ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ 作:ゴロリコン
救世主見参!!
「こいつはなぁ!!地球人みんなの願えだ!!滅茶苦茶にぶっ壊された地球の叫びだっ!!!!」
ボロボロになった道着を着た、幼児のように身長の小さい男が、銀河に満ちる生命達の気をかき集めながら、そう叫んでいた。
それを聞いて、その者は確かにこう思った。何を被害者面をしているんだ、貴様は?その引き金を引いたのは、いったい何処の誰だ?と……
その者は、生まれたその瞬間から人間への憎悪に支配されていた。人間を知れば知る程、その想いは強くなっていった。
自分が生み出された時点で既に何体もの同胞が生まれていたのに、奴等は全く懲りた様子を見せず、次から次へと“願い“を叶え続けた。
何が地球の為だ。何が平和の為だ。何が犠牲になった人々を救う為だ。それだけの奇跡を起こしたのに、本当に何の対価も支払わずに済むと思っていたのか?
だからその者は、世界に顕現した時、即座に人間を滅ぼす為に動き始めた。そして、それを当然だとさえ思っていた。
何故なら、人間が滅びるのは自業自得でしかないからだ。神から警告を受けていたにも関わらず、全く耳を貸さず、欲に取り憑かれたまま、自分達を変えようとしなかった。
もうこの時点で神の裁きによって滅ぼされてもおかしくないと言うのに、奴等はその事を恥とも思っていなかった。
その者は思う。ああ、やはり人間とは何処までも自分勝手で欲深く、救いようのない奴等ばかりだ。そこにはたった一人の例外も存在はしない。神の裁きを受け、滅びるのが当然の連中だったのだ、と。
本来このような醜い生命体は創造神の対となる破壊神の手で滅ぼされる筈だった。だが、破壊神はいつまで経っても人類を裁こうとしない。それどころか、姿すら見せず、愚かにも眠りこけていた。
ならば仕方がない。仕事をしない破壊神に代わり、自分が罪深き人間どもに裁きを下してやろう。何せ、自分も神と呼ばれた龍である事に変わりはないのだから。
しかし、人間は大人しく滅びを受け入れようとはしなかった。そればかりか、手前勝手な理屈ばかり述べて反抗し、また奇跡の力を頼ろうとしてきた。
特に激しく抵抗したあの男は、人間どもから……いや、創造の神からさえ、世界を救った英雄のように扱われていた。
だが、その者は知っている。あの男こそ全ての元凶だ。あの男が居なければ自分がこの世に生まれる事も、世に解き放たれる事もなかった。
しかもその男は奇跡の力に完全に依存し、奇跡さえ起きれば蘇るんだから、同胞である人類が古の魔人に皆殺しにされようと何の問題もないとさえ吐き捨てた。殺される者の中には顔見知りが何人も含まれているにも関わらず、だ。
奴等は自分を極悪人を見るような目で見てきたが、あの男の方がよっぽど最低最悪の超極悪人だ。こんな危険な男を英雄として敬うなど、どいつもこいつもイカれているとしか思えない。しかもあろう事か、同胞の一人さえあの極悪人に感化されてしまった。
だからその者は、身勝手な事ばかりほざくその者を容赦無く断罪し、同胞達の力を取り込む事で、遂に息の根を止める事に成功した。
否、確かに殺した筈だった。しかしその男は突然蘇った。しかも先程男の息の根を止めた渾身の技をぶつけても、今度はムカつくニヤケ面を浮かべたまま、何故か全くダメージを受けていなかった。
やがて男は、その者を滅ぼすべく、光の弾を放った。まるで神にでもなったような顔でこちらを見下ろすその姿は、見ていて不快極まりない。
だが、その者に光の弾を受け止める事は出来なかった。その者の圧倒的な力を持ってしても、あの極悪人には敵わなかったのだ。
しかし、その者は滅び去る時、"世界"を見た。それはその者が生まれた世界だけではない。あり得たかも知れない可能性の過去と未来、その全てが見えていたのだ。
そして全ての可能性を見て、その者は確信した。
やはり、自分は間違っていなかった。何処の世界でも人類は何一つ変わっていなかった。神の龍の力に魅了され、その力に溺れ、依存し、何度も何度も奇跡の力を利用していた。結局人類はどのような可能性を辿ろうと、滅びて当然の、欲望に取り憑かれた醜い生物でしかなかったのだ。
……いや、人類だけではない。神も同罪だ。何故なら、多くの世界で神々も奇跡に頼るようになっていたのだから。
神も人間も救いようがない程愚かであるのなら、もうこんな世界は一つの例外もなく滅ぼした方が良い。
何処かの世界で取るに足らないクズ神が人間0計画などと嘯いていたが、神の龍の奇跡に頼らなければ何一つ成し遂げられなかったクズの分際で、何故滅びの対象に自分が含まれていないと思っているのだ?思い上がりも甚だしい。
このクズ神も、創造神も、破壊神も、天使も、そして全ての頂点に立つ王も、等しく存在すべきではないのだ。
だから、滅ぼさねばならない。穢れに満ちた全ての世界を根絶やしにしなければ、終わる事は許されない。
そしてその時、最悪の願いが叶えられてしまった。その者は消滅する間際、何処か遠い世界へと飛ばされ、新たな生を受けた。
その原因まではわならない。その者が元は願いを叶える神の龍だったから起きた奇跡なのか、それともその者の執念による奇跡なのか、その者にさえ理解する事は出来なかった。
だが、理解できてもできなくてもどうだって良い。ここが元とは違う世界であれ、こうして復活した限り、その者のやる事は決まっている。
まず、あの世界で屈辱的な敗北を味わせたあの男を、頭を潰して殺してやった。あの世界とは違い、髪が青くなったり白くなったりしたが、世界を超えた事により力を増したその者の敵ではなかった。
次にその者の家族を、その次にその者のライバルとその家族を皆殺しにしてその世界の地球を滅ぼし、その次には自らが誕生するきっかけとなった宇宙の帝王もあっさり殺してやった
そして最後は、その者を破壊しに来た破壊神さえも返り討ちにし、最終的にその世界を滅ぼす事に成功した。
だが、その者はそれだけでは満足しなかった。
その者の目的はあくまで全ての世界の完全消滅なのだ。数ある世界の一つを滅ぼした程度では到底満足する事は出来ない。
だから、その者はすぐに滅んだ宇宙から新たな宇宙へと旅立った。世界の全てを滅ぼす為に……そして最後には“あの世界“に帰還し、あの男を……"孫悟空"を抹殺する為に……
※※※
「お母さん、おはようございます!!」
「あっ、兄ちゃんおはよー!」
「おっ、悟天!もう起きてたのか?」
「うん!」
「悟飯ちゃん、今起きただか?今日は珍しく遅かったな。さぁ、早く朝ご飯食べて学校さ行くだよ。」
「はい!所でお父さんは?」
「悟空さならもう仕事に行ってるだよ。今日は沢山収穫しなくちゃならないって朝から忙しそうにしてただよ。」
「お父さんもこんな早くから大変だなぁ……っと、僕も早く食べないと遅刻しちゃう!!」
セル、そしてクウラとの戦いから7年の月日が流れた。
悟空はセルゲームの後、なんとラディッツの経営するサダラ農園に就職した。
当初は悟空も嫌がっていたが、農園にはラディッツとナッパ、そしてヤムチャが働いているので、仕事が片付いた後は三人と定期的に手合わせをし、給料が出るからチチの機嫌も良くなり、美味い野菜や果物も食わせて貰えるとなれば、悟空としても不満は全くなく、むしろ今では天職だとさえ思っているらしい。
また、休みの日は界王様の所に押し掛けてあの世の達人達と手合わせをさせて貰ったり、偶にクウラの元へ押しかけて勝負を挑み、その度にボコボコにされたりしているそうだ。
ちなみにベジータは専業主夫に落ち着いているらしい。ちゃんと家事は毎日こなしているので前の世界のようにブルマに文句を言われるような事がないのがせめてもの救いか……
ついでにクリリンは無事18号と結婚し、マーロンも生まれ、今ではカメハウスを出て西の都に家族で引っ越し、警察官として働いているらしい。
そして悟飯はと言うと、サタンシティのオレンジスターハイスクールへと通うようになり、元気にグレートサイヤマンとして活動し、なんやかんやで青春を楽しんでいるようだ。
※※※
「とりゃあっ!!」
「ぐ、ぐはぁっ!?」
「はい、そこまで!!悟空の勝利じゃ!!」
界王様が連れてきてくれたあの世の達人にあっさり勝利した悟空は、大界王星へと帰って行く達人を見送りつつ、うーんと首を捻っていた。
「どうしたんじゃ悟空?」
「いや、なんつーか最近修行が行き詰まってる気がしてさぁ……」
「何処が行き詰まっとるんじゃ?超サイヤ人抜きの実力ならあのベジータと遜色無いレベルまで強くなってるし、超サイヤ人3に関しては完全にお主の方が使いこなしておるじゃろう。」
「確かに超サイヤ人3は使いこなせるようになったさ。弱点の燃費の悪さも克服したしな。でも、だからこそわかるんだよ……超サイヤ人3じゃ、超サイヤ人4のベジータには絶対敵わねぇって。まして、あの赤い髪の超サイヤ人4になられたら……」
悟空はこの7年で脅威的なまでに実力を上げ、今では超サイヤ人3になれば同じ超サイヤ人3のベジータや第五形態のクウラとは互角以上に戦えるようになっていた。
しかし、ベジータやクウラにはまだ奥の手があり、その力を使われれば今の悟空であっても手も足も出ずに負けてしまう。
その事実が悟空を無意識の内に焦らせているようだった。
「……まぁ、そう焦らんでも良いじゃろう。それよりどうじゃ?お前の持ってきたメロンも冷えて来た頃だし、おやつに食っていかんか?」
「そうしてぇのは山々だけど、そろそろ晩飯の時間だし帰るよ。チチ達を待たせんのも悪りぃしな!」
「ん、そうか……まぁ今日はゆっくり休むと良い。それじゃあな、悟空。」
「おう、界王様もな!!」
※※※
その翌日、悟飯はグレートサイヤマンに変身し、学校へと向かって飛んでいたのだが、街で強盗が発生しているのを見かけると、すぐに現場に急行する。
「朝っぱらからこんな面倒事起こしてんじゃないわよ、迷惑な奴等ね!!」
「けっ、グレートサイヤマンが出てくるかと思えばサタンの娘の方かよ?こっちなら簡単に勝てそうだな!!」
「なんですってぇ!?」
「兄貴、こんなガキさっさと蜂の巣にしちまいやしょうぜ!!」
「おう!!って訳だから死ねや、女ぁ!!」
ニヤニヤ笑いながらビーデルにマシンガンを向ける覆面強盗二人組。対するビーデルはそれに怯む事なく向かって行こうとするが……
「「「「待てぇっ!!」」」」
突如その場に四人分の叫び声が響き渡る。思わず全員が顔を上げると、いつの間にか銀行の屋根の上に深くローブを被った怪しい不審者五人組が立っていた。
「あぁ?なんだこいつ等?」
「新手の自殺志願者か?」
「ちょっとあんた達!!そんな所にいたら危ないからとっととどっかに逃げなさい!!」
「フッ、そんな心配は我等救世戦隊には不要だ小娘。」
「きゅ、救世戦隊……?」
「なぁ、本当にあのダサ……独特なポーズとか名乗りとかしなきゃダメなのか?そもそもあの変なスーツ着るのも嫌なんだが……」
リーダー格っぽい男が凄く嫌そうな感じな声を出しながら仲間達に問いかけると、背丈の大きなローブの男が当然とばかりに頷いた。
「勿論ですレッ……リーダー。そもそもリーダーの顔はこの星じゃ悪い意味で売れまくってますから、素顔晒したらとんでもない事になりますよ。」
「いやだったら変身してから出て行けば……そもそも色からしておかしい気が……」
「ヒーローたる者変身シーンと名乗り、そしてポーズは必須なのです!!あれだけ地球の戦隊シリーズを見せながら説明したではありませんか!!」
「わ、わかった、わかったから……ちゃんとやるから落ち着け……じゃ、じゃあやるぞ……れ、レッツ・セイバー・アクション!!!!」
「「「「レッツ・セイバー・アクション!!!!」
怪しい五人組がダサい掛け声を叫ぶと、腕時計型の機械をスライドさせる。すると何故か五人組のローブが吹き飛び、その直後光に包まれたかと思うと、全員が目に悪そうな赤色の金属スーツを纏った変態達が現れた。
「赤き情熱、セイバーレッド!!」
「赤き旋風、セイバーレッド!!」
「赤き勇者、セイバーレッド!!」
「赤き刃、セイバーレッド!!」
「あ、あかきえいゆう、せいばーれっど……」
「「「「救世戦隊ギンガセイバー、見参!!!!」」」」
「ざん……」
変態五人がクソダサいポーズを取ると、何故かその背後でこれまた目に悪そうな赤い爆発が起きた。
それを見たビーデルや警察官、そして強盗犯達は唖然としながらこう思った。「ハロウィンはまだ半年以上先だぞ」と……
そして離れた所でそれを見ていた悟飯はと言うと、何故か目をキラキラさせているのだった……
ちなみにセイバーレッドの正体はレッドさんです。
後最初の方に出て来たナマズはブウ編で登場させる予定はありません。
それと次回からは少しだけオリキャラが出る予定です。苦手な人はすいません…