カルバノグが消失したので完全にオリジナルストーリーの章になります。
――告げられるのは、来たるべき災厄の知らせ。
――それを前にして、英雄達はある決断を下した。
『なるほど、その災厄とやらに立ち向かうために出来るだけ多くの生徒に力をつけて欲しい。そういうことですか』
『ああ、そのための仕上げに。最後の試練が必要なのだ』
『……いいでしょう。それにこれは、上手く使えば今のキヴォトスを活気づかせる起爆剤にもなります』
――兎達はこれまでの旅路で多くを経験し、多くを見てきた。
――彼女達に告げられるのは、ある驚愕すべき『試練』。
『カヤ先輩に……FOX小隊の先輩達にワカモ先輩、しかもあの『魔王』まで同じ陣営でRABBIT小隊陣営と大規模な模擬戦!?』
『こっちには『先生』が指揮官として配置されるみたいだけど、向こうにはリリィ先輩と防衛室の部隊とヴァルキューレが居るんだよねぇ……』
『リリィ先輩が向こうってことは、アリウスも向こう側かもな。わかるだけでもとんでもない戦力だぞ……』
『つ、使われる開催場所も莫大な広さですぅ……』
『気になるのはこの文です。『陣営の人数上限は設けるが、互いの陣営はあらゆる自治区から参加者を募っても構わない』。これは……』
――兎達は動く。これまでの旅路で出会ってきた縁や足跡を辿るようにして。
――共に戦う仲間を求めるために。
『なるほどねぇ……それでおじさんに協力して欲しいって言うんだ。いいよ、おじさんもカヤちゃんにリベンジしたいしさ』
『ん……待って、ホシノ先輩。ミヤコ達にはアビドスを救ってもらった恩がある。だから私達もついていく』
『そうよ!相手がカヤ先輩達でもやってやるわ!』
『わ、私に出来ることなら協力させて下さい!』
『お祭りみたいですねー☆ 楽しそうです!』
『へぇ、面白いじゃねぇか。いいぜ、この私が力を貸してやる』
『ネル先輩ズルいです!アリスもケイ達とレイドバトルに参加したいです!』
『折角だしC&C全員で協力しちゃおうよ!いいでしょ部長!』
『なるほど、なら……私も協力するわ。貴女達にはアリスとケイの件で恩がある。とっておきの戦力で参加させてもらうわ』
『リオまさか……正気ですか?あれを出すのですか!?』
『ええ。量産型アバンギャルド君、そして……フルアーマー・パーフェクト・アバンギャルド君を出すわ』
『キキッ……なるほど。それでこのマコト様とヒナに会いに来た、ということか。 ――少し読みが甘いぞRABBIT小隊。まだまだ足りない』
『……そうね。アビドス高校にミレニアムのC&Cにアリスとケイ、そしてリオにヒマリ達。そこに私達を入れても、まだ足りないわ』
『我々ゲヘナ上層部は、『雷帝騒動』の時に奴の本気を見ているからな……まあ、あの力を振るわないと考えても奴は規格外だ』
『でも、こんなお祭りそうはないと思うけど。参加してみたいという気持ちはあるし、風紀委員のいい訓練や体験にもなる』
『キッキッキッ……相手は英雄に魔王、審判者に天狐。しかも熾天使……リリィまで敵陣営か。……そうかリリィが敵かぁ』
『本当に油断できないわね。本気のあの子、とんでもないわよ。最近はシミュレーション上で先生に勝率5割あるみたいだし』
『面白い。俄然と興が乗った。万魔殿からも狂犬部隊と、そしてこのマコト様が参加してやろう ――ゲヘナの支配者の本気、見せてやろうじゃないか』
『マコト、ならそこに加えたい子達が居るわ』
『ほう……?』
『温泉開発部。カスミの知略、そしてもしこのカヤ達の勢力と戦うなら――本気のメグの力も必要になるわ』
『なるほど、興味深いですね……しかし、カヤさん達もよく考えていますね』
『エデン条約での騒動は言ってしまえば、そうだね……表現があっているのかはわからないが、炎上の原因になってしまった。特に、我々トリニティは未だに多くの問題が燻っている。なんとも困ったものだね……』
『本音を言うと、ゲヘナの統率力には感嘆させられます。あの時、調印式襲撃の際の対応は凄まじいものでした。……自治区の是を高らかに叫び、生徒達を鼓舞し自ら最前線に立つ。その姿は、まさに王というべきなのでしょう』
『……トリニティは未だ、ゲヘナに対する差別意識が消えていません。ゲヘナの精鋭部隊、そしてあの狂犬部隊にヒナさんとマコトさんが参加する以上、相応の戦力で此方も参加したいところですが。そうなると中々難しいですね』
『もー!セイアちゃんもナギちゃんも難しい話ばっかりして!お祭りだよ?こんなにおもしろいお祭り、そうないよ!?お祭りは楽しむものだと思うし、少なくとも私は百鬼夜行の友達からそう教わったよ?』
『ミカさん、そんな簡単に考えられることでは……いえ、そうですね。少し難しく考えすぎていたのかもしれません。そう、これはお祭り……そういえばイベント期間は色々なお店が屋台として出ましたね……スイーツ……あまり行けない自治区の、スイーツ……たくさんの、スイーツ……』
『まずいねミカ、どうするんだ。ナギサがスイーツのことしか考えていない顔になったよ』
『うーんこのなんともいえない間抜け顔!……どうしよう。こうなったら簡単には戻らないよ』
『なら、君が決めるといいミカ。このイベントの目玉、大規模模擬戦にトリニティは誰を連れていくのか』
『わ、私が!?うーん……直感になるけど、いいの?』
『いいとも。どうせ私とナギサで話し合っても難しい話が続くだけだからね』
『なら。 ――ミネちゃんとサクラコちゃん。正義実現委員会からはツルギちゃん。それから、神聖十字騎士団と、ティーパーティーからは調印式に参列していたティーパーティー直下の親衛隊と、私。これならどの派閥にもそう文句は言われないでしょ?』
『なるほど……確かに、神聖十字騎士団が関わるなら文句を言う者は少ないだろう。『またあの狂信者達か』という形でいつも片付けられるからね』
『それから!最後にこの子達が一番重要な参加戦力!』
『ふむ?我が校の主要戦力は先に述べていたもので殆だと思うのだが……一体どの生徒なんだい?』
『ふふ、私の考える切り札。それは。 ――補習授業部だよ』
――集っていく絆と、縁を紡いだ生徒達。
――それを迎え撃つのは、強大な軍団。
――今のキヴォトスにおける、最高峰戦力達だ。
『……………………とてもつらい』
『……………………つらいですわね』
『不味いですね、ユキノさんとワカモさんの『コウハイニウム』が不足してきているようです』
『我が陣営で後輩適性があって今本戦前の待機キャンプに居る生徒は――そうだ、アツコさん!ヒヨリさん!』
『えっ……わ、わたし……?』
『よ、呼びましたか!?』
『食べたいものとか欲しいものとかないですか!?それをできるだけかわいく、あざとく!二人にお願いしてみてください!』
『え、ええ……?』
『えへへ……いいんですか……?辛いことも苦しいこともある中でこんなこともあるんですね……え、遠慮しませんよカヤ先輩?』
『いいか!今この時をもって貴様らはウジ虫を卒業する!貴様らはチーム連邦生徒会の精鋭だ!』
『『『サーイエッサー!』』』
『お前達の輝きは素晴らしい!ゆえにこそ……諦めなければ夢は叶うのだ!まだだと叫び続けて歩けば不可能はないのだ!万歳ァァァアアアアアアイ!』
『『『諦めなければ夢は叶う!諦めなければ夢は叶う!!諦めなければ夢は叶う!!』』』
『『『万歳ァイ!万歳ァイ!万歳ァイ!』』』
『SRTの隊員もドン引きレベルの訓練というか……これは最早悪質な洗脳ではないのか?』
『サオリさん……気にしたら負けです』
――様々なルールが用意され、戦場によってルールが変化する超大規模訓練区域で行われる模擬戦。
――期間は3日間。その間、それぞれの陣営でポイントを争奪する戦いとなる。
『やあカヤちゃん、おじさんと遊ぼうよ』
『おいおいズルいぞそれは。私も仲間に入れてくれよ』
『ぱんぱかぱーん!対裏ボスの最強パーティーです!』
『卑怯とは言わないでね、カヤ。ルールの範疇よ』
『きひひっ!楽しい……楽しいなぁ、カヤ!』
『やっほーカヤちゃん、前のリベンジに来たよ』
『……これはこれは。ホシノさんにネルさん、アリスさんにケイさん、ヒナさんとツルギさんにミカさんまでとは。随分と歓迎してくれているようですね。ですがすみません、私一人じゃないんです』
『フハハハハハ!!!嗚呼……素晴らしいぞお前達。魅せてくれ、お前達の輝きを!私にお前達を――愛させてくれッ!!!』
――絆を紡いだ光達と対峙するのは、『英雄』と『魔王』
――反則レベルの組み合わせへの挑戦が、始まる。
――そうして、次代の『調停者』と『救世主』は対峙する。
――『英雄』と同じ領域の、『審判者』と。
『沢山の自治区を見てきて答えは見つかったか?二人共。 ……ならばこれ以上の言葉は無用だろう』
『来るがいい。全力で相手をしよう』
そうして示すのだ。
現実を見てきた少女は、善も悪も。正も誤も。光も闇も受け入れて進むと決めた。
絶望を知る少女は、正しき怒りを手に煌炎で邪悪を払い、誰かの明日を照らすために。
『行きます、ユキノ先輩』
『これが、私達の答えです』
――光は受け継がれる。そうして、どの時代でもその光が
――光を継ぐ者達編、開幕。
■うらがき
カヤちゃんが閣下化してFOX、RABBITともにシャーレでカルバノグの兎編が完全に消滅しているため完全にオリジナルストーリーとなります。概要としては、色々問題続きで暗い空気が流れているキヴォトスをデカいイベントで盛り上げて、その目玉として『わくわくラスボス&裏ボスチーム』と『兎達と絆を紡いだ仲間達』による超大規模なルール付き模擬戦をやろう。でも実際のところはこの先に待ち受ける災厄(最終章)のために兎達や他のみんなで戦って研鑽しようという話。