カヤちゃんが征く!   作:無名のカヤ推し

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色々と捏造設定山盛りの幕間、リリィの過去とか関係者のお話。
暫く多忙で投稿ができませんでした。


幕間:『楽園を捨て去りし者』

 ―――『"私"は、絶対にトリニティを赦さない』

 

 

 

 

 

「ッ……はぁっ、はぁ……!」

 

 

 嫌な汗とともに少女。蒼森ミネは目覚めた。ぼやけている視界、自分でも相当に荒れていると理解できるほどの乱れた呼吸。それと同時に彼女、ミネは『ああ、またか』と思う。

 

 何度も夢を見る。彼女が。大切で、きっと未来のトリニティを引っ張っていってくれる存在になるだろうと確信していた、今はもう居ない大切な後輩のその言葉を。

 

 覚えている。忘れようがない。常に自信に満ち溢れ、気高い意思と心強さを持っていた少女が、あの時。何もかもに絶望したような眼と、無理やり抑え込んでいるような怒りに身を震わせながら涙を流し言った、トリニティへの決別の言葉を。

 

 

「……最近、多いですね」

 

 

 その時の光景をよく彼女は夢に見る。特に、ここ最近は今までに増して頻度が多い。

 

 現在のその少女。『熾羽リリィ』がどうしているのか、というのは人伝で知っている。トリニティを自主退学後、あの不知火カヤに拾われ、その才能を開花させ。今では連邦生徒会の副室長となり、次期連邦生徒会防衛室長、つまり不知火カヤの後継者となることは間違いないと言われている。

 

 連邦生徒会長が不在となり、不知火カヤが現場に出た今連邦生徒会の財政や事務関係、そして生徒会としての業務が滞りなく回っているのは、生徒会長代行であるリンの手腕も大きいと言われているが同時、若き次世代の担い手。扇喜アオイと熾羽リリィの手腕もあると言われるほどに、今や大きな存在となっていた。もう、自分の手が届かないほどに。

 

 

 自分は会うことなど、きっと赦されないと思っていた。何故なら自分は――救護する立場でありながら、最も大切にしていた後輩を救えなかった。

 

 

 覚えている。忘れることなど、出来るはずがない。

 あの日のことを、一度たりとも忘れたことはない。

 

 あの時、まるで彼女の心を表すようにしていた冷たい大雨。

 その大雨に打たれ、慟哭し叫んだ"あの言葉"。

 

 

 

 そして。怒りを、悲しみを。失望と絶望を顕にする、膝をつく彼女の腕に抱かれた、命の輝きを失ってしまった一人の少女のことを。

 

 

 

 『楽園にたどり着きし者の真実を、証明することはできるのか』。もし、そんな問いを彼女に。リリィにすれば、どう返されるかは予想がついた。『楽園など存在しない。よって、証明することなどできないし、仮に存在したとして自分はその楽園を否定する』。彼女はきっと、こう言うだろうとミネは思った。

 

 ミネから見てのリリィには謎が多い後輩だった。当時、極めて優秀で間違いなくトリニティの未来を担うと信じて疑わない程の人材。だが、自分の人脈を使って調べてなお、熾羽リリィという生徒のバックボーンが見えなかった。

 

 トリニティに来る前はどこに居たのか。交友関係はどうなのか。あれほど優秀なのだから、どこかの裕福な家柄の令嬢なのか。だが、どれも不明だった。ただひとつわかったのは、同学年である『守月スズミ』と極めて親しい関係であり、絶対の信頼を寄せているということだけ。

 

 そうして、そんな絶対の信頼を置く存在を置いてでも、リリィはトリニティを去ることを選んだ。そうするほどまでにトリニティが。自分たちのことが許せないのだと思った。

 

 

 

 もう、あの笑顔も。『先輩』という言葉も向けてもらえないのだと思うと、やはり今でも心が痛む。

 

 

 

 時計を見る。時刻は、いつも起きているより遥かに早い時間だった。それを見た後、ベッドの上で体を起こしたまま、ミネは朝から憂鬱で。沈んだ気分となりため息をついた。

 

 今のトリニティは変わろうとしている。先代のティーパーティーに所属していたメンバーは、全員が拭いきれない不祥事と、表沙汰にできない数々の出来事によりキヴォトスを去ることとなった。数年前に失脚したゲヘナの『雷帝』に敵対心を向け、ゲヘナとの対立や差別を扇動していたその首謀者たちはもう居ない。

 

 現在のティーパーティー、その面々もまたある事件に関わっていた。『失楽園(パラダイスロスト)』、そう呼ばれる事件に。

 

 事件の後、現在のティーパーティーはトリニティの現状を変えようと動いた。それにより、以前よりは確かにマシになったとはミネは思う。だが、根本的な部分では何も変わっていない。優越感に浸り、他者を蔑み陥れる陰湿さ。自分こそが正しいのだと疑わない自己盲信。誰かがそうなのだから、誰かが言うのだからそうなのだろうという思考の放棄や責任の放棄。考え出せばキリがないほどに、そのトリニティの根本は変わっていない。

 

 ミネにはトリニティにおける重要な政治的立ち位置に、そんな話もあった。だが彼女はそれを迷うことなく断っていた。誰かを助けること、救護することこそ自分の使命だと疑わなかったそれにいつしか罅が。亀裂が入った。怪我人や傷ついた相手は助けよう。だが、政治的なそれに関わりを持つのはうんざりだった。だから彼女は身を引いて要請があった時のオブザーバーのような立場でしかトリニティの政治には関わらなくなった。

 

 

 そうして。最近、新しい情報も手にしていた。

 

 

 それは、ある意味それでいいのかもしれないと思うことでもあり。彼女の、リリィの本質である自由奔放さや、突拍子もない事を突然やり出す奇抜さからすれば、これ以上無い適正だと思うことだった。

 

  

「……リリィがゲヘナ学園所属、ですか。きっと今のトリニティの多くの関係者は卒倒するかも知れませんが、でも。向こうのほうがあなたにとっては、居心地がいいのかも知れませんね」

 

 

 

 そう、ミネは呟いた。

 

 

 彼女が先日、とある筋から入手した資料。そこに書かれていたのは、ゲヘナの統治を行っている万魔殿。そのトップである、羽沼マコトがどうやら折れたようで、ある書類にサインをしたらしい、という情報だった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 守月スズミという生徒は、多くのトリニティ生から慕われている。トリニティ自警団という、非公認の部活動でありながら自治区内部のパトロールや治安維持活動を熱心に行っており、多才な彼女には戦闘行動を伴う治安維持だけではなく他の部活動の手伝いや助っ人などの依頼もよく来る。それらをそつなくこなし、真面目で冷静。そしてその落ち着いた立ち振舞から多くのトリニティ生から高い信頼を得ている。

 

 トリニティ自警団とは正義実現委員会とは違い、フットワークが軽く、非公認の部活動であるがゆえにそこまで大きな支援を受けることはできないものの制約に縛られることもほとんどない。そんな自警団も、今となっては自警団を自称してその活動を行う生徒が増えたものの、最初はたった二人の生徒から始まった。

 

 それが、守月スズミ。そして熾羽リリィだった。

 

 最初のキッカケは些細なものだった。トリニティで、たまたま不良に襲われている生徒を見かけた。人の往来もあり、近くには正義実現委員会の制服を着た生徒の姿もあった。なのに、その生徒はその騒動を認識してなお、動こうとしなかった。

 

 正確には動けなかった、が正しいのだろう。正義実現委員会とはトリニティ後任の部活動であり、自治区の公的機関でもある。その一員ともなれば、その権力や裁量を許可なく勝手に振りかざせばどうなるのか。というのは、当然ある。だが。そうだとしても、それが目の前の傷つく誰かを見捨てる理由にはならないと二人は思った。だからその時、二人はその不良に立ち向かった。

 

 そこからだ。トリニティの現状を知り、助けられたはずの誰かが見捨てられる現実があると知り。そんな悲劇を少しでも減らせるようにと、二人は活動を開始したのが、まだ中等部の頃だった。

 

 

「何度もお伝えしましたが、私は正義実現委員会にも、ましてやティーパーティーやシスターフッドにも所属する気はありません。それでは」

 

『待ってください!スズミさ――』

 

 

 通話終了ボタンが押されプツン、という音と同時に通話が終了する。

 

 ある日の午前。窓の外には青空が見えており、開けている窓からは心地のいい風が入ってくる。だが、自分の自室でスズミはそんな空や空気とは正反対の、疲れたようなため息をついた。

 

 最近、彼女。スズミには悩みの種がある。それが、正義実現委員会やティーパーティーからの勧誘だ。

 

 守月スズミという生徒の実力は、普段は本人がその本質を隠すようにしているものの、ハッキリ言ってしまえば極めて高い。とある事情から、幼い頃からそういった訓練を受けてきた、というのもあるだろうが。

 

 ティーパーティーの最高戦力とも言える聖園ミカや、正義実現委員会の剣先ツルギと比べるとそれ程ではないものの、その規格外のレベルを除けば恐らくトリニティにおいては最高レベルの戦力だった。

 

 潜入に単騎制圧などの単独任務から、敵部隊の制圧。要人護衛などの任務を一人でこなせてしまうほどにその実力は高く、その気になってしまえば実戦に躊躇いのないことも踏まえれば、SRTの上澄みにも匹敵するほどの実力者。それが、本来の守月スズミという生徒なのだ。

 

 特に、公にはしていないが爆発物や投擲武器に関しての知識や技術は凄まじく、通常のスミスでは製作不可能な投擲武器や爆弾なども製作可能という、凄まじい人材でもあった。

 

 

 どうしてトリニティという環境でそれだけの才能や技能があるかと言えば、それは彼女と。そして、リリィの生い立ちに関係している。元々、二人は純粋なトリニティの人間ではないのだ。

 

 今は既に知る人間も少なく、かつての歴史の中で迫害され。そして現代では闇の深くに存在するある学区。そこにおける、とてつもない立場にあったのがリリィだった。そして、そんな彼女を幼少の頃から守り続け、理解者として。親友としてあり続け、今もそれが変わらないのがスズミだった。

 

 

 彼女は、元々リリィを守るために教育され、育てられた。リリィという特異点、イレギュラーとも言える存在をあらゆる悪意や敵対者から守るための存在。それが、守月スズミという存在だった。そうして、自分達が逃げたある自治区を支配するようになった大人にも、リリィがどういった存在なのかというのをスズミはあらゆる手を尽くして、逃げ通すまで悟らせなかった。

 

 

 憂鬱そうにしたスズミは、そっと自分の銃。『セーフティー』の銃身、何かが描かれていたような痕跡があるそれを撫でるようにした。そこには、かつてある文字が刻まれていた。『全ては虚しい』、そう刻まれていた文字は既に削り取られており消えており。ただ専用にカスタムされた、だが大切な相手との思い出が詰まった銃が存在した。

 

 

「……私は、どうすべきなんでしょうか」

 

 

 心はきっと決まっているのだろう。

 だがそれは、今は近くに居ない相手への問いかけ。

 

 スズミはリリィとは今もよく連絡を取り合っている。恐らく、トリニティにおいて今もなおリリィと交友が続いているのは、スズミただ一人だろう。最近は何やら忙しそうではあるが、連邦生徒会。その若きホープとしての活躍はよくクロノスの報道でも見る。今や己の親友は、『不知火カヤの後継者』とまで称されるほど、大きな存在となっていた。

 

 いいことだ、そう思う。連邦生徒会でのリリィの交友は極めて良好だと聞いていた。扇喜アオイや岩櫃アユムといった同い年の同期。不知火カヤや七神リンといった先輩、そして一年生であるハイネやモモカ、スモモといった個性が強いものの優秀な後輩たち。そんな恵まれた環境で、リリィはその才能を発揮していた。

 

 あそこならば、彼女を迫害する者も居ない。妬む者も居ない。

 あんな悲劇も、起こることはない。

 

 そして。あそこならば、あの残忍な大人の手も及ぶこともないだろう。

 

 

 今の連邦生徒会にはそう安々と手は出せない。それは、生徒会そのものの強固さもある。だが。何より大きいのは、あそこには居るのだ。悪を絶対に許さない、キヴォトスの守護者が。

 

 そうして。そんな最も大切な親友から、スズミはつい最近大切な話をされた。

 

 

   ――『あの時は、ボク……ううん、私も思うままに行動しちゃったから。色々落ち着いてきた今だから、ちゃんと話そうかなって』

 

 

   ――『スズミ、私の一番大切な親友。私と一緒に、来てくれないかな。連邦生徒会、『防衛室』に』

 

 

 

 

 連邦生徒会。『防衛室』への誘い。そんな話をされた時は、それはもうスズミは驚いた。だが、聞けばもうリリィはこの件について上司。つまり、不知火カヤにも通しているし、なんなら役員会。リンや他の役員からも承諾を得ているという。後は本当に自分の返答次第、という状況にまで話だけは出来上がっていた。

 

 実力だけで言えば、スズミの本来の実力ならば防衛室の所属でも何ら問題はない。何なら、執行部隊と呼ばれる防衛室の荒事専門の主力部隊。SRTの生徒で構成されたその部隊の部隊長になれる程の実力や才能は持っている。また、生い立ちを始めとした自分のことについて包み隠さずカヤとリンに話していたリリィは、二人からスズミに対してリンからは『あの……リリィ?彼女、もしかしなくともFOX小隊クラスでは?』、カヤからは『物凄い逸材ですね、単騎での対部隊や対主力が可能な生徒って超希少ですよ?欲しい……欲しいですね!』と言っていた。

 

 特に、カヤとしては自分が引き込んだ生徒。FOX小隊やワカモ、RABBIT小隊はシャーレの所属になっているので、防衛室の正式な戦力ではない。だからこそ、もし守月スズミという優秀な人材が防衛室の戦力に加わり、後輩であるリリィの力になってくれるのならこれ以上のことはないと思っていた。

 

 客観的に見て、スズミはそれだけの逸材だった。潜入、工作、隠密、制圧。どれを取っても対単騎から対部隊、対主力までどれも高いレベルでこなせてしまう。最近シャーレに加わったワカモと似たようなオールラウンダーな生徒なのだ。何よりも、彼女はそういった教育を受けてきたこともあって、執行。つまり、荒事に対して躊躇いがない。

 

 そうして、この話についてはまだトリニティは知り得ていない。現在、トリニティはエデン条約に対して気を張っており、言ってしまえば守月スズミという個人のプライベートに対して注視するトリニティ上層部は殆ど居ない。例外を挙げるとすれば、救護騎士団の蒼森ミネくらいのものだが、彼女もこの話。つまり、連邦生徒会への勧誘についてはまだ知らない。

 

 スズミとしては、手を伸ばしたいと思った。一度は離してしまった親友の手、それを握れるまたとないチャンスだ。そして今のリリィは、あの時。あの事件の後のように精神的にも、感情的にも荒れておらず落ち着いている。自分だって、何度再び彼女のそばで親友として。彼女のガードとしてありたいと思ったことか。

 

 

 手を伸ばせば、それが全て叶う。

 再び親友の近くに居られる。

 何を迷うことがあるのか。

 

 

 そう。スズミには心残りがあった。それが、今もなお活動を続けているトリニティ自警団だ。

 

 

 元々は、自分とリリィが勝手に始めた活動だ。非公認で、ただの自分達がそうしたいからという理由で始めた治安維持や人助け。それが、今は非公認ながら自警団を名乗り、治安維持や誰かの助けになろうとする生徒が増えた。きっと、それはかつてのトリニティにはなかった変化だと思えた。

 

 言ってしまえば、スズミは今のトリニティをそこまで信頼していない。ティーパーティー、シスターフッド、正義実現委員会。政治に関わる組織は特に信頼しておらず、例外として信用しているのは救護騎士団と自警団だけだ。

 

 元々、自警団とは自分達が始めたことがキッカケとなって今のような状態まで大きくなっている。要するに、自分がもし心に従いリリィの下に行けば。つまり、トリニティを去れば。それは、自分達が始めたことに対しての責任の放棄ではないのかと思ったのだ。

 

 

 

「……とりあえず、会って。それから考えましょう」

 

 

 まずは、シャーレでの生徒募集のように、『防衛室』の手伝いという立場でも構わないから来てみないかとは言われていた。今は状況が状況で、人手がまったく足りていないらしい。相応の報酬も出すからどうか、とスズミはカヤからも話をされていた。

 

 

 スズミの心は決まっていた。

 後は、自分達の始めた責任に対するキッカケさえあればいいのだ。

 

 迷ったままの彼女は、自室のクローゼットの扉を見つめた。

 そこには、あるものが存在した。

 

 

 かつて、親友を守るために袖を通していた――フードの付いた、白いコート。

 そしてそのコートの肩辺りに存在するのは、髑髏と薔薇、そして背景に逆三角形のエンブレム。

 

 

 

 二人で逃げた、その自治区を『アリウス』と言った。

 

 




■スズミ
 拙作ではスズミの出身地はアリウスです。昔、といっても3年ほど前にはあったある噂、というよりはスズミの銃身に刻まれていたある文字からネタは拾いました。彼女の愛銃の銃身からある文字が消えているのはそれが由来でもあります。

 実力的には、本気になればユキノ以外のFOX小隊クラス。特化しているのは爆発物と投擲武器。やれることがオールラウンダーの上部隊指揮適正持ちなので、即戦力レベルです。立ち位置的には、シャーレ所属ではないがFOX小隊クラスの才覚がワカモ寄りといった感じ。シャーレの先生相手に勝率4割の総指揮官適正・前線適性持ちのリリィ+ユキノを除いたFOX小隊レベル戦力のオールラウンダーのスズミを止められるとなったら、キヴォトス最強格を連れてくるかカヤちゃんかユキノしか居ない。なお、リリィがピンチになるとどこからともなくシャーレが飛んでくる。

 ベアトリーチェではない、とある人物からリリィを守るために英才教育を受けいたことにより、戦力的には単騎でスクワッドも相手にできる程の戦力。

 トリニティ編における、リリィと並んでの重要キャラクター。

■リリィ
 
 『もう暫く後ですけど、お世話になりますね、マコト先輩!ヒナ先輩!』

 なんてことを言ったらマコトとヒナが真顔になって固まった。なお、マコトは真面目モードで頭フル回転させた結果、最終的に『もうどうにでもなれ、いやむしろゲヘナにとっては益しかないのでは?』という考えになった。

 元トリニティ生ではあるがゲヘナ生徒のネームド。ヒナやマコト、イオリなどとは連邦生徒会関係で面識もあった上に関係は良好。他で仲がいいのは、美食研と給食部、万魔殿のイブキ、風紀委員会のアコ。便利屋メンバーとは面識が殆どないが、カヨコの動向には注目している。

 本来、連邦生徒会の防衛室所属なのでどこかの学園に所属する必要はないのだが、本人の希望で転校手続きをした。転校理由は、『ゲヘナは居心地がいいから』『生徒(ひと)らしさがある自治区だから』だという。

 また、自分の主目的の一つである、名前も知らない『義妹』を探すことについいて、事情を話したカヤや連邦生徒会役員に負けないほどの熱量でマコトやヒナが『力になる』と強く言ってくれたことに心を打たれたというのもある。二人の人柄に惹かれたというのもあるが、ゲヘナという無法地帯であるが、人らしく。それでいて人らしい想いが溢れているのがとにかくリリィは好きになった。

 トリニティに対する好感度がゼロを振り切ってマイナス。スズミやミネといった個人に対する友好はあるが、自治区そのものに対しては連邦生徒会の仕事でもトリニティが関わると淡々とこなしつつ不機嫌そうにするレベルであり、トリニティからの公式な面会の打診も全て断っている。

 彼女の元ネタが某熾天使だった存在なのであれなんですが、ブルアカ世界ではトリニティ出身なのにゲヘナに好意的、トリニティのことを好感度氷点下レベルで嫌っているというかなり異質な生徒。しかもオッドアイのとある血筋。トリニティはとんでもないことをやらかしたんですが、それはトリニティ編でのお話。



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