恐らく各章で前後編にわかれていて最終章くらいに長い章。
主要人物はリリィちゃん。
■予告 エデン条約編 ‐熾天使の捧ぐ、紫陽花の花束‐ 【前編】
――ボクには家族が居た。といっても、名前も知らない家族が。
――でも、たった一人の大切な家族だったんだ。唯一知るのは、あの子が『姫』と呼ばれていたことだけ。
――ボクは逃げた。でも、探し続けているんだ。そのたった一人の、最愛の家族のことを。
『私は反対ですよリン。あなただって、トリニティが何をしたのか知っているでしょう?』
『……わかっています。しかし、エデン条約のためにどうしても連邦生徒会から『使者』を出さなければならないんです』
『だからといってリリィに行かせる必要がありますかッ!?』
『……リン代行、私も反対です。リリィをもう一度あそこに送り込むなんて、したくないです』
――珍しく激しい口調で反対するカヤ先輩に、静かだけど強い口調で反対するアオイ。
――嫌だった。もう関わりたくはなかった。でも、いつまでも逃げるわけにはいかないとも理解していた。だから。
『先輩、アオイ。ありがとう、ボクを気遣ってくれて。 ――リン先輩、その話受けます。ボクが『使者』になります。そのかわり、我儘を言わせて下さい』
『ボクの肩書を――連邦生徒会防衛室室長代理、"ゲへナ学園所属"熾羽リリィ。ということにしてください』
――世界は理不尽で、残酷で。それでも、この世界には美しいものがあるのだと教えてくれる人達がいる。
――だから、ボクは諦めない。あの小さくとも気高い背中を思い出す度に、何度でも立ち上がろうと思える。
『キキッ、聞いたぞリリィ……言いたいことは色々ある。が、これだけは覚えておけ。 ――防衛室も、このゲヘナもお前の帰る場所だ。そして、ゲヘナはお前の味方であることを忘れるな』
『ッ……ありがとうございます、マコト先輩。必ず帰ります、だってイブキちゃんとの約束もあるし、ヒナ先輩との約束もありますから。必ず帰ります、この自由で混沌とした。人らしさが溢れる場所に』
――トリニティに向かうのは、ボクと護衛のスズミ。そうして、トリニティではシャーレも巻き込んだ陰謀が始まろうとしていた。
『トリニティの裏切り者、ですか。 ……あは。あはは。あははははははは!!! ああ、良かった。本当に、良かったぁ……!』
『リ、リリィさん……?』
『
『
――でも。どうしようもなく淀んでいて、醜悪だと思ったその楽園にも、希望はあるのだと思って。
『いつもモモトークでお話していますが、直接会うのは久しぶりですね。お久しぶりです、リリィさん。わっぴー!です!』
『わ、わっぴー!?』
――抱きしめてくれたその身体と手は、とても震えていて。
『サ、サクラコ先輩?あの、えっと、その――』
『ちゃんと元気にされているのは知っていました。でも、こうして目で見たらよくわかります。 ……安心しました、本当に』
『戻ってこい、とは言わないんですね』
『言いません。あなたが選んだ場所があるのなら、きっとそこでないとあなたは笑顔にも幸せにもなれません』
『でもどうか、忘れないで。ここにもあなたを想っている者は居るのですから。私やマリーやヒナタ、ミネさんだって』
――その瞳から零れ落ちた雫に込められた想いは、確かに伝わってきて。
『私は、あなたを救えなかった。あなたも、あの子も。 ――申し訳ありませんでした。ずっと、謝りたかった』
『ミネ先輩があの時、スズミのように全てを捨ててでも助けようとしてくれたのは知っています。……複雑な想いはありますけど。それでも、ありがとうございます。あの子を救おうとしてくれて』
――『使者』として動いてる間にも、その不穏な影はシャーレと。そしてそれに関わった生徒を襲う。
――それでも。どんな相手が来ようと引くことはない。何故なら、あそこには居るのだから。
――ボクにとってのいちばんの英雄、そして強く気高い先輩達が。
『ここは私達に任せて先に行って下さい』
『そうだな。少し手荒に行くとしようか』
『ワカモ先輩!?ユキノ先輩!?』
『不良の大部隊にゲヘナの温泉開発部。ふふ……少し遊んであげましょう』
『私の分も残しておいてくれよ?』
『あなたはミレニアムの依頼の時に散々遊んだでしょう。数々のゲームで伝説を打ち立てたの、向こうの逸話になってますよ』
『む、むぅ……。あれはだな……』
『冗談ですわ。……爆弾周辺の生徒と解除は私が。ユキノさんは残りを完全制圧してくださいな』
『適材適所だな。 ――征くぞ』
『ええ、暴れましょうか』
――現れるのは、過去からの刺客。
――迎え撃つのは、熾天の守り手。白いコートを身に纏う、冥府の月。
『スクワッド。あなた達をリリィにも、先生達にも近づかせません』
『アリウスの手に絶対リリィは渡しません。そのためなら、あなた達とも敵対します』
『くっ……これが、『
『お忘れですか? ――あの時のアリウスにおいての最強、それが私でした。そうして、私がリリィの守護者である限り、それは変わらない』
――そうして、『魔女』が現れる
『続けますか、ミカさん』
『はぁ……はぁっ……!あはは、とんでもなく強いね……まさか、アリウスの大隊と私でもだめだなんて』
『私も驚きましたよ。隕石を落とされるとは思ってませんでした』
『それを殴っただけで粉々にするカヤちゃんがよく言うよ……。なんかあの拳雷纏ってたし……。降参、私の負け。 ――聞いて、いいかな』
『答えられることであれば』
『リリィちゃんは、笑えてる? ――私は、守れなかったから』
『あの子は私の後継者であり、大切な後輩です。幸せでないと困りますし、私が嫌ですからね』
『……そっか。なら、あの子のことお願いしていいかな。私には、ううん。 ――私達には、できなかったから』
――運命は時に残酷で。まるで向き合え、と言っているみたいに試練を突きつける。
――探していたものは、最悪の形で見つかることになって。
『お願い、ボクの手を取ってアツコ!あなたとスクワッドを匿うことは出来る!だからッ!』
『……それは、だめだよお姉ちゃん。だって、私にはできないから』
『サッちゃんも、みんなも。アリウスを見捨てて、逃げることは出来ない』
『――遅すぎたんだよ、お姉ちゃん』
――エデン条約と、そこに潜む邪悪と陰謀。絶望と選択の物語の幕が上がる。
――エデン条約編 ‐熾天使の捧ぐ、紫陽花の花束‐ 【前編】 開幕。
『ボクの家族を、アリウスを助けて下さい。先輩……先生……!』
『涙を拭いて下さい。私は、あなたのそんな悲しい顔は見たくありません』
『ええ、あなたと、そしてアリウスの
■うらがき
リリィちゃんメインだけどちゃんと補習授業部は居るし活躍するしそもそも居ないと色々詰んでます。シャーレからは結構主力級が集結している章、助さん格さん(ワカモとユキノ)は居る。色々と主要人物と絡んでいく。
シャーレ一行は補習授業部と絡んで行き、リリィとスズミはトリニティの上層部、それから補習授業部のある人物と絡んでいく章。『向き合う勇気』と『家族愛』がメインの章。