【魔法少女はここにいる】 〜たまたま声をかけた女の子が勝手に魔法少女に変身して悪の組織と闘い始めた時のマスコットの気持ちを述べよ〜   作:私貴方私(Y-ou@so-soなフリー)

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この物語は、
『思い込みの激しい少女』と『苦労人マスコット』
の日常を淡々と描くものです。
過度な期待はしないでください。

【新しく高評価をいただいたので前倒し公開!!】
この物語は、『思い込みの激しい少女』と『苦労人マスコット』の日常を淡々と描くものです。
過度な期待はしないでください。

【新しく高評価をいただいたので前倒し公開!!】



暴食ビースト『フォル』

 

キュイ《美味しいけど味が薄い…もっとこうガツンとした物が食べたい。あと、甘い物も欲しい!》

 

「え、でも身体に悪いよ」

 

キュイ《それはそうなんだけどねサチ。私は見た目犬?猫?っぽいけど、味覚とか人間と同じなんだよ。サチも大好きなお菓子や唐揚げが食べれないと辛いでしょ?居候の身で申し訳ないけど》

 

「それは絶望だね!何か考えないと。うーん」

 

サチの家族として迎えられ数日が経った。

サチのお母さんが作る猫用料理は確かに凄い。

たぶん猫用としては『最上品』(ちゅーるレベル)だと思う。

 

でも、猫は人間と違って味覚が4つしかない。

『塩味』はほとんど感じないし、『甘味』にいたっては全く感じないらしい。

 

つまり、この食事には『塩』が足りない!!

あと『甘い物』!あまぁいチョコレートが食べたい。

 

…いや、分かっている。

居候の私はワガママを言える立場にない。

それにサチママが出してくれる食事はドッグフードとは雲泥の差だ。

正直人間の舌でも美味しいと感じている。

 

どうやら、ネコネコフラン大帝先輩がグルメだったことが原因らしい。

ネコネコフラン大帝先輩が食べれるように料理を練習したら、人間が食べられる料理も上手くなったとか。

今では料理エッセイ漫画で稼いでるくらいの腕前だ。

つまりここの飯が美味いのは、ネコネコフラン大帝先輩の功績と言ってもいい。

ネコネコフラン大帝先輩凄い。

 

ただ元人間の現妖精?としては、やはり猫用の薄味ランチが毎食続くと辛い。

 

だから、最近夢に見るのだ。

 

 


 

【ジャンボベリースペシャルパフェ】

生クリームたっぷりでフルーツもりもりのあま〜いパフェ食べたい。

 

【二郎天一ラーメン】

ガツンとしたニンニクやこってり濃厚スープが恋しい。

 

【カリカリ唐揚げとキンキンビール】

仕事終わりのキンキンでシュワシュワな一杯。

 

【深夜の大罪カップラーメン】

ああ、久しくやってないなぁ。

シーフードヌードルに少量の牛乳とバター一欠片、胡椒少々とチーズパラリンピックで食べたい!!

 


 

 

よ、欲望(食欲)が溢れてくる。

 

これが魔法少女アニメでよくある闇堕ち!!

恐ろしきダークサイドの誘い。

私は暴食ビースト『味の濃い物食べたい怪人』と化した。

 

たべたいたべたい

 

キュイ《やばい、食べ物の妄想とヨダレが止まらん》

 

「分かった! 私がフォルの食べたい物全部作る!!」

 

キュイ《えっ、いいの!? 大将太っ腹!!唐揚げ食べたい!ニンニクと胡椒がいっぱいかかっててカリカリのやつ》

 

「まっかせてぇ。あたしにかかれば唐揚げの100や200楽勝なんだから!」

 

サチは意気揚々と台所へ向かっていった。

サチは最高のご主人様だな。

私はニンニクムンムンでスパイシーなカリカリ唐揚げを夢見てもう一眠りすることにした。

 

……。

 

いや待てよ。

サチはまだ中学生だよな。

油料理は危ないのでは?

なんならまだ火の扱いとかやったことないのでは?

 

私は嫌な予感がして台所へ急いだ。

 

先日使えるようになった空中浮遊の応用『立体機動』を用い、台所までの最短距離を駆ける。

 

明日は筋肉痛だろう。

それでもやる必要があった。

 

だって、ワンチャン私の願いが原因でこの家爆発するかもしれないし。

 

 

キュイ《サチ、タンマ。私が間違ってた。火も包丁も使わないやつにしよう。それか近所のコンビニに買いに行こ》

 

 


 

『ふぁいやぁー』

 


 

 

お、遅かったかぁ。

ドアの隙間から漏れ出る強烈な光と熱気。

不思議と爆風は感じない。

 

急いで駆け込んだドアの先は、火(・)の(・)海(・)が広がっていた。

 

短いながらも楽しかったサチとの生活。

思い出の数々が私の中で浮かんでは消えていく。

 

走馬灯はすぐに終わった。

だってまだ出会って数日だからな。

 

でも重要なのは時間じゃない。

思い出の価値は量より質だろう。

魔法少女絡みの思い出しかないけど…。

 

あんなワガママを言わなければよかった。

 

もっと一緒にいたかった。

 

神様ごめんなさい。

 

もう味の濃いものが食べたいなんてワガママは言わないから、サチを助けてください。

 

なんでもしますから。

 

光と炎の調理場。

 

その中で、『炎』と『鶏肉』と戯れる少(・)女(・)を見た。

 

 

 

……戯れる?

 

 

キュイ《ねぇねぇ、サチちゃん?》

 

「あ、フォル。すぐにできるからもう少し待っててね。ニンニクマシマシカラメマシマシ火力もマシマシで美味しい唐揚げ作るから!」

⚠️ 注意:良い子は真似しないでね

 

キュイ《なんで変身を? 怪我がなさそうでよかったけれど…》

 

台所には『魔法少女ファーブラ』がいた。

 

鶏モモ肉は筋を綺麗に切られて一口サイズになり、タコ殴りにされて柔らかくなる。

 

それを醤油とすり潰されたニンニク、生姜、柚子胡椒、マヨネーズが覆い、中へとじわり染み込んでいく。

 

小麦粉と片栗粉のベールがそれを優しく包み込む。

その姿はまるで純白のドレスに身(鶏肉)を包んだ『魔法少女(鶏肉)』そのもの。

 

魔法少女(鶏肉)の変身に呼応するかのように、油のボトルが宙に浮かび上がる。

 

封印が解かれ、怪人(油)が今までの抑圧された恨みを晴らさんと勢いよく吹き上がる。

 

油の本流は空を舞い、縦横無尽に部屋を練り歩く。

 

怒りのぶつけ先を探す怪人(油)は目標を見つけ、一箇所へ集まっていく。

 

それを迎え打つ『白い魔法少女(小麦粉のついた鶏肉)』。

 

宿命の二人が出会い、今一体となる。

 

そして、

 

 


 

 

『ふぁいあぁー』

 

 


⚠️ 注意:彼女は特殊な訓練など受けていませんが、魔法少女なので問題ありません。

 

 

キュイ《きゅい!?》

 

 

それは一瞬にして燃え上がり、再誕する。

 

油(悪)と鶏肉(正義)が交わり最強に見える。

 

キラキラと輝きを放つ『唐揚げ(魔法少女)』が皿の上に舞い降りた。

 

 

「フォルお待たせ。『ファーブラ特製マジカルウルティメイト唐揚げリバイブ』だよ」

 

キュイ《なんというか色々言いたいことあるけど、なんか強そうな唐揚げだな》

 

まるで映画ハ◯ーポッターのダン◯ルドアvsヴ◯ルデモートばりの魔法演出を目の当たりにした私はむしろ感動していた。

 

まばゆい後光を放つ唐揚げへ恐る恐る手を伸ばす。

これ食べて大丈夫なやつ?

非力な私ではこんな強そうな唐揚げに勝てる気がしないんだけど。

 

「あ、待って最後の仕上げしてなかった」

 

そう言ってサチは唐揚げに一(・)滴(・)の(・)レ(・)モ(・)ン(・)汁(・)を添えた。

 

キュイ《あああああ、レモンダメレモンダメだよサチ!》

 

「えっ、あ、ごめん?」

 

キュイ《大人の世界では、唐揚げにレモンをかけるだけで会社が倒産したり、戦争になったりするんだよ。だからレモンをかける時は相手に許可を取ってからすること。分かった?サチくん》

 

「うう、ごめんなさい」

 

キュイ《分かれば良し。もう一つレモンある?私レモン大好きなんだよね。こっちの大きいやつはサチにあげるよ。頑張って作ってくれたからね。唐揚げやっほい!》

 

「えぇ…でもそうだね。冷めないうちに食べちゃおう。あ、私はレモンダメだから。かけてないところもらうね」

 

 

サクッ

 

 

ちなみに、サチの作ってくれた『ファーブラ特製マジカルウルティメイト唐揚げリバイブ』は中まで火が通っていなかった。

 

一瞬で出来上がったので当然である。

サチの『料理マスター』への道はまだ始まったばかり。

 

 


【 マジカル料理マスターサチ 】 完


 

 

その後、部屋中『油』と『ニンニク』臭くなってしまい、サチはママからたいそう怒られたそうな。

 

キュイ《ワタシシラナイヨ。だってただのワンワンだもの》

 

とはいえ、流石にサチが可哀想なので何かで埋め合わせを考えないとなぁ。

勉強でも見てあげるか?

 

私はお腹いっぱいで眠くなったので、難しいことは明日の自分に任せることにした。

 

 

 

To Be Continued...

 

 


■ おまけ

 

サチには色々助けてもらってばっかりだな。

私からなにか返せるものはないだろうか?

サチとはお互い対等に付き合える友達でいたいからね。

 

 

「えっ、フォルは友達じゃないよ」

 

 

 

・

・

・

 

 

 

キュイ《そんなぁ》

 

私は心停止した。

 

 

「だって、私たちは一心同体(心の友)じゃない! これからも唐揚げ作ってあげるからモフモフさせてね。あと悪の組織も倒すよ」

 

私のマジカル心臓は再び元気よく動き出す。

安堵と嬉しさが同時に押し寄せる。

 

 

キュイ《うう、サチ。それは心臓に悪いよ》

 

 

 

後日現れた悪の組織『怪人コカトリっす』は、新しく開発された必殺技で葬り去られたとさ。

 




■ 次回
悪の組織はここにいる

来週も見てね!!



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