救いのために   作:ヒナまつり

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3話

 

 三人に連れられてこられ治療を受けていた。二人は少しの注意をしてから用事で席を外したがその後も鬼のような顔をしたケルシーにアーツの使用についての注意をされつつ自らの身体を大切にするようにと言われ続けた。

 

 いや、これも自らの身を守るためなんだよ!アーツもまともに使えない、力は弱く搦め手か暗殺でしか戦えないとか生きていけないんだよぉ!

 

 「はぁ…これで治療は完了だ。フォルト、訓練所の入室とアーツの使用を1週間禁止にさせて貰う。君は無茶をして直ぐに怪我をするからな。また、一週間後の作戦だがscoutから直々に待機命令が届いている。君は少し休んでおけ、これからは忙しくなるだろうからな」

 

 …まじか、いや良いことなのかも?だってあの作戦ってかなりの人数が死んじゃってた筈だし。安全ではある…いや、でも俺の直感は付いていってた方がいいって感じてるんだよなー。

ふむ、どうやってついていこうかな?scoutを説得をするのもわざわざ待機命令するってことは厳しそうだよなぁ。

 

 あっ…そうだ!隠れて付いていけばいいじゃん!身を隠すのはscoutに誉められるぐらい得意らしいし、バレないでしょ!

 

 「…分かった。scoutが、そう判断したなら…待機する」

 

 「そうか。ふむ、君の事だから連れていけと言うと思ったが…」

 

 連れていけって言っても絶対連れていってくれないだろうからねぇ。イシンが感情的にならなくて良かったよ。

 

 「僕、scoutのこと…信じてるから」

 

 …ん?イシンさん、言い方悪くないっすか?それケルシーを信じてないみたいな…。

 

 「そうか…ああ、そうか。つまり君は私のことは信じていないというのだな?だから私の警告もまともに聞かず無茶をするのか?フォルト」

 

 ああ、うん。そりゃ怒るよね!てか、俺でもそんなこと言われたら怒るわ。イシンはケルシーこと信じてるんだからもうちょい言い方考えてくれー?

 

 てか。やっぱり思ったことと違うことを言う時があるのは厳しいなぁ。

 

 「違う。ケルシーの事も…信じてる、よ。ただ警告は、聞いてる余裕が…ないから」

 

 「そうか…信じてはくれているのか。分かった。ならば私がいない間は君を監視する役を誰か決めておかなければおけないな」 

 

 それだけはやめてくれ!もし優秀な人だったら隠れてついていくこと出来ないじゃんか!

 

 神様ぁ!せ、せめてエリートオペレーター以外で…お願いしますぅー!

 

 「パフューマは今回の作戦に加入していないな。ふむ、ならば君のことはパフューマに見て貰うとしよう」

 

 よし!まだ平気だな、ブレイズとかレッドとかだったら匂いでバレるとかありそうだったし…最悪パフューマだったら帰った時に怒られるぐらいで済むだろうし!

 

 「分かった。それじゃあ…パフューマの所、行ってくる」

 

 運が良かったなぁー。これからは隠れてアーツの練習しつつ作戦についての情報収集でもするか。

 

 「ああ、此方から君の事についての報告はしておく」

 

 


 

 其処からの一週間は直ぐに過ぎていって行った。情報を聞くために食堂で耳を澄ませたり、装備を回収してscoutと訓練してた時を思い出しつつ訓練したり。

 

 アーツの練習で怪我をした時は転んだふりをしてパフューマに治して貰ったり、植物の世話をしたり。着々と作戦の対策を組んできた。

 

 そして、作戦本日。装備を着て皆が寝ている間に移動用のヘリの荷物へ紛れた。ちゃんとカメラに写らないようにしながらな!

 

 少し仮眠を取っていると話し声が聞こえ始めた。そろそろ出発をするのだろう。息を殺しつつ耳を立て乗り込むオペレーターを確認してみた。

 

 多分、ここはscoutとaceの小隊が乗り込むみたいだ。より一層自身の気配を隠すように。

 

 その調子で時間を立つのを待っていると浮遊感が襲ってきた。これからあの地獄が始まる。親しい人も見知らぬ人も数多くの犠牲が発生する"戦争"が。

 

 覚悟は決めた。俺は手の届く限りの人を救おう。そして命が有る限り戦おう。それこそがイシンを救う道なのだから。

 

 少し見える光を見ながらそう誓った。

 


 

 しばらく経った後ヘリは着陸をした。特に問題は起こらなかったみたいだ。そして、皆が荷物を下ろそうとした時、scoutに見つかった。

 

 「おいおい、嘘だろ?フォルト、待機と命じた筈だろ?なんで付いてきてるんだ!?」

 

 「隠れて、ついてきた。僕が…従うと思う?」

 

 「はっはっは!相変わらずとんだじゃじゃ馬だな。scoutも誰か監視役を決めておいた方が良かったじゃないか?」

 

 「はぁ…今物凄くそう感じてるさ。フォルト、この任務は命の危険があるんだ。今すぐヘリに乗って退却するんだ。分かったか?」

 

 「やだ。scoutのこと…嫌いだし。scoutから、嫌な匂いするから」

 

 実際、目で見ても分かるぐらい何か嫌なものが見える。これはアーツの力のひとつ何だろうか。それとも死を目の前で見てきたからなのかもしれない。

 

 「くっ、ははっ!どんまい、リーダー!」

 

 「…あぁ!もう分かった!命を懸ける覚悟はあるんだな?なら行くぞ!」

 

 少し落ち着いたscoutは荷物を持って影に紛れながら移動を開始した。

 

 「ちょっ、待ってよ。リーダー!」

 

 「くくっ!あんな動揺したリーダー久しぶりにみたぜ。フォルト、行くぞ!」

 

 「…了解」

 

 小隊の皆に付いていく、そうして気がついた、scout程ではないが皆にも嫌な気配が付いていたこと。そして、それが自分の身体にも移ってくることが。

 

 scoutの目的は誰かの暗殺。それで取引をWとした。その為に動くとスコーピオンに教えて貰いながら、必死に周囲を索敵した。

 

 何故なら移動するごとに嫌なものはどんどん濃くなっていくのだ。日が明け、休息しても次の日になっても皆からも自分からずっと付いてくるのだ。

 

 そして、何日か経った後、闇夜に輝くビルの上にいる何者かと目があった。そいつらこそがこの予感を生み出している。そう気づいた、その瞬間イシンがscoutへ囁いた。

 

 「scout、頑張ってね」

 

 「チッ!やっぱり張られてるか。皆、頼むぞ」

 

 そうscout頼まれた瞬間皆は各部隊へと散らばった。敵の部隊はこれだけではない筈だから。そして3人と共に俺は始末が得意な術師部隊への対応へ向かった。

 

 これは俺らの恩人を英雄を、黒き獣を目標へたどり着かせるための命をとしての作戦だ。

 

 だから遠慮はしない。焦って撃ってくるアーツを躱しながら弓を撃ち近づく有利な距離へと近づくために。

 

 他の部隊も戦闘を開始したようだ。それを意にも懸けずにscoutは走り抜けて行く。この戦いを意味あるものにするべく。

 

 「くそっ、アイツらを近づかせるな!地の利は此方だ!」

 

 奴らは複数の高地に散らばっている。このままじゃ包囲されて死ぬ、戦わなければ他部隊が死ぬ。

 

 ならば、一人一人が一つの高地を潰せば良い。命を懸けるとそう誓ったのだから。それぐらい簡単な物だろう。他の皆もそう考えたのだろう。指での合図がありそして、息を合わせて散らばった。

 

 一番遠い所を任された俺は徐々に薄まっていく弾幕に皆が仕事を果たしてることを感じながら悔しさに口を結んだ。

 

 この位置は、ここを任されたということは自分自身がまだ未熟なことを表せていたからだ。もし倒せなくても撤退できる位置、そして敵が少なく手薄な場所だったからだ。

 

 それでも俺には荷が重いのか近づく程に傷が増えて行く。あと数歩まで行くとアーツの爆発で弓が壊れた。他からの攻撃もないのに。

 

 そして、標的が目に入った。たった6人の術師だ。イシンの怒る声を聞き、そして、俺の悔しさを糧にアーツを発動する。その思いは普段閉ざされていた扉を開けるに達したようで…聞き慣れない声にその名前を呼んだ。

 

 「■■■よ、我が怒りのもと…奴らを引き裂け!」

 

 心臓が酷く痛み転びかけた時にふわふわしたものに乗せられた。それは白銀に光る毛皮に鋭い瞳孔の狼だった…。

 

 遠吠えと共に奴らにたどり着き、下ろされた俺は痛む心臓を無視して一番近い術師へ切りかかった。

 

 「お前たち…死ね!」

 

 飛んでくるアーツをナイフに当てることで無効化しつつ刃の範囲まで近づく。恐怖で無理矢理放つアーツは狙いも定まってなく余りにあっさりとその首は切り落とせた。

 

 次の敵を殺そうと目を向けると其処には血に塗られた白き狼が残るだけだった。

 

 「終わった。…次の敵を、、?」

 

 『残念だがフォルト、撤退だ。アイツらにお前のこと頼まれちったからな。俺が放つ煙と共にace達と合流しろ。それが俺が、いやscout小隊がお前に渡す最後の使命だ。無駄にしないでくれよ?』

 

 無線機から飛んできた言葉は小隊の中で仲が良かったカクテルからの言葉で皆からの呪いだった。だが、従わないといけない。

 

 それこそが皆が俺に、イシンに託した未来だから。走り出そうとする足を気合いで止める。そして、■■■にイシンの身体を連れていくように頼み、最後の言葉をカクテルへ告げる。

 

 『分かった…。皆の、行動を尊重する…』

 

 流れ出る涙と共に無理矢理使ったアーツの負荷でたどたどしい言葉は彼らに届いたのかは分からない。だが、何時も聞いていた笑い声が聞こえ、大きな爆発が起きた。

 

 その衝撃で薄れ行く意識の中、暖かい感触に身を任せた。

 

 




お気に入り110??ひょえっ!?評価してくれてる方も9人ですって?これは夢ですか?スッゴく嬉しいですが…皆さんを楽しませれるものを書けるか不安ですね…?

と、とりあえず評価とお気に入りありがとうございました!次回もなるはやで書きますのでアドバイスや感想じゃんじゃん下さると嬉しいです!

 
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