カヤちゃんが征く!   作:無名のカヤ推し

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Episode5:まったく。騒がしいったらありゃしないわね

「ら、ラーメンですか……!?」

 

「こ、ここから好きなもの選んでいいのか!?カヤ先輩!?」

 

「くひひっ……この柴関ラーメン特盛とか破滅的でおいしそう……!でも流石に食べきれないから、私は豚骨かなぁ」

 

「い、いいんでしょうか……任務中にこんなおいしそうなものを……わ、私は塩を……」

 

 案の定というべきか。先生とカヤが買い出しの話をすれば、ミヤコ達は喜んでいた。流石に保存食だけでは味気なく、おいしいといっても内容がほとんど固定化されていてバリエーションがない。だが、そこに新鮮な食材やその現地の特産物を加えるだけで一気に変わる。長期任務向けの保存食が、ちょっと豪勢なキャンプをする時の食事のようなものに大変貌である。

 

 加えて。食べ盛りのミヤコ達に先生とカヤが見せたのは、見ているだけで涎が出そうなほどおいしそうなラーメンの画像。しかも、『買い出しついでの夕食はここで食べようか』との提案までがあった。それはもうミヤコ達は喜んだ。

 

 

「何してるんですかー?」

 

 

 ミヤコ達が目を輝かせてメニューを見ており、そこに先生が『ついでだし、餃子とかも頼もうか』などと話して更に目を輝かせていると。そこに現れたのは、ノノミとシロコ、そしてホシノだった。どうやら校舎から出ればミヤコ達が何やら騒いでいるのが見えたので気になったようだ。

 

「ああ、ノノミさん。実はちょっと買い出しに行こうと思うんですが、ついでに夕食も外で済ませようとおもいましてね。折角アビドスに来たのですから、現地のおいしいお店に行くのもたまにはいいだろうという話を先生としてまして」

 

「そうなんですか、実は私達も今日の夕食はちょっと外食しようと思っていまして。アヤネちゃんが今書類の確認中なので、それが終わったら行くつもりだったんですよ。良かったら一緒にどうですか? ――って、もう決めちゃってましたか?」

 

「ええ、近くでよさそうなお店を見つけまして。しかし、アビドス高校の方々が行くお店だと外れもなさそうですね。参考までに、どんなお店ですか?」

 

「柴関ラーメンっていうラーメン屋さんなんです。すっごくおいしくて、自治区外の方々にも評判で――カ、カヤ先輩?どうかしましたか?」

 

「偶然とは恐ろしいものですね……私達も柴関ラーメンなんですよ。先程調べ物をしていたら、おいしいというレビューを見ましてね」

 

「わあ!そうなんですか!あそこのラーメン、すっごくおいしいんですよ。折角D.Uから来てくれたんですし、是非食べていって欲しいです!」

 

「ほほう、やはりおいしいのですか……ふむ。私もこのチャーシュー麺がとても気になっていまして。よし、折角ですしご一緒しましょう。 ……おや、そういえば」

 

 ふと。カヤは気になったことがあった。ノノミは先程、シロコやホシノ、アヤネと一緒にと言っていた。アビドス高校の生徒は5人、つまりあと一人、セリカが足りないのだ。

 

 

「ところで、セリカさんはどうされました?そういえば、今日は朝から姿を見てないような気がしますが」

 

「えーっとですね……今日はセリカちゃん、用事があってお休みをしてるんです。実は今の話に関係あるというか、なんというか」

 

「話……ラーメン屋ですか?」

 

「実は――柴関ラーメンは、セリカちゃんのアルバイト先なんです」

 

 

 思わず驚いてしまったが、ふと思う。だとするなら、先生と自分を含めて6人に、ノノミ達4人で合計10人である。当然予約などはしていないし、大丈夫だろうかと思う。

 

 しかし。ノノミだけではなくシロコにホシノからは、『サプライズできっと驚いてくれる』と言ってくれたのと、今も目を輝かせて先生から『唐揚げも食べる?』などと言われて作戦中の真面目さは影も見当たらないように喜んでいるミヤコ達を見て

 

 

「ふむ……では、行きましょうか。折角なので、先生に全員分ご馳走してもらいましょう」

 

 

 そう言って、柴関ラーメンへと向かうことにした。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「いらっしゃいませ!何名様 ――えっ!?先生にカヤ先輩、それにミヤコちゃん達まで!? って、ホシノ先輩達もって、みんないるじゃない!?な、なに?どういうこと!?」

 

 

その日、セリカは1日休みを取っていた。というのも、それには理由がある。彼女のアルバイト先である柴関ラーメン、そこの仕事がとある事情により忙しくなったためである。

 柴関ラーメンは、店主である大将とアルバイトのセリカで切り盛りしている。その日は偶然、本来前日に届くはずだった食材が遅れて届いてしまい、仕込みなどの準備が翌日にもつれ込んだのだ。その日の営業もあったため、その遅れを大将一人で取り戻すのは中々に大変である。なので、セリカは朝から大将を手伝っていたのだ。

 

 そしてやっと営業も落ち着いてきたと思っていた所に驚きの来客である。シャーレの先生に、防衛室長であるカヤ。加えて、自分と同い年で早速仲良くなっていたミヤコ達である。

 

「申し訳ありませんねセリカさん、いきなりで申し訳ないのですが……10名ほどの団体なのですが大丈夫でしょうか」

 

「え、えーっと……大丈夫だとは思いますけど、なんでカヤ先輩や先生達が?」

 

「実は、外食の先がノノミさん達とかぶってしまいまして……ミヤコさん達もここのラーメンを楽しみにしていたので、一緒に来てしまいました」

 

「な、なるほど。でもまあそういうことなら……。 大将ー、10名様なんだけど大丈夫ー?」

 

 セリカが確認すれば『おうよ!って、アビドス高校の子達にそっちは……ああ、セリカちゃんが話してた人達か!張り切って作るから、たくさん食べていってくれ!』と元気に声が聞こえてきた。

 

 

「ついでだからセリカちゃんも一緒に食べるのはどうだい?今日は朝からずっと手伝ってくれてて、昼も大忙しだったろ。もう大分落ち着いた時間だし、俺一人でも大丈夫だ」

 

「え?で、でも大将」

 

「いいんだよ!頑張ってくれたんだ、セリカちゃんの分は俺がご馳走させてくれ!なんでも好きなもの頼んでいいんだぜ? ……それによ、どうせ飯を食べるなら誰かとのほうが楽しいだろ?折角こうやってアビドスの子達や外からのお客さんまでみんな来てくれたんだ、一緒に飯でも食べてゆっくりしてくれ」

 

「……ありがとう、大将。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわね」

 

 店の奥でセリカがすぐに着替えを済ませ、皆が居るテーブルに座る。早速メニューを手に取ったミヤコ達は目を輝かせながら先生とあれこれ言い合っており、アビドスの面々もセリカに対して和気あいあいというように話をしている。

 

 支払いは先生持ちだ、とは言ったがちゃんとカヤが経費で落ちるように手配済みである。これくらいならば、書類関係に目を光らせているユウカも厳しくは言わないだろう、と思い経費申請の書類のデータをこっそりとシャーレのメールボックスへと送信した。

 

 

     ◆    ◆    ◆

 

 

「……まったく。騒がしいったらありゃしないわね」

 

 そう呟きつつも、セリカの口元は笑っていた。実を言えば、自分が此処でバイトをしているのがバレたのはつい数週間前だ。時々早めに帰る自分のことが気になったホシノによってバイト先がバレて、その時はお店で沢山注文しながらも自分のことを弄ってきた対策委員会のメンバーのことを思い出す。

 

 そうして。今はそこに新しい面々も加わっていた。最初は怪しいと思ったが、実際に話してみてそこまで悪い大人ではないのではないのかと思ったシャーレの先生。そして、シャーレの評価を世間的に大きく知らしめている人物。不知火カヤ。

 

 アヤネが手紙を送ったことは知っていたし、最近のシャーレの評判は知っていた。だが、シャーレは忙しい組織でもある。だから来てくれる期待は正直していなかったのだが、まさか実際に支援に来てくれて。しかも、まさかあの不知火カヤが来るとは思っていなかった。

 

 加えて。個人的に嬉しいこともあった。それは、友人が増えたことだ。アビドス高校の生徒である自分は、同じ学年の友人といえばアヤネくらいしか居なかった。そもそも、アビドス高校には生徒が少なく、対策委員会以外の生徒と交流する機会がセリカは少なかった。

 

 そんな中、同年代の友人が増えた。それが、ミヤコ達4人である。

 

 聞けば、ミヤコ達は現在休校中のSRTの1年生であり、休校に伴いFOX小隊とカヤの推薦がありシャーレに加入しているのだという。SRTの存在をセリカも知っていたため、名前を聞いて驚きはしたが実際に話してみると、ごく普通の。そして面白い4人だった。

 

 ミヤコは真面目で、サキは熱血な所がある。モエはたまに危険な発言が聞こえてくるが機械に詳しく、ミユは自己肯定感が低いが冷静な人物だった。現在のアビドス高校のグラウンドに設置されている防衛拠点も彼女達が主体になって構築したもので、完成したそれを見た時セリカはただ驚いた。加えて、そこにヘルメット団も初日に一度襲撃してきたのだが、様子が変わっているアビドス高校に困惑している間に全員を倒してしまった。しかも、キャンプの作業をしていた4人でだ。

 

 そんな同い年ながら、凄まじい才能と動きを見せていた4人はといえば。現在、目を輝かせて柴関ラーメンのメニュー表を見ていた。

 

 

「セリカ、セリカ。どれもおいしそうで迷ってしまいます。おすすめはどれですか!?」

 

「餃子……唐揚げ……チャーシュー丼……チャーハンもある!ど、どれにしようか……!」

 

「くひひっ……私は柴関ラーメン特盛 ――いや、ごめんこれ無理だわ。流石の破滅願望ある私も食べきれずに食べ物粗末にするのはね」

 

「ら、ラーメン以外のメニューが沢山で迷ってしまいます……」

 

 現在、セリカはミヤコ達4人と同じテーブルに座っている。これだけの大所帯となり、流石にテーブル1つでは足りなかったため2つ使うことにしたのだ。セリカのテーブルには彼女とアヤネ、そしてミヤコ達4人の1年生組。そしてもうひとつのテーブルには、先生やカヤ、シロコ達が座っている。

 

「オススメはそうね、やっぱり柴関ラーメンかしら。でも、他だとチャーシュー麺とか特製醤油ラーメンも人気よ。後、ご飯ものも食べたいならセットもいいわね。好きなラーメンとご飯もののセットとか、唐揚げとかのセットもあるし」

 

「ふむ……では、私はこの柴関ラーメンの餃子ライスセットにしましょう」

 

「なら私は特製味噌ラーメンの唐揚げ半チャーハンセットだ!」

 

「んー、なら私はこの黒豚骨ラーメンのチャーシュー丼セットかなあ」

 

「な、なら私は……貝出汁塩ラーメンの餃子ライスセットにします」

 

 

 『後単品で唐揚げ盛りと餃子のトリプルを頼みましょう』とミヤコ達は話している。一応先生にも確認を取っているようだが、『いいよ、好きなだけ頼んで』と返答されて喜んでいた。

 

 楽しそうにしている新しい友人のミヤコ達。そしてちらりと目をむければ、先生達の席の方をみれば楽しそうに話をしていた。それを見ながら調理する大将の姿を見て、セリカもこの騒がしさが心地のよく楽しいものだと感じていた。

 

 救援に来てくれたのが、先生やカヤ。そしてミヤコ達で良かったと思いつつも、自分も大将に注文を頼んだ。

 




・セリカの好感度
 原作より先生およびシャーレに対しての好感度は高め。カヤ達が加入して色々やったことがニュースで報道されていた他、各地での評判があったためシャーレがどんな存在かはセリカも知っていた。また、ミヤコ達という同年代の友人ができたのも大きい。友人達の活躍やアビドスでの行動、シャーレの評判が影響して信頼度は高め。

 彼女個人で言えば、特に同い年の友人ができたのは嬉しかった。アビドスではアヤネしか居なかった上に他の自治区と関わることも殆ど無いため、メンタル的にもミヤコ達が友人になったことは大きい。

・先生の財布
 カヤちゃんが飲食代を全部経費で落としたくれた。なので単品で色々頼んでも先生の財布にはダメージはなかった。なお、シャーレの雑談モモトークに貼った柴関ラーメンでの写真は大変好評だった。

【あとがき】
 セリカちゃん友達増えてよ゛か゛っ゛た゛ね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛!!!

 作者の脳内に現れる、原作ではあまり絡みのない生徒同士の絡み。こんな素晴らしい光景を独占するなどもったいない!ならばそれを描くしか無いじゃないか!保ってくれよ、作者の脳内……!このイメージを形にしなければならないのだ!

 とか思いつつ書いてることがたまにあります。実際、色々な生徒同士の絡みはネタまとめに書いてあったりする。でもこの時点だとアビドス陣営くらいしか書けないんですよね、無念。

 一例として、ネタのまとめの中にはやるかは別として、時計じかけの花のパヴァーヌ編でヴェリタスにキャンプについて熱弁するオトギとか、話の流れでメイド服を着せられてC&Cの面々に弄られるユキノとか、対戦ゲームでユズにボコボコにされて『ま、まだです!もう一回、もう一回です!今ので大体わかりましたから次こそは!』と無限コンテニューするカヤちゃんとか。

 エデン条約編は色々とネタが多すぎて中々話作りに迷ったりしています。幕間とかサブストーリーがかなり多くなりそう。


 閑話休題。

 その前にまずはアビドス編です。アビドス編もまだまだ内容が盛り沢山、まだ見ぬ御一行の最後の一人の加入とか、ちょっと原作とは違うお話とかをご用意しています。ただひとつ言えるのは、『悪の敵』であるカヤちゃんが居る限りバッドエンドは有りえないということです。それに作者はハッピーエンドが好きなんです。努力・友情・勝利という感じで、その過程の試練を乗り越える生徒さんの輝きこそが最も美しいと思っているんですよ。万歳、万歳、おおぉぉォッ、万歳ァィ!

 感想・評価などもらえると作者がとても喜びます。それでは、また次回お会いしましょう。


 

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