ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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目覚める人造人間達

 ブルマと赤ん坊のトランクスを殺されそうになり、ブチギレてフルスロットルでドクターゲロを追跡中のベジータ。少し時間をおいた事で、多少は頭が冷えて冷静さを取り戻していた。

 

(ドクターゲロを汚ねぇ花火にするのは確定だが、このままストレートに奴の研究所まで行ってしまったら18号達の復活を阻止してしまいかねんからな……スピードを落とし、少し回り道をしながら行くとするか……そう言えば前の世界じゃトランクスがついて来ていた筈だが、姿が見えん。気もだいぶ後ろの方から感じるし、どうしたんだ?)

 

 どうしたもこうしたもない。単にトランクスが全力で追いかけてもベジータに追いつけなかったと言うだけである。だが、それはトランクスが特別未熟だと言う訳ではない。

 今のベジータが超サイヤ人化して全力で飛ばしまくれば、追いつける者など宇宙全体でも限られてくるのだ。それこそ悟空だって瞬間移動を使わない限り無理だろう。

 

 その後、ベジータは数分その場でトランクスを待ってあげてどうにか合流したらしい。

 

「はぁ、はぁ……や、やっと追いつけました……」

 

「ふ、フン、あの程度に追いつけないとは、少し弛んでいるのではないか?」

 

「す、すみません……」

 

「あっ、いや……フン、俺はもう行くぞ!!」

 

「ま、待って下さい!!」

 

 気まずい雰囲気になってしまった為、とりあえず移動し始める二人。しかし道中も気まずいまま、上手く会話ができずベジータは頭を抱えていた。

 

(な、なんだこれは!?上手くトランクスと会話が出来ないぞ!?こ、こんな空気には前の世界のトランクスともブラとも一度もなった事はなかったと言うのに、どうなってやがる!?くっ、こ、こう言う時ブルマがいてくれれば……)

 

「あ、あの……」

 

「な、なんだ!?」

 

「い、いえ、父さ……ベジータさんは、人造人間達を目覚めさせ……」

 

「と、父さんと呼びたければ好きにしろ。お前もトランクスなんだろう。」

 

「あっ……は、はい。あの、父さんは人造人間達を目覚めさせるつもりなんですか?」

 

「……別にそれはどうでも良い。目覚めるなら目覚めるで好きにすれば良いさ。貴様が言ったのだろう?カカロットなら人造人間にも問題なく勝てるだろうと。つまり、俺ならもっと余裕で勝てると言う事だ。仮に目覚めても大した脅威ではない。」

 

「ど、どうでも良いって……ならどうしてあんなに必死にドクターゲロを追いかけていたんですか!?」

 

「妻と息子が殺されかけたんだ!!当然の反応だろうが!!」

 

「!!そ、そう、ですか……」

 

「ふ、フン!!」

 

 それっきり、会話はまた途切れてしまった。しかし、トランクスはベジータとの短い会話の中で、確かに父親の愛情を感じ取り、感動していた。

 

(母さんは父さんをプライドの塊のような人で、夫らしい事は何もしてくれなかったと言っていたが、とても家族想いで優しい人じゃないか。単にこの世界の父さんが違うだけなのか……?だとしたら、この世界の俺が少しだけ羨ましいな……)

 

(ま、また黙ってしまったぞ!!それになんだあのなんとも言えない変な表情は!?ひょ、ひょっとして悪印象を持たれてしまったのか!?く、クソッタレェ……な、何か、何か話題はないのか!?)

 

 考え事をしているトランクスの顔を見て、盛大に勘違いするベジータ。そしてこの心の声を悟空達が聞いたら全員こう言うだろう。お前が言うな、と。

 そんなこんなで親子二人でドクターゲロの研究所を目指すのだった……

 

 

 一方その頃、研究所に戻ったドクターゲロは17号と18号を起動させる……どころではなくなっていた。

 

「ど、どう言う事だ……何故研究所の扉が破壊されている?それに、地下室の入り口まで……!!だ、誰かがここに侵入……い、いや、これは内側から破壊されている!!それにこの足跡……ま、まさか!?」

 

 ある可能性に辿り着き、驚愕するドクターゲロ。だが、すぐにその考えを捨て、頭を横に振った。

 

「いや、そんな事はあり得ん。奴が完成するにはまだ十年以上時間が必要になる筈だ。こんな短期間で目覚める事など、ある筈が……しかし、それ以外の可能性となると……い、いや、今はそんな事よりも17号と18号だ!!」

 

 慌てて17、18と書かれたカプセルまで近寄ると、壊れていないのを確認し、ゲロは安堵の息を漏らした。

 

「良かった、どちらも無事か……何故こんな事になったのか気にはなるが、今はナッパ達を迎撃するのが最優先だ。調整が上手く行っていると良いのだが……」

 

 コントローラーを使い、カプセルのハッチを開き、17号と18号を起動させるドクターゲロ。カプセルから出て来た二人は、チラリとドクターゲロが握っているコントローラーに目を向けると、人の良い笑みを浮かべた。

 

「おはようございます、ドクターゲロ様。」

 

「お、おお、お前達が私に挨拶を……!!」

 

「当然ですわ。貴方様は私達の創造主なのですから。でも、貴方まで人造人間になっていたのには驚きました。」

 

「あ、ああ、どうしても永久の命が欲しくてな……し、しかし、どうやら調整は上手く行ったようだな!!これでもし研究所から出て来たのが奴だったとしたら、この二体と組み合わせる事で全世界を……いや、全宇宙を跪かせる事も夢ではない!!勝った、勝ったぞ!!ふははははは!!」

 

 勝利を確信し、高笑いを始めるドクターゲロ。その時、研究所に接近する複数のエネルギー反応を探知した。

 

「むっ、奴等めここに気付きおったか!!17号、18号、以前話した孫悟空の仲間達が現在この研究所に接近中じゃ!!お前達で奴等を血祭りに……」

 

 その言葉の途中、音も無くゲロの背後に近寄って来た17号により、コントローラーが奪われてしまい、そのまま握り潰されて破壊されてしまった。

 

「なっ、17号、き、貴様何を!?」

 

「こいつは俺達を緊急停止させる為のコントローラーだろう?もしもの時の為に……こんな物に用はないんでね。」

 

「き、貴様等、まさかさっきのは演技で……!?」

 

「ふふっ、私達があんたなんかを本気で様付けで呼ぶとでも思ったの?」

 

「あれは演技さ。また眠らされたらたまったもんじゃないからな……そうでなきゃ誰がお前なんかに頭を下げるかよ、クソジジイ。」

 

「ぬ、ぬぅぅぅぅぅ……!!」

 

 直後、ベジータ達が一斉にドクターゲロの研究所まで駆けつけると、ドクターゲロは警戒心を露わにし、17号と18号は特に興味がないのか、どうでも良いとばかりの表情を浮かべていた。

 

「あの二体が17号と18号で良いのか、トランクス?」

 

「は、はい。ですが油断しないで下さい。見た目からは想像も付かないような恐ろしいパワーを持っているんです……!!」

 

 ピッコロの問いに、冷や汗を流しながら答えるトランクス。一方のベジータは荒れ果てた研究所を見て首を傾げていた。

 

(妙だな。前の世界じゃこの時点では研究所の扉は破壊されていなかった筈だ。なのに何故もう破壊されている?セルはあり得ん。たとえこの世界で既にセルが活動していても、それは別の未来から来たセルの筈で、現代のセルはまだ未完成の筈だ。となるとあの三体か?クッ、また妙なイレギュラーが起きてやがる……!!)

 

「ベジータ、オメェよう……せめてこんな時くらい真面目な顔してくれよ……」

 

「しっ、そっとしておけナッパ。また殴り飛ばされても知らんぞ。」

 

「そ、そうだな……」

 

 その後、ゲロは歴史通りに17号と18号にベジータ達の始末を命じるが、当然二人はこれを無視。そして16号を目覚めさせようと勝手に動き始めた所、いつまでも命令を聞かない二人にドクターゲロが激怒したが……

 

「こ、この失敗作のガラクタ人形どもがっ!!」

 

「うるさいんだよ、クソジジイ。」

 

「よし今だ!!砕け散れぇっ!!!!」

 

 ゲロの首目掛けて17号の飛び蹴りが炸裂し、胴体から首が千切れ飛んだ。そこへすかさずベジータが追撃を仕掛け、ゲロの頭部を汚い花火にしてしまった。

 

「へっ、汚ねぇ花火だ……」

 

「ひ、ひえぇ……ど、どっちも容赦ねぇ……」

 

「あーあ、あのジジイは私達の手でぶっ殺したかったのに……」

 

「まぁあんな老耄ジジイの事はどうだって良いだろう。それよりも18号、その16号とやらを起動させてみよう。」

 

「わかったわ。」

 

「そ、そうはさせるか!!これ以上人造人間を増やさせはしないっ!!うおおおおおおおおっ!!!!」

 

「げっ!?み、みんな避けろー!!」

 

 16号の起動を阻止すべく、超サイヤ人に変身するトランクス。そしてトランクスが攻撃態勢に移ったのを見て、クリリン達は一斉に退避し、その直後、トランクスが全力の気功波を放った。

 

 しかし前の世界の歴史と同じくトランクスの攻撃は無駄に終わり、結局は16号が起動してしまい、17号と18号はベジータ達を無視し、16号と共にその場から立ち去ろうとするのだが……

 

「待て、人造人間達!!」

 

「ん?お前は……確かベジータ、だったか?」

 

「私達になんか用?」

 

「貴様等に話がある。ここを離れるのはそれからにしろ。」

 

「父さん、何を!?」

 

「いったい何の話だ?言っておくが俺達はドクターゲロの命令を聞くつもりなんてないし、まして仇を討とうとなんて思っちゃいない。孫悟空ならともかく、そっちが仕掛けて来ないならお前達と戦う気はないぞ?」

 

「貴様等が仕掛けて来ないなら、こちらとしても仕掛けるつもりはない。それより、貴様等の目的はカカロット……孫悟空の抹殺と考えて良いんだな?」

 

「ああ。あのジジイの言う事に従うのは癪だが、俺達にもひとまず目標が欲しいからな。」

 

 どうやらこの世界の17号達も、自分のよく知る18号達とそう変わらないようで、ベジータはひとまず安堵した。

 

「そうか……だが一つ良い事を教えてやる。カカロットは今病に侵され、まともに動ける状態ではなくなっている。」

 

「何だって?じゃあもうすぐ死んでしまうのか?」

 

「いや、治療薬を飲めばじきに回復し、目を覚ます。だが、それもいつになるかわからん……貴様等も死にかけのカカロットを倒してもつまらんだろう?そこでどうだ。カカロットが回復するまで待ってはくれないか?」

 

「ふーん……まぁ、確かにお前の言う事にも一理ある。まともに動けない病人を倒したってつまらないしな。だが、いつまでも待つ程、俺達も気は長い方じゃない。」

 

「だろうな。」

 

「……よし、一週間だ。一週間は大人しくしててやるよ。だがそれ以降は孫悟空の捜索を開始し、見つけ次第どんな状態だろうと殺す。構わないな?」

 

「ああ、それで構わん。(よし、これでひとまずは戦闘は避けられたぞ!!これなら今すぐ18号達が破壊される事はないだろう!!)」

 

 内心ガッツポーズするベジータ。これで後はセルが出て来るのを待ち、悟空が目覚めたら精神の時の部屋に入るだけである。

 

「な、何でお前達は悟空を殺そうとするんだ?別に恨みがある訳じゃないんだろ!?」

 

「それが俺達の造られた意味だからだ。他に理由などないし、必要もない。」

 

「だ、そうだ。まぁ安心しろ、孫悟空以外に手を出すつもりはないし、ドクターゲロの言う世界征服なんて全く興味はないからな。」

 

「なっ……き、聞いてた話と随分違うぞ、こいつ等……ん?」

 

 ゆっくりとクリリンの元へ近づく18号。すると突然クリリンの頬にキスをかました。

 

「!?!?!?」

 

「ふふっ、じゃあね。バーイ!」

 

(なるほど。これはあれか、前の世界でブラが見ていたアニメとやらで言っていた……そう、フラグが立ったと言う奴か。まぁ後はクリリン次第かもしれん。頑張れよ、クリリン。マーロンの為にも。)

 

「おい、ベジータが突然固まってしまったようだが、どうしたんだ?」

 

「気にするな、いつもの事だ。」

 

「いつもそうなのか?変な奴だな……まぁ良い。それじゃあまたな。」

 

 今度こそ17号達は、その場から去って行き、トランクス達は唖然としながらそれを見送った。

 

「行っちまった……まさかベジータがあんな事を言うとはな。」

 

「ああ。てっきりさっさとスクラップにしてやるとか言うと思ってたぜ。」

 

「フン、無用な衝突を避けたかっただけだ。どうにも奴等はトランクスから聞いていた性格とは違うようだからな。」

 

「確かに、問答無用で人々を虐殺するような輩には見えなかったな。現に俺達はこうして無事だ。」

 

「ひょ、ひょっとすると、俺が来たせいで17号達の人格にも影響が出たのかもしれません……」

 

「そ、それなら無理してあいつ等と戦わなくて良いんじゃないのか?ひょっとしたら分かり合えるかも……」

 

「いいや、駄目だ。奴等がカカロットの命を狙う以上、衝突は避けられんし、俺も許すつもりはない。」

 

「ラディッツ……」

 

 その後、ベジータ達は一旦解散する流れとなり、ベジータはトランクスを連れてカプセルコーポレーションまで戻る事となった。

 

 だが、この時ベジータは知らなかった……既に歴史が狂い始めていた事に……

 

 とある街の中を、三体の人造人間が歩いていた。彼等は進行ルートに存在する建物や走行中の車等、まるで視界に映っていないかのように歩き続けている。

 彼等のその目的はただ一つ……孫悟空の抹殺である。

 

 そして別の街では、緑色の怪物が逃げ纏う人々に針のような尻尾を突き刺し、生体エネルギーを吸収していた。二体の人造人間を吸収し、完全体となる為に……

 

更に、遠く離れた宇宙のとある惑星では……

 

「く、くそ、化け物め!!全軍撤退!!てった……」

 

 宇宙船の中から撤退を指示するフリーザ軍の司令官。だが、突如ブリッジに赤い怪物が突入してきたかと思うと、瞬く間に全員叩きのめし、餌食としてしまった。

 

「ふむ……やはりフリーザ軍相手だと特に拒否反応も出ないな。極悪人相手なら問題ないと言う俺様の考えは大正解だった訳だ。クックック、やはり俺様は天才だな!!はーはっはっは!!」

 

「ど、どなたかー!!」

 

「ん?」

 

 宇宙船の外から声をかけられた赤い怪物は、外に飛び出すと、この惑星の原住民が感謝の表情を浮かべて集まっていた。

 

「あ、ありがとうございます、フリーザ軍の連中を倒してくれて!!」

 

「えっ」

 

「貴方のおかげで我々は救われました!!何とお礼を言ったら良いか……是非とも何かお礼をさせてください!!」

 

「い、いや、俺様はあくまで自分の為にだな……それに礼も何も、俺様は次のフリーザ軍の拠点を潰しに行かなきゃならないし……」

 

「おお、ではまた我々と同じように苦しめられている人々を救いに行かれるのですね、何と立派な……」

 

「……も、もう勝手にしてくれ。じゃあな……」

 

「あの、せめて!!せめてお名前だけでも教えて頂けませんか!?」

 

「名前?それはセ……いや、それじゃつまらんな。うーん……かと言って変な名前をつけるのもあれだし……面倒だ、レッドとでも呼んでくれ。じゃあな!!」

 

「お、おお……レッド様、貴方様こそ、正しくこの宇宙の救世主です……」

 

 さっさと別の星へと飛んで行く赤い怪物。この日から宇宙に救世主レッドの噂が流れる事になるのであった……




救世主レッド……いったい何者なんだ……!?
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