妖精国 アヴァロン・ル・フェ【カリバーX壊世記】   作:クーマン

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続ける気は今のところない、2話で終わる


はじまってしまったろくにん

『おしまいで海になった。

 はじまりに海があった』

 

 

これ以上はないほどの、それは昔のおはなしです。

はじまりのろくにんはいずれ来るであろう星の外敵に対して備え、星の聖剣を造る役目を任されていました。

 

でも正直、やる気も起きなければ気も乗りません。

だって、つまらないだけで楽しくもないし、「星の外敵に対する備え」などと言われても実感が湧かないのです。

なんなら、適当に見た目だけ凄そうなハリボテを造って終わりにしようか、なんて思ってたりしたものもいました。

だから『ちょっとだけなら遊んでもいいんじゃない?』なんて話しをしてしまえば、彼らを掻き立て仕事を放り出させるのに十分でした。ついでにせっかくなので地上で遊ぼうと地上に出ることにしました。

 

地上に出て暫く、ボールで遊んだり、かけっこしたり、大きな河を泳いだりして遊びました。そんなとき、一人があるものを見つけました。

『アレはなんだろう?』

それはとても大きな大きな物でした。使い方も分からなければ、そもそも何をするための物なのかも分からない形をしていました。そんな物を見つけたろくにんはそれに引き寄せられる様に近づいて行きました。

 

ソレは船でした。

船というものは、ろくにんには知る由もなかったですが、ソレそのものがそう名乗りました。そして、ソレは宙を渡る船だったのです。

〔オリュンポス十二神、今は我らはそう呼ばれている〕

ソレはそんな事を勘違いでなければ少し嬉しそうに語りました。

ですが、ろくにんにはそんなことはどうでもいいことでした。

『か、かっこいい!!すごい!!』

そんなことよりも彼らが見せた力は、自分たちの想像を超える物でした。彼ら十二艦全てがそれぞれ異なる凄まじい力を持ち、その力は彼らの興味をこの上なく惹きつけました。更には元は一つの船であり、やろうと思えば合体も出来ると言うのです!そんな凄くて面白そうなものがあっていいのでしょうか!?

それまで、すごいすごいと十二の船を囃し立てていた、ろくにんの内の一人が『ぼくたちも造りたい!』と言いました。

ろくにんは思わず顔を見合わせました。

 

確かに自分たちでコレに匹敵するものを造れたら、これ以上なく面白いです。そして自分たちにはソレを出来るだけのものがあります。ですが、それには材料が致命的に足りません。

なにしろ、それまでは『ハリボテでいっか』なんて考えていたのですから当たり前です。まともな聖剣を造るのにすら足りていません。

ならば彼らがすることは一つでした。

 

ろくにんは頷くと方々へ散りました。ろくにんの気持ちは一つ、まずは聖剣の材料になるものを探すのです。大きな丘を越え、大きな河を渡り、地上のありとあらゆるものを探しました。それらをアヴァロンへ持ち帰り、聖剣の鋳造を始めました。全てはあの船を超える物を造り上げるためです。時間も材料もいくらあっても足らないのです。

 

一つ造ってはあの機能が足らない、一つ造っては出力が低い、一つ造ってはデザインが悪い。

ろくにんの求めるものは留まるところを知らず、際限なく造り続けました。

なんかもう余りにも余りな勢い改良を続けるので楽園からも「やり過ぎじゃない?そこまで求めてないよ」と言われましたが、ろくにんにとってそんなことはどうでもいいのです。今はとっても楽しいのですから、多少遊んだって構わないでしょう。

 

試作聖剣が1000本を超えた辺りで、ようやくろくにんが求めた性能になりました。でもまだ足りません、もっと出来る筈です。

なにか造り始めた当初の目標を忘れてる様な気がしますが、きっと気の所為です。

楽園からもいい加減、星の聖剣を造ってよこせとせっつかれてますが、そんなものは知りません。適当に造った試作聖剣1267号を渡しておきました。

きっともっと出来るはずだし、ぼくたちは満足できてない。そんな思いで試作聖剣1403号を造ったところで集めていた材料が底を尽きてしまいました。

 

でも、まだ諦めたりはしません。自分たちの理想を超えるまで諦めたりはしないと決意を新たに、地上への道を急ぎます。もう一度材料を集め、今度こそ理想の聖剣を作り上げるのです。

『ぼくたちの聖剣造りはこれからだ!』

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