ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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さらば、ナメック星

 ここナメック星の空で、黄金の光と紫色の光が、何度も激しい激突を繰り広げていた。

 黄金の光を纏う者は孫悟空。地球からやって来たサイヤ人で、兄を殺された怒りで伝説の超戦士、スーパーサイヤ人に目覚めた男だ。

 紫の光を纏う者はフリーザ。宇宙の帝王と恐れられている存在で、ドラゴンボールで不老不死になる為にこの星までやって来た。

 

 そんな二人が、目の前の相手を殺さんと全力でぶつかり合っている。だが、あまりのスピードでわかり辛いが、実際は悟空が一方的に攻め立てていた。

 フリーザの攻撃は全て避けるか防がれるかしているのに対し、悟空の攻撃はほぼ全てがフリーザに命中している。運良く回避出来ても、即座に避けた先に攻撃が叩き込まれてしまうのだ。

 今もフリーザは悟空の蹴りをギリギリで回避したが、即座に肘打ちを鼻っ柱に打ち込まれてしまい、鼻から出血してしまった。いや、鼻だけではない。体中の至る所から血を垂れ流し、相当ダメージが蓄積しているのが一目でわかる程だ。

 

 それに対し、悟空はこれまで全くダメージを受けていない。正確にはスーパーサイヤ人に覚醒する前に受けた傷は残っているし、服もボロボロだが、それでもフリーザ程ではないし、その動きから全くダメージを受けているようには見えなかった。

 

「このっ!!猿野郎がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「でありゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 二人同時に腕を振り翳し、互いの拳が激突すると、凄まじい轟音が鳴り響き、激突の衝撃波で周囲の雲が消し飛んだばかりか、少し離れた無人島が地割れを引き起こし、そのまま崩壊してしまった。

 

「ぐっ、う、あぎゃああああああ!!??」

 

 左腕を押さえ、絶叫するフリーザ。先程の激突で左腕の骨が砕け散ったばかりか、左腕全体に裂傷を負い、激しく紫色の血を吹き出している。

 

「だりゃああああああ!!」

 

「ぐっはぁぁぁぁ!?」

 

 そこへすかさず、悟空の右ストレートが炸裂し、フリーザを空中へと殴り飛ばすと、超スピードですぐにフリーザに追いつき、オーバーヘッドキックをフリーザの後頭部へ叩き込んだ。結果、フリーザは弾丸のような速度で吹っ飛ばされ、地面に激突し、瓦礫の山に埋もれてしまう。

 直後、フリーザは地面の中から飛び出して来るが、左腕はダラリとぶら下がり、右手も折られた人差し指が紫色に変色し、誰の目から見ても戦闘続行が不可能なのは明らかだった。

 

「ぐふっ!!く、くっそぉぉぉ!!ふ、ふざけるな……ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!何故俺がこんな目に遭わなければならない!?こんな猿野郎なんかに!!」

 

「……フン。」

 

「お、俺は宇宙一なんだ!!宇宙の帝王、フリーザなんだ!!だ、だから貴様は……猿野郎の貴様は、この俺の手によって、死ななければならないっ!!」

 

 そう叫ぶと、フリーザは一気に空高くまで飛んで行き、天に右腕を翳すと、以前打った物とは比べ物にならない程巨大なデスボールを作り上げる。正真正銘、フリーザの全エネルギーを込めた最後の一撃だ。

 

「貴様は……貴様はぁっ!!」

 

「……か……め……は……め……!!」

 

「俺に殺されるべきなんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

 フリーザがデスボールを放つのに合わせ、悟空も渾身のかめはめ波を放った。まるで巨大な太陽とも思えるような巨大な球体に、青いエネルギー波が激突する。

 だが、拮抗したのはほんの一瞬だった。フリーザのデスボールはかめはめ波と激突した瞬間、あまりに激しいエネルギーの差に一瞬で離散してしまう。そして青い極太のエネルギー波は、無防備な姿を晒しているフリーザを消し去らんと突き進んで行く。

 

「!!!!」

 

 迫り来るエネルギー波に、恐怖の表情を浮かべるフリーザ。次の瞬間、悲鳴を上げる暇も無く、フリーザの全身は飲み込まれてしまい、宇宙の彼方へと消えて行った。

 

 その場に残ったのは、悟空ただ一人だった。だが兄の仇を討ったと言う達成感も喜びも無かった。

得られたのは虚しさと、何とも言えない、悲しみに似た感情だけだった。

 

「カカロット!!」

 

「……ベジータか。オメェの方も上手く行ったみてぇだな。」

 

 背後に現れたベジータへ振り向く悟空。そして悟空の姿を見て、予想通りスーパーサイヤ人になっていた事にベジータは心の奥で安堵した。

 

「どうやらスーパーサイヤ人になれたようだな。」

 

「……ああ。だが、兄ちゃんが……」

 

「……やはり、ラディッツが犠牲になったのか。だが心配するな。ナメック星のドラゴンボールは地球のドラゴンボールと違い、一度蘇った事がある者でも復活させる事が出来る。」

 

「っ!!ほ、本当なのか!?」

 

「ああ。早くデンデ達の所へ戻るぞ。最長老の寿命も近いかもしれんしな……」

 

「お、おう!!……そう言えばベジータ。オメェ、スーパーサイヤ人見ても全然驚いてねぇけど、やっぱりオメェもなれるのか?」

 

「……フッ、当然だ。だが俺にスーパーサイヤ人を引き出させたいなら、もっと死ぬ気で修行しなければ無理だな。」

 

「やっぱりか……へっ、すぐにオメェに本気を出させてやるさ!!」

 

 挑発的な笑みを浮かべるベジータに対し、好戦的な笑顔で返す悟空。そして二人は悟飯とデンデの元へ戻るのだった。

 

 

 その後、ベジータ達は最長老の家で悟飯とデンデ、そして回復したピッコロと合流した。

 

「それでは、まずポルンガを呼び出しますね。」

 

「いや、待てデンデ。やいっ、界王!!どうせ今も覗き見していやがるんだろう!?聞こえていたら返事をしやがれっ!!」

 

『……し、失礼な事を言うでない!!お前達の様子を見守っておったんじゃ!!』

 

「おお、界王様!!久しぶりだなぁ!!」

 

「界王、貴様に頼みがある。地球の神に連絡を入れ、すぐにドラゴンボールを集めさせろ。これからこっちのドラゴンボールの一つ目の願いで地球のドラゴンボールを使えるようにして貰い、そっちのドラゴンボールでナメック星人達とナッパを蘇生させる。」

 

『お前さん、どう考えても人に物を頼む態度じゃないじゃろうそれ……まぁ良いわい。フリーザ討伐の功績に免じて協力してやるから感謝するんじゃぞ!!』

 

「おお、さっすが界王様!!話がわかるなぁ!!」

 

「よし!デンデ、始めてくれ。」

 

「わ、わかりました。タッカラプト ポッポルンガ プピリットパロ!!」

 

 デンデが呪文を唱えると、ナメック星のドラゴンボールからポルンガが出現する。そして第一の願いで地球のドラゴンボールを使用可能な状態にして貰うと、すぐに北の界王が神様に合図を送った。

 そして地球ではミスターポポが大急ぎでドラゴンボールを探し回り、結果的に一時間程で揃える事に成功したようだ。(ちなみにその間ポルンガは律儀に待っていてくれたらしい)

 その後ミスターポポが神龍を呼び出し、ナメック星でフリーザとターレスの一味に殺された者達を生き返らせると言う願いを叶えて貰った結果、ナメック星人達とナッパが一斉に復活した。

 

「ん、んん……はっ!?ふ、フリーザは!?フリーザは何処行きやがった!?って、なんだこのバカでけえ化け物は!?」

 

「おお、ナッパ!!どうやらオメェも無事に生きけぇったみてぇだな!!」

 

「か、カカロット?な、何がどうなってんだ?それにラディッツは……?」

 

「その話は後だ。デンデ、二つ目の願いでラディッツを甦らせてやってくれ。」

 

「頼む、デンデ!!」

 

「はい!!」

 

 二つ目の願いをナメック語で唱えるデンデ。すると、光の中からラディッツが姿を現した。

 

「ここは……」

 

「兄ちゃん!!」

 

「伯父さん!!」

 

「カカロット、悟飯……!!そうか、ドラゴンボールで……と言う事はフリーザは倒したんだな?」

 

「ああ、確かにやっつけたぞ。」

 

「そうか……親父、カカロットがやってくれたぞ……どうか、お袋と共に安らかに眠ってくれ……」

 

「そ、それで、三つ目の願いはどうしましょう……?」

 

「それなら決まっている。デンデ、お前達は三つ目の願いを使い、この星と極めて環境が近い星に移住するんだ。」

 

「い、移住……?」

 

「そうだ。残念ながらこの星の座標は既にフリーザ軍の奴等に知られている。このまま奴等が放っておくとは思えん。」

 

「で、でも、みんなに相談も無しに……」

 

『デンデ、ベジータさんの言う事に従いなさい……』

 

 渋るデンデに、最長老が念話を飛ばした。

 

「さ、最長老様!?」

 

『ベジータさんの言う通り、フリーザ軍の者達が私達をこのままにするとは思えません……悲劇を繰り返さない為には、この星を離れるしか無いのです……』

 

「……わ、わかりました。」

 

『ベジータさん、悟空さん、そして皆さん……皆さんのおかげで、私達は助かりました。この星を代表して、御礼を申し上げます。本当に、ありがとう……』

 

「僕からもお礼を言わせて下さい!!本当にありがとうございました!!」

 

「フン、礼を言われるような事はしていない。」

 

「デンデも元気でね!!」

 

「はい!!悟飯さん、絶対にまた会いましょう!!」

 

 その後、三つ目の願いを叶え、デンデ達はナメック星から去って行った……

 

(さて、これでナメック星での戦いは終わったな。次は人造人間だが、カカロットは現時点でも相当な強さになってしまった。下手をしなくてもドクターゲロが18号達を起動させる暇も無く倒してしまいかねないんじゃないのか……?なら修行をつけない方が良いのかもしれんが、カカロットの事だから放っておいても確実に強くなるだろうし……)

 

「おいベジータ、俺達も帰ろうぜ……っと、この顔してる時のベジータに話しかけたらいけねぇんだったな。」

 

「なんだナッパ、お前も地球に来るつもりなのか?」

 

「おうよ!!住めば都って言うが、あの星程暮らし易い星はねぇからな!!」

 

「そうか……なら、手伝って欲しい事があるんだが、良いか?」

 

「ん?なんだよ手伝って欲しい事って?」

 

「流石にいつまでも弟の家に居候する訳にはいかんからな。チチさんにも悪いし……ブルマさんも協力してくれると言ってくれたし、まぁ何とかなるだろう。」

 

「ん?何の話してんだ兄ちゃん?」

 

「何、すぐにわかる。」

 

「おい、カカロット。」

 

「どうしたベジータ?」

 

「俺はこの後、特戦隊の連中が使っていたポッドを使い、ヤードラッド星まで行こうと思う。」

 

「ヤードラッド星?」

 

「ああ。あの星の住民は戦闘力こそ低いが不思議な術とやらを使うらしい。もしかすると、何か役に立つ技があるかもしれんからな。貴様も来るか?」

 

「良いんか!?勿論行くぞ!」

 

「お、おいカカロット!?チチさんに何の相談もなくそんな……」

 

「わりぃ、兄ちゃんから上手く言っといてくれ!!」

 

「お、お前なぁ……はぁ、仕方ない。但しちゃんと帰って来いよ。」

 

「おう!!」

 

「ラディッツ、ナッパ、貴様等も修行を怠るなよ。」

 

「へへへ、わかってるぜベジータ!!お前等が帰って来るまでにスーパーサイヤ人になってやらぁ!!」

 

 

 こうしてベジータは悟空と共にヤードラッド星まで行く事になり、ラディッツとナッパは悟飯、ピッコロと共に地球へ帰った。

 ……ちなみに、ベジータは一年はブルマに会えなくなった事に気付き、密かに涙を流すのだった。

 

 

 

 

「何の用だ、クウラ。お前が直々に乗り込んでくるとは、余程の用事が?」

 

 クウラはナメック星を脱出した後、父であるコルド大王の元を訪ねていた。滅多な事では連絡を寄越さない長男がアポ無しで押しかけて来た事に、コルドは何かあった事だけは察したようである。

 

「連絡も入れずに押しかけた事は詫びるが、今はそんな事を言っている場合ではない!!緊急事態だ!!」

 

「お前がそんなに慌てるとは珍しい。何が起きた?」

 

「フリーザの奴が破壊神ビルスの破壊対象になった。」

 

「……は?今、何と言った?」

 

「フリーザが破壊神ビルスの破壊対象になったと言ったんだ。」

 

「……ふぅー……クウラよ、お前がそんな冗談を言うとは珍しいな。しかし流石にその冗談は洒落にならんし、笑えんぞ?」

 

「俺がそんな下らん冗談を言う為に、ここまで来ると思うか?」

 

「……ば、バカな!?あ、あり得ん!!フリーザが何かやらかして破壊神の不興を買ったと言うのか!?フリーザにもお前にも破壊神ビルスには決して逆らうなと言っておいた筈ではないか!!」

 

「フリーザがやらかした訳ではない。どちらかと言えば奴も被害者だ。いいか、よく聞け……」

 

 ナメック星でターレスから聞いた神精樹の実について説明するクウラ。そしてフリーザがその実を食ってしまった事も……

 

「な、なんと、そのような実が存在していたとは……そしてフリーザはそのターレスとやらに良いように利用され、神精樹の実を食ったと言う事か……ええい、全くもって忌々しい連中よ!!」

 

「いいか親父。こうなったからにはフリーザを切り捨てる以外に道はない。如何にあの破壊神と言えど、食ったフリーザ以外手を出しはしないだろうが、下手に庇い立てして機嫌を損ねればどうなるかわかったものじゃないのは、あんたにもよくわかる筈だ。」

 

「う、うむ、しかしフリーザを切り捨てると言うのは……な、何か手は残されていないのか……?」

 

「ちっ!!相変わらずあんたはフリーザに甘いな……まぁ手がない訳ではないが……」

 

「おおっ、流石はクウラ!!どのような手段があるのだ!?」

 

「ナメック星と地球には、七つ集めればどんな願いも叶うドラゴンボールとやらが存在する。それを使ってフリーザの身体を神精樹の実を食う前の状態に戻せばあるいは……」

 

「そ、そのような物が存在していたのか!?よし、ならば早速ナメック星に……」

 

「親父、これは100%の善意からの忠告だ。その方法はやめておけ。下手をすれば死ぬぞ。」

 

「な、何だと!?」

 

 クウラは語る。ナメック星においてベジータと言う恐ろしい強さを持ったサイヤ人に会った事、そしてそのサイヤ人に完膚なきまでに叩きのめされてしまった事を……

 

「べ、ベジータとはベジータ王の息子の事か?あのような小物にそんな強さがあるとは……」

 

「俺がそんな嘘をつく訳ないだろうが。もし下手にドラゴンボールに手を出せば、奴を敵に回しかねん。そうなればあんたであろうと簡単に殺される事だろうよ。」

 

「ふ、フン、何をバカな!!クウラよ、サイヤ人如きにやられたからと言って、少し臆病になっているのではないか?いくら前線を退いたからと言って、ワシはサイヤ人如きに遅れを取りはせん!!」

 

「好きにしろ。俺は他の一族に連絡を入れて来る。今後フリーザとは手を切るようにな。」

 

「勝手にしろ!!おい、船の進路をナメック星に向けろ!!すぐに出発だ!!」

 

「は、はっ!!」

 

(フン、愚か者め。どうやら親父もフリーザも長くは無さそうだな。まぁ良い……そんな事よりも俺にはやるべき事がある!!)

 

 つい先日、ベジータに言われた事を思い出すクウラ。ベジータはクウラに「才能に胡座をかいている」と言った。そして、それは間違っていない。クウラもフリーザもあまりにも強力過ぎる才能があった事から、これまで自らを高める修行など殆どした事はなかったのだ。

 

(奴が修行でそこまで強くなれたと言うのなら、俺が同じ事をすればもっと強くなれる筈だ!!待っていろよ、ベジータ……必ず貴様をこの手で倒し、宇宙最強の座を取り戻してやる!!)

 

 打倒ベジータを決意し、コルドの宇宙船を出発するクウラ。あの時クウラを見逃してしまった結果、後に思わぬ事態を招く事になるのだが、今のベジータは知る由もなかった。

 

 そして、ナメック星との戦いから一年後、物語は新たな展開を迎えるのだった……




フリーザ編これにて終了です。次回からは人造人間編スタート。
ガーリックジュニア?悟飯一人で余裕ですね、はい。

フリーザがどうなったのかは次回判明します。
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