透き通る空で羽ばたく黒い翼   作:黒い鳥Bot

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今回はユメの過去の回想です。ユメの過去の情報がないので621%オリジナルです。あと今回もユメ視点です


昔話

???[梔子ユメ。それがこのキヴォトスにおける、お前の名前だ]

 

私の1番古い記憶は、これだった。名前も知らないおじさんに、育てられた。

 

ユメ[ユメ…]

 

???[そうだ、それがお前の名前だ]

 

でも、どこか安心した。

 

ユメ[ねぇおじさん!]

 

???[どうした?]

 

ユメ[あのね!、今度授業参観があるの!、だからおじさんも来て欲しくて!]

 

???[その日は予定が…]

 

ユメ[え?…、来ないの?…]

 

???[分かった、予定を空けておこう]

 

ユメ[ありがとう!、おじさん大好き!]

 

???[…]

 

生活に関しては、おじさんが色んなことをしてくれた。勉強を教えてくれたり、ご飯を作ってくれたり、時には厳しく、優しく、私を育ててくれた。そして私が15になって、アビドス学校に入る前。

 

???[ユメ、1つ昔話をしよう]

 

ユメ[昔話?、桃太郎や浦島太郎とか?]

 

???[ある科学者がいた、家族を捨て、禁忌の存在の研究に没頭していた]

 

ユメ[禁忌?…]

 

???[狂った成果が山ほど生み出された、そのせいで、大勢の死人が出た]

 

ユメ[そうなんだ…]

 

???[だが、善良な科学者もいた。男の罪を肩代わりし、全てに火をつけ、そして満足して死んだ]

 

ユメ[その人も死んじゃったんだ…]

 

???[この話には教訓がある、1度生まれたものは、そう簡単には死なない]

 

それが、私とおじさんとの、最後の会話だった。それからアビドス学校への入学が決まって、おじさんに報告しに、家に戻ったら。

 

ユメ[おじさん!、アビドス学校へ入学決まったって、あれ?]

 

家には誰もいなかった。

 

ユメ[仕事かな?、それなら言うはずだし]

 

そこに机の上にあるメモが目に入った。

 

ユメ[何これ?]

 

メモには、こう書かれてた。

 

”ユメ、俺の役目はここまでだ。こんな形での別れになってしまってすまない。ユメ、お前を縛るものはもう何もない。これからのお前の選択が、お前自身の、可能性を広げることを祈る”

 

ユメ[おじさん?…]

 

おじさんの部屋を見たけど、前まではパソコンや、仕事関連と思う機材があった部屋が、最初から何もなかったかのような空き部屋になってた。

 

ユメ[おじさん…]

 

そこからの記憶はあまりなかった。多分だけど、雨の中飛び出して、キヴォトス中を駆け回り、おじさんを探した。知り合いにも聞いたけど、誰もおじさんのことを知らなかった。最初からいなかったように。

 

ユメ[おじさん…、どこに行ったの?…]

 

体力が尽きて、路地裏に座り込んでしまった。

 

???[どうしましたか?]

 

そこに、黄色の鉄板の頭の人が、傘を差し出してきた。

 

ユメ[あ…、ありがとうございます…]

 

???[ここでは風邪を引いてしまいます。建物の中に入りましょう]

 

その人に連れられ、1つの建物に入った。

 

???[ホットミルクです、これで温まってください]

 

ユメ[ありがとうございます…、タオルまでくれちゃって]

 

ブルートゥ[私はオーネスト・ブルートゥ。気軽にブルートゥと呼んでください]

 

ユメ[ブルートゥさん…、私はユメ、梔子ユメです]

 

ブルートゥ[ユメですか、素敵な名前ですね]

 

ユメ[私を育てくれた、おじさんが付けてくれたんです。でも、どっかに行っちゃって]

 

ブルートゥ[それは…、不憫だ、辛かったでしょう]

 

ユメ[ううん、おじさんにも事情があると思うの。それに今思うとおかしいですよね、名前も知らないおじさんに育てられたって]

 

ブルートゥ[ですが、今ユメさんがこうしているのは、そのおじさんが確かな愛情を持ってた事です]

 

ユメ[愛情?…]

 

ブルートゥ[愛なくして人は生きることは出来ません、例えそれが偽りであったとしてもです]

 

ユメ[偽りの愛…、かぁ…]

 

ブルートゥ[血が繋がってなくても、名前を知らなくても、そして、離れていても、その人とユメさんは、立派な家族です]

 

ユメ[ありがとうブルートゥさん…、少し元気が湧いてきたよ]

 

ブルートゥ[それは何よりです。おや?、]

 

すると日差しが、私に照ってきた。

 

ブルートゥ[晴れてきましたね。これはユメさんの為の日の出でしょう]

 

ユメ[私の為の日の出か…]

 

ブルートゥ[さて、私の方も仕事に戻りますが、ユメさんはどうしますか?]

 

ユメ[お礼もかねて、少し手伝います]

 

ブルートゥ[これはこれは…、きっとユメさんは素敵な大人になりますね]

 

ユメ[そうかな…、でも]

 

”お前の選択が、お前自身の、可能性を広げることを祈る”

 

ユメ[そうだね。だって、あのおじさんの家族だから!]

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