シングルファザーが不老アルビノ美少女になって学校に通う話   作:ケーツー

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お父さん、家族と再会する

「お、お父さん…ホントにお父さんなの…?」

 

「おぅ、おぅ、俺が百合のお父さんだぞ〜。身体はこんなになっちゃったけどな。百合、来月から中学生になるだろ。ホントは今頃制服の採寸に行ってるはずだったんだけど、ごめんな。百合が通う中学校の制服、可愛いって評判だから百合も楽しみにしてたのに」

 

「ぐずっ、、うん、、今日、、制服を頼みにいこうって、、お父さん、言ってたのに、、お父さん、、いなくて…ひぐっ、ぅぁ…」

 

「百合の制服姿を見ないままいなくなったりしないよ。もう身体も大丈夫だし、退院したらすぐにでも制服を頼みにいこう。な?」

 

「うん、、うん…!!」

 

「そう言えば、この前百合が作ってくれた豚肉の生姜焼き、凄く美味かったな〜。お父さん退院したらまた作ってくれると嬉しいな〜退院祝いということで!」

 

「ゔぅ、、うっ、お父さん!お父さん!!うわぁああん!!」

 

 百合が俺の身体に抱きついてくる。どうやら俺がお父さんだと信じてくれたみたいだ。だが不安が払拭された一方でこんなに泣き腫らす百合に心が締め付けられる。

 

「おと、お父さんがっ、、死んじゃうんじゃないかって、心配で、夜も眠れなくてっ!!」

 

「うんうん、ごめんな、心配かけて」

 

 百合の頭を優しく撫でてやる。

 

「お医者さんもまだ会っちゃダメって、、お母さんもいないのに、お父さんまでいなくなると思ったら、あたし…ひぐっ、、うぅ…」

 

「ごめん、もう心配はかけないから…」

 

 泣き続ける百合の背中をさすり続ける。ふと、自分の頬を伝う涙に気がつく。…ああ、俺も泣いてるんだ。この年になって泣くこともすっかりなくなったのに。女の子に若返って、涙腺も脆くなったようだ。

 

「うわあぁぁぁん!!うあぁぁぁん!!」

「百合っ…!!百合っ…!!」

 

 俺達親子はしばらくの間抱き合いながら泣き続けた。

 

 

 

 

 

ようやく百合が泣き止み俺も落ち着いた頃。百合は部屋の洗面台で顔を洗うと、なんと俺がいるベッドへ潜り込んで来たのだ。男の時より身体の幅が狭くなっていることに加えて、そこそこ大きなベッドなので二人並んでも問題ないのだが。ベッドに横たわった百合はあっという間に眠ってしまった。さっき百合が言った通り、不安で夜も殆ど寝れてなかったのだろう。ならしばらくはこのまま寝かせてあげよう。

 

「なんかしんみりしちゃったな。まさかこの年になって泣くことになるなんて。ましてそれをお袋と弟に見られるなんて一生の不覚…」

 

もう一方の来客に目を向ける。お袋と弟の隆二も駆けつけてくれたみたいだ。

 

「お前にも心配かけたな、隆二。すまんな、百合をここまで送り届けてくれて」

 

「いやホントに、何がどうなってるんだよ兄貴。なんで女の子になってんの?」

 

「さぁ?俺にもわからん」

 

 女神様のことは言わないでおく。言っても信じてもらえないだろうしな。

 

「わからんって…いやまぁそれはそうか」

 

「こっちには昨日来たのか?」

 

「いや、今日の朝一で車を飛ばしてきた。ほんとは昨日すぐにでも出発したかったんだが、知らせを受けたのが夕方だったからな。お袋にも無理はさせられないし、早めに休んで次の朝出発しようってなったんだ」

 

「わたしゃ今すぐ出ようと言ったんだがね。百合ちゃんが可哀想で、誰かが一緒にいてやらないと耐えられないんじゃないかと思ったんだ。でも隆二が年寄りが無茶すんなって止めてね。わたしゃまだまだピンピンしとるのに」

 

「この前腰痛めてたじゃねーか。あんまり無茶しないでくれよマジで。まぁそれ以前に仕事が終わったあとさらに4時間近く運転する体力が俺になかったんだが…」

 

 東京からここまで結構離れてるもんな。色々準備して出発となると完全に夜中になるしそこはしょうがないか。疲労困憊の中運転して事故でも起こされたらそれこそ申し訳が立たん。

 

「こっちに着いたのが大体午前11時ぐらいだ。家に入ってみると百合ちゃんがわんわん泣いててな。お袋がなんとか宥めて落ち着かせてたが…。百合ちゃんをなんとか落ち着かせたあと、とりあえず何か食べないかという話になったんだ。百合ちゃん、多分昨日の夜から碌に食べてないんじゃないかと思ったから」

 

「そうか…。お袋も来てくれて助かったよ。ありがとう、百合に寄り添ってくれて」

 

「可愛い孫が辛い思いをしてるんだ。当然だよ。これに懲りたらもう二度とくたばるんじゃないよ。そんで早く退院しな」

 

「わかってるよ。で、百合の方は…」

 

「こっちに来る時にコンビニでおにぎりとか菓子パンとか、簡単に食べられるものをあらかじめ買っておいたんだ。丁度昼飯時だったし、百合ちゃんにはそれを食べてもらった。食欲なさそうだったけど、時間をかけて何とかおにぎりと菓子パンを一個ずつ食べてくれたよ。その直後だったかな。兄貴が目覚めたって電話がきたんだ。そっから先はもう大慌てだ。急いで病院に行って着いてみたら兄貴が女の子になったって言うじゃないか。最初は何言ってんだこの医者、頭おかしいんじゃないかと思ったよ」

 

「ははっ…普通はそう思うよな。でも信じてくれたんだろ?」

 

「あんな映像見せられちゃな…。それでも実際にこうして会うまでは半信半疑だったんだぜ」

 

 おや、お袋と隆二もあのR18動画を見たのか。…ちょっと待て百合はその動画見てないよな?な?

 

「百合ちゃんには見せてないから安心していいぞ。あんなバイオハザード顔負けのグロ動画見せられるわけないだろ」

 

「だ、だよな、良かった…」

 

 ほっと胸を撫で下ろす。憔悴しきった百合にあんな映像見せたら一生のトラウマになってただろう。

 

「俺もお袋も医者の言うことを信じられなかったけど、百合ちゃんは会って確かめると。お父さんのことは自分がよく知ってるからと言ったよ。しばらく見ない間に芯のある良い子に育ったな、百合ちゃん」

 

「そうだろう、そうだろう!!さらに勉強も料理も出来ておまけに器量良しだ!俺には勿体無いぐらい出来た娘だ!」

 

「将来良いお嫁さんになるな」

 

「………」

 

「何で急に黙るんだよ…まぁ、なんだ。話が逸れたけど、兄貴と百合ちゃんの掛け合いを見て、この女の子は兄貴なんだとようやく信じられることが出来たよ。生きてて良かったよ…マジで…」

 

 隆二…

 

 ぎゅるるぅ〜〜

 

「「「あっ」」」

 

 病室に響き渡る可愛らしい腹の音。そう言えば結構腹減ったな…。喉も乾いたし…。

 

「…昼飯を出してもらうようにさっきの医者に連絡すれば?兄貴はまだ入院中だし俺らが勝手に食い物買ってくるのはマズイだろ」

 

「病院食ってやつか。美味いんかなあれ。…そう言えばお袋と隆二もまだ昼飯食べてないんじゃないか?近くにレストランがあったはずだしそこで食べてくれば?」

 

「そうだな。昼は軽い軽食しか食べてないし…。百合ちゃんはどうする?」

 

「もうぐっすり寝てるし起こすのも可哀想だろ。昨日から不安と寂しさで弱りきってたんだ。暫くはゆっくり寝かせてあげよう」

 

「それもそうだな…。戻って来る時にまた何かコンビニで買ってくるよ。兄貴じゃなくて百合ちゃんのご飯な。兄貴は大人しく病院食を食っとけ。後でレビューよろしく!」

 

「悪いな…何から何まで…」

 

「どうした急にしおらしくなって。なんか調子狂うぞ」

 

 俺が女の子になっても今までと変わらない態度で接してくれる隆二に、どこか安心感を覚えている自分がいた。もしかしたら、俺が女になったことで隆二の態度が余所余所しくなったり、関係性が変わってしまうんじゃないかと危惧していたんだが…。杞憂だったみたいだ。嬉しかった。百合も、隆二も、お袋も…ちゃんと俺を見てくれて…

 

 ポロ…ポロ…

 

「ちょっ、兄貴なんで泣くんだよ!?」

 

「あ、あれ…、おかしいな…さっき散々泣いたはずなのに…。ごめん、嬉しいのに…」

 

「…透も、不安だったんだろう?いいさ、こんな時ぐらい素直に泣いたらええ。幸い、今のあんたはムサイ男じゃなくて可愛い女の子なんだから。思いっきり泣いたって誰も文句は言わないよ」

 

 お袋が俺の背中を優しくさすりながら諭してくる。俺はうんうんと頷きながら涙で袖を濡らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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