救いのために   作:ヒナまつり

10 / 41
えーっと、先ずは投稿が遅れて申し訳ありません!それと書いてるうちになぜか伸びていって前編、中編、後編の3つになりました!

まじごめんなさい!


4話 中編

 

 「よし、さっさと移動するぞ。天災まで余り時間は余っていないんだ」

 

 ほんとだ、確かに空模様は悪くなってきているな。はぁ、嫌だなぁ。あと少ししたら天災とタルラに襲われるのか…。

 

 誰も死なないように出来るなら良いのにな。そう、皆に付いていきながら考えていく。

 

 でも考えれば考える程、頭の中は空模様の様に曇って行く。だって、ただの人である限り手に届く限りの者しか助けれないんだ。そしてもしそれ以上を望むなら命を懸けなきゃいけないんだ。

 

 イシンは命を懸ける方を常に選んでいる。だって、彼は全てを助け死ぬことこそが自らが起こした罪の贖罪だと考えているからだ。

 

 彼を救うためには罪の贖罪が他にあることを知るか、罪を忘れる程の出来事が起きなければ不可能なんだ。

 

 だから俺がすべきなのはイシンの命が消えないように操り、人と関わることだと思う。罪に潰されそうな彼を支えてたり、知識を授けてくれるような人たちとね。

 

 多分、辛い道になるだろうなぁ…。でもそれでイシンが幸せになれるならそれでいいだろう。俺はもう前世で幸せを味わったんだしね。

 

 思考が落ち着いた頃、正面に敵の小隊がいると報告を受けた。そして、最短距離を通るために戦闘を行うしかないと。

 

 今後の戦いのためにもアーツの使用は抑えるべきだね。なら、暗殺をしたいな。正面から戦っても俺じゃ勝てないだろうし。

 

 そう思いドクターへ、指示を仰いだ。

 

 「ドクター…不意打ち、したい。良い場所、ある?」

 

 「…そうだな、此処は隠れる場所が少ない。けれど、彼らから右手の建物に見つからずに入れば不意打ち出来るかもしれない」

 

 「…あそこ。分かった、エース、射手はやる」

 

 「ああ、分かった。だが、無茶はするなよ?scoutに怒られちまうからな」

 

 ニヤリと笑いながらコクりと頷いたエースは皆を率いて敵に向かい始めた。

 

 俺は一人で建物へと駆けて行く、位置が補足されない様に気配を消しながら。

 

 その道のりは簡単だった。でも、良いものではなかった。だってまだ燃える建物に、殺されている人々が其処にあったからだ。

 

 手を繋ぎながら死に絶えてる夫婦のような人、子を守るように覆いかさばっていた人。その何れもが苦痛と絶望に潰されていた。

 

 目を瞑りたかった、助けられない人々が居ることに。だけどこれからもこんな風景は見ていくことになるんだ。いや、俺が自ら見捨てることもあるんだ。

 

 見てみぬ振りはできない。この重荷を背負わなければいけないんだから。

 

 憂鬱な気持ちを抱えながら懐からスタンバトンを取り出し、敵を確認しながらエース達の合図を待った。

 

 少し経つと前からエース達が向かってくるのが見えた。レユニオンも補足したみたいで弓を構えようとしていた。そして、エースが腕を振り下ろした瞬間、窓から飛び出し照準を定めようとしている兵士へバトンを当てる。

 

 大きな光と音がなり、崩れ落ちる敵を横目に近くに居た兵士を見た。どうやら、予想外の位置からの急な襲撃に驚いているようでまだ剣を抜いていないようだ。

 

 クールダウン中のバトンをその敵の鼻先を狙い放り投げ、接近する。

 

 バトンを避けようとして体勢を崩した隙に腕をとり、勢いよく地面へと叩きつけた。

 

 蠢く声を上げ直ぐには動けそうにない。そう判断して此方を殺そうと近づく他の敵から逃げるように走り、射手からクロスボウを奪う。

 

 どうやら、彼らは襲った俺のことに夢中になっているようで叫びながら切りかかろうとしてくる。だけどもその頃にはエース達が迫っており、ドーベルマンの鞭により振り上げた手を叩かれ剣を落とした。

 

 また、他の敵も同様に武器を叩き落とされて、武装解除されているようで、数刻も経たずに押さえ付けられ気絶させられていた。

 

 「ドーベ、ありがと」

 

 「教官と呼べと言っただろ。それより、無茶をしたな?お前の仕事は射手を討つだけだった筈たが」

 

 「倒さなきゃ…切られる距離、だったの」

 

 嘘は付いてないよ、ほんと切られるかもしれない位置ではあったからね?

 

 「…そうか。今は時間がないからそう納得しておこう。先へ急ぐぞ」

 

 此方の被害なしの完璧な作戦だったね。バトンは投げた衝撃で壊れてたけど!!くそっ、クロージャにもっと丈夫に作ってもらうべきだったな。

 

 予備も持ってきて無いしなぁ、次の戦闘は気絶させれる武器なしで殺さないようにしないと…。

 

 ぼーっと次の戦闘の事を考えながらアーミヤと手を繋いで歩いていく。

 

 てか、無茶しないようにって手を握られるってだいぶ子供と思われてない?ちょっと恥ずかしいしさー!緊急時、動きにくいし!

 

 過保護も嫌なもんだねぇ。まぁアーミヤが怖いから何にも言えないんだけどね?

 

 「もう少しで合流地点へ着きますね。少しぐらい休む時間があると良いのですが…」

 

 アーミヤが此方を心配そうに見ながらエースへと話しかける。

 

 「残念ながらそんな時間はないだろうな。刻一刻と天災は迫ってきているんだ。まぁ、ロドスに戻ったらゆっくり出来るさ」

 

 「そう…ですか、分かりました。フォルトさん、ドクター辛くなったら肩を貸しますから直ぐに行ってくださいね」

 

 ね、眠ってたドクターと同じ扱い!?俺の体そんな弱くないって…いやまぁ10歳の子への反応としては正しいのか?でもアーミヤだってそれぐらいの歳でしょ?やっぱり弟って感じなのかな?

 

 とりあえず平気なことはアピールしとくか。これ以上過保護になってもらっちゃ困るし

 

 「僕は、平気。ドクター…もし辛いなら、僕も貸すよ」

 

 「私も大丈夫。それに君達は戦闘をしてくれてるんだ、そんな負担懸けていられないよ」

 

 うん。こんな大人な感じの人が口の中でカップラーメンを作って食べる人なんだよね。なんだか、この世界怖く感じてきたな…?

 

 そんな話をしながら公園を歩いていく。ざわざわと波立つ樹木が恐怖と不安を生み出してくる。それに…なんだか霧が出てきているような?

 

 あれ?これってクラウンスレイヤーとの遭遇戦の場面!?わ、忘れてた!!今の俺はアーミヤと手を繋いでその近くにドクターもいる。なら二人と横へ回避して皆に報告だ!

 

 「ドクター、手を握って。皆、敵襲!横へ…飛んで!」

 

 二人の手を握ったまま、引っ張り樹木へ隠れる。その瞬間、上に飛んでいたドローンが打ち落とされ、空から機銃を掃射された。

 

 砂煙が経つほどの銃弾が今さっきまでいた道に撃ち込められた。少しでも反応が遅れていたら蜂の巣だっただろう。

 

 皆は無事だろうか。確認しようにも霧に視界が遮られ確認できない。

 

 今分かることは暖かな二人の手の感触とクラウンスレイヤーはドクターを狙う筈ということだけだ。

 

 アーミヤの動揺する声を無視しながら耳を凝らす。狩人は獲物の油断を捉えるのが得意だからこそ、油断している人物や動揺している人物に釣られやすい。

 

 だから周囲から聞こえる悲鳴も無視し此方へ走ってくる足音を聞き分ける。

 

 様々な音の波の中、一つだけ足音を殺すように駆けている。それも此方へ。どんどんと近づくそれはドクターを視認できる距離になると焦ったように速度を上げる。

 

 つまり、これがクラウンスレイヤーだ。アーミヤの手を離し取り出したナイフを見えないように隠し餌に食いつくのを待つ。

 

 その瞬間は直ぐに訪れた。ドクターの首元を掴もうと跳ねたクラウンスレイヤーは怒りによって焦っていたのか警戒していなかった。だが切りかかった瞬間、ナイフは空を切った。

 

 この一瞬で姿勢を変え、当たらないようにされたのだ。

 

 うっそだろ!ほぼモーションも見えないタイミングな筈なのに!?

 

 動揺と、次の策を練っていなかった俺は闇雲に二撃目を放つ。

 

 しかしそれを待っていたのかの様に最小限の動きで躱し、持っている腕に絡み付いてくる。子供の貧弱な体では抵抗出来ない力に組伏せられ首へナイフを付き突けられた。

 

 「お前に用はない。子供はこんな戦いに足を突っ込むな」

 

 クラウンスレイヤーは慈悲を与えてくれたんだろう。喉を切り裂くのをやめ、首を絞めてきた。

 

 添えられた手に力が込められぎゅうぎゅうと絞められてくる息が吸えなくなる。

 

 ゆっくり、ゆっくりと苦しくなり、目の前がボヤけて来た時、急に息が吸えるようになった。急いで息を吸おうと口を開き、咳き込む。

 

 くらくらとしていた脳が徐々に戻り、視界が定まってくる。其処には白い少年とクラウンスレイヤーがおり、皆もいるようだ。

 

 少年はクラウンスレイヤーへ何かを喋っているようだ。まだ少し完璧じゃない脳を回しながら喋っている内容を聞き取る

 

 「ほら、あんな子を攻撃するなんて可愛そうじゃないか!それに此処は僕の担当区域なんだよ?君についての報告を聞いて駆けつけてきたんだ。だから攻撃はやめて欲しいな?」

 

 「チッ、何しに来た」

 

 「いや~、大したことじゃないさ。ただ彼らの処遇は僕に任せて欲しい…それだけのことさ」

 

 「…奴らの処遇を任せろだって?どういうつもりだ、メフィスト」

 

 ああ、メフィストか。ようやくまともに動くようになった頭で内容を把握していく。多分これから、メフィストとの戦闘が始まる。

 

 今さっきの油断はしないようにフラフラとした足付きでアーミヤたちのもとへ戻る。

 

 「どういうつもりも何も、ねぇ?作戦中なのに離れた君の行動は姐さんに伝えるように部下へ言ってある。だから君はもう戻らないといけないんだよ。だからこそ、僕へ処遇は任せて欲しいってことさ!」

 

 「ちっ…余計なことを。仕方ない。お前達、退くぞ。──せいぜい惨めに負けるがいい」

 

 俺がアーミヤに肩を貸してもらっている間に二人の会話は済んだようでクラウンスレイヤーは走り去っていった。その間にエースとドーベルマンはこそこそと話しなにか準備をしているようだ。そして残った胡散臭い少年が話し始めた。

 

 「あははっ!クラウンスレイヤーが失礼したね。僕はメフィスト。君達とゲームしに来たんだ!簡単なゲームさ、やってみないかい?そうやってこそこそと撤退の準備をするより楽しいと思うよ?」

 

 「残念だが今はおままごとに使う時間はない。エース!行けるか?!」

 

 「包囲されている!突破口を見つけなきゃ話にならないぞ!」

 

 その声にはっとし後ろを見てみると1小隊が出口の付近で待機していた。その上、周囲には他の3小隊程の敵がいるようだ。

 

 「当たり前だろ?君らがゲームに参加してくれなかったら悲しいからねぇ」

 

 「ッ!天災が直ぐそこまで迫ってきているのに、なんでこんなことをするんですか!此処を離れないと皆、死んでしまうのですよ!」

 

 「どうしてかって?天災が迫っている今こそがお祭りにぴったりなんかじゃないか!」

 

 「そんなの…狂ってる!」

 

 ああ、ほんとに狂ってる。でも彼の過去をしれば知るほど人間を憎んでしまうのは分かってしまう。それにイシンがこうならなかったのは彼の善性と母の愛によるもので何れが一つでもなければああなっていたとも感じる。

 

 だからこそ、彼をもう救えないことも分かる。だって彼は狂う道を進み始めてしまったんだ。取り返しのつかないその道を

 

 「それじゃあゲームを開始しよう!─行け」

 

 その一声でレユニオンは動き出した。だが此方も同じでスモークを炊く。それで射線を切りながら1小隊しか居ない出入口へ向かう。

 

 「なんだ、臆病なクラウンスレイヤーと同じ手を使うんだ!ふぅん、面白くないなぁ」

 

 彼は冷静に駒を進めてくる。徐々に包囲網は狭くなり、術師の攻撃が飛び始め、出入口に近づく頃には此方を視認できており、医師オペレーターが攻撃に被弾してしまった。

 

 その瞬間、イシンの怒りが汲み上げてくる。彼女のことは守れた筈だったからだ。

 

 でも今、アーツを使うわけにはいけないんだ、その為必死に歯を食い絞め制御をする。

 

 だが、それに注意が逸れたアーミヤに切りかかろうとするレユニオンが見えた瞬間、制御が取れなくなった。

 

 「■■■!アイツの、剣を…奪え!!」

 

 だが、一番負担が少ないコイツを選ぶことには成功した。飛び出た鳥がレユニオンの腕から剣を奪い去ろうと飛び立ち、それに動揺したレユニオンはエースにより吹き飛ばされた。

 

 「あ、ありがとうございます。エースさん、フォルトさん」

 

 「いいさ。だがこれ以上油断はするなよ?」

 

 「はい、分かりました!怪我人に手を貸し急ぎましょう!」

 

 そんな会話を聞きながら何時もより強く語り掛けてくる言葉を否定する。だが、感情を込めると負荷も大きくなるのか二度強く否定しないと諦めなかった。…少し頭が痛い。気を付けないと。

 

 たが、いかんせん状況は動かない。それどころか徐々に悪い方向へ向かっていく。迫り来る兵士、的確に飛んでくる攻撃。ジリ貧になってきたその時、一人の悲鳴と共に太陽がきた。

 

 「すまない、到着が遅くなった。耀騎士二アール、あなたたちを迎えにきました。」

 

 そういう彼女は瞬く間にレユニオンの兵士を倒し始め、戦況が引っくり返った。

 

 メフィストはこの事態に困惑しているようで指示でなくなったレユニオンも統率が取れず連携もままならず各個撃破されていく。 

 

 だが、それにより怒ったメフィストは奥の手を切った。それはファウストによる、遠距離攻撃だ。

 

 二アールに撃たれた矢は強力なもので一撃で怯ませた。

 

 「さすがの二アールでももう一発喰らうと不味い。一時退け!」

 

 「─退くわけには行かない。あの一撃は強力すぎる。部隊に直撃すれば尋常じゃない被害を受けることになる。それゆえ私は此処に立つ。皆を守り抜いてみせる!」

 

 汗がポツリと二アールから垂れる。それぐらい強力だったのだろう。しょうがない、これを使おう。

 

 腰から出した物を空へと投げる。そして、左右のポケットからスモークグレネードを取り出し、展開する。

 

 これは特注品でジャフが混ざっていて光彩スコープなどを妨害できるようになっていて狙撃を防げるようになっている。

 

 「皆、目を伏せて!」

 

 上で展開されたフレアは直視することが出来ないほどの光を出しており、地上から余り離れていない所で光輝いて目を伏せなければ、視覚が狂うほどの品だ。

 

 さすがのレユニオンもこれには対策がなかったようで狙撃が止み、その混乱に乗じて撤退を開始した。

 

 あっ!もう使うことないし、グレネード放り投げとこ!!

 

 「ちっ!早く追えっ!?」

 

 おっ!うまく邪魔できたみたい。追撃に来ようとした兵士が連鎖的な爆発により、動けなくなりメフィストも驚いてるみたい。

 

 撤退は上手く行き、本来の合流地点へ後もうちょっとになった。

 

 次に戦うのはタルラ!つまり、本来のアニメだとアーミヤは気絶するほどアーツを使い、エースは死ぬ戦いだ。

 

 その未来を変えられる選択を探す。今俺の使える範囲のアーツでは突破口にはなり得ないだろう。小道具もアイツには意味がないだろ?

 

 どうするべきか…。いや、一つだけ勝ち筋はある。だが、それをするとこの体が持つか分からないのだ。

 

 いや、もっと酷いことになるかもしれない。アーツが暴走する可能性もある。

 

 グルグルと回る思考と真逆にその場面は近づいて来ていた─




なんかこの前ランキング見たときに日間で84位を取っていたのですが間違いじゃないですよね!!?

ふへへ、偉業すわ!まじお気に入り、評価してくれた方々ありがとうございます!!

まだまだ未熟な作者ですがこれからも成長を続けていき皆さんに楽しんでもらえるものを書きたいと思います!

なので!アドバイスとか感想とか、評価とかくれると嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。