ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ 作:ゴロリコン
クウラの猛攻を腕を組みながら回避しているベジータ。その時、悟空の気が一気に上昇して行くのを感じ取った。
(カカロットの気が一気に跳ね上がった……!!どうやらスーパーサイヤ人に目覚めたようだな……ラディッツの気が消えたのを考えると、きっかけは奴の死と言う事か……)
(奴の高速カウンターは回避のみにも使えるのか!?くっ、恐ろしく応用の効く技だ……!!)
一方、クウラの元へ向かおうとしていたターレスは、悟空の気が急激に上昇した事に驚愕し、慌ててフリーザ達のいる方角へ振り返った。
「な、なんだ、この凄まじい戦闘力は!?これがカカロットだと!?あ、あり得ん……完全にフリーザを超えてやがる……ま、まさか奴も神精樹の実を食ったのか!?」
黄金のオーラを纏い、フリーザを睨み付けている悟空。そのあまりのプレッシャーに、フリーザは無意識の内に一歩下がったが、すぐに悟飯達が逃げようとしているのに気が付き、高笑いした。
「ははははは!!このまま逃す訳がないだろう!!」
悟飯の背中目掛けてデスビームを放つフリーザ。だが、発射された先は悟飯の背中ではなく、真上だった。どういう事かと思わずフリーザは自分の手元に目を向けると、いつの間にか接近していた悟空に人差し指がへし折られ、無理矢理指を真上に向けさせられていたのだ。
「あ、あ……ぎゃああああああああああああ!!お、俺の、俺の指がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
痛みのあまり指を抑えて蹲り、絶叫するフリーザ。だが、そこへ間髪入れずに気合砲が叩き込まれ、空中まで吹っ飛ばされる。
「ぐぅぅぅぅぅっ!?」
「いい加減にしろ、この屑野郎……!!次から次に罪のない者を殺しやがって……!!」
「はぁーっ……はぁーっ……!!ば、馬鹿な……な、何故貴様如きにそんな力が……い、今の俺はあの実を食べた事で、クウラさえ超えたと言うのに、何故貴様なんかに……っ!?ま、まさか……まさか、貴様は!?」
「俺は怒ったぞっ!!フリィィィィィザァァァァァァァァァァ!!!!」
怒りの咆哮と共に、黄金のオーラを爆発させる悟空。凄まじい勢いでフリーザまで突撃し、相手が全く反応出来ない超スピードで殴り飛ばす。そして吹っ飛んだフリーザに一瞬で追いつくと、ダブルスレッジハンマーを頭上に叩きつけるる。
攻撃を受けたフリーザは凄まじい勢いで地面まで吹っ飛ばされるが、またも悟空は超スピードでフリーザに追いつくと尻尾を掴み、吹っ飛ばされた勢いを保ったままフリーザを地面に叩きつけたかと思うと、即座に持ち上げ反対側の地面に叩きつけた。
「がっ!?やっ、やめ…おごぉぉぉっ!?」
悟空は、何度も何度もフリーザを地面に叩きつけた。血が飛び散り、どれだけフリーザが悲鳴を上げようと一切攻撃の手を緩めようとはしなかった。
その姿は正に怒りの化身そのものだ。やがて耐えきれなくなったのか、フリーザの尻尾が千切れると、そのままフリーザは凄まじい勢いで吹っ飛ばされ、轟音と共に巨大な岩山に激突し、その威力のあまり岩山は崩れ去り、フリーザは瓦礫の山の中に埋もれてしまった。
だが、すぐにフリーザは瓦礫を吹き飛ばすと、悟空の前まで飛び出して来た。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ぐっ、く、くくくく…残念だったな、あの程度で俺を殺す事は出来ん……」
「だろうな……あれくらいで死なれちゃ興醒めも良いところだ……」
「なっ!?え、偉そうな事を言いやがって……つ、罪もない者を殺しただと?だったら貴様等サイヤ人はどうなんだ?貴様等は罪のない者を殺さなかったとでも言うのか?」
「だから滅びた……」
「違うな、俺が滅ぼしたんだ。サイヤ人は何となく気に入らなかったんでね……」
「今度は俺が貴様を滅ぼす。」
「っ!?こ、このフリーザを滅ぼすだと?で、出来る訳が無い……今の俺は兄を超え、全宇宙の頂点に立った!!そんな俺に、貴様如き猿が敵うものか!!た、例え貴様がもし、本当に……す、スーパーサイヤ人であったとしても……!!」
「フッ……その割には、身体が震えてるじゃねぇか。」
「だ、黙れっ!!」
叫ぶと同時に左手からエネルギー波を放つフリーザ。悟空は首を捻って回避すると、反撃に右手を向け、空気砲を発射。凄まじい衝撃波がフリーザを襲い、数メートル程吹っ飛ばした。
「ぐぅぅぅぅぅぅ!!このくたばり損ないがぁ!!」
激怒し、全力のデスビームを発射するフリーザ。悟空はそれを避けようともせず、まともに顎に直撃してしまい、少しだけ仰け反った。だが、それだけだ。ゆっくりと顔を下すと、フリーザに対し不敵な笑みを浮かべた。
「それだけか?全く効かねぇな……もっと当ててみろよ。」
「!!な……なにを!?ふ、ふざけやがってぇぇ!!後悔しやがれぇぇぇぇ!!!!」
怒りのまま、連続デスビームを悟空に叩き込むフリーザ。一発当たる事に爆発を起こし、瞬く間に悟空は爆炎に包まれる。
「はぁ、はぁ、はぁ……な、なぁっ……!?」
全弾当たった時はニヤリと笑っていたフリーザだが、爆炎が晴れて行くにつれ、その表情は恐怖へと変わって行く。爆炎の中から現れたのは、全くの無傷であり、先程と変わらぬ笑みを浮かべた悟空の姿だった。
「な、何者だ、貴様……?」
「とっくにご存知なんだろう!?俺は地球から貴様を倒す為にやって来たサイヤ人……穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士……スーパーサイヤ人、孫悟空だっ!!!!」
その叫びに呼応するように、悟空の全身から激しい黄金のオーラが放出される。そしてそのプレッシャーを正面から受けているフリーザは、生まれて初めて……いいや、破壊神相手以外には抱いた事のない恐怖を悟空に感じていた。
全神経が告げている。このまま行けば、確実に殺されると。今のフリーザは神精樹の実を食べた事によりパワーアップしただけでなく、フルパワー状態にもなっていた。
つまり、今のフリーザには、本来の歴史のようなフルパワーと言う隠し玉はない。今悟空に圧倒されている以上、どんなに頑張っても勝ち目などないのである。
「お、穏やかな心を持ちながら怒りによって目覚めたか……ふ、ふふ……ベジータや他のサイヤ人達がなれない訳だ……」
「どうかな。」
「な、何……?」
悟空は、ベジータがスーパーサイヤ人になれないとは、何故か思えなかった。寧ろ、未だに強さの底が全く見えないあの男なら、スーパーサイヤ人になれて当たり前だとさえ思えた。そして、その悟空の考えは正しい。
「……オメェはもう謝っても許さねぇぞ。」
「ふ、ふふふ……ち、ちくしょう……ちくしょう、ちくしょう、ちくしょおおおおおおお!!!!」
怒りと恐怖を爆発させ、感情のままに怒鳴り散らし始めるフリーザ。だが、そんな事をしても状況は全く改善しない。
だが、やがて何かを閃いたように、フリーザは邪悪な笑みを浮かべながら顔を上げた。
「言っておくが、俺は貴様なんかに殺されるくらいなら死を選ぶぞ……」
「……好きにしろ。」
「ククククク……馬鹿め、死ぬのは貴様の方だ……!俺は宇宙空間でも生き延びられる……だが、貴様等サイヤ人はどうかな?」
「!!」
「この星を、消すっ!!」
腕を翳すと一瞬でデスボールを作り上げるフリーザ。そして躊躇する事なく腕を振り下ろし、デスボールがナメック星へと発射されてしまった。
所変わって、ベジータとクウラの戦いも決着がつきそうになっていた。あのままクウラはベジータに手も足も出ず、一方的にサンドバッグにされてしまったようで、全身の至る所から出血し、左肩を右手で押さえながら、肩で息をしていた。
「思ったよりも丈夫だったが、そろそろ限界のようだな。」
「はぁ、はぁ、はぁ……き、貴様、明らかにサイヤ人のレベルを超えている……いったいどうやってそれ程の力を身につけた!!まさか、破壊神にでもなったのか!?」
「破壊神?何を言っているのかわからんが、強いてやった事と言えば毎日のトレーニングくらいだな。」
「と、トレーニングだと!?たったそれだけの事でこれ程の力を得たと言うのか!?」
「貴様等一族のように自分の才能に胡座をかいている連中にはわからんだろうよ。」
「し、信じられん、たったそれだけの事で……」
「さぁ無駄話は終わりだ。そろそろ消えて貰うぞ。」
「おいおい、こいつはどう言う事だ?フリーザの兄貴ってのはこの程度の強さだったのか?」
「っ!誰だ!?」
顔を上げると、ターレスが神精樹の実を片手に、ニヤニヤと笑いながらこちらを見下ろしていた。そしてゆっくりとクウラの隣へ降りてくる。
「新手のサイヤ人!!ベジータの仲間か!?」
「貴様、ターレスか。」
「何、ターレスだと?では貴様が俺を呼んだのか!」
「その通り。まぁベジータにここまで一方的にやられるとは思ってもみなかったがな?フリーザと言い、宇宙の帝王が聞いて呆れるぜ。」
「グッ……!!」
「それで、今更何の用だ?影でコソコソ動き回るのに飽きて、大人しく殺される気になったか?」
「はっ、馬鹿言うな。そんな訳ねぇだろう?おい、フリーザの兄貴。こいつを受け取れ!!」
隠していた神精樹の実を取り出し、そのまま投げ渡すターレス。クウラは神精樹の実を受け取ると、眉を顰めながら神精樹の実とターレスを交互に見渡した。
「……なんだ、これは?」
「そいつは神精樹の実って言ってな。一口食うだけで尋常じゃないパワーアップが出来る素晴らしいアイテムさ。」
「こんな物を食うだけでだと?とてもそうは見えんが……」
「気持ちはわかるが事実さ。あんたが食えば、ベジータなんざ瞬殺出来るだろうよ。実際、これを食ったフリーザはあんたを上回る強さを手に入れたんだぜ?」
「食ったのか?フリーザがこれを?しかも、それだけで俺を超える強さを得たと?」
「ああ、その通りさ。」
「……怪し過ぎるな。サイヤ人の貴様がベジータを裏切るような真似をして何の得がある?」
「得ならあるさ。俺の目的を遂げる上で、ベジータは邪魔でしかないからな。あんたが片付けてくれるならこっちとしても大助かりって訳だ。そもそも俺はあんたやフリーザと敵対するつもりはないんでね。」
「………」
(さぁ食え、クウラ!!フリーザの野郎じゃ今のカカロットには絶対に勝てやしねぇ。だがフリーザさえも超える貴様が食えば、カカロットとも互角に戦える筈だ!!そしてどっちが勝つにしろ、どちらとも相当体力を消耗する事は間違いない。その消耗した所に奇襲を仕掛ければ、俺の一人勝ちだ……!!)
「……やはり怪しいな。貴様、本当は何が目的だ?そもそもそれだけの効果を齎す以上、大きなデメリットがあるのではないか?」
「デメリット?そんなもんは全くないさ。俺はこれまで何度も神精樹の実を食って来たが、この通りピンピンしている。まぁ強いて言えば、この実は神以外が食うと、上位神に魂ごと破壊されちまうそうだが、そんなものあんたにとっちゃ恐るるに……」
「待て。上位神に魂ごと破壊されるだと?貴様、今そう言ったのか?」
「ん?ああ、言ったぜ。」
「……フリーザはこれを食ったと言ったな。それはつまり、フリーザも上位神の破壊対象になったと言う事か?」
「まぁ、神々の下らねぇルールに従うならそうなるんじゃねぇか?だがそんな話はどうだって……」
「この屑がぁっ!!」
怒りを露わにすると、ターレスを全力で殴り飛ばすクウラ。まさかいきなり殴り掛かって来るとは考えていなかったのか、ターレスは対応出来ずに吹っ飛ばされてしまった。
「ぐはっ!!な、何をする!?」
「何をするだと?それはこっちの台詞だ!!破壊神の破壊対象になるような物を食わせようなどと、随分とふざけた真似をしてくれる!!フリーザが破壊されるだけなら構わんが、もし気紛れで連帯責任とか言い出したらどうしてくれるんだ、貴様っ!!」
「は、破壊神?何の事だ!?」
「黙れぇ!!貴様だけはただでは済まさん!!覚悟するが良い!!」
「くっ、舐めるな!!そんなに消耗し切った貴様程度、俺でも十分倒せるぜ!!」
完全に怒り狂い、ターレスを殺しに掛かるクウラ。ターレスも必死に抵抗しているが、クウラはこれまでのダメージを感じさせぬ鬼神の如き戦いっぷりでターレスを一方的にボコボコにしている。
ちなみに、ベジータは完全に蚊帳の外である。
(勝手に敵同士で殺し合いを始めたぞ。何がどうなっている?ターレスの目論見が外れたのだけは確かなようだが……)
「くっ、カラミティブラスター!!」
「効かん!!せぇいっ!!」
「おごぉっ!?」
ターレスの放った気功波を片手で弾くと、そのまま突撃して飛び蹴りを腹に叩き込むクウラ。そして相手が怯んだ隙に頭を鷲掴みにすると、ターレスを空中まで投げ飛ばした。
「これで終わりだ!!跡形も無く、消えてなくなれぇぇぇぇぇっ!!!!」
「ば、馬鹿な!!全宇宙を跪かせる筈のこの俺が、こんな所で!?ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!」
トドメにクウラは超巨大エネルギー弾、スーパーノヴァをターレスに投げつけた。その圧倒的な破壊力にターレスは少しの抵抗もする事は出来ずに飲み込まれ、そのまま太陽まで吹っ飛ばされると、塵一つ残さずに消滅してしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ……思い知ったか、外道め!!もっとも、貴様にとっての本当の地獄はここからなのだろうがな……!!」
(……なんか知らんがターレスが跡形も無く消し飛ばされてしまったぞ。どうしたら良いんだ。こんな展開全く想像してなかったぞ……)
「……緊急事態だ!!」
「は?」
「悪いが貴様との戦いどころではなくなった!!一族全体に非常召集を掛ける必要がある!!さらばだベジータ!!次に会う時は必ずあのカウンターを攻略し、貴様にリベンジしてやるぞ!!」
それだけ言うと、クウラはさっさと飛んで行ってしまい、あっという間にナメック星から脱出してしまった。本来なら撃ち落とす所なのだが、あまりの急展開にベジータはついていけず、唖然としながら見送ってしまった。
「……わ、訳がわからん。いったい何がどうなってやがるんだ……」
「ば、馬鹿な……な、何故、対応出来る……俺の、俺の行動を読んでいたとでも言うのかっ!?」
驚愕しているフリーザ。その視線の先では、地表に激突する筈だったデスボールを、悟空が片手で持ち上げていた。
「ベジータの言った通りだったな……オメェは不利になると、絶対に星を消そうとするから油断すんなってよ。」
それだけ言うと、悟空はデスボールを投げ飛ばし、更に気弾を撃ち込んで消し飛ばした。
「あ、ああ……!?」
「さぁ……そろそろ決着をつけようぜフリーザ。オメェだけは、絶対に俺の手で倒すっ!!」
黄金のオーラを解放し、不敵な笑みを浮かべる悟空。一方のフリーザの表情は、完全に恐怖に支配されていた。
「ここは……何処だ?」
「貴様がターレスだな?」
「っ、誰だ、貴様は!?」
「ワシは閻魔大王……そしてここはあの世じゃ。」
「あの世だと……!?そうか、俺はクウラの野郎に……ちっ!!それで?俺をどうするんだ?地獄にでも叩き落とそうってか?」
「いや、お前は地獄行きではない。お前はあの御方が目覚めるまで、特別室で待機じゃ。」
「特別室?なんだそれは……っ!?」
直後、ターレスの全身を無数の赤い鎖が縛り上げた。ターレスは必死に鎖を引き千切ろうとするが、鎖に縛られた途端、ターレスは全身から力が抜け落ちたかのように倒れ伏してしまった。
「無駄だ。死者である以上、その鎖に縛られれば絶対に抵抗は出来ん。おい、連れていけ。」
「はいオニ!!」
「ま、待て……待ってくれ……お、俺は、これからどうなるんだ……!?」
「言ったろう、あの御方が目覚めるまで特別室で待機だ。もっとも、貴様がこれまで体験した事もないような苦痛を味わう事になるがな。そして最終的に、お前の魂は輪廻の輪に戻る事なく、完全に消滅する事となる。」
「あ、あの話は……く、下らないほら話なんかじゃなかったのか……」
「神精樹の実の説明を受けても尚、あれだけ食って来たんじゃ。もはや情状酌量の余地はない。己の行いを、消滅するその時まで悔い続けるが良い。」
鬼達に引き摺られ、ターレスは天国でも地獄でもない空間へと連れて行かれる。そこには、旨い酒もなければ旨い飯もない、地獄以上の苦痛だけが待っている事だろう。ターレスは今この時、初めて神精樹の実に手を出した事を後悔するのであった。
はい、てな訳でターレスは死にました。代わりにクウラが生存しちゃいましたが……
次回、フリーザ戦決着!!