【完結】アンデッドダンジョンの最深部でパーティ追放されてボコられて放置された結果、俺を拾ったダンジョンのラスボスの女の子が俺のご先祖様だったから後継者に指名された件。今日から俺がダンジョンマスターだ。   作:羽黒楓

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第45話 未必の故意

「このまま更生して善人になれるよう、じっくりいたぶった上で洗の……教育してあげるわ。もう今頃は死んで苦痛から楽になりたいとあいつらは思ってるやろけどそうはいかん。しっかりと自分らのしたことをきちーんと反省してもらうで」

 

 ご先祖様がそういった。

 

「そもそも、ダンジョン内では犯罪が裁かれないとはいっても、ダンジョン探索直前に、ほのかのパーティに毒入りのドクターパッペーを渡したのは地上でのことや。犯罪の着手は地上だから、これは刑法で裁かれる。それをダンジョン内で飲んだらモンスターにやられて死ぬのは自明だから、いわゆる未必の故意ってやつやな、つまりほのか達に対する殺人罪は現在の日本の法律でもさばけるわけや。だから、ある程度洗脳、じゃない教育したあとは地上に返したる。配信で自分らが犯罪を認めてるわけやし、教育するから自分で自分の罪をペラペラ話すやろ。あとは人間たちが人間たちの法律で裁けばええ。個人的には美香子と春樹の産んだモンスターの人権について裁判所がどう判断するかは興味あるけどな、ははは。日本の法律上、親が日本人なら子供も日本国籍になるんやけど、モンスターとのハーフだったらどうなるんやろ? 興味が尽きへんわ。で、ほのか、それでええか?」

 

 俺たちの中で命まで奪われたのはほのかさんだけなので、ほのかさんにご先祖様が確認する。

 

「そうですね、殺されちゃってアンデッドとしてすら復活できなかった私の仲間たちも……それで許してくれると思います」

 

 ほのかさんはそう答える。

 ま、正直いうと俺は殺してやってもいいと思ってるけどさ。

 

「でもな、人殺しはやってしまうと一線をこえて戻ってこれなくなるんや。先祖として、わがかわいい子孫の慎太郎にはこれからも心も身体も健康に生きてもらってなんなら結婚とかして子供つくってあたしの子孫をさらにひろげてもらいたいわけや。健康的な家庭をつくってあたしの子孫の血を広めてもらうためには人殺しとかは知らん方がええ、せんでええ人殺ししてどう子供に正義を教えるんやって話になるからな。あたしも慎太郎に殺しは推奨せんわ。大丈夫、こいつらはきっちり洗の……教育したるから」

 

 ご先祖様がそういうならそれでいい。

 死は救済だそうだからな。

 ん?

 まてよ?

 

「……じゃあ、アンデッドのキング、不死の女帝たるご先祖様自身は、不死である自分のこと……どう思ってるんですか?」

 

 ご先祖様はにやりと笑って、

 

「あたしは満喫しとるよ。あたしのメンタルの強さをなめるんでない。ま、たまーに寂しくはなるけど……そんときは子孫で遊んで気を紛らわすわ」

 

 といった。

 

 

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