そのため、少し短めになっています。
風を切る感覚が鳴りやみ暖かさが消えた時、ゆさゆさと肩を揺らされた。戦闘による疲れから目を開けるのも億劫だが、戦況のことを思い出し飛び起きた。
「誰だ…!」
そして、咄嗟にナイフを構え臨戦態勢を取った。
「おいおい、何があったんだ?」
おどけた様子で聞いてきていたのはaceだった。なんと■■■はちゃんと命令通りに連れてきてくれたらしい。
ふむ、今までのアーツと違って使った時のデメリットが大きい分扱いやすいのかもしれないな。いや、そんなことよりscout小隊の状況を説明しなきゃな。まだscoutは多分まだ生きているんだから…助けに行かないと。
「襲われた。多分、レユニオン。それと、サルカズの傭兵。僕とscout以外…多分死んだ」
震える声で確かに伝えた言葉にaceは納得するように頷きつつ少し悲しそうな顔をしていた。
「そうか、フォルトを待機命令にしていたのは…。分かった、フォルト…お前は今から俺の小隊に所属だ。そして、残念だがこのまま任務を続けるぞ」
その言葉はscoutを助けに行かないことを…そして、scout小隊の使命を亡き物にし俺にも行かせないことを示していた。
だが、納得が出来ない。scoutはロドスのエリートオペレーターでこの作戦には必要不可欠であるはずなんだ。
「scoutを助けに…行かないの?」
「ああ、俺の小隊に参加した限り、お前の使命はドクターを救出したアーミヤ達を助けることになった。それに、アイツなら生きて帰ってくるさ。お前もそう信じてるから付いていったんだろう?」
「うん、信じる、いや…信じていたよ。けど…今回は死ぬことを、許容してたんだ。…皆ね」
「やっぱりお前にはバレちまうんだな。はぁ、scoutが警戒していた通りだな。ああ、そうだ今回の作戦でscout小隊は、scoutは未来へ道を繋ぐため死ぬ。そして、唯一生き残らせられたお前はどうするんだ?アイツらの祈りを無視して死にに行くのか?違うだろ、アイツらの命はそんなに軽いものじゃないんだ」
「そんなの、分かってる。でも…恩人を、助けに行くことを、許されないのは…辛いよ」
「それがこの大地だ。お前もとっくに理解しているだろ。それにアイツらと約束したんじゃないのか?命を懸けて使命をこなすって、それがどんなものでもってな。そして、そう覚悟を決めたから此処に立つことを許されたんだ。俺もお前も、アイツもな。お前も戦士なんだ家に帰るまで泣くな、そして今出来る最善を選べ。分かったか?」
そうだ、俺もイシンもそう理解して志願し、戦士となることを許されたんだ。ははっ、こんなことも忘れてるなんてカクテルとスコーピオンに怒られるな。
戦場に立つ限り過去を振り返ることは許されないんだ。なら、次にするべきことは襲われているであろうアーミヤ達を助けに行くことだろ。
「…分かった。僕、フォルトは…貴方の兵士となる。使命のため、動くよ」
「よし、良い顔になったな。それなら行くぞ、アーミヤ達を助けるためな」
「うん。行こう」
瞳に貯まった涙は流れ出す前に振り払った。震えていた肩も疲労していた身体も嘘の様に正常に戻り、たどたどしかった歩みはしっかりと地面を踏みしめ明日へと向かえると自信をもって答えられる程だ。
(さすが、scoutが選んだ兵士だ。もう、過去を見ていないとはな。確かにこいつなら、この大地で一筋の光になるかもしれないな)
行進を続けていく、周りからは怒号や悲鳴が鳴り響き煤の香りが漂ってくる。だが歩みは止まらない。アーミヤ達の位置はまだ先なのだから。
どれぐらいの時が経ったのだろうか。ただ、分かるのは悲鳴が怒号が薄れてきたことだけだ。そんな時、aceから命令が出た。
「各員、傾注。ここは丁度第一合流地点とアーミヤ達の作戦地点の中間だ。ここでアーミヤ達を待つぞ。俺とフォルト以外は散らばり、挟撃の用意をしろ」
「「「「了解」」」」
「なんで、僕とace?」
暗殺の方が得意なんだけどなー?aceもそんなこと分かってると思うんだけど
「おっちゃんと血に汚れている少年なんて目立つだろ?それに、アーミヤはお前にご執念らしいからな」
ああ、なるほどね。確かにアーミヤにこの姿見られたら飛んできそうだ。
よし、何時でも戦闘できるように武器の調子を整えておこう。血を拭く暇もなかったからなー。弓は直せそうにないけど!
静かな時間が過ぎて行く、まるで戦場じゃなくなったのかと勘違いしてしまう程に。そんな束の間の平穏は長くは続かないようだ。前方から複数人の足音が鳴り響いた。
かなり焦っている様子だが、隊列は組んでいるみたい。レユニオンかとナイフを構えていると、来たのは見知った顔達と変な格好の不審者だった。
「Ace!無事だったのか!って、フォルト?なんでいるんだ!?」
「勝手に付いてきたんだ。それよりそっちこそ全員無事みたいだな」
「ま、まあな。だが、お前らは合流地点で落ち合う筈だったろ?それに、なぜscoutの姿が見えないんだ?」
「…話してる、余裕はないみたい」
アーミヤから来た方向からレユニオンの部隊が怒号を上げながら向かって来ていた。さっさと話を切って撤退するべきだ。
そう忠告する前にaceが撤退の指示をドーベルマン達に伝えていた。
「ちっ、しつこい連中だな。分かった、撤退するぞ!」
「分かりました!…後で、ちゃんと話してくださいね?フォルトさん」
うへぇっ、生きて帰っても殺されそうなぐらいの重力をアーミヤから感じるんですが?か、考えないようにしよ!そうだ、てっ…撤退しよう!
「くそっ、アイツらどこに隠れやがった!!」
残念なが撤退しようとしてる方向から声が聞こえた。それも前から来ている量と同等の量だ。
戦闘しなきゃいけないみたいだ。それも、タイムリミット付きでね。
「やれやれ、今度は回避できないみたいだな。仕方ない、ドクター指示をくれ。昔みたいにな」
やっぱりあれがドクターか。相変わらず変な見た目してるな。でも記憶を失ってるんじゃなかったっけ?
「あっ、その…エースさん、その想定とは違いドクターは記憶を失ってしまったみたいなんです。直ぐには以前と同じ様な指揮は取れないかと」
「記憶が…。そうか、たが指揮能力についてはどうなんだ?」
「問題ないようです」
「なら、平気だな。ドクター、大丈夫さ。無くなったならまた新しいものを追加していけばいいさ。頼むぞ、ドクター」
「…任せて」
「なら、行くぞ!アーミヤ、ドクターのことは頼んだ!」
「よし、E3!ドーベルマンの援護を行え!」
ドクターの指揮により、皆が一団となって動き始めた。隠れていたaceの部隊が背後から迫ったレユニオンを挟み込み、前からドーベルマンの小隊とaceが向かう。
しかし、敵の一部は人ではなく理性を失った獣に成り下がっていた。簡単には剣の歯が立たないほどの源石に覆われ力のリミットが外れてしまっているようだ。
そして、その者達は呻いている。助けて、この苦しみから解放してくれと。
なら、その願いを叶えてやるのが慈悲だろう。剣での苦しみも与えず死んだことも気づけない様に。
「■■■■■、苦しみごと…食べてあげて」
何時もの荒々しいワニではなく美しく高貴な虎が現れ、その者達を一息で捕食する。その代価にキリキリと酷く痛む腹部をゆっくりと撫でながら吸収したエネルギーを身体中に巡らせ治癒をする。
「ふぅ、■■■■■。ありがと…」
戦線はその行為だけで破れたようでE2.E3小隊に挟まれたレユニオンは気絶させられ放り投げられていた。これで退路は出来たようで移動を開始し始めた。
少し歩きにくくしているとアーツでの苦しみを悟られアーミヤに手を握られ、歩く補助をされた。今の行為はギリギリ無茶扱いはされないようだ。
「アーミヤ、ありがと」
「いえ、平気ですよ。それより何故ここにいるのですか?」
「確かにな、それは私も気になっていた。フォルトは待機命令が出ていた筈だ」
「破って…ヘリに乗り込んだから」
ピキッとアーミヤの方から妙な音が聞こえた気がしたが…いや、そんな音聞こえてないよ!うん、そう思わなきゃ圧で圧死しそう!!
「ふふっ、ふふ。そうですか、此処から戻ったら後でお話ししないといけないようですね?」
「ああ、そうしてやれ。軍人としても後で説教をしないとな」
スゥー。これ生きて帰ったら監禁とかされそうで怖いね…?
はっ!そうだ此処には我らがドクターがいるじゃん!助けてくれるんじゃね?
「ドクター…助けて」
どうにも表情の変わらない顔で媚びを売ってみる。…残念ながらドクターはグッジョブと手を動かすだけで此方に見向きもしなくなってしまった。
くそったれが!顔は良い筈なのにぃ!!
なんかお気に入りと評価がどんどん増えていくのが嬉しすぎて執筆する手が早くなりますね!
それと共にこんなストーリーで大丈夫かなっていう不安が出てくるんですけどね!!
それとアンケート記入ありがとうございました!アンケート結果的に生かせそうな人は生かしながら元であるアークナイツに見習ってある程度の犠牲は払う感じにしてみようかと思います!
ただの、ハッピーエンドがアークナイツにあるわけ無いですしおすし!
それでは、後半も急いで書きますので楽しみに待っていただけると幸いです!