ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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今回で地獄編は終了です。次からはビルス編……の前に少し短編挟みます。ヒルデガーンはその辺で片付けるかも……後超4のバーゲンセールも始まるかもしれん。


明かされる秘密

「はぁ、はぁ……こ、こいつ等、どれだけ倒してもキリがない……!!」

 

「こ、コンピューターが弾き出したデータによりますと、即時撤退を推奨しますじゃ!!」

 

「グフフフ……い、いい加減に諦めろ。ワシ等は不死身なのだ。どれだけ貴様等が足掻こうと、勝つ事は決して出来ぬ!!」

 

 何度倒しても復活を繰り返すスラッグ達に、レッド以外のギンガセイバー面々は流石に疲労を隠せていないようだ。

 

「……仕方ない。後は俺様に任せて、貴様等は撤退しろ。」

 

「なっ!?れ、レッド様、何を!!」

 

「僕達はまだやれます!!」

 

「流石にそれだけ体力を消耗していたら限界だろう。心配するな、こんな雑魚ども、俺様一人で充分だ。」

 

「仲間を逃す為、自ら犠牲になるつもりか?美しい自己犠牲の精神だな!!しかし無駄だ!!一人残らずワシが始末してくれるっ!!はーはっはっは!!」

 

 高笑いしながらレッド達へ突撃するスラッグ。そして右手を振り翳し、気功波を放とうとしたが、いきなりその姿が綺麗さっぱり消滅してしまった。

 

「き、消えた!?」

 

「み、見て!!他の死人達も消えて行くわ!!」

 

 詐欺s……マカモホが指差した先では、蘇ったフリーザ軍の兵士やらが一斉に消滅して行った。それを見て、レッドは自分達の勝利を悟った。

 

「レッド、これは……」

 

「ああ、ベジータ達がやってくれたようだ。全く、無駄に時間をかけおってからに……」

 

 口ではそう言いつつも、レッドは小さく笑みを浮かべていた。

 

 

※※※

 

 

「ターレス……」

 

 血塗れになり、仰向けになっているターレスをゴジータが見下ろしていた。その視線に気付いたターレスは敵意を浮かべる事もなく、自嘲するように笑みを浮かべた。

 

「貴様……カカロットとベジータが合体した姿か……はっ、俺に何の用だ……?無様な下級戦士を笑いにでも来やがったか……?」

 

「んな悪趣味な事するかよ。ただ聞きたい事があっただけだ。なんであの時俺達を助けるような真似しやがった?悔しいが、テメェの援護がなければフュージョンは失敗してた可能性が高い。だが、テメェに俺達を攻撃する理由はあっても、助ける理由なんざねぇ筈だ。」

 

「助けた、だと?クク、勘違いすんじゃねぇ……俺はただ、貴様等を利用しただけだ。俺を良いように利用した奴等に、報いを与える為にな……」

 

「……そうかよ。言っとくが、テメェに同情なんざするつもりはねぇし、ドーピング頼りのクソ野郎って評価を変える気もねぇぞ。せいぜいあの世で反省して、破壊神とやらに消されるのを待つんだな。」

 

「はっ、なんとでも言えよ。俺は間違った事をしたつもりなんてねぇ。俺はテメェ等みてぇな恵まれた環境で生きてた訳じゃねぇ。下級戦士の俺がそんな環境で生き抜く為には、それこそ神の恵みにでも縋るしかなかったんだ。もし過去に戻っても、きっと同じ事をしただろうよ。」

 

「……過去に戻れたら、か……」

 

(だが、カカロット……貴様なら、あんな状況の中でも、別の道を選ぶ事が出来たのかもしれん……フッ……俺にも、貴様くらいの根性があれば、な……)

 

 そして、他の死者達と同じようにターレスは消えて行った。はたして彼は最期に何を想ったのか、それは誰にもわからない。だが、消える間際、彼は少しだけ穏やかな笑顔を浮かべていた。少なくとも、ゴジータにはそう見えた。

 程なくしてゴジータのフュージョンも解除され、悟空とベジータに分離すると、悟空はターレスが消えて行った空を見上げた。

 

「……なぁ、ベジータ。」

 

「なんだ。」

 

「もし俺が昔頭を打たなかったら……サイヤ人としての記憶を無くさなかったら、ターレスと同じようになってたと思うか?」

 

「……知るか。たらればの話なんぞした所で意味はあるまい。手段を問わぬ生き方を貫いた奴は死に、甘い生き方を貫いた貴様は生き残った。それだけが唯一の真実だ。」

 

「フッ……そうか。そうだな……」

 

「お父さん、ベジータさん!!」

 

 何処かしんみりとした雰囲気の中、悟飯とバーダック、そしてクウラがベジータ達の下までやって来た……のだが、突如クウラがベジータと悟空にぐいっと近づけた。

 

「ベジータ、孫悟空。」

 

「な、なんだ?顔が近いぞ貴様。」

 

「今すぐもう一回フュージョンしろ。」

 

「は?な、何故だ。」

 

「何故だと?馬鹿者っ!!もはや別次元としか表現のしようのない戦闘力の持ち主と戦ってみたいと考えるのは当然だろうがっ!!わかったらさっさとフュージョンしろ!!そして俺と戦え!!」

 

 顔をくわっとさせながらそう宣言するクウラに、ベジータも悟空も思わず固まってしまう。するとバーダックが心底おかしいとばかりにお腹を抱えて笑い出してしまった。

 

「クククク……テメェ、生まれる種族を間違えたとしか思えねぇくらいサイヤ人らしい気質してやがるな……カカロット、王子。フュージョンしてやれよ。俺も間近であの力を見てみてぇ。」

 

「うーん……俺としては構わねぇんだが……」

 

「ふ、ふざけるな!?緊急事態でもないのに、あんなみっともないポーズが出来るかぁ!!」

 

「貴様の都合なぞ知るか!!とっととあのダサいダンスを踊ってフュージョンしろ!!」

 

「断るっ!!」

 

 フュージョンするしないで揉めているベジータとクウラを、悟飯は苦笑しながら眺めていた。しかしふと、バーダックがまだ消えていない事に気付き、首を傾げた。

 

「あの、なんでお爺ちゃんはまだあの世に帰ってないんですか?ターレスや他の死者達はあの世に戻ったのに……」

 

「あ?……言われてみりゃ、妙だな。」

 

『それについてはワシから説明してやろう!』

 

「っ!?誰だ!!」

 

「この声、界王様か!?」

 

 いきなり天から声が聞こえて来た事で、バーダックは警戒しながら周囲を見渡すが、悟空は北の界王の声であるとすぐに理解したようで、嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

『バーダックよ、お主とその妻ギネは、特別に今日だけ現世に留まる事が許可されたのじゃ。』

 

「特別にだぁ?」

 

『そうじゃ。お主がおらんかったら悟空は超サイヤ人4になれず、下手をすれば全滅してこの世もあの世もとんでもない事になっておったからのぅ。その功績に免じて閻魔が特別措置を施してくれたんじゃ。まぁ、お主達が悟空とラディッツの両親という点も非常に大きいがの!!とにかく、閻魔にはよ〜く感謝するようにの〜!!』

 

「ちっ、閻魔の野郎、恩着せがましい真似しやがるぜ……」

 

「そう言うなよ、父ちゃん。母ちゃんはきっと喜ぶと思うぜ?それに、まだ俺との決着がついてねぇだろ。」

 

「ほう……面白え。今のテメェ相手なら遠慮はいらねぇだろうからな。何なら、これからすぐに始めたって良いんだぜ?」

 

「はっ、上等!!やろうぜ!!」

 

「ちょっ、お父さん!!お爺ちゃんも……って始まっちゃったよ……」

 

「おい孫悟空!!勝手に戦い始めるな!!戦うならフュージョンして、それから俺とにしろ!!」

 

 ついさっきまで地獄のような死闘を繰り広げていたと言うのに、いきなり悟空とバーダックが戦闘を開始したかと思えば、何故かクウラまでも乱入し、三つ巴の戦いを始めた三人にベジータは呆れ返り、悟飯は唖然としていた。

 

「馬鹿どもが……付き合っていられん。行くぞ悟飯。」

 

「えっ!?で、でも……」

 

「放っておいても疲れて勝手に帰って来るだろう。馬鹿どもに付き合ってやる義理は……ふおぉっ!?」

 

「べ、ベジータさん!?」

 

 喋っている途中、突然軽めの気功波がベジータの背中に叩き込まれ、真正面から地面に倒れ込んでしまった。

 何事かと悟飯が顔を上げると、まるで悪戯小僧のような顔をした悟空とバーダックがベジータを見下ろしていた。

 

「ベジータ、油断し過ぎだぜ?」

 

「ここは戦場だってのに何呑気にマゴと話なんてしてやがんだ?サイヤ人の王子ともあろう男が平和ボケとは、呆れたもんだぜ。」

 

「き・さ・ま・ら・あぁぁぁぁぁぁ!!!!良かろう、そんなに死にたいと言うなら親子揃って地獄に叩き落としてくれるわっ!!!!

 

「あっ、ベジータさん!!け、結局ベジータさんも参戦しちゃったよ……」

 

 四人の乱闘は悟飯に事情を説明されたブルマ達がやって来るまで続いた……そしてそれぞれの妻(クウラはベジータとセットで)に説教をくらったのは言うまでもない。……ベジータは巻き込まれた側なので終始納得してないような顔をしていたが……

 

 その後は悟空に尻尾を再生させる願いを叶えた後待ちに待たされた神龍に地球の再生と犠牲者の復活を願った後、サダラ農園で祝勝会を開き、ギネは息子達や孫達と交流出来てとても喜んだそうな。

 一方ラディッツがバーダックにリベンジを挑んで返り討ちにされたり、あまりにもしつこいクウラに根負けしたベジータが悟空とフュージョンしてクウラを完膚無きまでに叩きのめしたりもしたらしい。

 

「ったく、せっかくカカロットやラディッツ、それに孫達とも会えたってのに、ずーっと戦ってばっかりなんてさ!」

 

「うるせぇよ……こいつ等にはもっと強くなって貰わなきゃ困るんだ。その為にわざわざバビディなんぞに手ぇ貸してやったってのに、次から次へと面倒事が舞い込んで来やがって……」

 

 そっぽ向きながらギネの治療を受けているバーダック。流石に連戦続きでそれなりに怪我もしたようである。

 

「何でそんなにあの子達を鍛えようとするのさ?今のままでも十分強いじゃないか。」

 

「こんなもんじゃ全然足りやしねぇよ。多分もう時間はそんなに残されちゃいねぇだろうからな……」

 

「時間……?」

 

 バーダックの脳裏には、先程まで戦っていたジャネンバ……いや、その身体を乗っ取っていた者の姿が浮かんでいた。記憶が曖昧でよく覚えていないが、あの怪物によって自分は殺されたのだ。

 奴は必ず、この世界に現れる。それどころか、既に干渉を開始していた。それを考えれば、もういつ現れてもおかしくはないのだ。

 

 その時、バーダックは夢を……予知夢を見た。まずは、破壊し尽くされた街で、赤髪の戦士とその仲間達が白い怪物に向かって行く姿が見えた。その次は、倒れ伏すベジータを光が包み込んで行き……

 

「っ!!」

 

「ば、バーダック?どうかしたのかい?」

 

「いや、何でもねぇよ……」

 

「ねぇねぇお爺ちゃん!!」

 

「あん?何だよチビども……」

 

 自分の足元にやって来た悟天とミントを、子供の相手が得意ではないのか、鬱陶しそうに見下ろすバーダック。その態度にギネが無言の肘打ちを食らわせたのは言うまでもないだろう。

 

「お爺ちゃんってすっごく強いんだね!!今度は僕達とも戦ってよ!!」

 

「何?」

 

 目をキラキラさせながら勝負を申し込む孫達に、バーダックは一瞬面食らった。だが、すぐに面白いとばかりに笑みを浮かべた。

 

「ほう、良い度胸じゃねぇかチビども。言っとくが俺はラディッツやカカロット程甘くはねぇぞ?」

 

「ちょっ、何そんなに本気になってんのさバーダック!?二人ともまだ子供じゃないか!!」

 

「だが、どっちも超サイヤ人だ。手ェ抜く必要はねぇだろ。」

 

「ねぇねぇ悟天君、今度はあたしとフュージョンしようよ!そしたらお爺ちゃんにも……」

 

「だ、駄目だ!!悟天とフュージョンだなんて……二人ともまだちびっ子なのに、そんな破廉恥な!!絶対に、絶対にパパは認めま「ふんっ!!」オゴォッ!?」

 

「一番破廉恥なのはあんたじゃない……」

 

 いつも通り娘に鳩尾に一発入れられて蹲っている夫を見て、タイツは呆れ返るのだった……

 

(さっき視た未来……俺が前に視た未来とは少し違ってやがった……未来は変えられるって事か。これからも強くなれよ、カカロット、ベジータ王子。そうでねぇと、この世界は……)

 

「お爺ちゃん、いっくよー!!」

 

「いつでも来やがれ!!」

 

 超サイヤ人に変身した悟天とミントを、同じく超サイヤ人に変身して迎え撃つバーダック。尚、流石に悟天とミント相手にはバーダックも多少の手心は加えたらしい。……無理矢理悟天が引っ張って来た悟飯に対しては本気でやったらしいが。

 

 ちなみに、生き残った魔人ブウだが、ベジータが上手い具合にサタンに面倒を見るよう押し付けたようである。……実際は「貴様が面倒を見なければそいつは消されるぞ」と脅したような物だが。まぁ、サタンもブウとは友達になっていたのでそこまで嫌がりはしなかったのだが。

 ブウの方も「人を殺したり暴れたりしなければ好きなだけ上手い物が食わせて貰えるがどうする」と提案したらあっさりOKしたらしい。こうして魔人ブウはサタンと一緒に暮らすようになったのだった……

 

 

※※※

 

 

 ジャネンバの一件から一週間後、ベジータは界王神界までやって来ていた。他にもピッコロ、デンデの他、ブルマ、悟空、悟飯、レッドも一緒だった。

 

「はぁ〜、ここが界王神界か。界王様んとこより随分広いなぁ……」

 

「何故俺様まで呼ばれたのだ……?ソルベとタゴマが死亡した以上、早く宇宙に帰りたいのだが……」

 

「皆さん、よく来てくださいました。」

 

「界王神様!!」

 

 ベジータ達を出迎える東の界王神と老界王神。再会の挨拶もそこそこに、早速本題に移った。

 

「お主がベジータか……早速じゃが、聞かせて貰おうかの?何故お主はワシがΖソードに封印されていた事を知っておったんじゃ?それに、ワシの能力の事まで。……お主、一体何者じゃ?」

 

「そう焦らずとも全部話してやるさ……俺は未来……いや、もはや並行世界と言った方が良いな。とにかく、こことは違う世界からやって来たんだ。」

 

「な、何ですって!?」

 

 ベジータは語る。ある日突然過去に戻っていた事。しかも肉体は若返っていたのに、何故か強さはそのままだった事。

 ひとまず記憶通りに進めようとしたが上手く行かず、自分の預かり知らぬ所で悪人のまま死んだ者達が改心して仲間になり、果てには前の世界では存在しなかった者達まで現れ、今では自分の知る歴史とは全く別物と言える物へと変わっている事等、とにかくベジータはこれまで隠していた事を全て明らかにした。

 

「なるほど。初めて会った時から貴様が規格外に強かったのはそれが理由か。」

 

「そんなにベジータさんが前に居た世界と今の世界は違うんですか?」

 

「ああ。まず、ラディッツはピッコロに殺られた後は蘇っていないし、ナッパも俺が始末した後はそのままだった。クウラも特に改心する事なく悪人としてカカロットに倒されたし、あそこまで強くなる事はなかった。」

 

「兄ちゃん達とクウラ達はそんなに違うんか……」

 

 別世界とは言え、兄と和解出来ずにそれっきりだった事に、悟空も色々と思う所があるようだ。

 

「それからターレスの奴も、前の世界では見かけなかった。まぁ奴は俺が知らんだけで存在していてもおかしくはないが……何よりも違う点はレッド。貴様の存在だな。」

 

「ああ。話を聞いている限り、俺様の存在は逆行した貴様の存在無くしてあり得ないようだしな……」

 

「でも、不思議な話ですね……肉体が当時に戻ったと言うのに、強さだけは変わらずそのままなんて……」

 

「ええ。単にドラゴンボールに過去へ送るよう頼んだだけでは、精神だけ過去に飛ばされるでしょうし、その時の強さを保ったまま過去に送るとしても、その場合は精神だけでなく肉体ごと送られるでしょうからね……」

 

「よほど複雑な願いを叶えて貰ったと言う事か。ベジータ、そんな事を願いそうな者に心当たりはいるのか?」

 

「いや、俺の知る限り誰も居ない。ブルマは勿論トランクスもブラもわざわざそんな事を願うとは思えんし……」

 

「ブラ?」

 

「ブラは俺達の娘で……ゴホン。と、とにかくそんな事を願う奴がいるなら俺が教えて欲しいくらいだ。そもそも、俺の居た世界では色々あって地球のドラゴンボールはカカロットと共に消えてしまったから、ドラゴンボールを使った可能性もかなり低い。ナメック星のドラゴンボールと言う可能性もゼロではないがな……」

 

「いいっ!?お、オラが消えちまったんか!?な、何で!?」

 

 ガビーンと言う擬音が聞こえそうなくらい驚いている悟空を、とりあえずベジータはスルーした。一方界王神達は何とも言え無さそうな表情で腕を組んでいた。

 

「お主、中々とんでもない事をしてくれたのぅ……人が歴史を改変するのは重罪じゃと言うのに……」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

「ええ。歴史を改変するような行いは勿論、それを可能とする物を開発する事自体、神々の間では禁止されており、もしそのような事を行った種族は、破壊神によって破壊される可能性が非常に高いのです。」

 

「ワシ等とは別の界王神なんかは、歴史改変の阻止や歴史修正なんかを目的とする組織まで作ったくらいじゃからな。」

 

 その話を聞いて、ブルマの顔は真っ青になった。何せ別の未来とは言え、他ならぬ自分がタイムマシンを開発し、息子を過去へ送り出し、歴史改変を行ったのだから。

 

「とは言え、ベジータさんの話を聞く限り、どちらかと言えば巻き込まれた被害者側と言えるので、流石に罰せられる事はないでしょう。万が一の時は我々も弁護させて頂きます。」

 

「ほ、本当!?」

 

「ええ。それに……界王神の私がこんな事を言うのは不謹慎なんですが、ベジータさんが逆行し、レッドさんが誕生したおかげで、我が宇宙の人間レベルも随分上がりましたからね。」

 

「全く、本来そう言うのは破壊神の仕事なんじゃが……あのいい加減なサボり魔め……どうせ今も呑気に寝とるに違いないわい。」

 

 界王神の対となる、非常に気まぐれでいい加減な破壊神の姿を思い浮かべ、老界王神は思わず毒突いてしまった。まぁ、魔人ブウを始め、大変な時に何もせず眠りこけていては、そう言われても仕方がないが……

 

「……それから、貴様等に相談しておきたい事がある。」

 

「なんじゃ、いきなり?」

 

「この前の事件の時……あの化け物を裏から操っていた者がいた。そしてそいつは、俺と同じ世界に居た存在だった。」

 

「な、何ですって!!ではその者も、ベジータさんのように!?」

 

「いや、それはあり得ない。何故なら奴はカカロットによって倒され、消滅した筈だからだ。」

 

「消滅って……じゃあ何でそいつが操ってたなんてわかるのよ?」

 

「あの化け物から、確かに奴の気を感じたからだ。おそらく……信じ難いが、何らかの方法で奴も生き延びたんだろう。」

 

「……何者だ、そいつ?」

 

「……奴の名は一星龍。ドラゴンボールに溜まったマイナスエネルギーから生まれた、最強の邪悪龍だ。」

 

「じゃ、邪悪龍……?」

 

 ベジータが発した言葉に、誰もが首を傾げていた。まるでそんな言葉、初めて聞いたと言わんばかりに。

 デンデや界王神達ですら首を傾げていた事にベジータは若干違和感を覚えたが、そのままドラゴンボールに溜まるマイナスエネルギーや邪悪龍についての説明を始めた。

 

「ど、ドラゴンボールにそんな秘密があったんですか!?」

 

「へぇ〜……オラも初耳だぞ!!」

 

(だが、それならそれで疑問は残る。あの時確かに一星球を始め、全てのドラゴンボールは浄化されていた……何故本体とも呼べる一星球が浄化されたのに、奴は今も存在していられるんだ……?)

 

「あの、ベジータさん……ちょっと良いですか?」

 

「なんだデンデ?」

 

「ほ、本当にその邪悪龍と言うのがベジータさんの世界では生まれたんですか?少なからず、僕は過去にそんな者達が現れたと言う話は、一度も聞いた事がないのですが……」

 

「な、何!?」

 

 まさかの言葉に、ベジータは目を剥いて驚愕した。前の世界ではデンデやミスターポポが過去に現れた邪悪龍についての伝承を知っていた筈なのに、この世界のデンデは知らないと言う。

 慌てて界王神達に目を向けるも、彼等も同じようにそんな話は聞いた事もないと言わんばかりの顔をしていた。

 

「私も、そのような話は聞いた事がありません。願い球の伝説自体は聞いた事はあったのですが……」

 

「ワシも長い事生きとるが、そんな話は一度も聞いた事がないのう。」

 

「で、では何故貴様はドラゴンボールを使う事にやたらと反対的なのだ!?」

 

「何故って当然じゃろ。ドラゴンボールは自然の法則を軽々と捻じ曲げ、どんな願いも叶えてしまうチートとしか言いようのない存在じゃからじゃ。お主達はそこまで悪用しておらんようじゃが、悪人達に利用されれば絶対ろくな事にならんのは明白じゃろうに。」

 

 老界王神のその言葉には重みがあった。実際、ドラゴンボールの存在を知ったフリーザやターレス、ソルベ達は悪用しようとしていたし、ベジータ達は知らないがバビディだって利用しようとしていたのだ。

 とは言え、今のベジータにとってそんな話はどうだって良い事だ。

 

「で、では……存在しないのか?この世界に、邪悪龍は……?」

 

「す、少なからず、過去に現れた事はないかと……そ、それにドラゴンボールにマイナスエネルギーが溜まるという話自体、聞いた事もありません……」

 

「ど、どうなっていやがるんだ、この世界は……」

 

 まさかのマイナスエネルギーと言う概念自体が存在しない事に、ベジータは唖然としていた。そして、改めて実感した。やはりここは、単なる過去の世界ではない。全く別の世界なのだ、と……

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 人気のない辺境の惑星の地下施設に、小さな宇宙人が姿を現した。その者の名は、バビディ。地球で魔人ブウを復活させ、命を落とした筈の悪党だ。

 

 しかし、彼は生きていた。ベジータの攻撃によってソルベ共々吹き飛ばされそうになった時、ブウのサイコキネシスによる拘束が一瞬緩み、その隙を突いてテレポートし、この辺境の星の秘密基地まで避難して来たのだ。

 

「魔人ブウめ、まさかこの僕に逆らうだなんて、とんだ欠陥品だよ!!手駒も宇宙船も失っちゃったし、踏んだり蹴ったりじゃないか!!はぁ、これからどうしよう……」

 

『復讐する、と言うのはどうだ?』

 

「っ!!だ、誰だい!?」

 

 いきなり頭の中に声が聞こえて来た事で、バビディは警戒しながら周りを見渡す。しかしこの基地の中にはバビディ以外誰の姿も見当たらず、気のせいかと思い、すぐに椅子に腰を掛けたのだが……

 

『何処を見ている?私はここだ。』

 

「えっ……か、鏡に映った僕……?だ、誰だか知らないけど、手の込んだ悪戯をするんじゃないよ!!」

 

 なんと、鏡に写ったバビディが邪悪に笑うと、ひとりでに動き出し、バビディに語りかけて来た。

 その異常事態にバビディは即座に呪文を唱え、鏡を粉々に消し飛ばすのだが、すぐに別の鏡に写るバビディが語りかけて来た。

 

『無駄な事はやめろ。体力を浪費するだけだぞ?それよりも、だ……復讐したくはないか?貴様の邪魔をした界王神どもと、貴様を裏切った魔人ブウに……』

 

「そ、そりゃあしたいけど……い、今は戦力もないし……き、君が戦力になってくれるとでも言うのかい?」

 

 バビディは、身体を震えさせながら鏡に写る自分に話しかけていた。おかしい。自分はもっと用心深い性格の筈なのに、この声を聞いていると、何故か酷く安らぎ、警戒心が薄まってしまう。

 それどころか思考に霧がかかり、全てを委ねたくなってしまう……そんな不思議な力が、この声にはあった。

 

『ああ、私の力をお前に貸してやろう。お前の理想を挫いた愚か者どもに裁きを与えてやろうではないか。』

 

「ほ、本当かい!?」

 

『無論だとも。さぁ、私の目を見るんだ。そうすれば私とお前は繋がる事が出来る……』

 

「め、目を……」

 

 バビディは、言われるがままに鏡に写る自分をじっと見つめた。すると鏡に写る自分の姿が、一瞬白い怪物へと変化する、

 

「! ! ! !」

 

 直後、鏡は砕け散り、バビディはガクリと項垂れると、彼の意識はそれっきり永遠に途切れる事となった。やがてバビディは……いや、かつてバビディだった者は、ゆっくりと顔を上げた。

 

「チッ、随分と醜い器だが、贅沢は言っていられんか……それにこいつの魔術、意外と使い道があるかもしれん。それにしても……この世界、他の世界に比べ、やけに干渉に手間取ったな。」

 

 バビディに取り憑いた物は、椅子に腰を掛けながら不思議そうに宙を見上げていた。今までの世界なら少しバランスを崩すだけで顕現できたと言うのに、何故かこの世界ではそうはいかず、そのせいでこんな醜い器に宿る羽目になってしまった。

 

「他にも妙な点が幾つもある。孫悟空に干渉し、奴の心を闇に落とそうとした時も、得体の知れない力が横から邪魔をした。極め付けはベジータだ。あのベジータは間違いなく、"あの世界"のベジータだった……奴が自力で世界を超えられるとは思えん。この状況、間違いなく何者かの意思が絡んでいるな……フン、余計な真似を。」

 

 自らの行いを邪魔する者の存在を認識し、バビディに取り憑いた者は不快そうに表情を歪めた。しかし、すぐに気を取り直し、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。

 

「まぁ良い。そいつが何者であろうと……神であったとしても、私の邪魔をする事など出来はせんのだからな。とは言え、今は"本体"を顕現させる方が先か。暫く時間は掛かるだろうが、それくらいは許容範囲だ。ククク……せいぜい束の間の平和を楽しむんだな、孫悟空。そして、ベジータ。フハハハハハハハ!!!!」

 

 秘密基地の中に、バビディの高笑いがこだまする。そして……バビディの影は既に彼のものではなく、不気味な怪物の物へと変化していた……




ちょっと先の未来にて

ターレス「って訳で俺の活躍のおかげでこの宇宙は今も存続し、界王神も生き延びる事が出来て、あんたも死なずに済んだ訳だ。それを考えりゃ情状酌量の余地もあるだろ?何なら生き返らせてくれても良いんだぜ?」

ビルス「……所で君、生き返ったらどうすんの?」

ターレス「ククク、よく聞いてくれたな。俺の考えはこうだ!!まずカカロット達にもあのレッドって奴等にも見つからない辺境の星に神精樹の実を植える。ナメック星では色々と調子に乗っちまったから、次はひっそりと誰にも見つからねぇようにして頑張るつもりだ。」

ビルス「………」

ターレス「そして実った神精樹を宇宙オークションに流して大儲けするって寸法よ!!これなら侵略行為を働いてねぇからカカロット達にも目ぇつけられねぇし、楽して大金も入ってくるしで正に完璧な計画と」

ビルス「破壊。」

ターレス「あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」(完全消滅)
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