ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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覚醒 スーパーサイヤ人

「まずはあいつそっくりな顔をしている貴様から消してやる!!死ねっ!!」

 

 真っ直ぐ突撃して来る悟空の眉間に狙いを定め、デスビームを放つフリーザ。しかし悟空は急停止すると左腕を振るい、デスビームを軽々と弾き飛ばしてしまった。

 

「何!?」

 

「貰ったぁ!!」

 

 背後に回り込んでいたラディッツが蹴りを放つが、ギリギリで回避し、空中へ逃れるフリーザ。だがその行動を読んでいた悟空に先回りされ、そのまま殴り飛ばされた。更にそこへラディッツの放ったサタデークラッシュが直撃する。

 

「ちっ、まさか猿どもにここまで追い込まれる事になるとは……やはりあの時惑星ベジータを滅ぼして正解だった!!」

 

「隙有りだフリーザ!!せぇい!!」

 

「隙?違うね、これは余裕と言うものだ!!」

 

 同時に殴り掛かって来た悟空とラディッツを、超能力によって金縛りにかけるフリーザ。その瞬間二人の動きが空中でピタリと止まってしまった。

 

「がっ!?」

 

「う、動けん!!」

 

「調子に乗るなよ猿ども。確かに先程よりだいぶ強くなったようだが、お前達の動きを封じる事くらい簡単に……」

 

「魔閃光っ!!」

 

「爆力魔波!!」

 

「何っ!?」

 

 フリーザの背中に、悟飯とピッコロの放った気功波が直撃する。意識を完全に悟空とラディッツに集中していたフリーザは対処出来ず、僅かながらダメージを受けてしまった。

 

「くっ、ゴミどもが!!まだウロチョロしていやがったのか!!」

 

「余所見してんじゃねぇ、フリーザ!!」

 

「しまっ……!?おぐっ!!」

 

 悟飯達に意識を向けてしまった事で、悟空達に金縛りを脱出されてしまい、二人のダブルパンチがフリーザの顔面に叩き込まれた。

 即座に空中で体制を立て直すも、界王拳の倍率を10倍まで引き上げた二人の猛攻を受ける。

 

「くそっ、やはり徒党を組まれると厄介だ!!」

 

「お、オラ達二人が10倍界王拳を使って同時に攻めてるのに、全部防いでやがる……!!」

 

「ちっ、流石は宇宙の帝王と言った所か!!」

 

「猿どもめっ!!」

 

 気を解放し、強引に悟空とラディッツを吹き飛ばすと、右腕にエネルギーを収束するフリーザ。

 

「いつまでも良い気になるなよっ!!」

 

 叫びと共に、フリーザは右腕を振り下ろす。悟空とラディッツは咄嗟に回避したが、その手刀の威力は凄まじく、海ごと地平線の彼方まで切り裂かれていた。

 

「なっ……!?」

 

「ま、まるで星ごと引き裂いたみたいだ……!!」

 

「クックック……見たか猿ども。このフリーザが少し本気を出せば、このくらいは簡単に出来るんだ。どう足掻いても貴様等程度では勝つ事は出来ないんだよ!!」

 

「……それはどうかな。俺達もまだ本気を出した訳ではないぞ?」

 

「兄ちゃん?」

 

「まだ減らず口を叩く元気があるのか。それも恐怖のあまり頭がおかしくなったか?」

 

「カカロット、界王拳を20倍まで引き上げるぞ。」

 

「に、20倍!?」

 

「今の俺達なら、20倍界王拳にも耐えられる筈だ。いくらフリーザと言えど、20倍界王拳を使った俺達を同時に相手にする事は出来まい……!!」

 

「……わかった。それに、他に手は残されてねぇみたいだしな……行くぜ!!」

 

「何をぶつぶつと喋っている?どうせ兄弟仲良く地獄へ行く事になるんだ。無駄な作戦会議などせず、とっとと死んだらどうだ?」

 

「そいつはどうだろうな……うおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 二人の叫びを上げると、これまでとは比較にならない程二人の気が上昇を始める。そして気の高まりと共にナメック星全体が震え、空に浮かぶ雲が突風により吹き飛ばされて行く。

 やがて、二人の身体から凄まじい赤い気が吹き出し、その衝撃波にフリーザは思わず後退りしてしまう。

 

「ぐっ!?こ、これは……!!」

 

「20倍界王拳っ!!!!うおおおおおおっ!!!!」

 

「ぐわぁっ!?」

 

 20倍界王拳を発動すると同時に、悟空が気合砲を放った。想定外のスピードにガード出来なかったフリーザは気合砲をもろに受けてしまい、凄まじい勢いで吹き飛ばされる。

 だが、フリーザが吹っ飛ばされる速度よりも速くラディッツが接近し、アッパーを顎に打ち込み、その隙に背後に回っていた悟空がダブルスレッジハンマーでフリーザを叩き落とした。

 

「な、何なんだこいつ等は!?死の淵から蘇った訳でもないのに、何故こんな急激に戦闘力が上がるんだ!?」

 

「でりゃあ!!」

 

「くたばれフリーザァッ!!」

 

「ぐっ!?こ、この!!」

 

 落下中のフリーザを追撃する二人の眉間目掛け、即座にデスビームを連射する。だが、デスビームが撃ち抜いた二人は残像であり、本体は二手に分かれて、左右からそれぞれフリーザの側頭部に肘打ちを挟み撃ちの形で食らわせた。

 

「ぬっ、ぐっ……お、おおぉぉぉ……!?」

 

 脳に凄まじい衝撃を受け、頭を抑えてふらつくフリーザ。だが間髪入れずに悟空がフリーザの尻尾を掴むと、そのままぐるぐると振り回し始めた。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?は、離せぇ!!」

 

「うおおおおおおおおお!!でやぁぁぁっ!!」

 

 ハンマー投げの要領で、フリーザを投げ飛ばす悟空。そして悟空がフリーザを離した瞬間に、ラディッツがダブルサンデーをフリーザの胴体に叩き込み、そのままフリーザは数キロは離れた無人島に激突。その衝撃のあまり、島全体が瓦礫の山と化してしまう。

 悟空とラディッツは油断無く瓦礫の山を注視していたが、やがて瓦礫が吹き飛ばされると、怒りの形相を浮かべたフリーザが紫のオーラを纏って飛び出して来た。

 

「目障りな猿どもが!!もうここまでだっ!!この星諸共、貴様等をゴミにしてくれるっ!!」

 

 この時点で、フリーザの怒りは限界に達していた。その結果、この星諸共サイヤ人を消し飛ばすと宣言する。だが、決して彼は自棄を起こした訳ではない。何せドラゴンボールは地球にもあるのだ。

 目障りな猿を滅ぼした後、地球のドラゴンボールを使って不老不死になればそれで良い。フリーザはそう考えていた。

 最も、ピッコロが死ねば一心同体の神も死に、どの道ドラゴンボールは消滅するのだが、その事についてフリーザは知る由もなかった。

 

 そしてフリーザが天に腕を翳すと、人差し指と中指の先端に、小型の太陽のようなエネルギー弾が作り出された。そのエネルギー弾に収束された凄まじい量の気を感じ取り、悟空達は一瞬にして青褪めてしまう。

見た目は小さいが、あのエネルギー弾が地表に激突すれば、ナメック星は粉々に吹き飛んでしまうだろう。

 

「考えやがったな、この野郎っ!!」

 

「カカロット、ここはあれをやるぞ!!気を合わせるのだ!!」

 

「おうっ!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 二人の気が、更に激しく高まって行く。そして、二人は全く同じ技の構えを取った。

 

「かぁぁぁぁ……めぇぇぇぇ……!!」

 

「終わりだ猿ども!!この星ごと……」

 

「はぁぁぁぁ……めぇぇぇぇ……!!」

 

「消えてなくなれぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

「「波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」

 

 フリーザが腕を振り下ろすと共に、星を消し飛す恐怖のエネルギー弾、デスボールがナメック星の地表目掛けて放たれる。それを押し返すべく、悟空とラディッツが全力のダブルかめはめ波を放ち、デスボールと二つの気功波が激突した。

 

「猿どもめ、まだ足掻くか!!だが、どれだけ頑張ろうと所詮猿は猿!!愚かな父親と同じ末路を辿るが良いっ!!はぁぁぁっ!!!!」

 

 両腕を振り下ろすと、デスボールに更なるエネルギーを注ぐフリーザ。するとデスボールは更に巨大化し、ダブルかめはめ波をあっという間に押し返してしまう。このままではそう時間を置かず、二人は消し飛ばされてしまうだろう。

 

「ぐ、ぐぐぐっ!!な、なんて力だ……!!」

 

「ば、化け物めぇ!!」

 

「はーはっはっはっはっは!!ざまぁみろ!!今度こそサイヤ人は絶滅……」

 

 言葉の途中、フリーザに二つの気功波が叩き込まれた。何事かと顔を向けると、悟飯とピッコロがそれぞれ腕を構えていた。

 

「き、貴様等!?」

 

「フン、さっきから注意力散漫だぜ、宇宙の帝王さんよ。」

 

「今だカカロット!!」

 

「おうっ!!界王拳……30倍だぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 フリーザの注意がピッコロ達に向いた隙を突き、界王拳の倍率を30倍まで引き上げる悟空とラディッツ。それに合わせてダブルかめはめ波も一気に威力が跳ね上がり、遂にデスボールを貫いた。

 

「し、しまった!?」

 

 デスボールを貫通したダブルかめはめ波は、一直線にフリーザへと向かって行く。すぐさまフリーザは両腕でダブルかめはめ波を受け止めたが、あまりの破壊力にジリジリと押されて行く。

 

「こ、こんなもの……こんなものぉっ!!」

 

 必死にダブルかめはめ波を押し返そうと力を込めるが、どんどん空高く押されて行く。この時ばかりはフリーザはプライドをかなぐり捨て、全力を出していた。

 それでも、押し返す事が出来ない。やがて、フリーザの表情が絶望へと変わる。

 

「この、猿野郎どもがぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 絶叫と共にダブルかめはめ波に飲み込まれるフリーザ。そのまま空高くまで気功波は昇って行き、やがて大爆発を起こした。

 

 

 

 その頃、フリーザの兄であるクウラは、ベジータに一方的にボコボコにされていた。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 雄叫びと共に猛攻を仕掛けるクウラ。しかしベジータは腕を組んだままの姿勢で全て回避されてしまい、鼻っ柱にパンチを叩き込まれると、信じられない速度で吹っ飛ばされた。

 

「ぐおおおおおおおおおっ!?」

 

「むっ、いかん。力を入れ過ぎたか。こいつ相手だとどの程度が適切なのかわからんな……」

 

 そう呟くと、ナメック星を一週してベジータの背後まで吹っ飛んできたクウラの後頭部に裏拳を叩き込み、今度は逆方向に吹っ飛ばすベジータ。

 そのまま再度ナメック星を一周するかと思われたが、今度は急ブレーキを掛け、どうにか吹っ飛ばされずに済んだ。

 

「はぁ……はぁ……つ、強い……ふ、フリーザを遥かに超えている……!!まさか貴様、伝説のスーパーサイヤ人なのか!?」

 

「伝説のスーパーサイヤ人だと……?」

 

 その言葉を聞き、ベジータの脳裏にあるサイヤ人の姿が浮かび上がった。

 

 

『まずお前から血祭りにあげてやる。』

 

『お前だけは簡単には死なさんぞ。』

 

『所詮、屑は屑なのだ。はははははは!!!!』

 

 

「……失礼な事を言うな!!俺はあんな化け物じゃない!!」

 

「化け物?貴様、もしかして伝説のスーパーサイヤ人を知っているのか?」

 

「フン、そんな事貴様には関係ないだろう。そんな事よりさっさと本気を出したらどうだ?」

 

「なっ……き、貴様、俺が弟よりもう一段階多く変身出来るのを知っているのか!?何故だ!!」

 

「貴様に言う義理はない。」

 

「……い、良いだろう。変身について知っていようといまいと、貴様が辿る末路は一つなのだからな!!光栄に思うが良い、俺様の真の姿を見られるのは、貴様が最初で最期だ!!うおおおおおお!!!!」

 

(ん?フリーザの気が大きく低下していく。まさか、スーパーサイヤ人になる事なく倒してしまったか?いかんな、流石に強くし過ぎたか……まぁいい。こうなったらプランBだ。こいつを片付けたらカカロットにスーパーサイヤ人を見せるとしよう。)

 

 クウラが真の姿に変身している最中、ベジータは考え事をしていたので全く変身シーンを見ていなかった。そして変身を遂げたクウラが凄まじいオーラを纏い、ベジータを見下ろす。

 

「待たせたな、ベジータ。さぁ覚悟は……むっ!?」

 

 その時、クウラの背筋が凍りついた。何とベジータは変な顔をして無防備な姿を曝け出していたのだ。

 

(あ、あの顔は俺を殴り飛ばした時と同じ!!クッ、また危うく騙される所だった。あれは奴の罠だ!!あの顔を見た相手が馬鹿にされたか隙だらけだと判断して殴り掛かって来た所に、恐ろしい程の破壊力を持った高速カウンターを叩き込む、恐るべき奴のカウンター技……!!だが甘いな、ベジータ!!二度もその技を食らう俺ではない!!)

 

 冷や汗を流しつつ、空高く上昇するクウラ。そして右手を天に翳すと、巨大なエネルギー弾、スーパーノヴァを作り上げた。

 

「ふはははは!!残念だったなベジータ!!貴様の思惑通りにはいかんぞ!!」

 

「……ん?なんだ?」

 

「油断を誘いカウンターを叩き込むその技は見事なものだが、二度も使ったのが間違いだったな!!どうだこのエネルギー弾は!!これならカウンターを打つ事も出来まいっ!!」

 

(こいつはいったい何を言っているんだ……?)

 

「貴様の強さに敬意を表し、一瞬で終わりにしてやる!!さらばだぁっ!!!!」

 

 腕を振り下し、スーパーノヴァを発射しようとするクウラ。だが、腕を下ろしたタイミングでスーパーノヴァに小さな気功波が叩き込まれたかと思うと、そのままスーパーノヴァは大爆発を起こしてしまい、綺麗さっぱり消滅した。

 

「な、何!?お、俺のスーパーノヴァが!!」

 

「全く、不利になると星を消そうとするのは兄弟一緒か……傍迷惑な奴等だぜ。」

 

(しっ、信じられん!!俺の渾身の一撃をこうも簡単に!?お、俺はいったい何を相手にしていると言うのだ!?)

 

 

 クウラがベジータに恐怖を感じ始めた少し前、フリーザはダブルかめはめ波を受け、空に吹っ飛ばされていた。だがそこへ気功波が打ち込まれた事によりダブルかめはめ波は爆発、フリーザはどうにか解放された。

 

「フン、宇宙の帝王ともあろうお方が、随分みっともない姿になってるじゃないか。」

 

「うっ……がはぁっ……!!はぁ、はぁ……き、貴様はさっきの!?いや、違う……き、貴様か、宇宙船から抜け出したサイヤ人は!?」

 

「ご名答……俺の名はターレス。あんたが戦っていたカカロットとは別人さ。」

 

「くっ、ここにも猿がまだ居たとは……!!」

 

「おっと、早まるなよフリーザ様。俺とあんたの目的は同じなんだぜ?」

 

「目的だと?」

 

「俺もカカロットの野郎には復讐したくてね……そこであんたに手を貸してやろうと思ったのさ。現にさっき、あんたを助けてやっただろう?」

 

「フン、猿がこの俺の味方をするだと?そんな話、この俺が信じるとでも思っているのか!!」

 

「そう邪険にするなよ……それに、いかにあんたと言えどそこまで負傷していて、奴等に勝てるのか?」

 

「………」

 

「そこであんたに朗報だ。こいつを受け取りな!!」

 

 懐から神精樹の実を取り出し、フリーザに投げ渡すターレス。

 

「……なんだ、この木の実は?」

 

「そいつは神精樹の実って言ってな……一口食うだけで、とてつもないパワーを得る事が出来るのさ。」

 

「こんな木の実を食うだけでだと……?そんな馬鹿な話、信じられるか!!」

 

「信じないのなら好きにしな。それでそのダメージを受けたままカカロットに挑み、殺されるが良いさ。」

 

「ぐっ……!!い、良いだろう……ここは貴様に利用されておいてやる。だが、いつまでも高みの見物が出来ると思うなよ?奴等を始末した次は貴様の番だと言う事を忘れるな!!」

 

「ククク……健闘を祈っているぜ。」

 

 ターレスがその場を離れた後、フリーザは意を決して神精樹の実に齧り付いた。そして神精樹の実を飲み込んだ瞬間、フリーザの筋肉が膨れ上がり、戦闘力が激しく上昇する。

 

「お、おおぉぉぉぉぉぉぉ!?ぜ、全身から凄まじいパワーを感じるっ!!こ、これなら……これなら勝てるっ!!猿野郎どもは勿論、クウラさえ今の俺の敵ではない!!ふふふふ、ふはははははは!!!!待っていろよ猿ども!!さっき受けた借りを返してやる!!」

 

 

 その頃、悟空達は突如上空でフリーザの気が復活……いや、先程までとは比べ物にならない程大きくなったのを感じ取っていた。

 

「な、なんだ、この気は!?フリーザの気がとんでもなく上がっりやがったぞ!!」

 

「い、いったい何が……はっ!?まさかターレスの奴、フリーザにあの実を!?」

 

「っ!!悟空、避けろーーーっ!!」

 

 咄嗟に悟空を突き飛ばすピッコロ。次の瞬間、ピッコロの胸が光線で撃ち抜かれてしまった。

 

「ぴ、ピッコロ!?」

 

「ピッコロさぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

「ふ、フリーザ……!!」

 

 身体を震わせながら空を見上げる悟空とラディッツ。その視線の先には、恐ろしい程強大なオーラを纏ったフリーザが残忍な笑みを浮かべて悟空達を見下ろしていた。

 

「さっきはよくもやってくれたな、猿ども……流石の俺も死ぬかと思ったぞ……?このフリーザが、貴様等猿野郎なんかに殺され掛けたんだ!!」

 

「……に、兄ちゃん、悟飯とデンデを頼む……ここはオラが命懸けで食い止めるから、ベジータを呼んで来るんだ!!」

 

「なっ、何を言い出すんだ、カカロット!?」

 

「い、嫌だ!!僕も戦う!!ピッコロさんの仇を討つんだ!!」

 

「ガタガタ言うな!!みんな揃って死にてえか!!い、今のあいつには、30倍の界王拳を使ったって勝ち目はねぇんだ…!!」

 

「カカロット、お前……」

 

「貴様等を逃すと思っているのか?一匹たりとも生かしては帰さんぞ!!」

 

 フリーザの一瞬にして掻き消えたかと思うと、次の瞬間には悟空の真横に現れていた。

 

「死ねっ!!」

 

 悟空が反応する暇も与えず、手刀を振り下ろすフリーザ。だが、背後からラディッツがフリーザに飛び掛かるとフリーザを抱き締め、強引に動きを止めた。

 

「っ!?貴様、離せっ!!」

 

 怒りの形相を浮かべ、ラディッツの脇腹に連続で肘を打ちつけるフリーザ。その威力のあまりラディッツは吐血してしまうが、それでもフリーザを離そうとはしなかった。

 

「ぐっ、がはっ!!へ、へへ……絶対に離さんぞ、フリーザ!!貴様には……貴様には俺と一緒に死んで貰う!!」

 

「何っ!?」

 

「カカロット、後は俺に任せろ……お前は……お前は悟飯と共に地球へ帰るんだ……!!良いな?絶対に、絶対に生きて帰るんだぞ!!」

 

「兄ちゃん、何を!?」

 

 返事をせず、フリーザを抱き締めたまま、空高くへ飛んでいくラディッツ。そして、身体の中に限界以上に気を収束させて行く。

 

「さらばだカカロット!!!!うおおおおおおおおおっ!!!!」

 

 雄叫びを上げると共に、一気に気を解き放つラディッツ。次の瞬間、解放された気は大爆発を起こし、周囲を焼き尽くした。

 

「に、兄ちゃん……!!」

 

 愕然としながら爆発を見上げている悟空と悟飯。ラディッツの気は完全に消滅している。あれではもう、生きてはいないだろう。だが、消えた気はあくまでラディッツの物だけだ。

 爆風の中から無傷のフリーザが飛び出すと悟空達の前に着地し、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

「ククククク……残念だったな、今の俺に猿の自爆程度じゃ通用しない。お前の父も、兄も、あのナッパも、みんな無駄死にだ!!」

 

「……よくも……」

 

「本当に素晴らしいぞ、この実は!!これさえあればクウラは勿論、あの目障りな破壊神すら目ではない!!ふはははははは!!」

 

「そ、そんな……伯父さんまで……」

 

「そう悲しむ事はない。すぐに一族全員あの世で再会する事になるんだからなぁ……!!さぁ、次はどっちが死にたい?ガキの方か?」

 

 絶望の表情を浮かべ、膝をつく悟飯をニヤニヤ笑いながらフリーザは見下ろした。だが、すぐに異変に気がついた。どうにも悟空の様子がおかしい。

 30倍界王拳を放った事で気がドン底に落ちていた筈なのに、今までとは比べ物にならない程のプレッシャーを放っていた。

 

「な、なんだ……?」

 

「ゆ……許さん……!!よくも、よくも兄ちゃんを……!!」

 

 悟空の気が、かつてない程に昂り上昇して行く。ただ俯いているだけだと言うのに、気が高まって行くと共に大地は地割れを起こし、海は荒れ狂い、雲からはいくつも雷が落ちていた。

 そして気が高まるのと共に悟空の髪が逆立ち、一瞬金髪に変化したかと思うとすぐに黒髪に戻ると言う変化を何度も起こし、やがてその変化が起きるまでの間隔が短くなっていく。

 

「よくも……よくもぉっ……!!」

 

 天変地異をも起こす悟空の変化に、悟飯もフリーザも全く動く事が出来ず、ただただ唖然と見つめ続けていた。

 

「くっ……うぅぅぅぅ……!!だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 遂に悟空の怒りと悲しみは限界を超え、咆哮を上げると共に高まっていた気が解放される。

 その瞬間悟空の纏っていた気のオーラが黄金に変化し、髪も黒髪から金髪へ、瞳は黒色から碧色へと変化した。

 

「っ!!な、何ぃっ!?」

 

 悟空の変化に、フリーザは驚愕していた。こんな変化を起こすサイヤ人など、フリーザはこれまで一度も見た事がないからだ。

 

「……悟飯、デンデ、ピッコロは微かにまだ生きている。すぐにこの場から離れるんだ……」

 

「あ、あ……」

 

「……俺の理性が少しでも残っている内に、とっととここから消えるんだっ!!」

 

「っ!?は、はいっ!!で、デンデ!!」

 

「はい!!」

 

 悟空のあまりの剣幕に、それ以上は何も言わず、大人しくピッコロを連れて行く悟飯とデンデ。

 そして悟空は怒りと悲しみを宿した瞳でフリーザを睨み付けた。ナメック星における戦いの終わりは近い……




強さ的に言うと

超サイヤ人悟空(今作)>>>>フルパワーフリーザ(神精樹)>>>超サイヤ人悟空(原作)>>フルパワーフリーザ(原作)>>>>30倍界王拳悟空&ラディッツ

こんな感じで考えてます。
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