんだか透けている。

...幽霊?

寝ぼけた頭でそう考えるが、唐突にユメ先輩が時計を指さした。

 

「やばっ遅刻じゃん...!?

でも、そんなこと言ってる場合じゃ...今日は休んで...」

 

なんて言ってるとユメ先輩の表情が変わった。

なんだか怒ってるみたいな顔だった。

 

「...えっと、学校に行けってことですか?」

 

その問いに返事はないが、肯定された気分だった。

 

「はあ、わかりましたよ」

 

ため息をつきなながら着替え始めるが着替えの最中、若干憐れんだような目で胸を見られてた気がする。

少しイラッとしたので軽く追い払った。

 

私の手はユメ先輩に触れることはできなかった。

 

なんとか遅刻しないで学校に私は着いた。

走ってる最中、ユメ先輩も走ってついてきた。

情けない顔が隣にあり、本気で走れば振り払ってしまいそうなので少しスピードを落としてた。

こういうのって普通浮いてついてくるものじゃないのかな。

学校の入り口でシロコちゃんに会った。

 

「ん。おはようホシノ先輩

遅刻ギリギリなんて珍しいね」

 

「うへへ...今日はちょっとね

ねえ、シロコちゃん、私の後ろに何かいる?」

 

「...なにもいないけど、誰かにつけられてたの」

 

「い、いやぁ...なにもないならいいよ」

 

「でも...視線は感じる」

 

「.......気にしないでいいと思うよ」

 

私の隣にいたユメ先輩はいつの間にかシロコちゃんをじろじろ見ていた。

それはもう興味津々に。

シロコちゃんには見えてないみたいだけど、なんとなく見られている感じはあるっぽい。

 

「ん。教室にいこう...先生も待ってる...」

 

「うへぇ...みんなに謝らないとだね」

 

教室に入って、軽く挨拶と謝罪をしていつもの対策会議に入る。

まじめ半分、雑談半分の話し合い。

それらを子守歌にして、いつものように私はうとうとする。

その間ユメ先輩は後輩たちと先生をじろじろと見ていた。

 

軽く頭の中で整理する。

このユメ先輩はたぶん幽霊だ。

見えているのは多分私だけ。

だけどちゃんとそこにいて、みんな何かしらの反応はしていることから私の幻覚ではない。

どうして現れたか...お盆だから?

 

これ以上は情報もなさそうだし、やめよう

 

 

「ねえ、なんか今日クーラー効きすぎじゃない?」

 

「変ですね...たしかになんだから空気が冷たいのはそうなんですけど...」

 

「クーラーの設定はいつも通りですよー」

 

「うへっ...今はお盆だからね

亡くなったアビドス生が見に来てるかもよ

変な後輩は呪おうとして

塩でも撒いておく?」

 

「ちょっちょっとホシノ先輩、いきなり怖いこといわないでよ!」

 

セリカちゃんが私の冗談に100点の反応をしてくれた。

ユメ先輩は顔を青ざめていた。

幽霊に塩はちゃんと効くんだ。

 

「ん。それならしないほうがいい」

 

「シロコちゃん?」

 

「私たちは胸を張ってアビドスのために頑張ってるって言える

それに、もしかしたらユメ先輩もホシノ先輩を見てるかもしれないし」

 

ユメ先輩は隣で驚いていた。

 

「シロコちゃん...もしかして見えてるの...?」

 

「ん。私にはなにも...でもそうだったらいいなとおもっただけ」

 

シロコちゃんは時々鋭いことを言うので心臓が止まるかと思った。

ユメ先輩はなんだか後輩たちすごいね!と言ってる気がした。

そうでしょう...ユメ先輩...

私なんかよりよっぽどすごい後輩ですよ。

 

あれからユメ先輩はいつの間にか教室の外を出ていき、私たちはいつもの会議を続けていた。

会議も終わり、そろそろ帰る時間なのでユメ先輩を探す。

ユメ先輩は私の机の前にいた。

私の机にはくじらのクッションがあるのでわかりやすかったと思う

夕焼けに照らされたユメ先輩は奇麗で、どこか儚かった。

 

「...そんなとこにいたんですか、ユメ先輩

そろそろ帰りますよ」

 

ユメ先輩は軽く頷くと私の傍に来た。

そのまま私たちは寄り道せず、家に帰った。

 

家について食事の支度をする。

基本的に栄養バランスは問題ないが私の食事は質素なものだった。

他人から見たら味気ないと言われそうで、実際今のユメ先輩からそんな感情が読み取れた。

 

「......いいんですよ、私はこれで」

 

その抗議の目で若干食べづらかった。

 

ユメ先輩はお風呂にも乱入してきた。

ご丁寧に裸だった。

服は脱げるのかと思っていたら胸を揉まれた。

正確には胸のあたりを腕がすり抜けただけだったが。

私の拳がユメ先輩の体をすり抜けた。

 

もう寝る時間なので私は着替えてベッドに入った。

 

ユメ先輩はいつの間にかいなくなっていた。

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