ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ 作:ゴロリコン
「それでは、改めて自己紹介をしようか。」
カプセルコーポレーションに場を移した一同は、ブルマから大きな部屋を借り、そこで改めてレッド達と対面していた。
ちなみにベジータはトランクスを遊園地に放置した事がバレてこの後説教を食らう事になるのだが、それはまた別のお話である。
「ではまず俺様からだな。知っての通り俺様はこの時代で生まれたセルだ。しかしその名は捨て、今はレッドと名乗り、宇宙で私設軍隊のような物を率いている。」
「私設軍隊?ひょっとしてレッドリボン軍みてぇな事をしてんのか?」
「いや?別に世界征服なんて興味はないし宇宙を支配しようとも思わん。主な活動内容はフリーザ軍の残党狩りや宇宙犯罪者狩りだな。」
「残党狩りに犯罪者狩りだと?何故セルである貴様がそんな事をしているんだ。」
「その辺については後で説明するさ。次は……」
チラリとターブルに視線を向けると、ダーブルは頷き席を立ち、ぐるりと周りを見渡した。
「皆さん、初めまして!ベジータ兄さんの弟のターブルです、どうぞよろしくお願いします!それから隊員No.は005です!」
「お、おお……す、凄く礼儀正しい弟だな……」
「ベジータに弟が居たなんて驚きだぞ!教えてくれりゃ良かったのに。」
「特に話す機会がなかったからな……」
「さて、じゃあ今度はあたしの番ね!」
(こいつは……おそらく声的に女のメンバーなのだろう。)
(女戦士とは珍しい!!声からして間違いなく美少女と見たぜ!!フリーだったらデートに誘おっと!!)
密かに期待に胸を膨らませているヤムチャ。そして立ち上がったセイバーレッドの一人が変身を解除すると……胴長短足だが筋肉モリモリマッチョマンの毛深いおっさんが姿を現し、Z戦士達が凍りついた。
「はぁ〜い♡レッド様のマカモホよ!No.は002!よろしくねん♡」
吐き気……もとい、悲鳴……もとい、可愛らしく(?)ウィンクし、野太い声で挨拶するマカモホと名乗るマッチョマン。一方Z戦士達は漸く再起動したが、全員があまりの展開についていけず冷や汗を流していた。
「……えっ?ま、待って?美少女は?な、なんで急におっさんが現れたの?宇宙式のトリックか何か?」
「い、いや、さっきと気が全く変わってねぇぞ……」
「はぁぁぁぁぁ!?いや、明らかにおかしいだろう!?だってさっきまで体格も小柄だったし声も女の子だったじゃないか!!それに胸もあったし!!」
机をバンバンぶっ叩いて抗議するヤムチャ。レッドはそれを見て(やっぱそう思うよなぁ……)と一人納得していたが、マカモホはこれまた気色悪……もとい、可愛らしい(?)笑顔を浮かべてヤムチャへぐいっと近づいた。
「ひぃっ!?」
「簡単な話よ色男さん。この変身装置を使うとただセイバーレッドのスーパースーツを纏うだけじゃなくて、体型や声帯に至るまで、自分の理想とする物に身体が書き換えられるのよん♪まぁ制限時間付きだし体型が変わっちゃう影響で普段より力が出ないのが難点だけど♪」
「ふ、ふざけんなーっ!!な、なんでそんな詐欺みたいな真似するんだ!?苦情が来るぞ苦情が!!」
「いや、マカモホはこの外見で戦闘時はかなりのバーサーカーと化すから、そのまま戦う方が怖がられてしまうんだ。部下達からも俺に助けを求める声が多くてな。で、解決する為に技術部が用意したのが……」
「この変身ブレスレットって訳♡」
「ふ、ふざけるなぁぁぁぁ!!!!一昔前のク◯ヨンし◯ちゃんの映画じゃあるまいし、俺はこんな展開絶対に認めないぞ!!!!」
「お前は突然何を言ってるんだ……?」
キレ過ぎておかしな事を口走り始めたヤムチャにこめかみに汗を流しながらツッコむラディッツ。
その後、四人目のメンバーが立ち上がり、変身を解除すると、ピッコロやネイルによく似たナメック星人が現れた。
「ぴ、ピッコロさんにそっくり!?」
「初めましてだな、地球のサイヤ人達よ。俺はイスターと言う。No.は003だ。お前達が俺の故郷で仲間達を救ってくれたと言う噂を聞いてから、ずっと礼を言いたかったんだ。ありがとう。」
(良かった、まともそうな仲間もちゃんと居るんだな。ターブルが変人に染まってしまうのかと心配したぞ……)
先程のマカモホと違ってまともそうなイスターに内心ホッとするベジータ。
ちなみに彼は遥か昔の大災害の時にナメック星から脱出した者達の末裔らしく、とある星で用心棒の仕事をしていた際レッドに救われ、珍しくレッドが自らスカウトして仲間に加わったらしい。
もっとも、今では仲間達に染まってギニュー特戦隊と同レベルの美的センスになってしまった為、レッドは密かに涙を流したらしいが……
そして最後の一人が前に出ると変身解除……はせずに腹部の装甲が開き、小さなタコ型の宇宙人が姿を現した。
「初めまして。科学者ですじゃ。」
「……おい、なんだこのいかにもな感じのエイリアンは?」
「こいつは新惑星ベジータって所で拾った科学者だ。」
「このブレスレットもこのタコ博士の発明なのよん♡」
「新惑星ベジータって、ベジータが伝説の超サイヤ人を倒しに行った所だよな……?」
(こんな奴が居たのか……多分パラガスの部下だったのだろうな……ひょっとしてブロリーを制御する為の装置を作ったのはこいつか……?)
どうやらこのタコ型宇宙人の科学者はレッド達が新惑星ベジータを訪れた際に保護され、そのまま開発部門のメンバーとなったらしい。
そしてこの7年の間に変身ブレスレットを始めとする数々のとんでも作品を開発し、果てには自分が中から操作する為のロボットとしてセイバーレッド004を開発したのだと言う。
更に恐ろしいことにセイバーレッド004の戦闘力はフリーザを上回る程であり、並大抵の相手ではまず相手にならない為、ギンガセイバーのメンバーにまで就任してしまったのだと言う。
また、004には特殊なAIを搭載しており、普段はそちらが喋っている為、中身が科学者である事が気付かれた事はこれまでないらしい。
(ま、まともなのはイスターだけではないか……ターブルの奴は本当に大丈夫なのか……!?」
「そもそもテメェ、なんで前のセルと色がちげぇんだよ?戦闘力も随分たけぇみたいだし……」
「それは説明すると長くなるが……簡単に言えばベジータ、貴様のせいだ。」
「何ぃ!?」
完全に予想外だったのか、目を見開いて驚くベジータ。悟空達も何故ベジータ?とばかりに首を傾げている。
「貴様が初めて地球に来た時、スパイロボットが貴様の細胞を採取したんだが、その細胞を俺様の身体に取り込んだ結果、異常なまでの進化が始まってな……本来だったら完成まで20年近く掛かる予定が、ほんの4年で完成までに至ってしまったのだ。しかも本来予想されたより遥かに高い戦闘力まで得てな。この赤い身体も貴様の細胞の影響だろう。」
(な、何故俺の細胞を取り込んで身体が赤くなるんだ……まさか俺が超サイヤ人4に変身できるのが関係あるのか……?)
前のセルはこんな変化は起きなかったのに、何故かおかしな変化を遂げたレッドに訳がわからず混乱するベジータ。しかしその間にも話は続いていく。
「だが何故宇宙に出たんだ?言い方は悪いが緑の奴みたいに地球人を襲えば良かっただろう。」
「俺様も最初はそう考えた。しかし何故か地球人を襲おうと考えると身体が物凄い拒否反応を起こして出来なかったのだ。」
「拒否反応?」
「ああ。特に水色の髪の地球人女性に手を出そうとすると罪悪感のあまり危うく自害をしそうになる程だった……」
「水色の髪の女性って……」
「もしかして、ブルマさんの事かな?」
「ベジータ、これどう考えてもオメェの……」
「黙れ。」
「いや、でもよ……」
「頼むから黙ってくれ、カカロット……」
「お、おお……」
(遺伝子レベルでブルマさんの事が好きだったのか、ベジータ……)
羞恥心のあまりそっぽ向くベジータにZ戦士達が何とも言えない表情を浮かべている。まぁそれで地球人の犠牲が減ったのは事実なので誰も文句は言えないのだが……
そこからレッドは語り続ける。ベジータ細胞のおかげで生まれた時点の戦闘力でも18号達を軽く凌駕する戦闘力を得てはいたが、これまたベジータ細胞の効果で18号達を襲うと考えると罪悪感で動けなくなってしまう為実行出来ず、かと言って強くなりたい欲求は常人より遥かに高い為諦める事も出来ないと、所謂八方塞がりの状態になってしまったらしい。
しかしそこでレッドは閃いた。地球人達や18号達が駄目なら、宇宙に大量にいるフリーザ軍の残党どもを襲えば良いんじゃね?と。
「それからはもう手当たり次第にフリーザ軍の残党どもを見つけては吸収し、また見つけては吸収する日々を送っていたんだが……あっ、ちなみに瞬間移動を覚えたのもその時だぞ。偶々フリーザ軍の残党がヤードラット星に逃げ込んだ事があって、その時助けたついでに教えて貰ったんだ。」
「だからあの時瞬間移動を……」
「まぁ、そう言う事だ。しかし、俺様はあくまで自分の為にフリーザ軍を狩っていただけなのだが、何故か知らんがいつの間にやら救世主と呼ばれるようになってしまってな……」
「いやいや、当然じゃないレッド様!!だってあのフリーザ軍をやっつけて何億何兆……いいえ、もっと多くの人命を救ったのよ!?フリーザ軍に対して何の出来ない役立たずの銀河パトロールなんかよりレッド様の方がよっぽど宇宙の平和を守ってるわよん!!」
「なぁ、銀河パトロールって何だ?」
「銀河パトロールは、簡単に言えば警察を宇宙規模に大きくしたような物だ。」
首を傾げる悟空に、イスターが補足する。
「えーっと……よ、要するに宇宙守ってる警察っちゅー事でいいんか?」
「ええ。まぁさっき話した通りフリーザ軍に対しては何一つ有効策を打てない無能どもだけどね。」
「ふーん……警察かぁ、じゃああんまし強くなさそうだな。」
悟空にとって警察=「色々口うるせぇけど結構親切な奴等。でもあんまし強くはねぇ」と言うイメージの為、銀河パトロールもそんな感じのイメージになってしまったようだ。
その後、フリーザ軍の反乱分子にまでレッドの救世主伝説が伝わった結果、一部の部隊が軍を離脱し、そのままレッドの元へ押しかけ、強引に部下にして貰ったらしい。
そしてなんやかんやでメンバーが増え、この7年で組織も凄まじく大きくなり、ここにいる四人は組織でも選りすぐりの4人なんだそうだ。
「待て、つまりターブル、貴様はフリーザ軍の残党の攻撃を受けていたと言う事か?」
「はい。アボとカドと言う奴等が僕の送られた星に攻めて来ていたんです。今にしてみれば大した事はない奴等でしたが、当時の僕は手も足も出ず……そこへレッドさんが駆けつけてくれたんです!!」
「気は結構なもんだったが、あんまり美味くはなかったな、あいつ等。」
(美味くない……?吸収する時には何らかの味がするのか……?)
フリーザ軍幹部の二人を思い出し、顔を顰めているレッド。どうやらよっぽど味的にはお気に召さなかったらしい。
「それで僕はレッドさん達に助けて貰ったんですが、その時にレッドさん達が宇宙平和の為に活動していると聞かされ、感銘を受けまして、是非一緒に戦いたいと思い、部下に加えて貰ったんです!!」
「婚約者までいるのにこんな怪しい集団に押しかけてくるとかどうなってるんだ、貴様の弟は……」
「こ、婚約者だと!?ターブル、本当なのか!?」
「えっ?あっ、はい。で、でも大丈夫です!彼女も理解してくれてますし、休みの度にしっかり会いに行っていますし、来年には式を挙げる予定なんです!良かったら兄さん来て下さい!」
「そ、そうか、それはめでたい……レッド、弟が世話になっているようだな。礼を言わせてくれ。」
「別に構わん。まぁ変なヒーロー物の影響を受けて、ノリノリでポーズ取ろうとするのだけは勘弁して欲しいが……」
「えっ、変ですか?格好良いと思いますが……」
「僕も同感です!!ギンガセイバーの決めポーズはカッコいいと思います!!」
首を傾げるターブルにすかさず悟飯が賛同し、マカモホとイスター、そして004もうんうんと頷いている。それを見てレッドは深い溜息を漏らしていた。
「この7年で俺様は見ての通り18号達抜きで完全体になる事が出来たんだが、気がついたら組織がとんでもない規模で大きくなっていてな……俺様としては地球に帰って隠居したかったんだが、今ここで俺様が地球に隠居したら地球の総人口の数百倍の数の部下達が俺様を探しに地球まで押しかけると脅され、辞めるに辞められなくなってしまったのだ……」
「そ、それは大変だったな……」
「わかってくれるかベジータよ……っと、話を戻すが、俺様達は普段は宇宙の平和維持の為に動いているのだが、最近になってフリーザ軍の残党の指揮官、ソルベとやら地球近辺で怪しい動きをしているとの報告が入ってな。」
「地球でだと?」
「ああ。フリーザ軍の戦力は既に全盛期の2割程度しか残っていないからな……このままの勢いで狩り続ければ、後2、3年で完全に壊滅するだろう。それを何とかしたくて、藁にも縋る思いで地球に来たんだろう。」
「何で地球に……って、聞くまでもねぇか。」
「ああ、ドラゴンボールだ。」
どうやらフリーザ軍の幹部のソルベとやらが、起死回生の為にフリーザを蘇らせようとしているらしい。しかし、それを聞いたベジータはフッと笑い、レッドに顔を向けた。
「安心しろ、レッド。どう足掻こうとそいつの願いが叶う事はない。」
「何故そう言い切れる?」
「簡単だ。ドラゴンボールはここ数年の間、ずっと精神と時の部屋……神の神殿にある特殊な空間の中に保管してある。奴等がその事に気付ける筈がない。」
「特殊な空間……なるほど、それなら確かに奴等が見つける事は出来そうもないな。では、後はソルベ達を捕まえるだけか。これなら思ったよりも早く帰れそうだな。」
「ちょっと待った!!なぁレッド、その仕事って急ぎなんか?」
「いや、別にそこまでではないが……そもそもソルベが何処に潜伏しているかも知らんしな。」
「よし、んじゃいっちょオラと手合わせしてくれ!!オメェ、前のセルと比べてずっと強いだろ?オラ、さっきからすっげぇワクワクしてたんだ!!」
目をキラキラさせながら手合わせを申し込んでくる悟空にポカンとした表情を浮かべるレッド。
しかしすぐに好戦的な笑みを浮かべると、その申し出を受け入れるように立ち上がった。
「面白い……俺様も貴様の実力には興味があったところだ、カカロット。」
「決まりだな!!場所を変えようぜ。ここじゃオメェも思いっ切りやれねぇだろう?」
「そうだな……ククク、楽しみだ。」
※※※
誰もいない荒野地帯で、悟空とレッドが対峙している。そんな二人を少し離れた所でベジータ達が見つめていた。
「カカロットの奴、まさかいきなり戦いを申し込むとは……」
「まぁ、悟空らしいけどな。」
悟空の相変わらずの自由奔放っぷりに、ラディッツとヤムチャが苦笑している。一方ベジータはレッドの力に興味があるのか、二人の試合を楽しみにしているようだ。
「早速始めっか……フンッ!!でやぁあああああっ!!!!」
気を解放し、一気に超サイヤ人2まで変身する悟空。しかしレッドは特に臆した様子も見せず、逆に溜息を漏らしたかと思うと、一瞬にしてその姿が消え、悟空の目の前へと接近し……
「がはぁっ!?」
相手が反応する暇も与えず、鳩尾にパンチを叩き込んでしまった。これには堪らず悟空も腹を押さえて蹲るが、レッドはそんな悟空に呆れたような顔で見下ろしていた。
「貴様、自分から勝負を挑んでおいて手を抜くとはどう言う了見だ?言っておくが加減してやるのは今回だけだ。まだ手を抜くようなら次の一撃で終わらせてやるぞ。」
「ぐっ……わ、悪かった。確かにオメェには様子見なんてしてる余裕は無さそうだ……見せてやるよ、俺の本気の力を!!はぁあああああああ……!!!!」
今の一撃で超サイヤ人2の状態では絶対に勝てないと悟ったのか、一気に本気を出す事を決意した悟空は、更なる変身を開始する。
そして悟空の変身に合わせて天変地異が起き、空は暗く染まって行く。
「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
最後に悟空の気が大きな爆発を起こし、周囲を閃光が包み込んだ。そして光が晴れると、髪が伸び、眉が無くなり、瞳の形状が変化し、無数の紫電を纏った、超サイヤ人3の悟空が立っていた。
「待たせちまったな……これが俺の全力、超サイヤ人3だ。」
「ククク……流石はカカロットだ。俺様の想像を遥かに超えている。それでこそ、俺様も全力を出す価値があると言う物た……はぁああああああああ!!!!でりゃぁあああああああああああっ!!!!!!」
同じように、レッドも全力を出し、黄金のオーラを解き放つ。そのオーラは超サイヤ人3の悟空に負けない程荒々しく、無数の紫電を纏っていた。
「さぁ、始めようか?」
「……こいつはちょっとヤベェかもな。」
レッドの力が予想以上だったのか、思わず冷や汗を流している悟空。だがそれ以上にワクワクして仕方がないようだった。
「行くぜ、レッドッ!!!!」
「来い、カカロット!!!!」
オーラを爆発させ、悟空とレッドが同時に突撃する。果たして、この7年でレッドは一体どれだけ強くなっているのだろうか……?