ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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増殖する邪念

「し、尻尾がもう生えて来ねえだと!?ふ、ふざけんな、この馬鹿ガキが!!何だってそんな事になってんだ!?」

 

「な、何いきなりキレてんだよ?し、仕方ねぇだろ、生えて来なくなっちまったんだから!!そりゃオラだって出来ればまた生えて来て欲しいって思ってっけどよ……」

 

「そう言う問題じゃねぇんだよ!!って、よく見りゃどいつもこいつも尻尾を無くしちまってるじゃねぇか!?クソッ!!もしこのままカカロットがあの姿になれなかったら、"あいつ"には絶対に……!!」

 

「……?オメェ、何急にぶつぶつ言ってんだ?」

 

 突然怒り出したかと思えばぶつぶつ言い始めたバーダックに首を傾げている悟空。そしてバーダックは先程までのクールさは何処へやら、一人で頭を抱えていた。

するとそこへバビディがバーダックにテレパシーを飛ばしてくる。

 

『おい、何敵と馴れ合ってるんだよ!?早くそいつをボコボコにして魔人ブウの為のエネルギーを稼ぐんだ!!』

 

「うるせぇ!!今はそれどころじゃねぇんだ、テメェは黙ってろ!!」

 

『なっ……う、うるさいだってぇ!?だ、誰に向かってそんな口を利いてるんだ!!僕はお前の主人、バビディ様なんだぞ!?誰のおかげでそこまで強くなれたと思ってるんだぁ!!』

 

「はっ、道化が……テメェの魔術なんざあっても無くても何も変わりゃしねぇんだよ!!」

 

『な、何を〜!?』

 

「ど、どうしたんだ、あいつ?今度は大声で独り言言い出したぞ。ひょっとして頭が変になっちまったんか?」

 

「おそらく、バビディがあの者にテレパシーを飛ばしているのでしょう。しかし、どうにも様子が変ですね……?」

 

 一人で叫び出したバーダックに大変失礼な事を言う悟空へ、界王神がテレパシーで会話している事を伝える。

 そしてバーダックはバビディと暫く怒鳴り合っていたが、やがて何か閃いたように顔を上げた。

 

「そ、そうだ!!おいカカロット、確かこの星にはドラゴンボールとか言う何でも願いが叶うとんでもねぇ物がある筈だな!?」

 

「なっ、どうしてオメェがドラゴンボールを!!」

 

「んなこたぁどうだって良い!!そいつを使えば尻尾を再生させる事は出来るか!?」

 

「えっ?う、うーん……多分出来ると思うぞ?オラも最近修行行き詰まってっから試してみようかと思ってたし……」

 

「よし!!だったらそいつを使って絶対に尻尾を再生させやがれ!!良いな!?」

 

「お、おお……」

 

「さっきはよくもやってくれたな、猿がっ!!」

 

「フリーザ!?」

 

 悟空がハッとなって顔を上げると、あの世から帰還したフリーザが上空で巨大なエネルギー弾を右手の上に掲げていた。

 

「もう沢山だ!!魔人ブウなど知った事か!!親子共々、この星と共に消えてなくなるが良い!!」

 

「えっ?お、親子って……」

 

「…………」

 

「死ぃねぇぇぇぇぇ………っ!?」

 

 エネルギー弾を地表に向けて放とうとしたその瞬間、目にも留まらぬ速度でバーダックがフリーザの目の前まで現れると、そのまま右手でフリーザの腹部を貫き、気を解放して内側から爆散してしまった。

 

「フン、屑野郎が。テメェの考えてる事なんて簡単にわかるんだよ……」

 

『おいこら〜!!攻撃すんのはそっちじゃないだろ!!味方同士で何やってるんだ!?』

 

「生憎だったな……あの屑はどんな理由があろうと俺の敵だ。そこだけは絶対に譲るつもりはねぇ。」

 

『お、お前ぇ〜……!!』

 

「安心しな、魔道士サマ。あいつの相手はきちんとしてやるさ……尻尾を再生させる宛ても出来た事だしな……」

 

 後半の部分は聞こえないようにボソッと呟くバーダック。一方悟空はさっきのフリーザの発言から、バーダックが何者なのか勘付いたようだ。

 

「お、オメェ……もしかしてオラの父ちゃん、なんか……?」

 

「………」

 

「に、兄ちゃん!!どうなんだ!?」

 

「……ああ、そうだ。もっとも今はサイヤ人の誇りを忘れ、バビディの手下なんぞに落ちぶれたクソッタレ野郎だがな……」

 

「こ、こいつがオラの父ちゃん……そ、そんな……そんな……」

 

「カカロット……」

 

「オラの父ちゃんって、突然怒鳴ったり、ぶつぶつ独り言を言ったり、しかもドラゴンボールで尻尾生やせとか言い出したりする、昔のベジータ以上に変な奴だったんか……」

 

 なんか変な事でショックを受けている悟空に、一瞬その場が静まり返り、直後全員がずっこけてしまった。

 

「お、お前と言う奴は、どうしてそうズレた反応ばかりをするんだ!?もっとこう、ショックを受けるべき点があるだろう!!父親がバビディの手駒にされてしまったんだぞ!?」

 

「い、いや、結構ショック受けても仕方ねぇと思うけど……それに操られてるって、とてもそんな風には見え……」

 

「おい、いつまで敵の前で無駄話してやがんだ?とっとと始めようぜ。」

 

「……最初に言い始めたんはそっちじゃねぇか。」

 

「うるせぇな、俺は良いんだよ。とにかくカカロット、テメェの力を俺に見せてみろ!!」

 

「ま、待て親父!!まだ俺との勝負は……ぐっ!!」

 

 立ち上がろうとした瞬間、激痛のせいで思わず膝をついてしまうラディッツ。

 

「兄ちゃん、無理せず休んでてくれ。あいつ……父ちゃんはオラと戦いてぇようだし、オラも父ちゃんの力に興味があるからな。悟飯、兄ちゃんを連れて下がっててくれ!!」

 

「は、はい。お父さんもお気をつけて!!あの人、相当な強さです!!」

 

 ラディッツに肩を貸し、移動する悟飯を見届けると、悟空は改めてバーダックと対峙した。

 こうして改めて対峙するとわかる。目の前に立つ男は、悟飯の言う通り相当な強さだ。今までも実力の半分も出してはいないだろう。

 バーダックから放たれる圧力に、まるでベジータと向き合ってるようだと悟空は感じていた。

 

「……なぁ、何で父ちゃんはそんなにオラに尻尾が生えてるかどうかに拘るんだ?」

 

「………」

 

 静かに目を閉じるバーダック。脳裏に浮かぶのは、失った筈の予知能力が再度発動し、つい最近視た未来の光景だった。

 

 その未来では、空は黒く染まり、嵐が吹き荒れ、割れた大地からはマグマが吹き出し、廃墟と化した街には無数の人々の遺体が転がっている……正にこの世の終わりと言うに相応しい光景だ。

 

 そして、そんな廃墟の中で、白い怪物が腕を組んで高笑いし、その怪物へ何処か大猿を思わせる容姿をし、髪を真っ赤に染めた二人の戦士が真っ向から立ち向かって行った。

 

 だが、最後に映し出された未来は、世界の全てが黒く……

 

「っ……!!」

 

「お、おい?」

 

「……ラディッツの野郎にも言ったが、敵であるテメェにそんな事を話してやる義理はねぇ。聞きたかったら俺を倒してからにしな!!はぁぁぁぁっ!!!!」

 

 一気に気を高め、超サイヤ人3へと変身を遂げるバーダック。その凄まじい気に、悟空は無意識のうちに冷や汗を流した。しかし、それ以上に強敵の登場に、心から楽しそうに笑顔を浮かべる。

 

「すげぇな父ちゃん……!!だが、オラも負ける気はねぇぞ!!はぁああああああ!!!!」

 

 超サイヤ人3の状態から、更に気を上昇させ、超サイヤ人3をフルパワー状態まで強化する悟空。黄金のオーラが今まで以上に濃厚になり、オーラの周りのスパークも更に激しくなっていた。

 

「さぁ、やろうぜ……!!」

 

「それが今のテメェの全力か……やはり、足りねぇな……」

 

「……?何が足りねぇんだ?」

 

「何度も言わせんな……答える義理はねぇよ!!」

 

「!!」

 

 右手を翳すと、凄まじい破壊力の気功波を放つバーダック。咄嗟に悟空は回避したが、背後で着弾した気功波が大爆発を起こし、その凄まじさに悟空は目を剥いていた。

 

「す、すげぇ威力だ……!!へへっ、そうこなくっちゃなぁ!!」

 

 ニッと楽しそうに笑い、バーダックへと向かって行く悟空。対するバーダックもニヤリと笑い、迎え撃つように突撃して行った。

 

 

※※※

 

 

「あいつめ、漸く戦い始めたか……」

 

 水晶に映るバーダックを見て、思わずバビディはそう呟いた。お互い超サイヤ人3と言う事もあってか、凄まじい激闘を繰り広げており、二人ともダーブラや他の手下達とは文字通り次元の違う戦いを繰り広げている。

 

「まぁ良いや。もう四割くらいエネルギーが集まってるし、この調子ならエネルギーもすぐに溜まるでしょ!!ふふふ、近いよ、魔人ブウ復活の時が!!」 

 

 

※※※

 

 

 一方その頃、トランクスと悟天は超サイヤ人2に変身するも、バビディの魔術で強化された合体13号に追い込まれていた。

 

「はぁ、はぁ……急に変なパーツがくっついたかと思えば、こいつ強くなり過ぎだろ!?」

 

「ど、どうしようトランクス君!?このままじゃやられちゃうよ!!」

 

「ふはははははは!!」

 

「ぐぅっ!?」

 

 急接近して来た合体13号に、二人纏めてラリアットを叩き込まれ、ビルまで叩きつけられてしまう。

 そしてトドメを刺すべく合体13号は巨大なエネルギー弾を放とうとするが……

 

「させるかぁっ!!」

 

「ぐっ!?」

 

上空からピッコロが合体13号の頭目掛けて飛び蹴りを叩き込み、エネルギー弾は明後日の方向へと発射されてしまった。更に……

 

「ヤムチャ、クリリン!!」

 

「「かめはめ波ぁっ!!」」

 

 ヤムチャとクリリンが同タイミングでかめはめ波を放ち、合体13号を遥か彼方まで吹き飛ばした。

 

「悟天君、トランクス君、大丈夫!?」

 

「お、おうミント……いてて……ったく、子供相手に大人気ねぇおっさんだぜ。」

 

「今ので奴を倒せたとは思えん……お前達はミントを連れてもう下がれ。奴の相手は俺とヤムチャがする。」

 

「ちょっとちょっとピッコロさん、何言ってるのさ!?」

 

「まだ僕達はやれるよ!!とっておきの技だってあるしね!!」

 

「とっておきの技だと?」

 

「うん!!悟空おじさんにこの前教えて貰ったんだ!!ポーズがダサくて嫌だけど、成功すりゃあんなデカ物余裕で瞬殺出来るぜ!!」

 

 自信満々に宣言するトランクスを肯定するように悟天も頷いた。ピッコロは暫く考え込むようにしていたが、やがて意を決したように悟天とトランクスに目を向けた。

 

「良いだろう、ではそのとっておきの技とやらをやってみるが良い。」

 

「ちょっ、ピッコロ本気かよ!?」

 

 まさかのピッコロが二人に任せる発言をした事で、クリリンが正気かとばかりに驚いている。だがピッコロは冷静に、そしてゆっくりと口を開いた。

 

「こいつ等のとてつもない才能はクリリン、お前も気付いている筈だ。あの悟飯でさえこいつ等くらいの年齢の頃は超サイヤ人にすら目覚めていなかったが、この二人は既に超サイヤ人2にまで到達している。その二人がとっておきとまで言うんだ、試してみる価値はあるだろう。」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「俺もピッコロに賛成だ、クリリン。それに、いざって時はそれこそ俺とピッコロでフォローすれば良いさ。」

 

「……わ、わかりました。二人とも油断するなよ!」

 

「悟天君、トランクス君、頑張ってね!!」

 

「おう!!さーて、あのデカブツも戻って来そうだし、早速行くぜ、悟天!!」

 

「うん!!」

 

 まず、二人は一定の距離を取り、気を合わせる。そしてそれぞれが両手を左右に広げた。

 

「「フュー……ジョンッ!!はぁっ!!!!」」

 

 そこから二人は左右対称にダサ……独特のダンスのような動きをし、掛け声と共に人差し指をくっつけると、二人は光に包まれる。

 そして閃光が晴れると、逆立った黒と紫の髪をし、何処かの民族衣装と思われる服を身に纏った、"肥満体型"の少年が好戦的な笑みを浮かべて腕組みをしていた。

 

「このゴテンクス様が、テメェを地獄に送ってやるぜぇ!!!」

 

 戻って来た合体13号に、ビシッと指を刺してポーズを決める自称ゴテンクス。そんな彼を見てピッコロ、ヤムチャ、クリリン、そして敵である合体13号すら唖然としていた。

 

「うわ、ダサっ……」

 

 小さくそう呟いたミントに、その場に居た全員が同意したのは無理もない事だった……

 

 ちなみに、この後デブのゴテンクスが合体13号にボコボコにされたのは言うまでもないだろう。

 

 

※※※

 

 

「行くぞ、化け物っ!!」

 

 そして同時刻、あの世では超サイヤ人4に変身したベジータがジャネンバとの戦闘を開始していた。

 

 まずベジータの飛び蹴りをジャネンバは両腕を交差させて防ぐが、続くもう一撃でガードを崩され、そこへすかさずパンチが放たれ、殴り飛ばされてしまった。

 

「逃さん!!ビッグバンアタァック!!」

 

 追撃にビッグバンアタックを放つベジータ。だが、ジャネンバはニヤリと笑うと、身体をブロック状に分解させ、ビッグバンアタックを回避してしまった。

 

「何っ!?はっ!!」

 

「キヒヒヒヒヒ!!」

 

 真横から現れたジャネンバが右手をベジータに向けると、至近距離でエネルギー弾を放ち、咄嗟の事で反応の遅れたベジータは避け切れずに直撃してしまった。

 

「くっ!!貴様ぁっ!!」

 

 即座に体制を立て直したベジータは、反撃に気功波を放つも、ジャネンバは同じく身体を分解させ、更にワープする事によって回避してしまう。

 だが、その動きは既にベジータに見切られていた。

 

「そこかぁっ!!」

 

「っ!?」

 

 相手が完全にワープし切る前に気功波を叩き込むベジータ。案の定ワープ先にダメージを受けたジャネンバが飛び出して来たので、すかさずベジータは殴り掛かった。

 咄嗟にジャネンバは腕を伸ばして反撃するが、簡単に腕は振り払われ、腹部にパンチが叩き込まれてしまう。

 

「ガァッ!?」

 

「へっ、ムカつく馬鹿笑いをする余裕もないらしいな!!だが、この程度では済まさんぞ!!だりゃああああああ!!!!」

 

「ギィッ……!!」

 

 ベジータからパンチのラッシュを受けつつも、すぐにニヤリと笑い、口から破壊光線を放って反撃するジャネンバ。

 咄嗟にベジータは回避するが、間髪入れずにジャネンバが無数の光の破片を放った。

 

「ぐぅううううう!?」

 

 両腕を交差させ、何とか防ぎ切るが、これには流石のベジータもダメージを受けたようだ。そしてその隙にジャネンバは棍棒を拾い上げると剣に変身させ、ベジータへ向けて斬撃波を連発する。

 

「ちぃ、器用な真似をしやがる!!でりゃあ!!」

 

両腕に気を纏い、斬撃波を殴る事で弾き飛ばすベジータ。それを見てジャネンバは楽しそうに高笑いをし始めた。

 

「ギャハハハハハハハ!!!!」

 

「この野郎、超サイヤ人4を相手にして、まだ笑う余裕がありやがるのか……ちっ、未完成故まだ使いたくはなかったが、こうも得体の知れない奴が相手では仕方あるまい……はぁあああああ……!!!!」

 

 構えを取り、静かに気を高めて行くベジータ。そしてベジータの気の上昇に合わせ、ベジータの纏うオーラが金色からマグマのような紅蓮へと変わって行く。

 最初は高笑いしていたジャネンバも、ベジータのその変化を感じ取る、警戒するようにベジータを睨みつけた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

 

 ベジータの髪と瞳が真紅へ染まり、周囲に凄まじい気の爆発を巻き起こす。その衝撃波にキビトは吹っ飛ばされてしまい、ジャネンバはどうにか踏み止まる事に成功したが……

 

「ガルルルル……はっ!?」

 

「……悪いが、この姿でいられる時間は短いんでな。とっとと終わらせて貰うぞ!!」

 

 かつてブラッククウラすらも倒した、超フルパワーサイヤ人4を超える、最強の超サイヤ人4へと変身を遂げたベジータ。

 ジャネンバは思わず一歩下がってしまうが、すぐに身体を奮い立たせる、ベジータへと突撃した。だが……

 

「遅いっ!!!!」

 

「ガァァァァァッ!?」

 

 目にも留まらぬ速度でベジータの猛攻を受け、一瞬にしてズタボロにされてしまうジャネンバ。そしてベジータはトドメを刺すべく、両手に真紅の気を収束させて行き、両手首をくっつけた。

 

「こいつで消し飛びやがれぇっ!!!!プロミネンスバーストフラァァァァァァッシュ!!!!!!」

 

「!!!!」

 

 ほぼゼロ距離で放たれた超極大の真紅のエネルギー波に飲まれるジャネンバ。そのまま地獄の遥か彼方まで吹き飛ばされて行き、地獄全体を揺らす程の大爆発を起こした。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……て、手応えはあったぜ……くっ!!」

 

「だ、大丈夫か!?」

 

 急に膝をついたベジータを心配し、キビトが傍まで駆け寄ると、ベジータの変身も解除されてしまった。

 

「心配はいらん……この形態をまだ上手くコントロール出来ていないだけだ……それより、奴はどうなった?」

 

「あ、ああ、奴の気は感じられん。先程ので倒されたのだろう……」

 

 実際、確かにジャネンバの気は消えていた。そして爆風が晴れるとそこにはジャネンバの姿は無く、若い鬼が気絶していた。

 

「あれは鬼か?なるほど、あの鬼にとてつもない邪念が取り憑いた結果、あのような怪物となった訳か。全く、閻魔大王には後で厳重注意を……」

 

「……待て。」

 

「どうした?」

 

「妙だ……奴を倒した筈なのに、先程から地獄が元に戻る気配が全くない。」

 

「っ!!い、言われてみれば……ま、まさか!?」

 

「奴はまだ……生きている……!!」

 

 

※※※

 

 

「はぁ、はぁ……くっ、おのれ……超サイヤ人に目覚めたこの俺が、こんな奴なんかに……!!」

 

 クウラに一方的にサンドバッグにされ、悔しそうに歯軋りしているターレス。するとクウラはそんなターレスを鼻で笑い飛ばした。

 

「フン、貴様は俺の知るどの超サイヤ人より弱いがな?」

 

「だ、黙れっ!!」

 

「自惚れるなよ、山猿め。貴様は自分で思っている程特別でも何でもないのだ。」

 

「黙れと言っている!!うぉおおおおおおお!!!!」

 

 激昂し、クウラへと殴り掛かるターレス。だが、突如そんな彼を、とてつもなくドス黒い気の塊が覆い尽くしてしまった。

 

「むっ!?」

 

「ガァァァァァッ!!!!な、何だ、これは!?や、やめろ!!お、俺が……俺が消えっ……ぐおおおおおおおおっ!!!!」

 

 ドス黒い気の中で必死に踠き続けるターレス。だが、すぐにその抵抗は止み、ターレスの声は聞こえなくなってしまった。

 そしてドス黒い気がターレスの身体の中へ吸い込まれて行くと、ターレスの身体は紫の卵のようなものに包まれて行き、その卵が砕け散ると……

 

「……何者だ、貴様?あのターレスとか言う山猿とは違うようだが……」

 

「ギャハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

 先程あの世で倒された筈のジャネンバが、クウラの前で高笑いしていた。本当の地獄はここから始まる……

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