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「いらっしゃいませー。「「いらっしゃいませー」」2名様ですか? ……はい、お先に「
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピ、ピッ。
「ありがとうございます。2名様
夕方の八時半といえば、飲食業的には一番忙しい時間帯だ。まあとはいえ、業務内容は簡単な方だし今日は程よいお客さんの入り具合だから楽なもんである。
丁度茹で麺機が空いたところだから2名分をそのまま入れてしまおう。Wは2玉、大は1.5玉。タイマーをスタート。
ちょっとした手の空く時間に何気なく店内を見回す。空きは5、10、11卓。7、8、9、14卓はそろそろ空くな。
……なぜ3番卓に八木沼
彼女の隣に妹がいるのは最早なにも言うまい。上から下までがっつり変装しているつもりだろうが、なんの意味もない。
そんなことを考えているうちに
「いらっしゃいませー!「「いらっしゃいませー」」何名様でいらっ…4人で。四名様ご来店です!」「「ありがとうございます」」
ちょうど
温めておいたどんぶりに油とタレを入れて、湯切りした麺を容れる。なんのトッピングも買ってないようだが、サービスでネギゴマと温泉卵を乗せてやろう。店長もこんなことくらいなら怒りはしない。というかバイト始めて2ヶ月の大学生に麺場任せてシフト組んでるの本当におかしいだろ。
「お待たせしました。こちらが油そば大盛りで、こちらがダブル盛りになります。ごゆっくりどうぞー」「「ごゆっくりどうぞー」!」
「えっ。お兄ちゃん私たちこれ」
「良いから黙って食え」
「ウッス、あざっす」
「ありがとうございます!」
「うむ」
「4名様並Bと大大Wです!」「「ありがとうございます」」
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このあと立て続けに4人グループが来たおかげで気付いたら二人は帰っており、さして気にもせず気付けば閉めの時間になっていた。今日はよりにもよって、
この人は悪いひとではないというか寧ろいい人なのだが、キャピキャピのメンタル陽キャなので勝手に苦手意識を持っているだけである。あと普通に彼氏いる筈なのに、たまにサシ呑みに誘ってくるから本当に怖い。なんで?
「じゃあ私いつも通り清掃やるから会計とか日報とかがんばってね~」
「毎回思うんですけど肉体労働の方を自分がやるべきじゃないっすか?」
「入って暫くした頃に西田さんにやってみる? って言われてやってみたんだけど、何回やっても計算合わなかったり、要領悪いの自分でもわかったから触らないことにしたんだよね~」
「そっすか。なんか年下でしかも男なのに、ってちょっとおもっちゃうんですよね」
「あはは! 考えすぎ~。こっちも無理いって深夜のシフトに入れてもらってるんだから、これくらいはやらないとね。適材適所ってやつよ」
「まあ、終わったらすぐ手伝うんで仕事残しといて下さい」
「えー。じゃあ意地でも終わらせよー」
「……」
バンダナのうしろから伸びているポニーテールを弾ませながらそそくさと店内の清掃に逃げていった井藤さんを横目に、可能な限り早く日報を終わらせようと少ない脳みそをフル回転させた。