視界の悪い砂嵐の中、伏兵の鎮圧の報告を待つ。
そして、報告が届いた瞬間、音を立てずに走りだし…手に握っているスタンバトンを一人の首へ押し付ける。
バチバチと青白い閃光と共に崩れ落ちる一人を横目にもう一人のレユニオンの刃物を避けるために後ろへ跳び跳ねてから走って遠ざかる。
どうやら、相手は砂嵐のせいで正確に此方の位置を見つけられていないようだ。
急な攻撃によって錯乱しているレユニオンは、腰が引けていた。…戦闘慣れしてないな。とりあえず、近くにある小石を適当な方向へ投げ注意を引かせる。
見事に引っ掛けてくれた相手の首へ再びスタンバトンを押し付けて気絶させる。
ふぅ…自然が味方してくれたな。それに、ドクターのお陰で相手の位置まる分かりだし、この調子で楽な戦闘が続けばいいけど─。
「戦闘終了。皆集まって」
お、ドクター達の方も倒し終わってるみたい。合流しなきゃ
ゆっくりとドクター達の方へ足を進めると見知った顔の二人組が見えた。
どうやら、その二人のことをアーミヤがドクターに説明しているみたいだ。
邪魔をしないように気配を隠しつつ、アーミヤの近くへ隠れる。
そうして、四人の話が終わったタイミングで話しかける。
「フランカ、リスカム。久しぶり」
「あら、泣き虫のフォルト君じゃない。久しぶり~」
「ちょっと、フランカ…ごめんなさいフォルトさん。お久しぶりです」
急に現れたことに驚きながらも何時もの調子の二人を見て安心した。
「もう、泣き虫じゃ…ないよ。フランカの、意地悪」
「ふふっ、ごめんなさいね―?でも、少し背伸びたかしら?」
「…確かに、少し背が高くなったような」
…あー、靴に仕込みナイフ仕込んでるせいで背が伸びたように見えるのか。大丈夫、イシンは一切背伸びてないから!てか、それちょっと悲しんでるから!
「むぅ、二人とも…これ仕込みナイフで、高いだけ」
靴に指を指しながらナイフを剥き出しにする。二人はなんだか気まずそうな顔でそれを眺めていた。
「あはは、その…ごめんなさいね?」
「大丈夫ですよ、フォルトさん。まだ成長出来る歳ですから」
「その、反応…一番傷つく」
「皆そこら辺で、アーミヤ…約束の時間が迫っている。早く行こう」
「えっ?…あ、いけない!い、急ぎましょう!」
アーミヤについていき、砂嵐の中を進む。その道中で、俺はフランカとリスカムに護衛して貰いながら動くことになっていることを教えて貰った。…まぁ、あんなに無茶してたからしょうがないか。
そして、数刻を立つ前に龍門へとたどり着いた。
たが、龍門の入り口はけたたましい音と兵士の人たちがいた。何やら入国審査か何かで揉めているようだ。
…なるほど、感染者だから入れれないのか。──感染者は死ぬ以外でオリパシーを媒介にしないというのに…。
そんな痛まれない気持ちを心に食い止め、彼らの暴走を止めに入ろうとするとフランカに諭された。
「ダメよ、今の私たちが止めようとしたところで逆効果になるわ。ほら…大人しくあの、おっかない龍のお姉さんに任せておきなさい」
そう指差す所には確か、アニメで見たチェンさんがいた。
成る程、確かにあの人が居れば安心だろう。本当におっかない人だし…。まぁ優しい人でもあるんだけどね。
そうして、押し入ろうとした感染者はチェンさんによって鎮圧され、兵士に連れていかれた。
「…可哀想」
「しょうがないの、これがオリパシーへの世間の意見なんだから」
それは理解してはいる。だが、あの人たちは明日を…どうやって生きていくのだろうか。そも、明日を望めるのだろうか─
自身の考えを読み取ったのかフランカが落ち着かせるように頭を撫でてくれた。
温かく、優しさに溢れた手で。
…それに身を任せながら、チェンさんと話すアーミヤ達を見ていた。そして、話し終わるとドクターとアーミヤはチェンさんと一緒に行動し、俺とフランカ、リスカムは二人の報告が終わった後合流することとなった。
「アーミヤ、無茶しない…?居なく…ならない?」
イシンの不安が思わず口から溢れ落ちた。まだ、完全には治らない傷が広がって行く。あぁ、痛く…苦しい。
「はい、無茶しないですよ。それに…居なくもならないです。私の帰る家はロドスですから」
優しく温かく、抱擁するように喋る彼女の声は気持ちを落ち着かせてくれる。…アーミヤなら、信じていい─。そう思わせてくれる。
「そっか、良かった。なら、またね」
「ええ、また。フォルトさんも無茶しないでくださいよ?」
「…気を付ける」
そして、ドクター、アーミヤと分かれた。次は、スカルシュレッダーとの戦いか…。くそっ、アニメで見た記憶が最近どんどんと不明瞭になってる…。
確か、ミーシャがスカルシュレッダーの妹か姉なんだよな…?でも、結末を覚えていない─。だが、アーミヤにとって辛いことが起きることは確かな筈。うまく立ち回らないと
「未登録の感染者ねぇ?見つけるが大変だわぁ~」
「うん、リスカム…いい方法ない?」
「…特に無いですね。それに彼らも見つからないように紛れているでしょうから」
なら、ここら辺の人に聞いても分からないかもしれないな。まぁ、協力してくれる住民がいるかも分かんないけど…。
「はぁーあ、あーんな鬼隊長の指揮下じゃなきゃ、もう少しやる気が出たかもしれないわ」
「…嘘つき」
「嘘じゃないわよ~?アーミヤちゃんから頼まれたフォルト君を守る任務はしっかりしてるもの」
「もう、二人とも直ぐに煽り合わないで、任務中」
「あら、怒られちゃった。ごめんなさいね~、リスカム。でも、フォルト君が絡んでくるのよ~」
「むっ、フランカが…僕に何時も、意地悪してたから…その仕返し。それと、リスカム。ごめん、気を付ける」
「二人とも…」
その次の言葉を紡ぐ前にリスカムの端末に連絡が来たようだ。危ない、説教されるところだった。ほんとありがとう、誰か!
「チェン隊長からだ」
うげっ、今さっきの会話聞いてた訳じゃないよね?タイミング良すぎない?
「嫌~だ、聞こえちゃった?」
うわ、スッゴい悦に浸ってる顔だ。フランカって、煽り性能高そうだよね。
「あっ、フランカさん達、此処に居たんですね」
通信が終わるまで静かにしていると、ドクターとアーミヤが歩いてきた。
「しーっ、今…通信中」
リスカムを見るように指を指しながら、静かにするようにジェスチャーをした。
それにより、アーミヤ達は気づいたようで小さな声で話しかけてきた。
「何かあったんですか?」
「こっちは特には、ないよ。…アーミヤ、服。少し汚れてる。何したの?」
「えっと、身元が確認出来てない感染者の人が襲われていたので少し、警告をしただけですよ」
…うん、嘘はついてなさそう。それに怪我とかもしてないみたいだしね。良かった
「そうなんだ…」
やっぱりスラムだから治安は悪いのかな。早く問題を解決させないと、民間人を巻き込んじゃう事件が発生してもおかしくない。
少し考え込んでいるとリスカムの通信機を借りてアーミヤがミーシャを捜索する理由を問いただそうとしていた。
ただ、すぐに通信を切られたみたいでウサミミがへにょんと曲がっていた。
「アーミヤ、平気?元気だして…?」
「大丈夫、平気ですよ。でもありがとうございます。フォルトさん」
「すみません、アーミヤさん。立て続けの報告ですが重装オペレーターが敵対的な感染者に襲われたみたいです。ですが負傷者は居ないようです」
「そうですか…。分かりました、重装オペレーターの皆さんには此方に集合するように指示をしてください。それと、偵察オペレーターの方々にはミーシャさんを探すように指示をお願いします」
「なるほど、囮作戦か。なら、少し場所を移動しようか。此処は開け過ぎているから」
…あれ、ここで戦闘ってアニメであったっけ?忘れてるだけかな…?
「へぇ~?意外と頭が切れるみたいね?」
「ちょっと…私たちの指揮官なんだから失礼なことを言わないの」
「いや、平気だよ。それぐらいフランクにして貰えた方が此方も接しやすいから」
「だそうよ?リスカム?」
「…そうですか。分かりました」
少しイラッとしてるリスカムを横目にドクターはドローンでの偵察で周りの状況を確認して、作戦を組み立てたようだ。
「じゃあ、誘いやすいそうな場所を見つけたから行こうか」
「はい、分かりました」
ぎゅっと、アーミヤに手を繋がれながら町中を進み、周囲を建物に囲まれた広い空間へたどり着いた。─うん、戦いやすい環境だ。さすがドクター
「…ドクター、狙撃しやすいところ、押さえてくる。それに、上から…掩護射撃する」
「うん、頼んでもいいかな。あっ、でも無茶はしないようにね?」
「うん、任せて」
一飛びで屋根へと上がり、梯子などが掛かっている所に登らないように注意書と閃光手榴弾をくくりつけたワイヤートラップを仕掛けつつ、良いスポットを探しバイポッドを立てた。
数刻もしないうちに重装オペレーターは合流し、それを追ってきたレユニオンが見えてきた。その時にドクターからの通信が入った。
[フォルト、術師がいたら優先して攻撃してほしい]
[分かった。でも、誘い込むまで…打たない方がいいよね?]
[うん、私が指示を出すからその時に攻撃を始めてほしい]
[了解]
矢をセットし、ゼロインの調整を整えドクターの言葉を待つ。
[射撃開始!]
その一声に答え、アーツを放とうとしている術師の胴体を撃ち抜いた。鏃を潰してあるから死にはしてないだろう。まぁ、威力が高いから痛いだろうけど…
ビリビリと響く痛みに耐えながらリロードをし、次の標的へ狙いを定める
そして、二人目を倒した後…後ろから閃光と共に大きな音が聞こえた。
別部隊のレユニオンが狙撃のために来たのだろう。すぐさま怯んでいる兵士に腰から取り出したスタンバトンで襲いかかる。
「くそっ!罠が仕掛けてある!皆、登るな!」
罠がバラされてしまったが、此方は視認できていないようで抵抗も無しに首へスタンバトンを当てれた。
だが、他の奴らも耳が聞こえていないようで梯子へ登ろうとしているため気絶した兵士を引き戻すことが出来ずに梯子から転落してしまった。
そして、登っている兵士達にぶつかりながら地面へ叩きつけられていた。けれども、それは一部でしかなく他の兵士が此方へ射撃を開始した。
急いで身を翻して射線を切りつつ、ドクターへ報告をする。
[ごめん、ドクター。掩護射撃、出来そうにない。こっちに敵の援軍が来た]
[分かった。フランカ、リスカムはフォルトの援護へ向かって]
助かる~!なら、此方から戦闘を仕掛けておこう。
スモークグレネードを数個投げて接近できるようにしながら、屋根から飛び降りる準備を始める。
「■■■、鳥を貸して」
『そっか、なら貴女の物を一つ頂戴?』
今までにない要求に戸惑いながらとりあえず、手拭いを左手へ置いた。
「これでも、いい?」
『ええ!でも、次はもっと良いものを頂戴ね?』
ええ…?これで良いんだ。とりあえず出したものだったんだけど…?ま、まぁこれぐらいで済むならいいか。
左手を空へと向ける。すると、そこから大きな鳥が現れ、羽ばたいた。
その足を掴み、ゆっくりと下へ降りる。そして、地面に足が着いた瞬間、手を離しナイフを持ち敵の声が聞こえる場所へと走り出す。
「一旦下がろう!これじゃ全員やられ…!?」
体を捻り勢いをつけながら金属の入った爪先で腹へ蹴りを入れ、ぶっ飛ばす。
そのまま、直ぐ側の敵の武器を持っている腕の肩へナイフを投げる。
「ぐぁぁ!?くそったれ!こっちに敵がいるぞ!」
良いところへ突き刺さったようでブラブラと揺れる腕を抱えながら叫ぶ兵士にスタンバトンを当てる。
そして、崩れ落ちる兵士からナイフを回収し、近くの建物の窓を割り中へ転がり入った。
外では薄くなったスモークにより、事の惨劇を理解したレユニオンが集団で此方へ近づこうとしていた。
その時、通信が入った
[フォルトさん、今から此方で不意打ちを仕掛けます。援護を頼めますか?]
[任せて、いつでも行ける]
[分かりました!]
プツッと通信の切れた音の瞬間に幾つかの銃声が鳴り響いた。
そして、此方への意識が薄くなった瞬間、窓から飛び出た。
盾を構え、足止めしているリスカムと、敵を倒しているフランカを横目にクロスボウを構える兵士の首を締め上げる。
まだ、此方へとは気づいていないのか、攻撃はなく絞め落とせた。
その間に二人は他の敵を倒し終えたようだ。
ゆっくりと意識のない兵士を地面へ寝かせ、ナイフをしまった。
ふぅ…以外と戦えたぁー!怪我もないし完全勝利だな~…?
「ど、どうしたの?二人とも」
ぐいぐいと近づいてくる二人に驚いているとフランカが俺のほっぺたを摘まんできた。
「いっひぁ!にぁんで!?」
「何でって貴女が私たちの援護を待たずに突っ込んでいるからよ!怪我したらどうするの!?」
「だって、あそこに待機してたら…他に被害出そうだったから」
「それで、突っ込んでフォルトが怪我したら元も子もないでしょ!?」
「いひぁい!リスカム、助けて!」
「すみません、それは無理です。だってフランカの言う通りですから。反省してください」
「ごめんなひぁい!許してぇ!?」
ぐにくにとほっぺたを引っ張られながらドクター達が来るまで説教された─。
めっちゃ遅くなりました。すみません!!
エリンやり始めたのとlolのせいです!てか、あと一人でお気に入りしてくれた方々が300人突破ってマジですか!?
本当にこんな更新遅い小説を読んでくださる皆さんには感謝~!って感じです!次回からは早く書けるようにしていきますのでお許しを~!
それと、感想ありがとうございます!最近仕事が忙しかったりで返信できていませんが元気をいただいているのでこれからもばんばん何でも送ってくださいね!
300人突破記念の書いてほしいもの!
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