ブルアカ世界に、キーブレードそのものとして転生した件について 作:ニュームーン
──それは、私にとって濃密な時間となった。
オープニング映像から始まって、そこには私の知ってるソラ、リクより幼い二人の姿が早速見えた。
あくまでゲームの中の彼らだけど、こうしてまた会えたのは嬉しい。
あとで知った事だけど、この時一緒に出ている女の子はカイリと言うらしい。
いつか彼女とも、彼らのように話して見たい。
「……綺麗。お姫様のステンドグラスだ」
「そう。チュートリアルの世界だよ」
私が、試練の時にいた場所と似たような所に、画面の奥のソラは立っていた。
指示に従って操作していくと……
「……シャドウ!!」
「あれ? 知ってるんだ?」
そこには、私が試練の中で最初に出会った敵が湧き出ていた。
数体倒した後、先に進んでいくと……
「……!? ソラの影から、巨大なシャドウが……!?」
「いや、こいつの名前はダークサイド!! こいつが最初のボスだよ!」
これって、私の試練の時の、闇の私と似たような存在なのかな……?
そんな事を思いながら、私は頑張ってソラを操作して巨大な怪物を倒す。
「──あの時の島だ」
チュートリアルが終わった後、画面の中に映った島は、私が記憶のソラと出会った場所だった。
本当に、彼らはゲームの中の存在だったんだなと、ようやく実感してくる。
「あの時?」
「ん。あとで説明するね」
ココロに試練の事はあとで説明するとして、私達はゲームを続けていく。
リクと競争したり、アイテムを集めたり……
ソラが、カイリにパオプの実をラクガキの中で渡している所を見ると、彼にもこんな一面があったんだなと微笑ましかった。
怪しい人物が、何かを言い残していったのは気になるけど、そのまま次のシーンに繋がっていく。
「──!? 何、このアヒルとか、犬っぽいキャラ……?」
「あ、ドナルドとグーフィー達だ!」
場面が変わって、今までとは明らかに姿が違うキャラ達が出て来た。
ココロ曰く、ディズニーとか言うシリーズに出てくるキャラ達らしい。
キヴォトスにも、柴大将みたいな人がいるし、似たようなものなのかな……? 私はそうなんとなく納得した。
そして場面が戻って、ソラが夜の島に向かって行った所だった。
そこでは、シャドウ達が現実の世界で湧き出ていた。
攻撃が効かない……!!
彼らを避けるようにして島を見渡すと、リクと出会った。
けれど、どこか様子がおかしい……? 正気じゃなさそう?
そうして、リクとソラが闇の中に飲み込まれそうな所を息を飲んでいると……
「──キーブレード。ここで、手に入るんだ……」
「そう。私のお気に入り。最初のキーブレード。キングダムチェーン……全てはここから、始まった」
キングダムチェーン。私がソラから貰ったキーブレード。
ココロの現実の姿の元になったもの。
私が手に入れた力を、画面の奥のソラも手に入れた所を見て、ようやく始まりを実感していた。
けど、ソラは私の時みたいに、試練によって手に入った訳じゃないんだね?
まあ、彼らの世界の話だし、私と手に入れ方は違うか……この時私はそんな事を思って、納得していた。
……ゲームの終盤で、本当のキーブレード使いの真実を知ることになった時、凄く驚くことになっちゃったけど。それは後の話。
それより、カイリを探しに行こうと手に入れたキーブレードを使って敵を蹴散らしながら進んでいく。
場所は、あのラクガキの洞窟が怪しい。
そこに向かっていくと、やっぱりカイリがいた。
「っ!? カイリ! ソラ!?」
カイリの後ろから、闇が吹き出してソラが彼女を受け止めようとすると……消えてしまった。
驚く暇もなく、ソラが外にはじき出されると……
「……!? こいつ、チュートリアルの時に出て来たデカイ奴……!?」
「そう。またここで戦うんだ」
最初に戦った、あのダークサイドとか言うやつがまた出て来た。
あの時より、攻撃パターンが増えている。けれど、ソラの敵じゃない。
なんとか敵を倒したけど……
「ソラ……!!」
島が吸い込まれていき、ソラも……ブラックホールのような何かに、吸い込まれてしまった。
「……ここまでが、ディスティニーアイランドでの物語だよ」
その言葉とともに、ココロが一息ついて私の方に向き直る。
「どう? シロコ。ここまでやった感想は」
「……ん。ワクワクして来た」
私は実際にキングダムハーツというゲームに触れて見て、少し触っただけでもその面白さを感じ取っていた。
ここからが、本当の物語の開始だと、ようやく実感して来た。
「……リクと、カイリにはまた会える?」
「それは、先の話を進めていったら分かるよ」
「ん。じゃあ、早速進めてみる」
「そういえばシロコ? 一応聞くけど学校大丈夫?」
「今日はもう土曜日だから、大丈夫。こっちに集中出来る」
「そっか。じゃあ、どんどん進めて行こう!!」
☆★☆
そうして私は、キングダムハーツのストーリーをどんどん進めて行った……
トラヴァースタウンという場所を拠点に。
ココロ曰く、ディズニーと呼ばれる様々な物語の世界をどんどん冒険して行った。
途中リクに再開したけど、なんだか様子がおかしかったり。
時間を忘れて、ストーリーをどんどん進ませて行った。
その度に、各世界の光景や物語に引き込まれて行き。
ソラも徐々に魔法やら技やらを使えるようになっていって、強くなっていく事を実感した。
そうして、ストーリー終盤まで訪れて、ホロウ・バスティオンと呼ばれる場所に辿り着くと……
「──キーブレードが……!!」
「そう。ここでソラは、キーブレードを失うんだ」
ソラは、真のキーブレード使いじゃなかった……? リクが、本当のキーブレード使いだった?
最初、やけにあっさり手に入ったなと思ったけれど、あれはそういう事だったの!? まだソラを真のキーブレード使いと認めた訳じゃなかった……!?
キーブレードも……友達も、失った。
私は驚愕とともに、ホロウ・バスティオンを進んでいく。
キーブレードは無くなったけど、魔法は使えるんだ……
その力を使って、ストーリーを進めて行き……
『つながる心が、俺の力だ!』
「──ソラ……!」
友達が、戻って来て。
そこで、ソラはキーブレードを取り戻した……!
ようやく、ソラ自身がキーブレードに認められたのだ。
もしかして、ここまでの物語がソラにとっての試練だったのかもしれない……
そこからも、驚きの連続だった。
──カイリの心が、ソラの中にいた事実
──彼女を救う為、ソラがハートレスになったり
──元の姿に戻って、リクを救いに行くためにエンド・オブ・ワールドに行ったり
──最初の島で、アンセムと呼ばれる彼と戦ったり
そして……最後の戦いが始まった。
「これで──とどめえぇッ!!」
そうして、最後の一撃を与え──私達は、勝った。
扉を閉じるために、ソラ達は必死に押し込むけど……
『ダメか──』
『あきらめるな! 何してるソラ! 一緒にこいつを閉めるんだ!!』
「リク──!!」
ここに来て、リクが一緒に手伝ってくれた。
そして、王様と呼ばれる人も。
キングダムチェーンとは色違いのキーブレードを掲げて、一緒に扉を……閉めた。
『必ず、絶対帰るから!』
『約束だよ』
そうして、世界は戻って行き──エンディングを迎えたのだった。
「──ここで、終わり──?」
「そう。終わりだよ、一作目は。……お疲れ、シロコ」
呆然とした私の肩に、ココロが手を添える。
ゲームをぶっ続けでやった私を、労ってくれてるんだろう。
「……彼らは。また、会えるの?」
「……それは、後の作品をやってみれば分かるよ」
「……そう」
ココロの、はっきりと答えないその言葉に、私はそう納得する。
そうか。これは第一作目。彼らの物語は、始まったばかりなんだ……
「……どう? シロコ。キングダムハーツは?」
「──ん。最高」
私は、心の底からそう思って、ココロにそう答えた。
凄かった……これが、キングダムハーツというゲーム。
ココロが夢中になったというのが、よく分かる。
そして、そのゲームと同じ力が……私に宿っているのだ。
私は、自分のキーブレードを取り出して、それを眺めてみる。
強い力を手に入れたという喜びだけじゃない……彼らと同じ力を使えるという事実が、とても嬉しいのだ。
「これが、キーブレードなんだね……彼らの使う、特別な武器」
「そう。それを現実で使えるようになったのが、私たちなんだよ」
「ん。確かにこれは、ワクワクするね」
「でしょー?」
私の言葉に、ソラのようにニッコリと笑いながらココロは答えた。
「ココロが伝えたかった事が、ようやく分かった。キーブレードは、強くなるためだけの武器じゃない。ゲームの彼らのように、同じ力を振るえて、楽しむものなんだって」
「……うん、そうだよ。まあ、もし本人達がいたなら、遊びの道具じゃないって怒られるかもしれないけどね。勝手に使ってるのは、私達だ」
たはは、とココロは手を頭の後ろに添えているけれど……
「……ううん。きっと、認めてくれるよ。キーブレードで楽しむ事を、彼らなら」
「……シロコ?」
「……ねえ。もっとゲームの感想を言い合いたい。もっと話そう?」
「──うん!」
──キーブレードって、魔法だけじゃなくて色々技があるんだね。
──そうそう。私はお気に入りの技があってー
──もしかして、あの投げる奴? ココロ凄く反応してたよね?
……そうして、私たちは長い間話し合った。
久々に、ココロと強くなるためだけの話じゃなくて。ただただ、他愛のない感想を言い合うだけの、けれどとても心地のいい時間を過ごして……
☆★☆
「……やー、満足」
「ん。私も」
「ここまで、キングダムハーツそのものの話題で話せるなんて、思いもしなかったからさー」
そうして、ココロは一息ついて……
「……ありがとう、シロコ。キングダムハーツそのものに、興味を持ってくれて」
そう、深く。深く、お礼を言ってきた。
「ううん。こちらこそ、ありがとう。とても楽しかった」
「そう? それなら良かった」
あはは、と互いに笑い合う。
すっごく面白かったという事を、伝え合うように。
「……シロコ」
「ん?」
すると、ココロが急に真剣な表情で、私に向き合って来た。
「……今でも、強くなりたいって思ってる?」
「それは……」
……私はその問いかけに、とっさに答える事は出来無かった。
キーブレードを、強さだけを追い求める事はすでに止めていた。
自分の心の闇とも戦って、強さへの異常な執着心も落ち着いている。それは確かだ。
……けれど。本当に全く強くなりたいという気持ちが無いといえば、嘘になる。
闇の私にも、一緒に強くなろうって。そう言って、受け入れたのだから。
「……シロコの事は、先生に聞いたよ。アビドスで起こった事も。キヴォトスで起こった事も」
「……!」
「大変だったね。……こんな一言で言っていい事じゃないかもしれないけれど。君たちが、とっても大変な目にあって来たという事はよく分かった。これなら、強さに執着しても仕方ないよね」
だから……と、ココロが私の目を見つめて。
「もう、君に強さを追い求める事を止めはしない。シロコが強くなるよう、私も協力する。でも……」
「……でも?」
そうして、ココロはニッコリ笑って。
「──楽しく、強くなろう? 強くなる事そのものを。出来る事が増えていく事を。一つ一つ噛み締めて、味わっていくように」
「──うん、そうだね」
その言葉に、私は大きく頷いた。
強さだけを、求める事はもうしない。
ソラとリクにも言われた。私の持ってるキーブレードは、使命が無い。私を楽しませる為だけに存在するものだって。
だったら、大いに楽しまなきゃ。
「さて、それじゃあゲームも一作終わったし。キリが良いし……」
「ん……?」
すると、ココロがキーブレードを取り出して……
「──やってみる、シロコ? キーブレード使い同士で、私と対決を」
そんな、提案をして来たのだった。
☆★☆
「──良いの? 本当に?」
「良いよ良いよー。実を言うと、こうしてシロコと戦って見たかったんだ」
ステンドグラスの世界で、離れた位置にいるココロと向かい合う。
ココロは腕を伸ばしたりなどストレッチをしていて、準備に念入りだ。
「ん。正直言うと、私もココロと戦えるの、ワクワクしてる」
「お、嬉しい事言ってくれるねー♪」
「キーブレードを、私より先に使えた、キングダムハーツをよく知ってる人。そんな強い人と戦えるなんて、楽しみだから」
私がそう、素直な感想を溢すと……
「──いや、とっくにシロコの方が強いよ、実際は」
そう、否定するような事を言い出した。
「──え?」
「……シロコ。私がキーブレードを使えるのは、神様転生のおかげだって事は、以前話したよね?」
「う、うん……」
私は、砂漠で初めてココロと出会った時のことを思い出す。
あの時は、一度に全ての話を信じ切る事は出来なかったけど、ここまで不思議な事が立て続けに起こった今、十分信じるに値していた。
「……私の前世は、銃撃の無い平和な世界で、病院暮らしだった」
「ココロ……」
「そんな、ただの15歳までしか病室で生きてこなかった子供が……実践経験豊富な、シロコのようなこの世界の少女達に敵う訳がないよ」
そう、自嘲するようにココロは溢していた。
「でも、ココロは神様転生ってやつをやった時、チートをもらったんじゃ……?」
「そのチートがキーブレードなんだよ。……そしてその力は、今や私だけの力じゃなくなった」
ココロは、私のキーブレードを静かに見つめて言った。
「シロコも、キーブレード使いになった今。最早私の優位性は無くなった。だとしたら、勝敗を決めるのは、プレイヤーそのものの能力と実践経験値の差……」
だからね、と……
「……私が、シロコに敵うはずがないんだよ?」
「……ココロ」
そう、静かに。事実を淡々と言うように、ココロがそう話した。
「……けどね! だからと言って、戦わない理由にはならない! せっかく同じキーブレード使いと出会えたんだもの! ぶつかり合わなきゃ損でしょ!」
そう、先ほどまでの静かな雰囲気を吹き飛ばすように、元気よく声を張り上げた。
その声に、嘘の色は見えなかった。
「……そうだね。うん。戦いたいのは、嘘じゃない」
そうして、私はキーブレードを構え直す。
左手に銃も持って、フル装備だ。
「ん。来てよ、ココロ。実践経験の先輩として、胸を貸してあげる」
「ありがとう、シロコ。──よろしくお願いします!!」
「ん! 勝負!!」
そうして、私たちは結果はわかり切っているけれど、互いに飛び出し。
全力で戦い始めて──
☆★☆
──そして、決着は付いた。
「……えっと……」
「ん、う────?」←ボロボロ
私の負けで。
──なんで?
「……え、待って? 本当になんで負けたの私? 嘘だよね? だってココロ言ってたよね、実践経験の差が激しいって? え? 嘘だったのココロ……?」
私はボロボロの姿でステンドグラスに寝転んだまま、ココロに本気の疑問を問いかけた。
いや、だって私は、自分の心の闇を乗り越えたんだよ……?
真のキーブレード使いになって、すっごく強くなったばっかりなんだよ……?
「そうだね、私もビックリしてるんだけど……」
あー……と、ココロが何か言いづらそうにしていると、何かに気づいたのか。
「……そういえばシロコ。君、キーブレード使えるようになって、明確に強くなった事があるって言ってなかったっけ?」
「ん、確か……」
・身体能力の強化
・ガード不可の攻撃を青色で描写されている
・キーブレードをいつでも呼び戻せる力
・キーブレードによる周辺視野
・リアクション・コマンド
そうして私は、リクに教わった5つの強化点をココロに説明した。
それを聞くと、ココロはあー……と天を仰ぎ始めて。
「……ごめん、シロコ。私のキーブレード使いとしての強さ。それ以外にもあったわ」
「へ──?」
「私の場合は、それに加えてね──」
・ターゲットロック機能
・アビリティ装備
・防具、アクセサリー装着
「──の、最低3つはある感じ……」
「──まって。待って!? ターゲットロック機能!? え、それってゲームであった、一人の敵をロックオンし続けるあれ!?」
私はつい起き上がってココロにそう問いかけた!!
え、だってあれ! ロックオンしてるなら、自動で照準を常に定めてくれる便利なやつ……!?
「特に【サンダー】が確定ヒットになるのが、無法すぎたね……リアル対人戦だと、最弱の魔法でもほぼ確定で相手の麻痺、武器落としが狙えるんだもん。そのせいでシロコめっちゃ隙だらけだったし……」
「んん──ッ?!!」
通りで、私のサンダーとは違って術者本人の周囲じゃなくて、何故か私の周囲に落ちるなーって思ったら!?
あれそう言うことだったの!?
「後、シロコめっちゃ強いと思って、アビリティも装備出来るだけ装備したり、防具もアクセサリーも最強なのを取り付けてました……」
「それも知ってる!? ゲームであったやつ!? え、アレもココロ使えるの!?」
「いやー、多分私、シロコよりゲームシステムに近い反映がされてるんだと思う……これはビックリだ」
あはははは、はは……と、乾いた笑いをするココロ。
ん、ずっこい!? 全然平等じゃない!?
「いやー……ごめんねシロコ? 私、思ったより強かったみたい……?」
「ん! すっごい喧嘩売られたっ!!」
んんー!! っと、私は怒り出す。当然だった。
私はキーブレードでポカポカとココロを叩く。
「いたた!? ごめん、ごめんってシロコ!! お、お詫びにちゃんとシロコが強くなるよう付き合うから!! 技とか色々教えてあげるから!!」
「ん! 絶対! 約束!!」
「うん、うん! 絶対そうするから!! うん!」
……そうして、互いにはー、はー、と荒い息を吐いて、ようやく落ち着いていた。
「──よし、シロコ。とりあえず、強くなる目標を決めよっか」
「目標?」
「具体的に、どこまで強くなるか当面の目標を定めたほうが特訓の量がわかりやすいでしょ?」
「ん、確かに」
私はその言葉に、大いに同意する。
「それじゃあ、どうしよう……」
「……ねえ、シロコ。そもそもシロコは、ホシノさんに勝ちたいんだよね?」
「ん? うん」
「──じゃあ、その人に勝つ事を目標にしようか」
──!!
その言葉に、私は大きく驚いた。
「良いの……? もっと細かく、刻んだ方が良いんじゃないの? いきなり本命?」
「別に良いんじゃない? 負けたらまた、やり直せば良いし。戦って損は無いでしょ。それとも、自信無い?」
「む。そんな訳ない」
私はココロの煽るような言葉に、強く否定する。
私はキーブレード使いとして更に強くなった。今の私なら、もっとホシノ先輩と戦える自信は十分あった。
「でしょー? それじゃあ、ゲームの続編をやりながら、シロコの技の特訓をやっていく事にしよっか。ゲームをやって、イメージ固めてもらったほうがやりやすいだろうし」
「ん、分かった」
確かに、実際キングダムハーツをやって見て、魔法のイメージが更に付きやすくなった。
あれで第一作目と言うし、続編もやっていけば私はもっと強くなるだろう。
それに、ゲーム自体をやるのもとても楽しいし、一石二鳥だ。
「じゃあこの、【キングダムハーツⅡ】ってやつをやれば──」
──私がそう言いながらパッケージを取り出そうとすると、バッとココロに腕を掴まれた。
振り返ると、ココロがフルフルと首を横に振っている。
「ど、どうしたの……?」
「ⅡはⅠの続編じゃない」
「へ──?」
「Ⅰの続編は、【キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ】なんだ」
「──え。じゃあⅡは何?」
「Ⅱはそれの次」
──えっと……?
「じゃ、じゃあ。Ⅱの次がⅢ?」
「違う。【キングダム ハーツ 358/2 Days】になる」
「──???」
……え? ごめん、全然分からない。
「順番にすると──
①『キングダム ハーツ』
②『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』
③『キングダム ハーツⅡ』
④『キングダム ハーツ 358/2 Days』
⑤『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』
⑥『キングダム ハーツ コーデッド』
⑦『キングダム ハーツ 3D ドリーム ドロップ ディスタンス』
⑧『キングダム ハーツ 0.2 バース バイ スリープ -フラグメンタリー パッセージ-』
⑨『キングダム ハーツ キー バックカバー』
⑩『キングダム ハーツⅢ』
──こうなる」
「どう言う事!?」
「ちなみに、チェイン オブ メモリーズでも、Re:チェイン オブ メモリーズと2種類あったりする。Re:コーデッドとかもそうだけど」
「本当にどう言う事!??」
え、ごめん本気で分からない!?
Ⅰの次がⅡじゃないの!? Ⅲのバージョン違いが3Dじゃないの!? 358/2って何!? 0.2って何!?
数字もタイトルも無茶苦茶!?
「ねー。分かりづらいよねー、分かる分かる」
そう戸惑っていると、ココロがそううんうん、と頷いていた。
「……まあ、この順番通りにやっていけばストーリーは分かるから。そう言うものだと思ってくれれば良いよ」
「そ、そう言うもの……?」
「そう言うもの」
……納得はいかないけど、なんとか飲み込む事にした私は、大人しく【キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ】をとった。
ま、まあ。楽しければ良いや、別に……
そうして、私はココロの言うとおりの順番でゲームをやっていく事にした……
☆★☆
──そうして、およそ三週間ほど経った頃。
アビドスに通いながら、時折先生の仕事を手伝いながら。
自宅に帰ったら、ココロの精神世界でゲームと特訓を行い続け。
そして……準備は整った。
「──ん! ホシノ先輩、勝負しよ!!」