救いのために   作:ヒナまつり

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今回は短め&曇らせの練習になっているため違和感があるかもです。




5話

 

 「スリンカー、プータル、スコーピオン、レイファ、ムラム、カクテル、ソラナ、ミミ、マリ―、サムタック、ユラン、ロングトーン…それとscout。皆、死んじゃったんだ」

 

 日の光を反射して銀色に光るドックタグを並べる。書いてある名前を読みながら。その中でも一際傷ついているのはカクテルのだ。

 

 あの規模の爆発で欠片でも残っているのは奇跡なんだろう。

 

 虚しい、苦しい、悲しい…憎らしい。そんなぐちゃぐちゃな思いが流れ込んで止めどなく涙が溢れる。

 

 「いや、いやだよぉ!なんで、皆死んじゃうの!?」

 

 誰にもぶつけられない思いを吐き出す。ロドスという家に帰ってきて抑え込んでいた蓋が壊れてしまったみたいだ。

 

 「スコーピオン、カクテル!僕が、お酒を飲める様になったら、一緒に飲むって…約束したじゃん!約束、破ったらダメって、教えたクセに!他の皆も、僕といっぱい…約束したクセに!」

 

 皆と過ごした日々、辛い訓練。憎くてそれでいて憧れていたscout。そのどれもがもう見ることも感じることも出来ない。

 

 「僕は、僕はもう…誰も失いたくなかったの!…そのために頑張ったのに─!」

 

 「結局、大切なものは、失くなっちゃうの…?」

 

 「scout…僕、これからどうすればいいの?貴方に貰った希望、もう分からなくなっちゃった」

 

 イシンは二度目の絶望の淵に立たされている。一度目の絶望は彼らがいた。だが、今はどうだ、白いベッドにポツンと一人で窓から差す光も醜いぐらいに何もない。

 

 「こんなことに、なるなら…救いなんて─」

 

 いらなかった、そう言おうとした。でもその言葉はあの人たちを、母を否定することになるから、言えなかった。

 

 飛び立つ羽を失いながらもそれが大切な子供はこの深き闇の中、ただただ泣くことしか出来ない。

 

 


 

 彼が起床したか確認しに来たが入ることは出来なかった。中から泣きわめく声が聞こえるのだ。

 

 scout小隊という第二の家族も失ってしまったあの子は限界を迎えてしまったのだろう。

 

 胸が痛む。彼らを殺したのは私と言って差し支えがないのだ。

 

 この作戦を実行に移したのも立案したのも私で数多くの犠牲が出ることも知っていた。だからこそ、彼には死んで欲しくなくて鳥籠の中で囲おうとした。

 

 だが、希望という羽を手に入れていた鳥は飛んでしまったのだ。暗い暗い地獄へと。そして、其処にあったのは報われない努力と死だったのだろう。

 

 そこで、泣きそうになるのを我慢をしてあんなにも傷ついて、皆を守った。犠牲者が予定より少なかったのは彼のお陰だ。

 

 でも、一番守りたかった者は死んでしまった。それにより羽が折れてしまったのだろう。

 

 考えれば考える程、彼に合わせれる顔がない。

 

 生きて帰ってきてくれて良かった…?何を考えていたんだ、scoutが死んで彼が壊れてしまうことなど分かっていた筈だ!何故、何故私はあの時安堵してしまったんだ…。

 

 後悔と自らの愚かさに反吐が出る。

 

 けれども今は後悔している場合ではない、彼を救うためには私達が寄り添うしかないのだから。

 

 …それを少し嬉しく思ってしまう愚かさと罪悪感を抱えながら扉を開く。

 

 其処にいたのは光に照らされながら涙を流す黒き片羽をもつ悪魔だった。

 

 「フォ、ルト?」

 

 その姿は著名な画家が書いた絵画のように美しく見惚れてしまった。

 

 「ケルシー…?僕、僕これから…どうすれば」

 

 此方へ救いを求め、手を伸ばす彼は今にも壊れそうで落ち着かせるためにも彼を抱き締める。

 

 「大丈夫、大丈夫だ。だから今は何も考えるな、自分を恨むな。そして、少し休むんだ。出来るか?」

 

 「考えない?何も、?」

 

 「ああ、傷が癒えるまでな」

 

 「無理、無理だよ。頭の中、ずっと言葉が…なるの。お前のせいだって、もっと頑張れば…助けれただろって」

 

 「それは気のせいだ。彼らが君を責めるわけがないだろ?今頃、空で君が生きてて良かったと思っている筈だ」

 

 「違うの、言うのは…母さんと彼女なんだ。今までも、ずっと僕を責めてたの、でもscout達と居る時は、聞こえなかった。聞こえなかったのに─!今はあの時みたいに、ずっと喋るの!【お前はまた見捨てたんだ】って!」

 

 まだ癒えていない心の傷が、彼をまた蝕み始めているのか。…この時のためにscoutはこの遺書を残していたのかもしれないな。

 

 ─私はこんなに生きているのに彼を救い出すことも出来ないのか。結局、私には人の気持ちを読み取ることはできないのか?

 

 「フォルト、これを読むんだ。scoutが最期に君のために残した遺書だ」

 

 「scoutが…?」

 

 「ああ、そうだ。もしこの作戦で戻ってこなかったらこれを見せろと」

 

 「そっか、scoutが…ありがとう、ケルシー」

 

 ペラ、ペラ、と目を皿のようにしながら彼は読み進めていく。目に貯めた雫を遺書にかからないように拭いながら。

 

 何が書いていたのか、私は知らない。scoutが恥ずかしいから見ないでくれと念を押していたからだ。

 

 だが、彼の様子を見る限り彼を救うためのもので合っているようだ。

 

 「scout、こんなの…直ぐには、納得できないよ。でも貴方らしい。そうだね、僕は罪を背負って─生きるって、あの時決めたんだ。だから、これぐらい…耐えなきゃ」

 

 いい顔になった、そう感じるが彼を救うことを私は出来なかった、その事が私の心にストンと落ちてくる。

 

 彼を支えているものはscoutとその小隊で、何時も彼は私のことをちゃんとは見ていないのだ。

 

 それが苦しくて、支えているものを消してしまった後悔と共に私を蝕む。

 

 「少し、落ち着けた。ごめん、ケルシー。また…一人になりたい」

 

 「ああ、分かった。もし、何かがあったら直ぐそこのボタンを押せ」

 

 「うん、分かった。ありがとう」

 

 静かに退室する。─やっぱり彼は私に頼ってはくれないのだな。

 

 少しscoutが憎らしい。私には向けられない彼の視線を全て持っていってしまう彼が、私は少し…嫌いだ。

 




ケルシーのキャラムズいよぉぉ!キャラ崩壊してそうで怖いです!!

もしアドバイスとかあるなら感想でお願いします!成長の為に役に立つので本当におなしゃす!

てか日常回の初めがこれって…飯がうまそうですね!
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