ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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今回からは破壊神ビルス編開始です。バイオパラガス編の後編はいつになるかは未定です。どんな流れが気になる人は活動報告を覗いて貰えればだいたいわかるかと。ちなみにガッツリネタバレしてあるんで嫌な人は見ないでくださいね。

後全王様関連はまだ明かしてない部分も多いですが結構な独自設定が追加してます。今回最初にチラッと書いてある界王神及び破壊神の誕生経緯なんかもそれですんでよろしくお願いします。オフィシャルではございませんぞ!!

ついでに今回から悟空さの道着は原作最終回のあれをイメージして頂ければ。個人的に悟空の道着で一番好きなんですよね、あれ。


破壊神ビルス編
破壊神の目覚め


遥か遠い昔、そこには何も存在せず、ただ果てない暗闇だけが続いていた。

するとそこへ、遥か高次元からある者が舞い降りた。そしてその者が光り輝く右腕を振るうと、無数の泡……否、宇宙を創造した。

更にその者は宇宙を共に管理する天使達を創造し、天使達と共に創造した宇宙に生まれた生命達に知恵を与え、導いた。

 

だが、生命達は知恵を付けていくにつれ欲が生まれ段々と凶暴となり、ある時は多種族を、またある時は同じ種族同士で殺し合い、やがて宇宙全土を巻き込む争いを起こした末、創造主であるその者にさえ牙を剥いた。

 

その者は、我が子のように可愛がっていた生命達に牙を剥かれた事に酷く傷ついた。そして全宇宙を支配すべく争い続ける生命達を全てを無へ返し、一からやり直す事にした。

 

だが、何度やり直そうと、結果は同じだった。生まれた生命達は進化の過程で殺し合いを始め、最後はその者へと牙を剥いた。

数え切れない程繰り返した末、やがてその者は争い続ける生命達に失望し、箱庭の奥へと引き篭もるようになってしまった。

しかし、完全に生命達を見捨てる気にはなれなかったのか、自らの代わりに宇宙を管理し、導く者達を用意した。

 

その者達の名は界王神と破壊神。界王神には創造の力を、破壊神には破壊の力を少しだけ分け与え、彼等を補佐すべく天使達も付き人として貸し与えて、彼等に担当する宇宙の管理を任せた。

 

こうして界王神達と破壊神達は時には生命を生み、時には滅ぼし、宇宙を管理して行く事となり、それから気が遠くなる程の時間が流れるのだった……

 

 

※※※

 

 

 ジャネンバとの戦いから4年経ったエイジ778年……ベジータ達の暮らす宇宙の何処かで、もう一人の神が目覚めようとしていた。

 

「……起きて下さい、ビルス様。二度寝はいけませんよ?」

 

「………」

 

 従者である天使ウイスの呼び掛けに、破壊神の耳がピクリと揺れるが、ベッドから出ようとはしないままだった。

 主人のそんな姿にウイスは溜息を漏らしつつ、それならばと何処からかマイクを取り出した。

 

「やれやれ、この前のように15年も朝寝坊なさるおつもりですか?どうしても起きないのでしたら、私が目覚めの歌を歌って差し上げますよ?」

 

「や、やめろウイス!!わかった、すぐに起きる!!」

 

 ウイスが歌おうとした瞬間、破壊神は大慌てでベッドから飛び出した。この男が破壊神ビルス……ベジータ達の暮らす宇宙において、界王神と対をなす破壊神である。

 

 

※※※

 

 

 その時、破壊神ビルスの目覚めを界王神達も察知したようで、冷や汗を流しながら空を見上げていた。

 

「……お主も感じたか、界王神よ?」

 

「はい、ご先祖様……どうやら破壊神ビルス様がお目覚めになったようですね……」

 

「やれやれ、平和と言うのは長続きしない物じゃな……せっかく我が第七宇宙の人間レベルも上がって来たと言うのに、よりによってこんな時に……」

 

「それにしても、今回は随分と早いお目覚めですね。何かあったのでしょうか?」

 

「わからん。あの御方が目覚めた以上、ワシ等に出来るのは、被害に遭う星が少なく済むのを祈る事くらいじゃ……とりあえずお主はレッドに連絡するんじゃ。破壊神ビルス様と遭遇した場合、絶対に刺激しないようにとな。もし彼奴が破壊されでもしたら、我が宇宙の人間レベルは急降下する事になりかねん。」

 

「は、はい!!」

 

 

※※※

 

 

「ふわぁ〜あ……あー、眠い……」

 

「ビルス様、だらしないですよ。」

 

「今回は39年しか寝ていないからね……こんなんじゃお昼寝レベルだよ……」

 

「ご自分でこの時間に目覚まし爆弾をセットしたのではありませんか。この時間に何かあるのですか?」

 

「ん、ちょっとね……」

 

 なんて会話をしながら、破壊神ビルスの前に次々と食事が並べられて行き、豪勢な朝食が始まった。

 

「ん〜、中々美味いじゃない。そう言えばウイス、僕が眠ってる間にフリーザの奴は惑星ベジータを滅ぼしておいてくれたのかい?」

 

「はい、跡形も無く。」

 

「そうかそうか。あの星の連中はいつまで経ってもろくでなしだったからねぇ……特にベジータ王なんか、僕が宇宙一の枕を持って来いって言ったのに、自分の物にして僕には二番目の枕を渡して来たし。ありゃあ許せないよ。」

 

 当時の事を思い出したのか、不機嫌そうな表情を浮かべているビルス。そんな主人の姿を見て、ウイスはくすりと笑い声を漏らした。

 

「何だよ?」

 

「いえ、ビルス様が眠っている間に、そのサイヤ人が色々面白い事をしていたものですから。」

 

「面白い事?サイヤ人はフリーザが惑星ベジータごと滅したんじゃないのか?」

 

「大半はその時に滅びましたが、運よく別の惑星に行っていた者達は免れ、生き延びていたのですよ。ちなみに、ベジータ王子もその一人にして……その面白い事を引き起こした張本人ですよ。」

 

「ふーん、あのちびっ子がねぇ……ウイスがそこまで言うなんて、僕が眠っている間によっぽど色んな事が起きたようだね。話してみなよ。」

 

「ええ、まずは……フリーザがサイヤ人によって討伐されました。」

 

「はぁ!?フリーザの奴、サイヤ人に負けちゃったの!?」

 

「ええ。こちらをご覧ください。」

 

 何処からか杖を召喚し、軽く床をコツンと突くと、空中に立体映像が浮かび始めた。その映像は、かつてナメック星で悟空が超サイヤ人に変身した時の物だった。

 

「あれ、こいつ何処かで見た事あるような……それにこいつ、夢に出て来たあいつに似てる気が……」

 

「夢ですか?」

 

「それについては後で話すよ……にしても、あのフリーザをここまでボコボコにするなんて、こいつ中々やるじゃない。サイヤ人だと言うのが信じられないよ。って言うか、サイヤ人ってみんな黒髪じゃなかったっけ?」

 

「サイヤ人達はここ最近、超サイヤ人なる力を劇的に上昇させる変身形態を身につけたようです。」

 

「超サイヤ人……超サイヤ人!?いや、でも夢で見たあれとは随分外見が違うような……」

 

「何がですか?」

 

「ええと、確か……そう、ゴッド!!超サイヤ人ゴッドって言うのと戦う夢を見たんだ!!でも、夢で見たのと随分違うんだよね。なんて言うか、髪は赤いしもっと獣みたいな感じがしたと言うか……」

 

「はぁ……それがどうかしたのですか?」

 

「まだわからないのか?予知夢だよ!!予・知・夢!!これから僕はその超サイヤ人ゴッドと戦う事になる筈なんだ!!」

 

「夢、ですか……」

 

 胡散臭そうな物を見るような目でビルスを見ながら、ウイスが杖で軽く床を突くと、立体映像が消失した。しかしすぐに思い当たる節があったのか、手をポンと叩いた。

 

「ひょっとするとそれはベジータ王子の事かもしれませんね。」

 

「何、またベジータ王子なの?」

 

「ええ。今から11年程前、ベジータ王子が神の領域に足を踏み入れたのですよ。」

 

「はぁ!?つまり、神の気に目覚めたって事!?ただの人間……それもサイヤ人が!?」

 

「その通りです。まぁ、残念ながらその力を上手くコントロールする事は未だに出来ていないようですが。」

 

 衝撃的過ぎる内容に唖然とするビルス。しかしすぐに我に返ったようで、くつくつ笑い始めた。

 

「そうか、サイヤ人が神の気に……ベジータ王子もその超サイヤ人ってのになれるんだよね?」

 

「はい。と言うより、現在この宇宙には9人のサイヤ人が居るのですが、全員が変身する事が可能なようですよ。」

 

「じゃあ確定だね。神の気に目覚めた超サイヤ人ってのが、その超サイヤ人ゴッドなんだろう。つまり、ベジータ王子が超サイヤ人ゴッドと考えて良さそうだ。そうと決まれば早速会いに行くぞ、ウイス!!」

 

「ベジータ王子にですか?」

 

「当然だろう?そのフリーザを倒したって奴にも興味があるしね。サイヤ人達は今何処に居るのかな?」

 

「少々お待ちを。すぐに調べます。」

 

 そう呟くと、ウイスは何らかの魔法を発動したようで、じっと杖の上部先端の水晶を見つめていた。

 

「見つけましたよ。生き残りのサイヤ人は主に、4032の緑の877惑星、地球と呼ばれる星に8人程居るそうです。」

 

「聞いた事もない星だなぁ……」

 

「ベジータ王子は今も地球にいるようですね。ただフリーザを倒したサイヤ人、孫悟空またはカカロットと呼ばれる者は、現在北の界王の星にいるようです。」

 

「サイヤ人が界王の所に?怪しいな……よし、ベジータ王子に会う前に、そいつの所へ行くとするか。ウイス、北の界王の所まではどのくらいで着くんだ?」

 

「およそ26分。」

 

「テレビアニメ1話分か。遠いなぁ……まぁしょうがない。我慢して行くかぁ……」

 

「よろしいのですか?孫悟空が神の気に目覚めた事はこれまでに一度もありませんが……」

 

「言ったろ?フリーザを倒したって言うサイヤ人にも興味があるのさ。」

 

「ふむ……かしこまりました。では、出発しましょうか。」

 

 ビルスがウイスの肩に手を置くと、二人は光に包まれ、光速を遥かに超えるスピードで移動を開始した。北の界王の星に居ると言う、孫悟空に会う為に……

 

 

※※※

 

 

「どうやら遂にビルス様が動き出したようじゃな。はたして今度はどのくらいの星が破壊される事になるのやら……」

 

「っ!?ま、待ってくださいご先祖様!!ビルス様が向かう先には、北の界王の星があります!!」 

 

 ビルス達の進行方向に北の界王の星がある事を察した東の界王神は、すぐに顔が真っ青になった。何せ今、北の界王の星には最もビルスとは会わせてはならないと考えていた孫悟空がいるからだ。

 

「な、なんじゃとぉ!?ななな、何故ビルス様が北の界王の所に!!」

 

「わ、わかりません!!も、もしや、何らかの理由でビルス様が悟空さんに興味を持ったのでは……!?」

 

「いいい、いかん!!急いで北の界王に連絡を入れるんじゃ!!」

 

「は、はい!!」

 

 

※※※

 

 

「そう言えばウイス、僕が眠ってる間に色々面白い事があったとか言ってたけど、他にはないの?」

 

「そうですねぇ……まず、フリーザが死亡したのと同時期に父親であるコルド大王も死亡しました。その結果フリーザ軍は瓦解し、今から二年程前に残党を含め完全に壊滅しましたよ。」

 

「へぇ、父親の方も死んだ上、組織の方も潰れたんだ。結構な規模の組織だった気がするけど、呆気ないもんだね。」

 

「そうでもありませんよ。フリーザの死後、10年以上も活動は続いていたようですからね。長く持った方でしょう。ちなみに、フリーザ軍が居なくなった影響か、我が宇宙の人間レベルはここ最近で飛躍的に上昇。現在は第3位にまで上がっております。」

 

「第3位!?最下位争いをしてたって言うのに、それはまた凄いじゃないか!!しかしフリーザ軍を片付けただけでそれとは、あいつ等とんでもないろくでなしだったみたいだな……さっさと破壊しとくべきだったか……?」

 

 何だかんだで言う事は聞くし、色々と使えるから見過ごしていたが、いざ居なくなれば途端に人間レベルが急上昇したのを考えると、さっさと潰しておくべきだったとビルスはちょっぴり後悔していた。

 

「フリーザ軍が壊滅しただけが原因ではありませんよ。現在レッドなる者が多くの星々を纏めた銀河連邦なる星間国家連合体を作り上げ、この宇宙に新たなる秩序体制を作り上げた事が大きいですね。」

 

「銀河連邦?」

 

「ええ。そのレッドなる者は現在銀河連邦大統領を務めており。その圧倒的なカリスマと見事な指導力により各星々の生活レベルは大きく向上。他にも様々な活動を行っており、我が第七宇宙の人間レベルはここ十数年で急上昇を遂げたと言う訳です。」

 

「へぇ……やるじゃない、そのレッドって奴。ほんの十数年でそこまで人間レベルを上げるだなんてさ。」

 

「全くです。何処かの破壊神様にも見習って頂きたいものですね。」

 

「ぐっ!?う、うるさいな!!」

 

 暗に本来そう言うのはお前の仕事なんだぞと言われ、ビルスはバツが悪そうにそっぽ向いた。そんな主人の姿に、ウイスは呆れたように溜息を漏らしている。

 

「と、とにかく、そのレッドって奴にも興味が出たね。超サイヤ人ゴッドの件が片付いたら会いに行ってみようか?」

 

「……興味を持つのは結構ですが、うっかり破壊するような事はやめておいた方がよろしいかと。現在銀河連邦が纏っているのはレッドの存在が非常に大きいですからねぇ……彼が居なくなれば我が第七宇宙の人間レベルも元の順位……下手をすれば最下位にまで転落しかねませんよ。」

 

「わ、わかってるよ。我が第七宇宙の人間レベルを一気に引き上げてくれた功労者に、そんな事する訳ないじゃないか……」

 

「どうだか。」

 

 非常に胡散臭そうなものを見る目をウイスはビルスに向けていた。何せこの破壊神、非常に気まぐれで怒りの沸点が低いのだ。少し機嫌を損ねたと言うだけで星ごと根絶やしにされた種族は両手では数えきれない程ある。

 口ではああ言っているが、もしレッドとその配下が少し機嫌を損ねれば、それだけでこの破壊神はレッドを破壊しかねない。最悪銀河連邦ごと消滅させる可能性すらある。そうなればせっかく上がった人間レベルも元の順位に戻ってしまうだろう。

 

「ちなみに、このレッドなる者の誕生にもベジータ王子が関係しているようですね。」

 

「は?ここでまたベジータ王子?あいつ、いったい何をやらかしたんだ?」

 

「今のベジータ王子はビルス様の知るベジータ王子ではないと言う事です。まぁ、細かい話は本人に聞くのがよろしいかと。私も興味がありますからねぇ……」

 

「ふーん……そう言えばフリーザとコルドが死んだのは良いんだけどさ、兄の方はどうなったの?そっちも死んだ?」

 

「いえ、フリーザの兄クウラは現在も生き延びております。もっとも組織運営にはすっかり興味を無くし、ベジータ王子やサイヤ人達と友人関係となり、地球でのんびりと暮らしているようですが。」

 

「友人って、フリーザの一族ってサイヤ人の事毛嫌いしてたでしょ。本当に何があったのさ……」

 

 ビルスの知る限り、フリーザもコルドもサイヤ人の事を猿と見下し、野蛮な家畜……いや、それ以下のように扱っていた筈だ。

 それは兄であるクウラも同じで、常日頃からサイヤ人を虫ケラ同然の猿として見下していたと言うのに、それが友人関係となるとは、自分が眠っている39年の間にどのような劇的な変化が合ったと言うのだろうか?

 少なくとも、自分の知るクウラにサイヤ人と友達になれとでも言えば、死を覚悟して刃向かうくらいには拒絶反応を見せた筈だが……

 

「それにもベジータ王子が絡んでいるようですよ。」

 

「またまたベジータ王子か……ここ最近に起きた宇宙の変化には全てベジータ王子が絡んでそうな勢いだね……」

 

「……あっ、そう言えば忘れておりました。ビルス様、超サイヤ人ゴッドの件が片付いたら、閻魔大王の下へ向かって下さい。」

 

「閻魔大王の?なんでさ。」

 

「現在、神精樹の実を食べた人間の魂を7名程特別室に待機させているそうで、ビルス様による破壊待ちだそうです。」

 

「神精樹の実……?ああ、大昔に全王様が力の低い下級神用に作ったあれか。何?人間なのに神精樹の実を食べちゃった大馬鹿者がそんなにいるの?」

 

「ちなみに、その内の一人はフリーザですよ。」

 

「ぶーっ!!ふ、フリーザの奴があれを食ったのか!?」

 

 まさかのフリーザが神精樹の実を食べた事に、ビルスは思わず飲んでいたジュースを吹き出してしまった。少なからずフリーザはもっと冷静な男だった筈だが……

 

「ええ。例の孫悟空とその兄に敗北寸前に追い詰められた際、半ば騙されるような形で食してしまったようですね。多分藁にもすがる思いだったのでしょう。」

 

「ふーん……騙されるような形ってのが引っかかるね。どう言う事?」

 

「ベジータ王子達と敵対するサイヤ人の生き残りが、追い込まれたフリーザに神精樹の実を食べさせたようです。おそらく、自分の目的にフリーザを利用し、ベジータ王子達と潰し合わせようとしたんでしょうね。」

 

「なるほどねぇ……つまり、フリーザもある意味じゃ被害者って事か。」

 

「どうします?フリーザの破壊だけは取り止めますか?」

 

「……いや、破壊しとこう。どんな事情があれ食った事には変わりないからね。何より、あいつのせいで我が第七宇宙の人間レベルが相当低くなってたみたいだし、もし蘇られでもしたら台無しになりかねないじゃないか。ここは綺麗さっぱり後顧の憂いを断っておく事にするよ。」

 

「我が宇宙の人間レベルが低かった件については、あまりビルス様も人の事を言えないと思いますが……」

 

「う、うるさいな……僕は良いんだよ。」

 

「やれやれ……おっと、そろそろ北の界王の星に到着しますよ。」

 

「やっとか。さぁて、フリーザを倒したサイヤ人の顔とやらを拝んでみようじゃないか……」

 

 

※※※

 

 

 その頃北の界王の星では、休憩中の悟空と界王様が悟空の持ち込んだ苺をおやつとして食べていたのだが、ビルスの接近を感じ取り、界王は顔を真っ青にしていた。

 

 ちなみに現在悟空は水色の道着とオレンジのリストバンド、白の帯、苔色のズボンと、前の世界でウーブの戦いの時に着ていた道着を身に纏っていた。

 

「あわわわ……ななな、なんでビルス様がここに向かっておるんじゃあ!?」

 

「界王様、さっきから顔色がわりぃぞ。どうかしたんか?苺食わねえならオラが食っちまうぞ?」

 

「そ、そんなどうでも良い事を言っとる場合じゃなぁぁぁい!!び、ビルス様が……破壊神ビルス様がここに向かっておるんじゃ!!」

 

「破壊神?そういや界王神様達やクウラが時々口にしてたっけ。でも何の気も感じねぇぞ?」

 

「神々の気は人間には感知出来ないんじゃ!!お主にも界王神様の気はわからんじゃろう!!」

 

「そーいや界王神様の気は感じられなかったなぁ……所でその破壊神ってのは何者だ?つええんか?」

 

 目をキラキラさせている悟空に非常に嫌な予感がした界王だが、既に時間がないので仕方なく説明しておく事にした。

 

「はぁ……破壊神と言うのは界王神様と対になる神様の事じゃ!!界王神様が星や生命を産む神なら、破壊神様はその逆、星や生命を滅ぼす神様なのじゃ。」

 

「滅ぼすって、じゃあそいつ、悪者なんか!?」

 

「そもそも神々をお前達人間の善悪と言う価値観に当てはめて考える事が間違っておる。創造は破壊からしか生まれない……それ故に全王様も界王神様と破壊神様を生み出したのじゃ。」

 

「全王様?」

 

「全王様と言うのは……いや、全王様についてはまたその内話してやるわい。とにかく、破壊神ビルス様じゃが、とてつもなく強い。お主がこれまで戦って来た誰よりもな。あのベジータやクウラが二人で挑んでも勝てる見込みはないじゃろう。」

 

「べ、ベジータとクウラでもか!?どっひゃあ〜……か、界王神様と対になるっちゅーからそんなにかと思ったが、そりゃとんでもねぇな!!あっ、じゃあ超サイヤ人4のゴジータならどうだ!?」

 

「ご、ゴジータか?うーん……確かに超サイヤ人4のゴジータはとんでもない強さじゃったし、結構良い所までいけるかも……」

 

「へぇ、この僕相手に結構良い所までいけるとは、随分言うじゃないか。」

 

「ひ、ひいいいい!!びびびびび、ビルス様ぁ!?」

 

 音もなくいつの間にか背後に現れたウイスと破壊神ビルスに、界王は一瞬で体中を汗まみれにし、腰を抜かしそうになる程驚愕しながら飛び退いた。

 一方ビルスは界王の方に興味はないのか、ポカンと少し間の抜けた顔をしている悟空を興味深そうに見つめていた。

 

「こここ、これはビルス様!!こんな所によくぞおいで下さいました!!」

 

「久しぶりだねぇ、北の界王。それにしても君の星って随分小さいんだね。」

 

「それはビルス様が破壊してしまったからですよ。隠れんぼに負けた腹いせに。」

 

「そうだっけ?まぁどうでも良いや。」

 

「と、ところでビルス様、本日は何故このような所に……?」

 

「ああ、別に君自体に用は無いんだよ。僕が用があるのは君だよ、サイヤ人君。」

 

「えっ、オラに興味があんのか?」

 

「そう。君、ええと……なんて名前だったっけ……?」

 

「オッスビルス様!!オラ孫悟空ってんだ!!よろし……あいてぇ!?」

 

 いつも通りのフレンドリーな挨拶をしようとした悟空に、すかさず界王様が怒りのハリセンを叩き込んだ。その顔には幾つも青筋が浮かんでいる。

 

「こ、この馬鹿者ぉ!!ビルス様に対して失礼じゃろう!!お前ももう良い歳のオヤジなんじゃから、敬語くらいしっかり使わんかい!!」

 

「い、いてぇじゃねぇか……えっと、ど、どうも初めまして。私は孫悟空と言う者です。よろしくお願いします。」

 

「お前、ちゃんと挨拶出来とるじゃないか……」

 

しっかりとお辞儀して案外様になっている悟空に、界王は内心驚いていた。と言うかちゃんと挨拶出来るなら自分にもそうしろと言いたい。

 

「いやぁ、兄ちゃんに取引相手とかの偉い人にはちゃんとしろってマナーっちゅーんを徹夜で叩き込まれてさぁ……」

 

「今度ラディッツに美味い飯をご馳走してやるか……」

 

「ん、孫悟空ね。君がフリーザを倒したって聞いたんだけど……なるほどねぇ、かなり鍛えてるみたいじゃない。これならフリーザを倒したって言うのも納得だよ。確かに君ならフリーザ程度指先一つでダウンさせられそうだね。」

 

「フリーザ?ああ、確かに今のオラなら……じゃなくて、自分なら簡単に倒せますが……」

 

「……ふむ、神でもないのに相当な強さがあるようだね。面白い。悟空、少し僕と組み手しようか。」

 

「いいっ!?びびび、ビルス様、何を!!」

 

「何をって軽く組み手するんだよ。好きだろ?サイヤ人はこう言うのがさ。」

 

「良いんですか、ビルス様!?」

 

「ああ、君の力に興味があるからね。それから、もう少し自然体で話してくれて構わなないよ。」

 

「ほんとか!?いやぁ、実はオラもあんま敬語って得意じゃなくて……よぉし、それじゃ行くぞ、ビルス様!!はぁああああああああああっ!!!!」

 

 身体中から黄金の気を解き放ち、一瞬で超サイヤ人3へと変身を遂げる悟空。その変化を見て、ビルスは面白そうに笑みを浮かべた。

 

「ほほう、こりゃ凄い。もうこの時点でシャンパくらいになら勝てるんじゃないか?」

 

「流石にそれはシャンパ様を過小評価し過ぎかと。」

 

「うるさいな、冗談だよ。」

 

「超サイヤ人3を見ても全然余裕そうだな……それにこの雰囲気、確かに只者じゃなさそうだ。」

 

「さぁ、始めようか。何処からでもかかって来なさい。」

 

「舐めてるな……?よし、すぐ本気を出させてやる!!うおおおおおっ!!!!」

 

「!!」

 

 超加速して突っ込んで来た悟空の拳を、軽く片手で受け止めるビルス。しかし良い意味で予想を裏切られたとばかりに、楽しそうな目をしていた。

 

「受け止めた!?」

 

「良いね、考えていた以上の速さだよ。」

 

「くっ、だったらこれならどうだ!?でりゃあ!!」

 

 悟空は更にオーラを高め、とてつもないスピードで攻撃を繰り出して行く。だが、ビルスはその全てを片手で捌き切ってしまい、一瞬にして悟空の背後へ回ってしまった。

 

「なっ、速……」

 

「今度はこっちから行くよ。」

 

 悟空が振り向いた瞬間、ビルスのパンチが叩き込まれた。咄嗟に両腕を交差させてガードする事には成功したが、物凄い勢いで地面に叩きつけられ、界王星の大地が激しく陥没してしまった。

 

「いててて……と、とんでもねぇパワーだな、こりゃ。」

 

「ほぉ、こりゃ驚いた。ちょっとだけ力を込めたのに、全然平気そうじゃないか。」

 

「へっ、まだ本気も出してねぇのにやられたら、笑い話にもならねぇからな。」

 

「ふーん、まだ隠してた力があるんだ。じゃあすぐにその力を出しなよ。あんまり破壊神を舐めてると、破壊しちゃうよ?」

 

「言われなくても……ってか、そうでもしねぇとビルス様には勝てそうにねぇや。それじゃあ行くぜ!!これがオラの最強の力だ!!うおおおおおおおおおお!!!!」

 

 構えを取ると、悟空の気が更に激しく上昇し、界王星全体を激しく揺らして行く。そして悟空の咆哮が大猿の咆哮が変化した瞬間、悟空の目が赤く染まり、纏っていた気が大爆発を起こし、周囲が閃光に包まれた。

 やがて閃光が晴れると、そこには超サイヤ人4へと変身を遂げた悟空が立っており、真正面からビルスを睨みつけていた。

 そして超サイヤ人4を見たビルスは流石に驚きを隠せなかったようだが、すぐに面白そうだとばかりに笑みを浮かべた。

 

「ふふふふ……!!なるほど、それが君のとっておきかい。ゴッドとは違うようだけど、とんでもないパワーじゃないか。地球のサイヤ人か……夢に出て来たあいつが言う事も満更嘘じゃなさそうだ。ベジータ王子を含めて、久しぶりに楽しめそうだよ。」

 

「夢のあいつ?」

 

「さぁてね……そんな事より続きを始めよう。君とならそれなりに楽しめそうだ……!!

 

「それなり、ねぇ……じゃあ存分に味わわせてやるよ、超サイヤ人4の力をな!!」

 

 紫電を纏う黄金のオーラを更に激しくさせ、悟空はビルスへと突撃して行った。

 

 はたして、超サイヤ人4は破壊の神に勝つ事が出来るのだろうか……?




今作の悟空は打倒ベジータの為魔改造されておりますので、ビルスの方からその強さに興味を持ちました。また、超サイヤ人3の段階でもそこまでダメージを受けずに済んでおります。

次回は破壊神VS超サイヤ人4なのでお楽しみに。
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