人気ロボアニメ続編の上司キャラに転生したので、不遇主人公を導きたい   作:聖成 家康

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二話 不便だらけの憑依転生

「ん……?」

 

 私はそんな素っ気無い返事を返してしまった。

 いくら”転生”したというのが事実であっても、受け入れられる訳がない。というか、私の脳が受け入れてくれない。

 

「大尉……寝ぼけるほど熟睡されていたのですか。もうすぐ合同演習ですよ。しっかりなさってください」

 

 初めは夢を見ているのかと思った。

 だが、鼻腔を占めるオイルと鉄の臭いや鼓膜を揺るがす男性たちの忙しい声や作業音は夢にしては生々しい。

 

 本当に……転生……。

 

 だとしたら、私は――。

 

 

 ばっ、と黒く染め上げられたモニターに視線を移る。

 そこには薄っすらと私の顔が反射されており、それを見て私は確信する。

 

 腰まで伸びた綺麗な銀髪に宝石のような輝きを帯びた翡翠の瞳。驚くくらいにスタイルが良くて筋肉質な身体は、黒い襟詰めの軍服に包まれている。

 

 この姿――『武装天兵ダグラスARK REBIRTH』に登場するキャラクター シズ・バジーナにそっくり……というかそのものである。

 

 えええええええええっ!?

 

 私はびっくりして大声をあげた……つもりだったが、声は出ていなかった。黒い画面に映る虚像のシズは、微動だにしていない。

 

 

 ――マジ? マジで? 本当に私シズに……いや、()()()()になっちゃったの!?

 

 

 未だに現実を受け入れられないが、身体は容赦なく勝手に動く。

 

 

 というか、さっきから身体が言うことを効かないような……?

 

 

 キャットウォークの上へ立ったシズが自分が乗っていたモノの姿を見据えると、私は酷い興奮状態に陥る。

 

 

 いやぁぁぁぁ!! ”オニキス”!! ”オニキス”だぁぁぁ!! 赤い!! シズの専用機ぃ!!

 

 

 全長約十五メートル。人型の機動兵器――名は〈ゲイズチェイサ〉。

 この機体は一つ目のような広可動センサーと、ヘビーとスリムの両面性を合わせたようなイカした見た目の機体”オニキス”と呼ばれるものだ。

 シズ・バジーナは、趣味で自分の機体を赤色に染めている。それがたとえ、元々が黒色であってもだ。

 

「大尉!! 始まりますから早く乗ってください!!」

 

 遠くから先程の青年の怒号が飛んでくる。

 そういえば、さっき合同演習がどうとか言っていた。

 

 ……思い出した。この展開、ARK REBIRTH一話の最序盤。シズの現在を描写する場面だ。

 じゃあ、この後は()()()()()――。

 

 

 ダグラスシリーズは、いろいろな作品があるものの、どの作品も通じてジャンルとしては「リアルロボット系」。

 ARKシリーズにおいて、世界観は初期のシリーズを踏襲しながらも完全に独立している。

 

 

 説明すると専門用語だらけになるが……こういう話なのだから仕方がない。

 

 

 この物語の舞台であるのは地球……なのだが、私が住んでいた地球とは大きく違う。

 第二次世界大戦に異星文明”アーク”が乱入し、歴史が大きく変わった。異星から持ち込まれた怪物”ヴァグ”に対抗するべく、直感的な高機動が可能な人型兵器 〈ゲイツチェイサ〉を”アーク”と共に共同開発。

 ”ヴァグ”の脅威は恐れるに足りなくなったが、それらを持ち込んだ”アーク”に対する反発は高まり、”アーク機構”と”地球連盟”の間で戦争が勃発……。

その戦いを、異星文明”アーク”と地球人のハーフであるリアム・カナタの視点で描いたのが無印の物語だ。

 

 

 ARK REBIRTHは、無印終了後から二年後を描いた物語。

 勢力関係はガラリと一変。

 ”地球連盟”は衰退し、”アーク機構”は反乱によって崩壊して新たなる組織”アーク連邦”として生まれ変わった。

 

 

 私が転生したシズ・バジーナは、人間そっくりの姿だが、()()()生粋の”アーク”の民――俗に言う「エイリアン」である。

 そして、無印ではリアムの因縁の敵であったミライア・ココが偽名を使い、正体を隠して生活している姿だ。

 

 

 

 いっっちばん面倒臭い!!!!

 正体を隠して生活!? 普通に生きるだけで精一杯だった私にそんな事できるわけないでしょうが!!

 

 

 

 だが、ほざいているヒマはない。

 せっかく、この世界に転生できたのだから、やるべきことは一つだ――。

 

 

 

 目覚めてから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。転生の影響だろうか。何はともあれ、〈ゲイズチェイサ〉の起動は容易くできた。

 機器系統が沢山並んでいて、普通の私なら失神しそうになる筈だが、脳がそれを「見慣れた」と言いたげに、普通の事として認識させてくる。

 

 ――転生って、こんな感じなのかな?

 

 

「ジェネレータ正常、試験用簡易武装、オールグリーン。全パラメータ正常――」

 

 そうやって聞き覚えのない単語をぼそぼそと連ねるのは、間違いなく私だった。

 いや……正確には()()()と言うべきなのだろうか。

 

 早くも曖昧になる自分とシズの境界線を感じながら、私はしっかりと操縦桿を握りしめた。

 

『バジーナ大尉。此度は、貴女とお手合わせできて幸福です。遠慮などせず、殺すつもりで来てください』

 

 無線に入ってきたそんな言葉。

 

 

 殺すつもりでなんて、わ、私には無理……

 

 

 と、普段人と話すような陰気臭い返し方をしようとしたところ――。

 

 

「私も嬉しいよ。共に良い戦いにしましょう」

 

 

 そんな言葉がすらすらと、まるで普段から用いているように出てきた。

 私は心の底から驚いていたのだが、筋肉の感覚からして、その表情はにこやかで清廉としたものであるようだ。

 

 私の意思に反して体が動く……。

 意識は私の物だけど、体はあくまで彼女(シズ)の物ってこと? 上手く体が動かないのは少し怖い。

 というか、そう言う感じの転生なら、”憑依”のほうが正しいのでは?

 私の意識だけが、シズの体に入ってるわけだし……。

 

 

 そんな事を思いながらも、現実は無慈悲にも急ピッチで進行していく。

 意識してないのに動く身体(シズ)は、軍服を脱ぎ始めた。

 曝け出される、桃色の下着を纏う驚くほどに白い身体を目の当たりにし、私は息を呑む。

 赤いパイロットスーツを手早く身に着けて、首元にあるボタンを押し、自らの肉体美にフィットさせた。

 

 手際の良い工程に、私の意思が一切関与していないところを見て、私は確信する。

 

 

 この身体(シズ)、自由に動かせない……!

 

 

『バジーナ機、カタパルトデッキへ移動。電磁誘導キャパシタ、一番から十番臨海完了。整備班は速やかに該当区域から退避してください』

 

 

 オペレーターの声が聞こえると同時に、機体が大きくガタン、と揺れてメインモニターに映る景色が徐々に移り変わってくる。

 暗い格納庫から、やがて外の景色が映し出されてくる。

 

 

(うわぁ…………分かってはいたけど、やっぱりこの世界の地球って酷い有様……)

 

 

 私の視界いっぱいに入ってきたのは、地球かと疑いたくなるような、一面に広がる荒野の景色であった。小高い丘かと思っていたものは、倒壊したビルの亡骸であり、燦々と照らす陽の光が虚ろに煌めく硝子片をかろうじて生き延びさせている。

 

 異星害獣”ヴァグ”との戦いの傷跡は大きい、ということだ。”ヴァグ”の騒動は本編開始前のことだが、作中でも”ヴァグ”は度々登場する。既に手に負えないくらい増殖してしまったのだろう。

 

「皆、”ヴァグ”には十分警戒しつつ、演習に望むように。いつどこから来るかなんて、分からないのだからね」

『大尉は〈ゲイズチェイサ〉も”ヴァグ”もどっちも行けるから凄いっすよ』

『そうそう。あたしなんて戦場でしか役に立ちません……』

 

 サブモニターに、二人の軍人の姿が映る。

 一人は茶髪のチャラそうな青年、もう一人は黒髪ロングの大人しそうな女の子だ。双方ともまだ若々しい。

 

「ヴェルト二等兵にナポリ二等兵、新入りだからって容赦はしてくれないよ」

『『りょ、了解!!』』

 

 ヴェルトとナポリが、びしっと敬礼してから

モニターが黒に飲まれる。

 大尉という階級上、色々な部下を持つことになるのか……まぁ、コミュ力皆無な私自身が喋るわけじゃないからいいけれど。

 

 機器を弄り、スラスターを起動させて徐々に温めてゆく。高ぶる鼓動のような音の後に、甲高い金属音が響く。

 〈ゲイズチェイサ〉の背部に備わった飛行ユニットが展開した音だ。”オニキス”の機動性を向上させる追加ユニット。対人戦においては必須級である。

 

『進路クリア! バジーナ機、発進どうぞ!』

 

 聞き慣れた台詞が聞こえてきて、テンションが一気に上がった。

 

 何回憧れたことか! ”あの”台詞と共にかっこよく出撃することに!

 

 

「シズ・バジーナ、”オニキス”出る!!」

 

 

 私の意志と偶然合致したその言葉によって、まるで機体が発進したかのようにコックピットがガタン、と揺れた。

 

 超高速のカタパルトに乗せられて放り出された”オニキス”。モノアイタイプの複眼で全方位を捉えながら、スラスター噴射で姿勢を制御しつつ、空を切り裂いて宙を駆る。

 

 

 うぉえええ……!! 吐く吐く……!!

 

 

 身体(シズ)のほうは慣れているから何ともないようだが、意志(私自身)は、降りかかるGが凄まじい衝撃を与えてくる。

 

 メインモニターの景色は目まぐるしく変化して、異なる荒野の姿を私の眼に見せつけてくる。

 遠方に黒い影――演習相手の”オニキス”をセンサーが捉えた。

 

 パッドで武器を選択し、”オニキス”がビームライフルを抜き取って、飄々と構える。

 間髪入れず放たれたビームを、敵はくるりと回避した。

 

 即座にバーニアが爆ぜて、機体は敵機のもとへ急速接近。詰まった間合いを切り裂くように、腰に収めた高周波ブレードを抜刀と同時に振り払った。

 

 あまりに素早い連撃にも関わらず、敵機はそれに対応し、斬撃を同じようにブレードで受け止めた。

 息が詰まるような火花が目前で散り、その熱がコックピット内までひしひしと伝わってくるような気がした。

 

 

 やばい……失神しそう。

 

 

 訓練も積んでないド素人の意識が、そんなことを関係無しにドンパチやるプロの身体に入り込んでいるのだ。

 例えるなら、プロの技術を模倣した自動運転を体験しているようなものだろう。

 死ぬことは無いが、その分キツさは倍だ。

 きっと、身体のほう(シズ)は涼し気な表情をしてるだろうが。

 

 

 ――というか、自由に身体を動かせないのってまずくない? なんでなの?

 

 所詮()()()()()()だから?

 定められたシナリオ通りにキャラは動くしかない、という事なのだろうか?

 

 

 ……そんなの、意味がない。

 

 

 せっかくこの世界の結末を知っている私が転生できて、その上、最高の入れ物を手に入れることができた。

 それなのに、()()()()()()()()だなんて。

 

 

 ――こんな結末……あんまりだよ。

 

 ふと、『武装天兵アリオスARK REBIRTH』の最終話を観た時に漏れた言葉が、舌の上に蘇った。

 ……あんな結末、本当は許しちゃいけない。

 変えられないから受け入れるしかなかった。

 

 でも、今は?

 その世界に身体を得て、足をつき、息をしている。

 

 こんなチャンス、二度とないのに――。

 

 

 悶々とする私など露知らず、戦闘は苛烈を増してゆく。

 新入り二人も乱入し、漆黒の”オニキス”が敵機に向けてビームライフルを乱射する。

 

 鮮やかな翡翠の光条が私の網膜を刺激した。

 

 敵は二機に増え、その空域は混戦状態に発展する。

 

 赤き”オニキス”と黒い”オニキス”が、荒野に浮かぶ大空の中央で、またも高周波ブレードを交わせた。

 忙しく飛ぶ火花が、とてもゆっくりに、狂うほどに美しく感じられた。

 

 

 ……そんなの、嫌だ!!

 目の前にあるのに、救えないなんて!!

 

 

 屈辱と反抗心、様々な物が入り混じった激情が私の中を支配した時、何かが砕けた。

 

 その瞬間、刹那の衝撃と共にコックピット内の空気を、鮮明に感じ取ることができた。

 

 メインモニターに迫る、一つ目の鉄巨人。

 私はそれを見て、()()()()()()()()()()()()()

 

 敵の斬撃をブレードで受け止め、その衝撃に悶えながら、右腕に携えたビームライフルを忍ばせる。

 トリガーにかけた指で、躊躇なくそれを引けば鮮やかな光条が爆ぜるように解き放たれて、コックピットを貫いた――。

 

 

 また、刹那の衝撃を感じるとコックピットの暑苦しい空気を鮮明に体感することはできなくなった。

 貫いたと思われたコックピットは――当然、訓練用の低出力ビームライフルなのだから、表面が赤熱するだけで済んだ。

 

『あーーっ!! 大尉ズリぃ!! そこは新人に譲るのが義理なんじゃないんすか!?』

『大尉、あたし達と訓練するときと動きが違った……そんな大尉もステキです!!』

 

 部下二人の声が聞こえ、戸惑う視界はサブモニターに移った。

 

 身体(シズ)が動揺してる……?

 

「ご、ごめんなさい……なんか、手一杯になっちゃって……」

『大尉らしくないっすね』

『そんな大尉もステキ!!』

『BOTかよお前は!』

 

 そう言い残し、サブモニターの接続を切るとシズは視線を落とす。

 

 ――あの一瞬。

 コックピットの熱気を、確かに感じられたあの一瞬だけ、私は身体(シズ)を自由自在に操ることができた。ほんの一瞬だったけれど。

 

 

 いける……!!

 これなら、()()()()()()()()()……!

 

 

 

 ◇

 

 

 

 演習は終了し、またオイルと鉄の匂いに満たされた格納庫に帰ってきた。

 シズは”オニキス”から降りると、その肉体美を顕にさせながら、大きく背伸びをした。

 

「大尉! お疲れ様ッス!」

 

 ヴェルト二等兵が跳ねるように歩み寄ってきて、彼女の前でにこりと笑った。

 シズも笑い返す。

 

「お疲れ様、ヴェルト二等兵。初めての実戦式演習はどうだった?」

「なんつーか、大尉の凄さを改めて実感できたッス! 俺、銃撃つしかできなくて……」

「初めは、みんなそんな物よ。落とされなかっただけで”はなまる”あげる」

 

 シズは年相応の可愛らしい笑顔で彼を激励した。ヴェルト二等兵の顔に、微かな動揺が見られた。

 戦場では清廉なる戦士、普段の生活では温和で温厚な美人さん。続編で突然そういうキャラになった結果、そのギャップが爆発的な人気を博した。

 

「大尉〜!!」

 

 大声と共に飛びついてきたのは、疲弊が全く感じられないナポリ二等兵だった。

 それなりに大きな胸が背に当たって、私は複雑な気持ちになった。

 

「大尉の匂い、たまんなぁい……!!」

「えへへ、シャンプー変えてみたの」

「大尉、着眼点は百億パーセントそこじゃないッス」

 

 軍人、というよりかは高校生三人組の絡み合いに見える光景を見据えながら、一人の男性が近づいてきた。

 

 長身で、清潔感漂うきちんと整えられた銀髪の男は、シズを一瞥してから言った。

 

「本当に、かのバジーナ大尉がこのようにお若い方だとは、にわかに信じ難いですね」

 

 シズはくっついていたナポリを取っ払ってから、男との会話に臨む。

 

「もしかして……先程のパイロット?」

「いかにも。ジャクソンと申します、よろしく、お若い大尉」

 

 ジャクソン、と名乗った男の声音には僅かな冷ややかさが伺えた。

 シズは警戒しながらも会話を続行する。

 

「”ヴァグ”の邪魔も入りませんでしたし、良き演習でしたな」

「本日はありがとうございました。この二人も貴重な経験になったと思います」

「それは何より……ですが、私には少し疑問に残ることがありまして」

 

 ジャクソンはそう付け加えてから、シズの方を見据えた。

 その双眸は、どこか凍てついていて何かを見透かしているような雰囲気が感じられた。

 

「大尉はとても勇敢な方だと聞きました。剣一本で戦場を制圧するような、それでこそ、全大戦の【煉獄の凶星】かのような兵士だと聞いておりましたが……」

 

 その声にぐっ、と力がこもる。

 

「敵を密かに撃とうとするなど、卑怯な手も使うお方なのですね」

 

 ジャクソンにそう言われ、部下二人が食いつこうとする姿を、シズは静かに抑えた。

 

「当然でしょう。私は【煉獄の凶星】ではない。今の私はシズ・バジーナ大尉ですから。それ以下でも、それ以上でもありません。

貴方がお聞きになったのは、恐らく()()の逸話では?」

 

 淡々と紡がれたその言葉に、ジャクソンの顔は徐々に穏やかとなって、最終的には柔和な笑みへと変貌する。

 

「……そうですね。貴女の機体が赤いですから、自然と重ねてしまったのかもしれません。失礼に思われたのなら、詫びます。

ですが、旧型の”オニキス”であそこまでやれるのは、感心させられました」

「……是非、またお手合わせ願います」

 

 ジャクソンは一礼してから、その場を去っていく。

 シズは気にしていない様子だったが、忠犬二匹は唸りながらその背中を睨んでいた。

 

 

 ここでこんな描写、無かったような……?

 少なくとも視聴者は彼女がミライアだって分かってるから、こんな描写は初っ端からは……。

 周回が足りないのかな。

 

 

「大尉が【煉獄の凶星】なワケないだろ……大戦中、”アーク”を裏切ったようなヤツが」

「そもそも、大尉は”アーク”じゃなくて、ふつーの地球人ですもんね!」

 

 部下二人にそう言い詰められて、シズは困ったように笑った。

 

 二人は知らないのだ。前大戦――無印ARKの――時に、”アーク”が犯した大罪を。それもまた、若さ故の過ちといったところだろう。

 

 

 シズ・バジーナ。

 かつては【煉獄の凶星】の異名を背負い、アーク機構のエリートパイロットとして名を馳せていた。

 葛藤、絶望、色々な物を味わいながら、単なる力を持った少女でしかなかった彼女は強く逞しく成長した。

 

 私が憑依したのは、そんなキャラクターだ。

 

 

 シズには、ARK REBIRTHにおいて大切な役割がある。

 

 

 

 それは、ARK REBIRTHの主人公――ルナ・ハルカの上司的ポジションだ。

 第一話で、二人は運命的な出会いを果たし、行動を共にすることになる。

 

 今まで私が体験してきたのは、第一話のほんの半分にも満たないところのはず。

 

 これから、どんなにどんなに頑張っても、報われないことが確定している、主人公になれない主人公との出会いがあることは確実だ。

 

 

 

 そうなれば、やることは一つ。

 

 

 

 

 

 

 私がルナ・ハルカを、主人公にしてやる!!

 

 

 

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