【魔法少女はここにいる】 〜たまたま声をかけた女の子が勝手に魔法少女に変身して悪の組織と闘い始めた時のマスコットの気持ちを述べよ〜 作:私貴方私(Y-ou@so-soなフリー)
それを暴露するものです。
過度な期待をしてください。
過度な期待をしてください。
Side:???
私はどこにでも居る平凡な女だ。
趣味は『魔法少女アニメ』の鑑賞。
『
今日も何一つ変わらない世界を死んだ豚のような瞳で眺める。
最初の頃はまあまあ楽しめた。
他人が撮ったホームビデオを見るような感じだ。
でも私の仕事は観測と記録。
こちらからは何一つ干渉できない。
ホームビデオも
私がこの仕事に着いたのは、『
もちろんそんな美味しい話があるはずない。
そんな話があるなら、この技術が一般普及する前に誰かがやっている。
それがなかった時点でお察しだったのだ。
しかし、バカな私がそれに気づいたのは就職した後だった。
『異世界監視記録機構』
私の
たいそうな名前をしているが、ただ異世界の様子を覗き見て、記録に残すだけの公的機関だ。
ワクワクするような秘密組織や危ない特殊な機関ではない。
『異世界の観測記録は全て一般公開されている』
特殊な情報だったり、機密情報を扱っているわけではない。
そういった意味でも、これは特別な仕事ではない。
異世界の治安を密かに守ったり、世界の裏側で暗躍することもない。
つまんない。
唯一のメリットは一番最初にそれらの情報を見れることだろうか?
情報は鮮度が命。そういうものだろう?
そもそも『異世界の情報』なんて、今の時代では何の価値もない。
金と利権に鼻が効くお偉いさん達が無価値と判断したのだ。間違いない。
『世界統一法』によって基本的に異世界への干渉は禁止されている。
そもそも、
正確には
だから、異世界関連の技術は現代において活用されていない。
まあ、他にも『世界防衛』の観点やらなんやらあるが、命が惜しいなら関わるもんじゃない。
昔、『異世界の技術』を観測してこちらの世界に還元する試みもあった。
しかし、それは全て無駄に終わったらしい。
他世界の技術が、こちらの世界ではどうやっても再現できないのだ。
『あらゆる物が下に向かって常に動き続ける』
『世界が定期的に真っ暗になる』
『世界が球体になっている』
それでも私達人間のような姿の存在が、同じような暮らしをしている。
この異世界調査プロジェクトによって暴かれた世界の法則とは、
という事実だった。
だから、私たちはこれらの観測世界を『異世界』と定義した。
しかし、この『異世界』。
『物理法則すら異なる』事実がある上で、なぜか結果だけは類似したものに収束しており、見た目だけなら『並行世界』に見えるのだ。
つまり、
この技術が確立された当時、異世界の存在に盛り上がっていたオタク界隈もすぐに沈静化してしまった。
空想上の存在でしかない。
夢も希望もない。
それが現代最高峰の技術者たちが出した結論である。
だから、『
『自分で想像した物』をそのまま『現実世界に具現化できる』ようになった現代人たち。
欲望を自由に満たせるようになった彼らは、異世界に夢を見なくなった。
それでも私のような一部の熱狂的な魔法少女オタクやヒーローオタクは異世界監視の仕事を頑張って続けている。
『本物は存在する』という一縷の望みに縋って。
正直給料は低い。
息の詰まるような部屋の中で、たくさんのモニターに囲まれながら24時間異世界を眺める。
第二旧石器時代では、『24時間働く』という行為は違法だったらしい。
今ではみんな当たり前のように軽くやってることだ。
だって疲れないから。
1256年前、第二旧石器時代を終わらせた『アバター』という技術が確立され、『仮想高質化五次元プリンター』が一般普及したことで、生まれた時に待っている肉体の価値は無くなった。
旧時代とのあまりにもかけ離れた生活水準の差に、アバター技術発明前の時代を『第二旧石器時代』と呼ぶようになった。
人は死ななく老いなくなり、自由に思い描いたものになれるこの技術は、
一昔前まで空想と言われていた『アニメ』も『映画』も『漫画』も、同じくただの現実となった。
今では誰もが好きな自分になり、好きな人生を、好きなだけ生きている。
でもそれは
私は『魔法少女』が好きなのであって、私が『魔法少女』になりたいわけじゃない。
『異世界監視記録機構』のオタクたちも同じなのだろう。
私たちはあくまで『読者』である。
『作者』でも、『役者』でも、『監督』でもない。
『当事者』になりたいわけじゃない。
同じ世界にいたい。推しが実在することを実感したい。背景にチラッと映り込むモブとなって推しと同じ空気を吸っていたい。あ、あわよくば推しが結婚して子供ができ、その子孫がその後紡いでいくストーリーも見たい。あと、推しが死後に天国でどう過ごしてるかも知りたい。たまに子孫に呼び出されて共闘したりしちゃてね。へへへ。
私たちの願いはたったそれだけ。
それだけの些細な願いだ。
空想と現実が近づき過ぎた私たちの世界で、オタク文化というものは自然消滅していった。
だって、自分でいくらでも新しく生み出して体験できるのだから。
『創作』とは、不満やストレスから生まれるものだ。
創作者が持つ。創作意欲も、大ヒット作を出したい野望も、たくさんいいねを貰いたい承認欲求も、何もかも自分が生み出すアバターで賄える。
だから、赤の他人に見せる意味はない。
他人もそれを欲しがらない。
だって自分が見たいものは自分で生み出せるから。
現実にはない。
だから、自分で作る。
この展開が気に入らない。
だから、自分で改変する。
それをいくらでも自分で作って体験できる。
だから、他人の妄想の産物なんていらない。
人々は必要としなくなってしまったのだ。
それでも生き残ったオタク達。
それが私達、『本物の魔法少女が活躍する場面を間近で見たい』オタクだ。
この時代の異端児達。
自分で生み出したものではなく、他者が生み出したものに価値を見出す。
それが天然であれば、目玉がとろけ出るくらい嬉しい。
そんな夢見る我々は今日も異世界を覗く。
これまではそうだった。
これからもそうだと思っていた。
その声を拾えたのは奇跡だった。
私が作った魔法少女を見つけるシステム。
通称『まほここ』。
数多の異世界で呟かれた『魔法少女』に関連するつぶやきやシチュエーションを収集し、CHAT-GPT45XXによって要約&関連強度付けされ、その上位100件を私の頭の中に常時垂れ流し続けるシステムだ。
そこに映される脅威の
ありえない。
ここまで魔法少女が現れるシチュエーションと完全一致した事例は、ここ150年観測していない。
本物の『魔法少女』に会えるかもしれない。
これは奇跡だ。
『魔法少女率99.99999%』
これは天文学的数学だ。
今までは高くても67.63%くらいだった。
それも異世界の魔法少女アニメや着ぐるみイベントが引っかかっていただけだ。
私の全てはこの時のために存在していたのだ。
私は決断した。
端末を操作し、とある操作を実行するコードを入力する。
■ 次回
おねぇちゃんアワアワネコネコ大パニック
また明日!!
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