ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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神と神 限界を超えた戦い

 超サイヤ人4ゴッドになったベジータと、膨大な紫のオーラを纏ったビルスが同時に飛び出し、互いの拳をぶつけ合った。直後、とてつもない衝撃が、音を置き去りにして地球全体に駆け巡った。

 更にその時の衝撃波で地面は割れ、まるで巨大隕石でも落下したかのような規模のクレーターが発生してしまう。

 しかし、今の二人には地面に走る亀裂も、舞い上がった小石や粉塵も、目の前の相手以外の何もかもがスローモーションに、いや、完全に止まって見えた。それだけ、二人は他のものとは隔絶したスピードで戦っているのだ。

 

 そして、全てが停止した世界で、二人の攻防は続いていた。まず、拳をぶつけ合った直後、二人は同時に弾き飛ばされるが、二人とも同タイミングで体勢を立て直すと再び突撃する。

 次にまずビルスが跳躍しながら回し蹴りを放った。しかしベジータは蹴りを片手で受け止めると、すぐにら相手の足首を掴み、近くまで引き寄せるとビルスの横っ面にパンチを食らわせ、続けて蹴りを腹部に叩き込んだ。

 

 次の瞬間、ビルスは西の都から氷山エリアまで一瞬で吹っ飛ばされてしまうが、その吹っ飛ばされるスピードすら上回るスピードで背後に回り込んでいたベジータがファイナルシャインアタックをビルスの背中目掛けて発射する。

 するとビルスはまるでダメージを受けていないように振り返り、軽く足を上げると、ファイナルシャインアタックを上空まで蹴り上げてしまった。

 勿論ビルスはそれだけでは終わらない。すぐに反撃に転じ、急加速して距離を詰めるとベジータの鼻っ柱に頭突きを食らわせ、相手を怯ませた隙に鳩尾に膝蹴りを入れ、ベジータが蹲った瞬間後頭部にナックルハンマーを叩き込み、更に左右に何度も移動しながらベジータへパンチとキックを食らわせ続け、ダメ押しとばかりに巨大な気弾をぶつけ、海底までベジータを叩き落としてしまった。

 

 そのままビルスは海底を見下ろしていると、突然ベジータにぶつけた筈の気弾が威力を倍増されて跳ね返って来た為、ビルスは手刀を振り下ろして気弾を真っ二つに切り捨てる。

 しかし、それこそがベジータの狙いだった。ビルスが手刀を振り下ろした瞬間を狙い、プロミネンスバーストフラッシュを放ったのだ。さすがのビルスもこれは避けきれず、まともに直撃してしまい、そのまま大気圏をぶち抜いて宇宙まで吹っ飛ばされてしまい、月と地球の間で大爆発を起こした。

 

 だが、相手は破壊神。これだけで倒せたとは思えない。瞬間移動でもしたのかと錯覚する程のスピードでベジータが宇宙までやって来ると、やはりビルスは無傷であり、楽しそうな笑顔を浮かべてベジータを見下ろしていた。

 

「やるねぇ……孫悟空も凄かったけど、君はその遥か上だ。僕も長い事戦って来たが、こんなに強い奴と出会ったのは初めてだよ。どうだい?ゴッドの力を自分の物にした気分は。」

 

「そうだな……この圧倒的なパワーには、自分の事ながら惚れ惚れしている所だ。一つ難点を挙げるとすれば、俺一人ではこの力には絶対到達出来なかったと言う事だな。」

 

「おや、そんな事に拘るとは意外だね?君は高いプライドの持ち主だが、目的の為ならプライドを軽く切り捨てる事が出来るタイプだと思っていたよ。」

 

「否定する程間違ってはいない。だからこうしてカカロット達の力を借りる事も受け入れたんだ。だが、それはそれとして、感情の面で納得が出来ていない……それだけの事だ。」

 

「下らない拘りだね。そのプライドは油断となり、いつか君を殺すよ?」

 

「かもしれん。だが、このプライドがあってこそ、俺は俺でいられるんだ。今更捨てる事など……出来るものかっ!!」

 

「っ!?」

 

 ベジータが放った気功波を、ビルスは咄嗟に身を捻って回避する。しかしその隙を突かれてベジータに接近されてパンチを入れられ、続けて腹部に連続でパンチを叩き込まれる。

 

「だだだだだだだっ!!!!」

 

「ぐっ!?ごふっ、がぁっ!!」

 

「吹き飛びやがれぇええええーーーー!!!!」

 

 ビルスの眼前に掌を翳し、ほぼゼロ距離でファイナルシャインアタックを放った。

 まともに直撃を受けたビルスは地球へ叩き落とされ、とある火山の噴火口に超スピードで突っ込んで行く。そしてビルスの後を追い、ベジータは地球まで降下して来たが、その瞬間火山ごとマグマが消し飛ばされ、ビルスが飛び出して来ると、ベジータに無数の気弾を連射した。

 

「舐めるなぁ!!でりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!」

 

 負けじとベジータも気弾を連射し、ビルスが発射する気弾を全て撃ち落とす。それどころか、ベジータの方が手数で勝っているようで、逆にビルスを追い込み始めた。

 

「この僕が、手数で負ける……!?面白いじゃない!!」

 

 まさか自分以上のスピードで攻撃して来たベジータに一瞬驚いた表情を浮かべたが、それでこそだと言わんばかりにニヤリと口元を歪めると、すぐに戦法を切り替え、手元に飴玉サイズの気弾を作るとそれを放り投げる。

 そしてビルスの手元から離れた気弾は一瞬にして超巨大化し、ベジータが連射していた気弾全てをかき消しながら真っ直ぐ突撃する。

 

「そんな物が効くかぁっ!!」

 

 気を右手に纏い、気弾にアッパーを入れる事で、軌道を上空まで逸らし、反撃にビッグバンアタックを放つ。ビルスはバリアーでも張っているのか、回避もせずビッグバンアタックは弾かれ、そのままベジータの顔に飛び蹴りを入れ、更に回し蹴りを首に食らわせる。

 負けじとベジータもビルスの腹部に蹴りを入れると、尻尾を両手で掴み、ハンマー投げの要領でビルスを岩盤まで投げ飛ばすと、気を全開にし、両手首をくっつけ、赤い気を球状に収束させて行く、

 

「今度こそ終わりだっ!!プロミネンスバーストフラァァァァァァァァッシュッ!!!!!!」

 

「う、うおおおおおおっ!?」

 

 ベジータの放った超極大の真紅のエネルギー波に、一瞬で全身が飲み込まれるビルス。その後もエネルギー波は全く減退する事なく突き進んで行き、山を消し飛ばし、海を割り、そのまま宇宙へ飛び出し、太陽系を抜けた遥か先で大爆発を起こした。

 

「はぁ、はぁ……て、手応えはあったが……っ!?」

 

 いきなり爆風の中から煙を眩い光が放たれ、ゆっくりとビルスが現れ、ベジータの前まで移動して来た。

 だが、流石に無傷とはいかなかったようで、体中が傷だらけになり、服もボロボロになっている。

 

「……見事だ、ベジータ。人の身でありながら、よくぞそこまで到達出来た物だよ。下手な破壊神ならこの時点で負けてただろうね。」

 

「下手な破壊神?あんたの他にもいると言うのか。」

 

「この世界には宇宙は全部で十二個あって、それぞれの宇宙に破壊神と界王神がいるんだよ。ちなみに、ここは第七宇宙と呼ばれている。」

 

「十二の宇宙……」

 

「まぁ、今は他の宇宙の事はどうでも良い。それよりも、お前の強さに敬意を表し……僕の本気を見せてやろう。」

 

「ほう、今まで本気ではなかったとでも言うのか?」

 

「ふふふ……」

 

 ベジータの問いに答えず、ただ静かに笑うビルス。だが、ビルスから放たれる気がこれまでとは段違いに上がって行くのを感じ取ったベジータは、驚愕し目を見開いた。

 

「こ、これは……!?」

 

「はぁぁあああああ……!!!!」

 

 ビルスの気の高まりと共に空は黒く染まり、暴風が吹き荒れ、海は荒れ、地は割れ、マグマが噴き出す。やがて限界以上まで気を高めたビルスがベジータへと手を翳すと、次の瞬間、ベジータはとてつもない衝撃と共に遥か後方まで吹き飛ばされていた。

 

「ぐはっ!?な、なんだ、今俺は何を……」

 

「こっちだよ。」

 

「っ!?せぇい!!」

 

「遅い。」

 

 背後から声が聞こえた瞬間、体中に寒気が走ったベジータは咄嗟に回し蹴りを放った。だがそれよりも早くビルスの裏拳が命中し、続け様にダブルスレッジハンマーを脳天に叩きつけられ、地面まで叩き落とされ、瓦礫の山に埋もれてしまった。

 すぐに気を解放して瓦礫を吹き飛ばすも、既にビルスは目と鼻の先まで接近しており、ベジータの顎を蹴り上げ、続けて腹部に蹴りを入れる事で更に空中まで吹っ飛ばし、それにもすぐに追いついてベジータの右足を掴むと、ハンマー投げの要領で投げ飛ばすと、巨大な気弾を作り上げ、ベジータ目掛けて投げつけた。

 

「ぐ、ぐわぁぁぁあああああ!!!!」

 

 一瞬太陽かと錯覚する程の巨大な気弾を、弾く事も受け止める事も出来ず、ベジータは全身が飲み込まれ、遥か上空で爆発を起こした。

 

「ちょっとやり過ぎちゃったかな……むっ!?」

 

 突如爆炎の中からビルス目掛けて気功波が放たれる。即座にビルスは手刀で弾き飛ばしたが、爆炎の中からボロボロになり、肩で息をしているベジータが飛び出して来た。

 

「はぁ、はぁ……ま、まだまだ勝負は終わっていないぞ……!!」

 

「……そうでないと本気を出した甲斐がないと言う物だ。簡単に壊れてくれるなよ、ベジータァ!!」

 

「ほざけっ!!勝つのはこの俺だぁっ!!」

 

 

※※※

 

 

 その頃、悟空達は突然ベジータとビルスの姿が消えたかと思えばあちこちで天変地異が起き、今も地球中で爆発や地割れが起きている以上事態に誰もが唖然としていた。

 

「ど、どうなってんだ?二人とも急にいなくなったかと思えば、地球中がとんでもねぇ事になってんぞ……」

 

「ええい、神の気とやらのせいでベジータ達の居場所がまるでわからん!!」

 

「って言うかこれ、本当に地球は大丈夫なんでしょうね!?」

 

「ご安心を。少なからず地球が崩壊する事や爆発する事はありませんよ。まぁそれでも多少の被害は出るでしょうが……んー、美味しい!!」

 

「多少どころか大災害レベルの被害が出てるでしょーがぁ!!」

 

 この世の終わりかとさえ思える程の大惨事の数々にブルマがキレ気味……と言うよりキレながらウイスに怒鳴りつける。しかしウイスは特に気にした様子も見せず、ベジータ特製スペシャルビッグパフェを食べながらこの場に似つかわしくない幸せそうな笑顔を浮かべていた。

 

「なぁ界王様、ベジータ達が何処に居るのかわかんだろ!?案内してくれ!!」

 

「ば、馬鹿言うな!!こんなとんでもないスピードで移動してる二人に追いつける訳が……あっ、こら悟空ー!?は、離せーーー!!」

 

 

※※※

 

 

「ちょっとペースを上げるよ。」

 

「くぅっ!?」

 

 ビルスの攻撃速度が上がり、完全に防戦一方となってしまうベジータ。顔に命中するギリギリで拳を抑えるも、向こうの力が強過ぎた為、そのまま押し切られて殴り飛ばされ、一瞬で追いつかれて背後に回られ、頭に踵落としが直撃してしまう。

 

「お、おぉぉ……ぐっ!!ま、まだだ!!はっ!!」

 

 立ち上がると共に、ベジータはビルスに気功波を放つ。だが、ビルスの身体に触れる寸前、紫のオーラに触れた瞬間気功波が消滅してしまった。

 

「なっ!?」

 

「破壊神の持つ破壊の力……その応用さ。君がどれだけ攻撃を加えようと、その威力も衝撃も全て破壊し、無にしてしまえば、ダメージは通らない。ちょっと卑怯だけど、全力でやると言った以上、使わないのは君への侮辱になるからね。」

 

「フン……そいつは光栄だな。しかし、だったら破壊出来ない程の攻撃を叩き込むまでだ!!」

 

「出来るもんならやってみなよ……こっちだ!!」

 

「なっ……うぐわぁぁぁぁ!!!!」

 

 会話の途中、またしてもベジータの背後に回ったビルスは肘打ちをベジータの背中に食らわせた後、更に連続蹴りを叩き込む。

 丁度その時、悟空と界王、そして他の仲間達もベジータ達が戦っているすぐ近くまでやって来た。

 

「や、やっと見つけたぞ!!」

 

「って、ベジータの奴完全に押されてるじゃねぇか!?」

 

「ぬぅ……!!超サイヤ人4と超サイヤ人ゴッド、二つの究極の力を合わせても破壊神には届かないと言うのか……!?」

 

「ま、まだだよ!!パパならここから奇跡のパワーアップできっと……」

 

「……残念ながら、それは不可能だ。」

 

「界王様!?」

 

「ベジータはこの戦いの中、何度も己の限界を超えて成長を続けている。だが、それでもビルス様には届かない。それだけベジータとビルス様の間には隔絶した力の差があるのだ……」

 

「そ、そんな!!」

 

 界王の言葉に、トランクスが絶望した表情を浮かべる。だが事実、そうしている間にもベジータはビルスの猛攻の前に完全に押され、ガードすらままならなくなっており、あれだけ神々しかったオーラも弱々しく、今にも変身が解けそうな程ボロボロになっていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 

「満身創痍、と言った所か。……ここまでだね、諦めて降参しろ。お前は破壊神を……この僕を相手によくやった。誇っても良い。何なら、次期破壊神候補に推薦したいくらいだよ。」

 

「こ、断る……!!俺は、俺はまだやれる!!」

 

「何故だ?このまま続けても絶対に僕には勝てない。お前自身が一番よく理解している筈だ、僕との間にある絶対的な力の差を。」

 

「さ、最初に言った筈だ……俺は破壊神を超え、更に先に進むと……!!何より、"奴"が見ている以上、死んでも降参などするものか!!」

 

 残る力を振り絞り、更に気を激しく高めるベジータ。ビルスはそんなベジータの目を見て、降参を勧めても無駄だと悟ったのか、改めて拳を構えた。

 

「……どうやらお前の誇りを侮辱してしまったようだな。良いだろう、最高の一撃でケリをつけてやる。」

 

「やれる物ならやってみろっ!!うぉぉおおおおおおお!!!!」

 

 雄叫びを上げながら、ベジータはビルスへと殴り掛かる。だが、残る力全てを総動員したベジータの一撃も、やはりビルスには通用しない。

 顔に命中する寸前、あっさりとパンチが受け止められ、返しに放たれた拳が轟音を立てながらベジータの鳩尾に命中。その一撃が致命的なダメージとなったようで、ベジータは超サイヤ人4ゴッドの変身が解除され、地面へと落下して行く。

 

 落下して行く最中、ベジータは目に映る全てがスローモーションのように見えた。

 こちらに手を伸ばし、何かを叫んでいるトランクス。

 何かを叫びながら、こちらに駆け寄ろうとしている悟空や仲間達。

 そして仲間達から少し離れた場所からブルマの操縦する飛行艇がこちらに向かって来ており、操縦席に座るブルマが涙を流しているのが見えた。

 

 その全てを見て、ベジータは悟った。自分は負けたのだと……

 だが、悔いはない。出せる全てを出し尽くして戦い、それで負けたのだ。決して恥じる必要などない筈だ。

 

 

『なんだよ、ベジータ。もう諦めちまうんか?せっかくこんなすげぇ相手と戦ってんのに?』

 

うるさい、諦めたつもりなんてない。だが、身体が動かない以上どうしようもないだろうが。

 

『おいおい、見ねぇ間に随分諦めが良くなったな?昔のオメェだったらこんな状況でも諦め……あっ、でもオメェ、昔フリーザと戦ってる時怖くて泣きべそかいちまったらしいし、案外あり得るかも……』

 

人を臆病者のように言うな!!だいたい、どれだけ昔の話をしていやがるんだ貴様はっ!?

 

『だったら立てよ、ベジータ。オメェの持てる力、その全てを見せてくれるんだろ?こんな程度で終わったら拍子抜けだぞ。それとも、オラが変わってやろうか?』

 

 

「誰が貴様の力なんぞ借りるかっ!!こんな所で、俺は……俺はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

「っ!!な、何!?」

 

「うぅおおおおおおおおおおーーーーーーーっ!!!!!」

 

 完全に気が底を突きていた筈のベジータから先程と同等……いや、それ以上に激しく気が吹き荒れ、その身を包み込む。

 そして一瞬で超サイヤ人4ゴッドに……いや、赤色のオーラの上に紫電を纏う黄金のオーラが重なる二重のオーラを纏った姿へと変身を遂げた。

 

「……ククク、ハハハハハハ!!お前は何処まで僕を楽しませれば気が済むんだ!!」

 

「俺の渾身の一撃を受けてみろ、破壊神ビルスッ!!!!」

 

「来いっ!!」

 

 左手で右腕を掴み、全ての気を収束させて行くベジータ。対するビルスも両手を合わせると、小惑星……いや、月に匹敵する程に巨大な破壊球を作り上げる。

 

「ファイナルアルティメットキャノンッ!!!!!」

 

 ベジータの右手から、無数の赤いスパークを纏った黄金の巨大なエネルギー波が発射され、それに合わせてビルスも破壊球を発射される。

 本来なら、質量のあまりの差から、僅かながらの拮抗も許されず、ベジータの技がかき消された事だろう。だが、信じられない事に、ベジータの放った黄金のエネルギー波はビルスの破壊球を一瞬で粉々に打ち砕き、そのまま一直線にビルスへと向かって行った。

 

「なっ!?ば、馬鹿な!!う、うぉぉおおおおおおおおおお!?」

 

 破壊のエネルギーを全開にし、ベジータの放ったエネルギー波をビルスは受け止めた。だが、破壊の力を持ってしても完全に破壊し切る事が出来なかったようで、纏っていた破壊のエネルギーは完全にかき消され、更にビルス自身も少なくないダメージを受けてしまう。

 

 そして、この技が防がれるのを見越していたベジータは、ビルスが纏っていた破壊のエネルギーが消えた瞬間を狙い、ビルスに渾身の一撃を与えるべく急接近していた。

 

「まだ来るか、ベジータ!!」

 

「これでぇぇぇ……終わりだぁぁぁぁーーーーっ!!!!」

 

 二人同時に拳を振り翳し、全く同じタイミングでパンチを繰り出した。そして二人の拳が激突し、地球を揺るがす衝撃と轟音が響き渡った。

 二人は拳をぶつけ合った姿勢のまま、互いに睨み合ったまま動かず、周囲は静まり返っていた。そして、先に動いたのはベジータの方だった。再度超サイヤ人4ゴッドの変身が解除され、ゆっくりと地上へ向けて落下を始めたのだ。

 

「おっと。やれやれ、随分手間をかけさせてくれたね……」

 

 すかさずビルスが左手でベジータの服を掴んで持ち上げた。とは言えビルスも相当ダメージを受けたようで疲労を隠せていないようだ。すると、ビルスのすぐ背後にウイスが現れた。

 

「これはこれは、随分とお楽しみになったようですね。」

 

「ん、まぁね……まさか僕の右腕を折るだなんて、そんな事ができる人間がいるなんて思いもしなかったよ。」

 

 そう、先程の一撃でベジータは確かにやられた。だが、ビルスも右腕が骨折する程の大ダメージを受けていたのだ。

 

「いやはや、本当に見事な物です。この先成長すればビルス様を超えるかもしれませんね?」

 

「馬鹿言うな。だったら僕はそれより更に強くなるだけだよ。それよりウイス、早く治せ。」

 

「はい、直ちに。あそ〜れ!!」

 

 妙な掛け声と共にウイスが杖を振るうと魔法が発動され、ビルスとベジータの身体が光に包まれる。そして二人が負っていたダメージが一瞬にして完治し、服も新品同然にピッカピカになってしまった。

 

「ふぅ、これで楽になった……おいベジータ、いつまで寝てるつもりだ?」

 

「うっ……はっ!?は、破壊神ビルス!!そ、そうだ、俺は……!!俺は、負けた……のか……」

 

「そう、勝ったのは僕だ……と言いたいけど、今回は引き分けだよ。」

 

「な、何?」

 

「腕が折られた上、ほんのコンマ数秒だけど意識が飛んじゃったからね。お互い気を失ったんだから引き分けだ。君をコックにするのは諦めてやるよ。まぁ、君の言う事を聞くってのも無しだけどね。」

 

「ま、待て、ふざけるな!!コンマ数秒気絶したなんて馬鹿な話が……」

 

「ごちゃごちゃうるさいな、僕がそう言うんだからこれは決定事項なんだよ。それより戻って何か食わせてくれ。腹が減った。」

 

「それはナイスアイデアです!!ささっ、ベジータさん。早く戻りましょう!!」

 

「な、なんなんだ、こいつ等は……」

 

 その後、強引にベジータを連れ、西の都までビルス達は戻り、美味しい物をたらふく食べて満足し、土産も貰って自分達の星へと戻るのだった。

 

 

※※※

 

 

「ふふ、ビルス様もらしくない嘘をつきましたね?」

 

「なんの話だ?」

 

 星へ帰る道中、ウイスがクスクスと笑い出し、ビルスは機嫌が悪そうにそっぽ向いた。

 

「強引にベジータさんとの勝負を引き分けにした件ですよ。本当はベジータさんの成長が楽しみで、コックにするのは惜しいと考えたのでしょう?」

 

「フンッ、そんな訳ないだろ。あの気絶さえなければ首輪付けてでも引っ張って来たさ。」

 

「やれやれ、相変わらず素直ではありませんねぇ……あっ、いけない!!忘れていました!!」

 

「忘れてた?何をだ?」

 

「ベジータさん達にレッドさんを紹介して貰うよう、頼む予定だったんですよ。」

 

「レッド……ああ、例の。どうしてだ?」

 

「次期破壊神候補にスカウトする為ですよ。」

 

「なっ、お前そんな事考えてたのか!?」

 

「ええ。彼が破壊神に就任してくれれば、我が宇宙の人間レベルも更に上がるとは思いませんか?誰かさんと違って食っちゃ寝ばかりはせず、ちゃんと仕事をする破壊神になってくれそうですからねぇ……」

 

「ぐ、ぐぐぐ……お、お前、最近ちょっと嫌味になってないか?」

 

「おほほほ!!気のせいですよ、気のせい。」

 

 呑気な会話をしながら、ビルスとウイスは星まで帰って行った。

 

 こうしてベジータと破壊神ビルスの激闘は幕を閉じた……が、彼等は思っていたよりもずっと早くに再会する事になる。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

「目を覚ませ、ツフル人の生み出した復讐兵器よ。」

 

 とある星で、かつてバビディだった者が、培養槽の中で眠る赤ん坊のような存在に語りかける。

 すると培養槽が砕け散り、中からゆっくりと赤ん坊のような者を降りて来た。

 

「……驚いたな。まさかもう俺を完成させるとは……貴様、どんな魔法を使った?いや……そもそも貴様は何者だ?何故俺の事を知っている。」

 

「ククク……そう警戒するな。私はお前の目的に手を貸すつもりなのだよ。全宇宙ツフル化計画にな。」

 

「そこまで知っていて、俺に手を貸すだと……?気に入らんな。貴様のような得体の知れん奴の手助けなど受ける気はない。今ここで……グッ!?」

 

「無駄だ、貴様は私に刃向かう事は出来ん……そう作り替えた。安心しろ、貴様に最高の肉体を用意してやろう。最強のサイヤ人の肉体をな……」

 

「お、俺は……俺は……ぐ、グォオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 この日、新たな脅威がベジータ達の知らない遠い何処かで誕生するのだった……




最後に出て来た赤ちゃんの本格搭乗はまだ暫く後です。さぁて誰が乗っ取られるかな〜?当てられる人はいないと思うけどね。
なんて深夜のテンションで書いちゃったけど、冷静に考えると普通に正解出て来そうなキャラだったわ。
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