ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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なんとか完結まで頑張っていきたいと思います。


プロローグ

 超一星龍との戦いから一年…ベジータは日課のトレーニングを終え、自室のベッドの上で寝転んでいた。

 

 今、地球は平和そのものだ。愛する妻も、息子も、娘も、誰もが平和を謳歌している。

 だが…その世界の何処にも、ベジータにとって一番のライバルであり目標でもあった、あの男の姿はない。

 

「………カカロット………」

 

 目を閉じれば、今でも鮮明に浮かんで来る。

奴との出会い、死闘、再会、共闘、そして…別れ。

 

「…結局、俺は…一度も貴様を追い抜く事は出来なかったな…」

 

 少なくとも、ベジータは一度も悟空に勝った事があるとは思っていない。

 悟空や悟飯からしてみれば、最初の戦いはベジータの負けとはとても言えた物ではないが、少なくともベジータにとってあの戦いは負けでしかないのだ。

 

 その後、ナメック星で再会した時には信じられない程の差が生じていた。

 サイヤ人の特性ですぐに追いついたかと思えば、悟空も同じようにサイヤ人の特性で自分を遥かに上回る実力を得た。それこそ、当時の自分が全く歯が立たなかったフリーザと戦える程に。

 そして、自分が蘇った頃には伝説のスーパーサイヤ人にすら目覚めていた。

 

 それ以降、ベジータはどんなに頑張っても悟空に追いつく事は叶わなかった。

 

 人造人間の戦いの時、悟空とベジータはそれぞれ精神と時の部屋に入り、修行を行った。

 だが、ベジータは二日間フルに時間を使ったと言うのに、たった一日しか入っていない悟空に大きく引けを取っていた。そればかりか、息子の悟飯にさえも。

 

 その戦いから7年後、セルとの戦いで戦死した悟空が一度だけ現世に帰って来た時、ベジータは悟空と再戦する事が出来た。

 バビディの魔術に頼る事は屈辱極まりなかったが、それでも真の力を解放したベジータは悟空と互角の勝負を行う事が出来た。

 

 だが、それは幻想だった。

 

 家族の為、自爆をしてまで魔人ブウを葬ろうとしたベジータだが、その脅威の再生能力の前に失敗してしまった。

 その後、ベジータはあの世から現世の動向を見守っていたが、悟空は魔人ブウとの戦いにおいて自分と戦っていた時よりも遥かに戦闘力が上の新形態、スーパーサイヤ人3に変身した。自分との死闘から一日も経っていないのに、急激にパワーアップなど出来る筈がない。つまり、悟空は最初からスーパーサイヤ人3に変身出来た。悟空はベジータとの戦いで手を抜いていたのだ。

 

 無論、悟空にも時間制限や様々な理由があったのだが、結局の所、ベジータは悟空に手加減されていた事に変わりはない。その事実はベジータのプライドを酷く傷つけた。

 

 その後、本来の姿に戻った魔人ブウとの戦いでも、ベジータは悟空程魔人ブウと戦えなかった。

 もし悟空側に生身等の制約が無ければ、元気玉を使わずとも悟空は魔人ブウに勝てていたが、ベジータにそれが出来たかと言われれば、絶対に不可能だ。

 

 それ以降も悟空はスーパーサイヤ人4に目覚め、ベビーやスーパー17号、邪悪龍と言う強敵達と戦い抜いた。

 だが、自分はどうだ?ベビーとの戦いでは肉体を乗っ取られて良いように使われ、スーパー17号には手も足も出なかった。

 一星龍との戦いではスーパーサイヤ人4に変身出来たが、それはブルマの開発したブルーツ波照射装置のサポートがあってこそだ。

 純粋な実力で悟空に並べたとは言い難いだろう。

 

 そして、悟空は超一星龍を倒した後、神龍と共にその姿を消した。

 

 ベジータにはわかっていた。

 もう二度と、自分は…自分達は悟空に会う事はないと言う事を。それは、死んだ後であろうと変わらない。

 悟空は現世ともあの世とも違う、遠い何処かへ行ってしまったのだ。

 

「…せめて、もう一度だけ…貴様と対等な条件で戦いたかったぜ…」

 

 それは、ベジータの唯一の心残りだった。

 ベジータは超一星龍と戦う中、こうも思っていた。スーパーサイヤ人4に変身した悟空と、心置きなく全力で戦ってみたいと。

 

 そう思わせる程、スーパーサイヤ人4の悟空はベジータの心を熱くした。

 久々にサイヤ人としての本能が燃え上がる気分だった。

 

 だが、それは決して叶わぬ願いだ。悟空はもう…この世の何処にもいないのだから…

 

「クソッタレめ…」

 

 その後、睡魔に負けたベジータは、その意識を手放した…

 

 

 

 

 

 

 

 

「…い………ータ、………るのか!?」

 

 遠くから誰かの声が聞こえる。聞き覚えがあるような気もするが、思い出せない。誰だ、この声は…?

 

「…ジータ!!…い!!……じをしろ!!」

 

「う、うぅん…」

 

 本当に誰の声だ?ブルマの声ではない…それに、トランクスでもなければブラでもない。しかし、遠い何処かで聞いた事があるような、ないような…

 

 確か、弱虫なんとかって呼んで馬鹿にしていた覚えが…

 

「おい、ベジータ!!いい加減にしろ!!返事くらいしたらどうなんだ!?」

 

「はっはっは!!ベジータは弱虫ラディッツの話なんざ聞く気はねぇってよ!!」

 

「お、俺をその名で呼ぶなっ!!」

 

 そうだ、弱虫ラディッツだ!!まだフリーザ軍にいた頃、ラディッツをそう呼んでいたな。懐かしい話だ…そうそう、ラディッツは確か、こんな顔をしていたな。弟であるカカロットとは天と地どころか地獄と界王神界程の開きがある情けない奴で…

 

 いや、待て。何故俺の目の前にラディッツがいる?こいつはそれこそ三十年以上前に死んだ筈だ。仮に死人が復活する事件で蘇っていたとしても、誰かしらがとっくに倒している筈だ。

 いくら修行を怠けがちな悟飯、悟天、トランクスと言えど、こんな奴に引けを取るとは思えない。それこそ悟飯の娘のパンですら簡単に倒せるだろう。

 

 …そもそも何かおかしくないか?なんだ、この景色は?俺の部屋はこんな所じゃなかった筈だ。それに何故ベッドで寝ていた筈なのに、変な異星人と思われる奴の遺体を椅子代わりにして座っている?そんな事をした覚えは全くないぞ。

 なるほど、読めたぞ。これは夢だな。昨日は珍しくおセンチな気分になってたから、そのせいで懐かしい夢でも見ているんだろう。全く、我ながら情けない…

 

「ベジータ、どうしたんだ?疲れでも溜まってんのか?お前らしくもねぇ」

 

「………ふおおおおお!?」

 

 いきなり視界に入って来たナッパを見て、情けない声を出すベジータ。そして、まだベジータは気付いていなかった。自分の着ている服が、かつてフリーザ軍に居た頃に支給されていた戦闘服である事…そして、無くした筈の尻尾が生えている事に…

 

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