俺は転生したんだろう。そう気づいたのはここロドスに所属してから4年経った10歳の頃だった。
なぜ気が付いたかというとアーツの訓練をしてる際に暴発して前世の記憶が蘇ったからだ。
いや、どちらかというと自己を吸収してしまって俺が生まれたのかもしれない。
そして俺は絶望した…。アークナイツの世界に転生なんて命が何個あっても足りないし既にオリパシーに感染済み。
その上、転生したのはドクター救出作戦の前ときた。
それに俺の原作知識はアニメとどこぞの絵を見れるサイトだけだ。アニメの記憶は薄れてきているけど。
俺…この先、生き残れるのか?そんな思いが身体中を巡る。
訓練によって多少の戦闘能力は得ているが少女のように身体はひ弱。
多分正面から戦えば一般のレユニオン兵士にも勝てないだろう。ただ特異なアーツはあるようだ。
ケルシーが個人的に稽古をしてくれるぐらいにはな。だから暴発したのに今は怪我一つなく医療室のベッドに横たわれている。
その特異なアーツは説明が難しいから省略するが今使える能力は3つほどあり、魅力と吸収…?みたいなのと物の略奪だ。今回暴発したのは吸収のアーツで俺の身体を吸収しようとしたらしい。ケルシーが気絶させてくれてなかったら死んでいた可能性があったらしい。
ケルシー、マジ感謝。
んで今のところ俺の所属はscoutさんがリーダーのscout小隊らしい。だから偵察と隠密の訓練、及び弓術、暗殺の訓練はプロレベルのをして貰ってる。
ただアーツが使えるようになってからはずっとアーツの訓練しかしてないけど。
はぁ、明日からまたアーツの訓練か…。まぁ記憶が蘇ったから何となく暴発する原因は突き止められたんだけど。
それを治すのは直ぐには出来ないだろう…だってこの身体の過去によって出来たトラウマが原因なんだから。
この子がオリパシーを嫌う理由、自分自身を殺したいほどの後悔それはロドスの加入前に起きたらしい。少し、思い出してみよう。
僕、イシンは小さな集落に生まれた。そして僕は普通じゃなかった。人形と思える程に白い肌。それに母譲りの真っ黒な髪、父譲りの深海のように蒼い目…そして、あり得てはいけない悪魔のようなしっぽ。
父は母に浮気を疑い鬼のような形相で母を責めた…母は必死に反論していていたが誰も信じてくれる訳なく、追い出された。母はそんな村と父に絶望しながら僕を連れて集落を少し離れた森でひっそりと暮らすことを選んでくれた。
僕が生まれたせいでこんなことになったのに母だけは僕を責めずに愛してくれた。
そして僕はしっぽを隠しながら母と一緒に家で暮らしてた。たまに村に行って僕の噂を知らないであろう友達と遊びながら。だがそんな小さな幸せの暮らしは長くは続かなかった。
集落で疫病が広まったからだ。村の人たちはこの疫病は魔女の母と異端児の僕が発生させたと考え魔女狩りといい僕らを探し始めた。
だがそんなことを知らなかった僕は村に友達に会いに遊びに行ってしまった。
彼女は良い子だった。多分彼女の母に影響されたのだろう。魔女狩り騒動で僕の事情を初めて知ったのにも関わらず僕と母の身柄を心配して二人はすぐ逃げるように警告してくれるぐらいには。
ただ運が悪かった、その様子を町の人に見られてしまったのだ。
そして彼女とその母は魔女への関与を疑われ酷い仕打ちを受けた。
家は燃やされ彼女たちの尊厳は無視され町の者たちに好き放題され、壊れてしまった。
そしてある日彼女が僕達の居場所に村の人たちと来た頃には元気だった彼女は見る影もなく、僕を見る目はあの時の父親の様だった。
その後ろにいる松明をもった村の人々は悪魔のようにニタニタと笑いながら彼女達にしたことを僕らに囁いた。
彼女達はお前達魔女に誑かされた。その際で悪魔になってしまったんだ、だから俺たちが救ってやった。次はお前達の番だと
そこで僕は自身のせいで彼女が此処までなるほど苦しめられたことを知った。
彼女も続いて呟いた。
貴方のせいで母は死んだ。母はいい人だったのに、あんな酷い仕打ちを受けて…。私もそうよ、貴方のせいで、貴方のせいで!こんなに汚れちゃった…。
そう言う彼女の目には後悔と憎しみが写っていて流れてゆく涙は僕の精神を蝕んだ。
そしてそこからは地獄だった。あんなに綺麗だった母は僕の目の前で汚され、彼女は僕の首を掴み目を離させないようにした。
母が泣き叫ぶ。男達はそんな母を笑いながら好き放題している。
松明の影に映る彼らは悪魔よりも醜く見えた。そして、こんな事態にしてしまった僕はきっと生まれるべきではなかったのだろう。
僕は必死に叫んだ。
母を離せってなんでこんなことをするんだって。
そしたらこの疫病を起こしたのは貴様らだろって笑いながら僕の元父が叫んだ。
そんな訳ないのに、僕たちがそんなことしても意味がないだろ!そんな声は母の悲鳴とアイツらの笑い声で書き消された。
僕は無力でそんな状況をただ見ることしか出来なかった。涙が溢れても嫌だと目を逸らそうとしても彼女が赦してくれない。
その上、彼女は耳元で貴方のせいでこうなったのよ。私たちも貴方の母も。あんなに優しかった皆がこんなにくるってしまったのも。だから目を逸らすことは赦さないって。
その状態で長い時間が流れた。僕には永遠にも感じる程の時が…そして母は狂ったように笑いながら僕の目の前まで連れられて…母の目も彼女と父の様な目をしていたんだ。
あんなにも綺麗だった母は汚されてしまったのだ、僕のせいで…僕なんかのせいで。
そして、首を落とされた…父の手によって。
僕の方に転がってきた母の顔はこの世のどんなものよりも僕のことを恨んでいるように感じられ、目から流れる血と垂れる血が僕の手に触れる。
吐きそうだった、でも今吐いたら母を汚すことになるから必死に耐えた、ただ流れ出る涙が母を濡らし僕の叫び声は家に響いた。
それを見て彼女とアイツらは笑いながらずっと僕を責めてくるそして彼女がポケットから黒く光る鉱石を取り出し僕の口へ放り込んだ。
吐き出そうにも母の顔があって…。僕は飲み込んでしまった。喉が焼けるような苦しみが僕を襲った。叫ぼうにも声はあまり出なくなり、痛みで暴れることも赦されなかった。
そして、僕はアイツらと彼女に家の柱に拘束され…母の死体と共に家を焼かれた。
外からは彼女とアイツらの笑い声が鳴り響く。徐々に家が燃えて行き母の遺体が燃え始めた時、僕の心は折れた。
アイツらへの復讐心も僕への怒りへと代わり、目を閉じた。もう此処で母と共に死にたいとそう願いながら。
身体中の暑さも喉の痛みも今ではどうでも良かった。ただ、僕が、生まれてこなければ母は彼女達は幸せになれたのかな…そんな甘い妄想が脳裏を埋め尽くしながら裁きの時間を待っていた。
ただその時はいつまで経っても来なかった。彼女とアイツらの笑い声もなぜか聞こえなくなっていて…不思議に思って目を開いた。
其処には12人の人が居た。必死に火を消そうとしていて、その後ろには真っ赤な液体が流れていた。それと捕まっている彼女達とアイツらの姿が。
多分彼らは僕を助けようとしてくれてるんだろう。だってあの人達の目には母のような優しい光が射していたから。
だから僕は助けないで!此処で死なせてって叫ぼうとした、だってこんな風に集落を、母…彼女達を狂わせてしまったのは僕なんだから。
でも声が出なかった、多分喉にあるあの鉱石のせいだ。
そして、僕の想いは伝わらないまま火は消えてしまった。僕は母と共に死ぬことさえ赦されなかったのだ。
…そうだよね、こんな事態を引き起こした悪魔は天使のような母の元には行けるはずないもんね。
もっと苦しむべきなんだ彼女達が、母が皆が受けた苦しみはこんなものじゃないんだから。
そうして、イシンは自分の名前をフォルトと呼び…自身を苦しめるために辛い訓練を重ねてscoutの部隊へ入った。
彼自身は吸収の能力によって一部身体に吸い込まれてしまったがこの経験と気持ちは身体に残っている。
おい、過去重すぎんだろぉぉ!イシン可哀想すぎるって!それに村の奴らを恨まないの良い子過ぎるよ…。
それで自分を消しちゃう程追い込むとかよぉ…。
…よし、決めた。俺はこの身体で幸せを作ってやる。
あの子がもし吸収の力から解放された時、生きていて良かったってそう思えるように!
まぁただ喋ることがくそ苦手なのと俺の精神はイシンに依っているだから、俺も自身が苦しむことが過去の贖罪として行うべきだと思うし、多分喋っている時も俺が言おうと思ったことはハッキリとは出ないっぽいんだよね。
まぁ、なんとかなるっしょ!とりあえずはアーツを自由に使えるようにならないとな!
「…起きていたのか。はぁ…君は相変わらず無茶をする、その様な行為で贖罪になるわけがないだろう。そも贖罪というのは宗教が作り出した行為に過ぎない。それに君の方法と違い金品を差し出したり善行を行うことが赦されることとされている。なのに君は自傷という行為により過去の罪を償おうとしている。それは宗教に沿って言うならば愚かな行為だ。君はその行為で苦しむ人が居るのが理解出来ないのか?」
あ、あれぇー?ケルシーさんなんか怒っていますよね。目に光が宿ってないっすよ?
ねぇこの子何したの!?ケルシーがこんなことになることある!?
…はぁこれ、本当になんとかなるかなぁー?
体調崩していて復帰のために書いた小説です。その為、至らない点が多数あると思われます。もしよろしければここ、こうした方が読みやすいよ等教えてくださると幸いです。
設定集とかプロフィールは書いた方が見やすい?
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書いて欲しい
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いらない