ブルアカ世界に、キーブレードそのものとして転生した件について 作:ニュームーン
上記の利用規約により、キングダムハーツのクロス小説を書いてみました。
楽しんでいただけたら幸いです。
第一話 生まれ変わりました
神様転生というのを聞いた事はないだろうか。
よくある異世界やゲームの世界に、神様から授けられた特典を引っ提げて転生するアレである。
それに私もどうやら選ばれたらしい。病院のベッドの上で人生を終えた私のような女に、もう一つの人生を得られる機会が与えられた。
そして特典として、何がいいのか選べる機会があったのだ。
話は変わるが、私は【キングダムハーツ】というゲームが大好きだ。
主人公、ソラが某ネズミの王国の住人と各ワールドを冒険していく物語が大好きだった。
キーブレードという心くすぐる武器を振り回して戦っていく姿が好きだった。
流石にソシャゲを含んだ全てのシリーズを把握し切れてるわけではないが、ソラの物語としてのメインストーリーは把握してる筈だ。
なので、私は神様にこう頼んだのだ。
【キーブレード】を使えるようにしてください、と……
これにより、転生特典は決まった。
私は【キーブレード】と、ついでに【キングダムハーツ】関連のアイテムをある程度取り出せる能力を得たのだ。
さらに、シリーズ全体の知識の書と、私の死後もし【キングダムハーツ】シリーズ新作が出たら、その知識も自動的に書き記されるステキ仕様を得た。やったぜ。
ちなみに転生先は【ブルーアーカイブ】という世界らしい。私は何それシラソン、って感じだった。
原作をやった事のない世界なんて、実質異世界転生と変わんねーのである。
しかしまあ、私はそれほど警戒していなかった。
【キーブレード】があって、しかもシリーズの魔法も使えるのなら、ある程度はなんとかなる筈。
それに神様転生なら、流石に転生直後でとんでもない状況になってる事はないだろうと高を括っていたのである。
そうして、準備を整えた私は神様転生を実行されたのである──
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そして、私は神様転生が完了した。
【ブルーアーカイブ】という世界に、到着したのである。
──そこは、一面砂漠だった。
360度、周囲どこを見ても見渡す限り砂、砂、砂。
照りつけるギラギラした太陽が、暑い熱を撒き散らしているようだった。
転生直後でこれである。
生身の肉体では、長時間いるのはキツイ環境だった。
……しかし、私の今の身体ならその心配は要らなかった。
鋼鉄のような固さを持ち。鎖を垂れ下げ。キーホルダーをぶら下げている私には
この程度の暑さと環境、へっちゃらなのである。
というか、水どころかご飯すら要らない。何なら呼吸すら必要ない。
この私の新たな体には、通常の肉体に必要な要素は一切いらないのである。
……うん、現実逃避は止めよう。
あのさ、私は【キーブレード】を使えるようにしてください、って言ったよね?
──【キーブレード】そのものにしてくださいって意味じゃねえんだけどおおおおおおッ!!???
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そんな私の絶叫も意味も無く、日が上がっては沈むを繰り返す。
私自身の体はキーブレード、“キングダム・チェーン”となっていた。いやふざけんな。
このキーブレード自体は好きだけど、自分の体になりたかった訳じゃない。
最初のうちは、自分も抗った。
キーブレードそのものになったとは言え、自分自身を動かせないか? 浮かせられないかと試行錯誤したり。
例のアイテム出現の特典を使えないかと試したり。
ぜーんぶ出来ませんでしたが。クソが。
せめてアイテム出現だけは出来てもいいんじゃないですかねえ!?
仕様と違うじゃねーか! カスタマーセンターに凸電しまくるぞおらあ!!
誰か通りすがらないかなー、と望みながら待てと待てども、だーれも通らず一週間経ち。
それから一ヶ月立った頃には、このキーブレードとなった身体自体、砂の中に沈み込んでいた。
おかげでもはや日の浮き沈みすら把握出来ず、日数計算すら出来ねーのである。
こうして私の第二の生は、暗闇の中に閉じ込められたのである。
そもそも生きてると言えるの? これ。
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……それから一年経った。ごめん、適当言った。だって外の様子分かんねーもん。
体感それくらいだろう、というほどの時間が経った。
相変わらず私の体は、砂の中。
この体、多少の感触はなんとなくで分かるので、一応砂の感触は感じ取れる。
熱さ寒さも感じ取れるが、苦しいとは思わない。その点はこの鍵の体であるメリットだった。
けれど自分自身を動かすことは出来ないのである。なんでだよ、ソラ君時々浮かしてたじゃん、あれみたいに出来ないのか私。
経験値か、経験値が足りないのか。それともフォームチェンジしないとダメなのか。生身の肉体いるとかなったら、そもそも肉体よこせよと言いたい。
そんな事を暗闇の中で毎日思ってるのである。
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多分次の日。相変わらず砂の中。
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多分次の月。相変わらず暗闇の中。
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多分次の年。相変わらず闇の中。
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今日。新たな発見があった!!
自分自身の体の中に潜れないかなと思ったら、キングダムハーツ恒例のステンドグラスの世界にやってこれた!! やったー!!
この空間だと、私はキーブレードの体では無く、私自身の体を保てている!
15歳位の体で、茶髪の女の子! 久々の生身の肉体の感触に感動して泣いてしまった!
この空間だと、私はキーブレードを自身の体とは別に振り回せる!!
ソラと同じ、“キングダムチェーン”をブンブン振り回す! 魔法だって撃ち放題! たのしー!!
そして例のアイテム取り出し特典を試したら、この空間だと取り出せた!
ポーション、エリクサーは勿論、【キングダムハーツ】のゲーム、ハード、テレビとかも取り出せる!!
というか、精神世界の中でしか取り出せないのかよお!? まあいいや、久々にゲームだやったー!!
これなら今までと違って毎日楽しめる!!
闇の中だって怖くない! だってずっと心の世界に引きこもっておけばいいんだから!
もう一人でも問題ないぞー!!
嘘です。誰か助けて。
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今日は【キングダムハーツ】シリーズをやり直していた。やっぱりソラ君動かすの楽しい。
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今日も【キングダムハーツ】シリーズをやり直していた。やっぱりリク君カッコいい。
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今日も【キングダムハーツ】シリーズをやり直していた。やっぱりカイリちゃん可愛い。
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今日も【キングダムハーツ】シリーズを……
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今日も【キングダムハーツ】……
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今日も……
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……
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……
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……
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……飽きた
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……
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今日は久々に、キーブレードの体に戻って外の様子を見た。
相変わらず真っ暗闇の中だった。
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今日も外の様子を見た。相変わらず砂の中だった。
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今日も外の様子を見た。相変わらず闇の中だった。
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今日も外の様子を見た。相変わらず……
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今日も外の様子を……
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今日も……
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……
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誰か助けて私はここにいる誰か見つけてなんでずっと暗闇誰か助けてなんで私は動けない誰か助けてなんで生まれ変わりなんて選んだ誰か助けて死にたい誰か助けて人に会いたい誰か助けて触れ合いたい誰か助けてなんで助けてくれないの誰か助けて私以外にこの世界には誰もいないの誰か助けてもう疲れた誰か助けてもう終わりたい誰か助けて殺して下さい誰か助けて助けて助けて助けてたすけてたすけて助けてタスケテタスケテタスケテ
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……今日。外の様子を見た。相変わらずの暗闇だった。
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……暗闇。
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……暗闇。
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……暗闇。
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……なんらかの振動のような感触がした。気がする。もう分かんない。
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……暗闇。
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……暗闇。
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……暗闇。
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……
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……
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────今日、光に出会った。
「──ん。何これ、鍵?」