ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ   作:ゴロリコン

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狂気の科学者

 先鋒戦を圧倒的実力差を見せつける形で勝利したクウラ。そして続く次鋒戦を行う為、レッドはベンチからリングへと上がり、第六宇宙側からも謎の老人がリングに上がって来た。

 

「俺様の相手は貴様か。しかし、老人とは言え手加減するつもりはないぞ?」

 

「貴様が破壊神の言っていた景品か……だが、その姿は……」

 

「なんだ。何か言いたい事でもあるのか?」

 

「……いや、そんな筈はないか。だが、貴様は気に食わん。じわじわと嬲り殺しにしてやる……」

 

(ええ……?なんか知らんがいきなり殺意剥き出しにしてきたぞこの爺さん。ぶっちゃけ勘弁して欲しい……)

 

 思いっ切り殺意をぶつけられ、内心で泣き言を言っているレッド。その頃ベジータ達は相手の老人を見て色々と話し合っていた。

 

「あれが次鋒戦の相手か?そんなに強そうには見えんな。」

 

「でも、わざわざ代表選手に選ばれたくらいですし、何か隠された力のような物があるのかもしれませんよ?」

 

「フン、あのフロストとか言う屑のように実力も無ければ隠し球もない屑が選ばれている以上、あの老耄も単なる雑魚の可能性も捨て切れんだろう。」

 

「まっ、レッドなら負けやしねぇだろ!」

 

「おいジジイ!!フロストみたいに無様な姿を晒したら承知しねーからな!?あっ、それからレッドは第六宇宙に来て貰うんだから絶対に殺すんじゃねーぞ!!」

 

「フン、醜い豚が……」

 

 怒鳴りつけて来るシャンパに対し、小声で毒付く老人。そして両者の準備が整ったと判断し、レフェリーが声を上げた。

 

「それでは次鋒戦、第七宇宙レッド選手VS第六宇宙Dr.ダブリュー選手の試合を開始します!!」

 

 レフェリーがそう宣言すると、シャンパが指から気功波を放ち、大きな銅鑼に命中。それが合図となり、試合が開始され、レッドは先手必勝と言わんばかりに老人改めてDr.ダブリューに向かって突撃する。

 

「さて、分析開始と行くか……貴様の力、この私に見せてみろ!!」

 

 右目のスコープでレッドの解析を開始し、右腕を振るう事で斬撃波を放つダブリュー。だが、放たれた斬撃波はレッドに命中する寸前、姿を消してしまった。

 

「消えた……むっ!?」

 

 突如背後に悪寒を感じたレッドは、急ブレーキをかけて後ろへ振り向いた。すると消えた筈の斬撃波がレッドの背後に現れ、そのままレッドに命中する。

 とは言え全くダメージは受けていないのか、レッドは涼しい顔をしながらダブリューへと視線を向けた。

 

「消える攻撃とは厄介な。しかしその程度の威力ではどれだけ打とうと俺様には通じんぞ?」

 

「そのようだな。ククク、もっとお前を見せてくれ。はぁっ!!」

 

 笑いながら何度も右腕を振るい、消える斬撃波を連発するダブリュー。だが、レッドは避けるまでもないと何発命中しようと気にも留めずに突撃し、ダブリューの目の前に肉薄すると、そのまま腹部に膝蹴りを叩き込み、空中まで蹴り飛ばした。

 

「ぐっ!?まだだ!!」

 

 今度はスコープから赤いレーザーを放つダブリューだが、それを見たレッドは人差し指の先端からデスビームを発射。

 威力に差があり過ぎたのか、ダブリューの放った レーザーは一瞬の拮抗も出来ずにかき消されてしまい、そのままダブリューにデスビームが直撃し、爆発を起こした。

 

「あっ、少し威力出し過ぎた……し、死んでないと良いのだが……」

 

「フン、少しは出来るようだが所詮はこんな物か。やはりレッドの圧勝で終わりだな。」

 

「いや、まだ終わってねぇみてぇだぞ。あれを見ろ!」

 

 悟空が指差すと、丁度煙が晴れ、中からダブリューが姿を現した。だが、その姿を見てレッドは絶句した。何故なら、ダブリューの右腕、そして左目から左耳にかけてが消し飛び、内側の機械が露出していたのだ。

 

「貴様……その身体は……!?」

 

「どっひゃー!!あ、あのおっちゃん、人造人間だったんか!!……あれ?でもあいつから気を感じられっぞ?なんでだ?」

 

「レッドさんやセルと同じ、人工生命体なのでしょうか……?」

 

「人工生命体?違うな。私はね、人間なのだよ。たとえこんな身体になろうと、地球人なのだ……!!」

 

「ち、地球人!?馬鹿な!!こっちの宇宙の地球は滅んだ筈だろ!!どう言う事だヴァドス!?」

 

「確かに地球は滅びましたが、生き残りが居た……それだけの事ですよ。」

 

「生き残りぃ!?じゃ、じゃあ他にも地球人の生き残りがいて、そいつ等なら美味い物を作れるかも……」

 

「残念ながらその可能性はゼロですね。何せ彼こそが地球人最後の生き残りにして、地球人を滅ぼした張本人なのですから。そうでしょう?ドクターダブリュー……いいえ、ドクターウィロー?」

 

「ドクターウィローだと……?」

 

 ヴァドスが口にした名前に、ベジータは何やら首を捻った。どうやら聞き覚えがあるようだ。

 

「ん?なんだベジータ、あのおっちゃん知ってんのか?」

 

「いや、ウィローと言う名に聞き覚えがあるような、ないような……?」

 

「聞き覚えも何も、あんたが孫君とヤードラット星ってとこから帰って来て一ヶ月後くらいに木っ端微塵にした相手じゃない。」

 

「何……ああ、そう言えば!!」

 

 ブルマに言われて漸く思い出したのか、手をポンっと叩くベジータ。

 

 話は十年以上前に遡る……ベジータと悟空がヤードラット星から帰還し、未来のトランクスに人造人間の話を聞かされてから一ヶ月後、カメハウスを謎のバイオ戦士三人が襲撃する事件が起きる。

 どうやら彼等の狙いは亀仙人だったようだが、ブルマの付き添いで一緒に来ていたベジータが居たのが運の尽き。一瞬で三人纏めて汚い花火にされてしまったようだ。

 そしてベジータの圧倒的な実力を目の当たりにしたドクターウィローはその肉体を奪おうと行動を開始するが、ギニュー特戦隊にすら劣るドクターウィローがベジータに勝てる可能性などある筈もなく、ツルマイツブリ山のアジトが特定された後は部下達はほんの数秒で全滅し、ウィロー本人もたった一発の気功波で塵一つ残さず消滅するのだった。

 

「あの時の不気味なガラクタ人形か……まさか第六宇宙にも存在していたとはな。と言うか、あいつ人間の時はあんな姿をしていたのか……?」

 

「そんな事よりもジジイ!!なんで地球人を滅ぼしたりしやがった!?そのせいで俺は地球の美味しい物が食べられなくなったんだぞ!!」

 

「フン、何が美味しい物だ。滅ぼされて当然の連中を滅ぼして何が悪い?こんな俗物が破壊神だとは、やはり神など碌な存在ではないな。」

 

「なんだとぉ!?て、てめぇ、今この場で破壊されてぇか!!」

 

「……で?あいつはなんでわざわざ自分の同族を皆殺しにした訳?」

 

 俗物呼ばわりされてブチギレてるシャンパを無視し、ウィローが地球人を滅ぼした経緯を問いかけるビルス。するとヴァドスは視線をシャンパからウィローへ移した。

 

「ドクター、ビルス様達にこちらの宇宙の地球で何が起きたのか、説明してもよろしいですか?」

 

「フン、好きにしろ。」

 

「ではそうさせて頂きます。」

 

 

※※※

 

 

 第六宇宙のドクターウィローは、今から約10000年程昔の地球に生まれた。

 ウィローが生まれた時点で、第六宇宙の地球人達は500年もの長きに渡って戦争を続けており、そのせいで人口は減少し、地球環境の大半は汚染され、このまま戦争を続けてはそう遠くない内に人類は滅亡してしまうのは誰の目にも明らかだった。

 

 そこでウィローは盟友であるドクターゲロや賛同者達と共に戦争を迅速に終結させるべく、持てる技術の全てを注ぎ込んだ決戦兵器「セル」を開発し、実戦に導入。結果、500年もの長きに渡って続いた戦争はたった1年で終結した。

 

 だが、「セル」はあまりにも強力過ぎた。

 「セル」はウィローとゲロが想定していた以上の凶暴性を発揮し、敵国どころか守るべき自国の民にすら牙を剥いてしまったのだ。

 確かに戦争は1年で終結したが、その代償はあまりにも大きく、ウィロー達がやっとの思いで「セル」の機能を停止させた頃には、既に全人類の7割が死滅すると言う甚大過ぎる被害が出てしまっていた。

 

 戦後、ウィローは政府により裁判にかけられたが、なんとゲロや他の仲間達は土壇場でウィローを裏切り、全ての罪をウィロー一人になすり付ける暴挙に出た。無論、ウィローは弁明したが、当時は戦後の混乱の真っ只中であった事もあり、ろくな取り調べが行われず、まともに耳を貸そうとする者も現れず、結局たった一度の裁判だけでウィローは世界を滅ぼそうとした極悪人として裁かれる事になってしまった。

 

 しかも、ウィローに与えられた罰は、ある意味で死以上に残酷な物だった。

 

 その名も、"不死の刑"。ウィローは脳を含めた肉体の大部分を自己修復機能を持ったサイボーグへと改造されてしまい、その自己修復機能のせいでウィローはどんな大怪我を負っても瞬時に治療され、病に侵される事もなくなったが、同時に彼は寝る事も食事を摂る事も出来なくなった。肉体がどちらも全く必要としないように作り変えられてしまったからだ。

 

 そして何よりも最悪な事が、ウィローにこの改造手術を施し、不死の呪いを掛けたのは、ドクターゲロだと言う事だ。彼はウィローを改造する寸前、助けを乞うウィローに「この裏切り者の大量殺人鬼め」怒鳴りつけ、「お前の言う地球再生の理想を信じて協力したのに!!」と周囲の人々に見せつけるが如く言い放った。その姿は、まるで自分は騙されて利用された被害者だと言わんばかりの物だったが、ウィローは見逃さなかった。ゲロがこっそりとだが、悪魔のような笑みを浮かべていた事を……

 

 それから程なく、永遠に眠りにつく事が出来ず、一切の自由を封じられた状態で、ウィローはただ一人牢獄に閉じ込められ、衛星軌道上へと追放された。

 

 光も何もない、気が狂いそうになる程の真っ暗な静寂の中、死と言う救いさえも奪われたウィローは、ずっと意識を保ち続けながら、全てを恨んだ。

 己を裏切った仲間達も、己を認めず追放した祖国の人間達も、この世の何もかもを憎み続けた。

 

 そして、ウィローが追放されてから2000年程たったある日、突然ウィローは地球に連れ戻された。

 あの後第六宇宙の地球は一時的に復興したが、長い時の流れは戦争の痛みを忘却の彼方へと追いやり、結局は同じ過ちを繰り返す事になってしまったのだ。

 

 ウィローを回収したのは当時地球を二極化させていた大国の内の一つであり、かつてのウィローの母国が2000年の時を経て発展した国だった。

 だが敵国の開発した新兵器によって劣勢に追いやられ、領地の殆どは敵国の手に落ち、もはや国の陥落も目前に迫っていた頃、国の王は遥か昔の戦争で全人類を滅亡寸前まで追いやり、不死の呪いをかけられた宇宙に追放された悪魔の科学者の伝承を見つけた。いや、見つけてしまった。

 その結果、王は藁にもすがる思いでウィローを回収したそうだ。

 

 しかし、ウィローにとってそんな事はどうでも良かった。地球に戻って来られたのなら、あの暗闇から抜け出す事が出来たのなら、やる事は決まっている。

 ウィローはまず王の信頼を得る為に、言われるがままに敵国の兵器を超える新兵器の開発に着手した。

 元々不世出の天才と謳われたウィローだ。2000年の時が流れ、科学技術が大きく発展していたとしても、彼にとっては誤差の範囲内でしかない。

 瞬く間に当時の技術を自分の物にしたばかりか、何世代も先の物へと発展させ、敵国の兵器を遥かに上回る性能を誇る兵器群を生み出し、敵国を一年足らずで無条件降伏に追い込んでみせた。

 

 その戦果に満足した王は、ウィローを深く信頼するようになり、より一層重宝し、自分以外の王族さえ超える権限を持たせ、実質的なNo.2まで引き上げた。ウィローもそんな王の期待に応え続け、やがて地球は王の手により支配される事になった……いや、なる筈だった。世界征服完了目前に、ウィローが突如王を裏切ったのだ。

 それも当然である。ウィローが王の命令に従っていたのは、王……と言うより国の財力を好きに利用出来る立場に上り詰める為であり、実際は言う事を聞くふりをし、裏では準備を整えるべく行動していたのだ。自分を地獄に叩き落とした地球人類に対し、復讐を行う為に。

 

 そこからは、地球人類はただ蹂躙されるだけだった。何せこれまで国を守っていた超性能の機械群は全てウィローの支配下に置かれ、自分達の敵となった。ウィローの兵器より数段劣る敵国の兵器にさえ手も足も出なかったのに、勝てる可能性など当然ある訳がない。

 更にウィローは自分の肉体を「セル」をも超える究極の機動兵器して改造し、自らの手で生き残りの人間達をじわじわと100年程苦しめ続け、最後は自らに搭載した最終兵器を起動させ、生き残った人類を蟻を踏み潰すが如くあっさりと皆殺しにしてしまった。

 

 全てが終わった時には、地球は死の星と化していた。緑は失われ、海は枯れ果て、残されたのは見渡す限りの砂と、微かな文明の残り香とも言える建物の残骸だけだった。

 

 

※※※

 

「その後、ドクターは死の星と化した地球を脱出し、これまでずっと宇宙を放浪していたようですね。」

 

「ふーん、要するに自分を苦しめた地球人達を復讐がてら滅ぼしたって訳ね。割と何処にでもありそうな話じゃん。」

 

「そっちの宇宙にもセルが居たんか!!興味あんなぁ、どんな奴だったんだろ?」

 

「そんな期待する程の物でもないと思うぞ。おそらく俺達サイヤ人は勿論、ナメック星人やフリーザ一族の細胞もないだろうからな。」

 

(別宇宙の生みの親がとんでもない屑野郎だった……いや、こっちのも屑野郎なのには違いないのだが……)

 

 盟友相手に裏切りをかました挙句、不死にして宇宙追放形にまで追い込んだ第六宇宙のドクターゲロにドン引きしているレッド。多分その後普通に天寿を全うしていそうだから余計にタチが悪い。

 まぁだからって無関係な未来の地球人を皆殺しにしてる辺りウィローも相当ヤバい奴なのだが。

 

「あー……なんだ。別の宇宙とは言え俺様の生みの親が酷い事をしたようですまんかったな。」

 

「何……?すると貴様、別宇宙のゲロが造ったと言うのか?」

 

「ああ。本来の名はセルと言う。」

 

「セル……!!なるほどな。一目見た時から気に食わんと思っていたが、それも納得だ。ククク、別宇宙とは言え相手がセル……ましてゲロの発明品となれば、簡単に潰すのでは面白くないな。貴様はじっくりと嬲り殺しにしてやろう……!!」

 

「いや、そんなに身体がボロボロになっているのに無理はせん方が……」

 

「あのヴァドスとか言う女の話を聞いていなかったのか?私はな、死ねんのだよ。この程度ではな!!」

 

 ウィローが狂気の笑みを浮かべると、突如身体の内側から露出していたケーブルや破片が不気味に蠢き出す。するとあり得ない事に、破損していた筈の頭部や右腕、果てには服に至るまでが完全に再生してしまった。

 

「機械化された身体が再生した……!?」

 

(今のは……ビッグゲテスターか?いや、流石に違うか……)

 

 前の宇宙でメタル化したクウラと戦った時、今のウィローと似たような再生をした時の事を思い出すベジータ。流石に別の宇宙だからあり得ないとは思うが……

 

「さぁ、戦いを続けようかセル?」

 

「……構わんが、貴様に勝ち目があると思っているのか?貴様の攻撃は俺様には一切通用せんのだぞ。」

 

「それはどうかな?ふっ!!」

 

 ダブリュー改めウィローが腕を振るい、消える斬撃波を連発する。レッドはまたもその全てを防ぐなり弾くなりしたが、ある違和感を感じていた。

 

(先程に比べ、威力が上がっている?いや、それどころか……)

 

「ははははは!!どうした!?別宇宙のセルとやらはこんな物か!!」

 

(明らかに動きも良くなっている!!)

 

 猛スピードで突っ込んで来たウィローに、レッドはビッグバンアタックを放つ。しかしウィローは片手でそれを弾くとレッドに急接近し、胸部に連続蹴りを浴びせると、特大の斬撃を至近距離から放ち、そのままリングへとレッドを叩き落とした。

 

 とは言えそれでもレッドは特にダメージを受けた様子はなく、不思議そうな顔をしながらウィローを見上げていた。

 

「フッ、私が急に強くなったのが不思議かね?私の身体には自己再生の他にも自己進化機能が備えられているのだよ。」

 

「自己進化だと?」

 

「そう、貴様の能力を解析し、自動的にそれを上回るよう肉体が進化を遂げるのだ。つまり、お前がどれだけ優れた戦闘能力を持とうと、私は自動的にその強さの上を行ってしまうのだよ!!」

 

「なるほど、それで先程までに比べて格段と動きが良くなった訳か。とは言え自分の能力を敵にベラベラと話すとは、随分余裕だな?」

 

「余裕?フン、当然だ。別宇宙の存在だろうと、所詮セルはセル。この私にかなう道理などない。」

 

「千年以上生きている化石の癖に、何もわかっていないようだな?そう言った余裕をかました奴は、呆気なく逆転されるのがお約束なのだよ。どれ、少しだけ本気を出してやるとしようか……!!」

 

「減らず口をベラベラと!!貴様では私に勝てんと思い知らせてやる!!」

 

 腕を何度も振るい、斬撃波を連発するウィロー。そして次の瞬間、レッドを取り囲むかのように全方位に斬撃波が出現し、一斉に襲い掛かる。しかし斬撃波が命中する寸前、レッドの姿が突然消えてしまい、ウィローの背後へと現れた。

 

「なっ、私の反応速度を超えた!?」

 

「気円斬!!」

 

 レッドの放つ赤い気円斬により、ウィローの両足が切断される。即座に再生したものの、その時にはレッドは目の前に迫っており、気を纏った拳が顔面に直撃すると、その衝撃で首から上が胴体が引きちぎれてしまい、弾丸のような速度で頭部がリングに激突する。

 

 とは言え、やはりこれでもウィローは死ななかったようで、すぐに首と胴体が接合し、再生も終えてしまった。

 

「き、貴様……!?」

 

「あの程度でこの俺様を解析出来たとでも思ったのか?言っておくが俺様はまだ十分の一程度の力しか解放していないぞ。それなのにこのザマでは、貴様の解析が終わる前に決着がつきそうだな。」

 

「じゅ、十分の一だと!?ハッタリを言いおって!!」

 

 青筋を浮かべながら、ウィローは再度斬撃を放つべく右腕を振り上げる。いや、振り上げたつもりだった。だが、気付いた時には右腕が無くなっていた。そしていつの間にか目の前に現れたレッドが、握り潰された自分の腕を見せつけるように翳し、こちらを見下ろしている。

 

「ハッタリがなんだって?フンッ!!」

 

「ごはぁっ!?」

 

 レッドの叩き込んだ拳が、ウィローの腹部を呆気なく貫通する。そのまま右腕を引き抜くと、ウィローは腹部を抑えて蹲ったが、そこへ容赦なくビッグバンアタックが叩き込まれ、ウィローの全身を飲み込むと、リング全体を覆う程の爆発を起こした。

 

「レッドめ、奴もかなり強くなっているようだな。」

 

「まだまだレッドの本気はこんなもんじゃねぇぞ?まぁあのおっちゃん相手にそこまでする事はねぇと思うけど……」

 

「どうした、先程までの不死身っぷりからして生きている事はわかっているぞ?それとも降参でも……」

 

 爆風の中のウィローに挑発するように声をかけるレッド。だが、突然爆風を切り裂くようにレーザーが放たれ、僅かにレッドの頬を切り裂いた。

 そして、新たに姿を現したウィローはこれまでのウィローとは明らかに違っていた。

 サイズはレッドと殆ど同じで人間に近い容姿をしているが、頭部にはバイザーに覆われた脳が曝け出されており、両腕は巨大なハサミとなっていた。

 更に背中からは虹色の粒子が絶え間無く放出されており、それが推力の役割も果たしているのか、気も使わずに宙に浮いていた。

 

「それが貴様の真の姿と言う事か。まるでバ◯タン星人だな……」

 

『まさか、セル如きにこの醜い姿を曝け出す事になるとはな……だが、こうして私の真の力を解放した以上、貴様に勝ち目は残されていない。諦めるのだな。』

 

「はいはい、そう言う今までは本気じゃなかったアピールは良いから。さっさとその真の力とやらを見せてみろ。」

 

『ククク、その余裕もいつまで持つかな?今に思い知る事になるぞ。貴様はもう詰んでいるのだとな。』

 

「まーたそうやって強そうなせり、ふ……を……?」

 

 話している途中、いきなりレッドは足元がふらつき、バランスを崩して片膝をついてしまう。

 そして今度は鼻に違和感を感じたので右手を当てると、右手が血塗れになっていた。鼻血が留まる事なく流れ続けているのだ。

 

「は、鼻血だと?な、何故……っ!?」

 

 今度は左手に違和感を感じたレッドは、慌てて視線を左手に移す。すると、左手の皮膚がドロドロに溶け、骨が露出してしまっていた。

 

「な……なんだ、これはぁぁぁぁぁ!?」

 

『ハハハハハ!!ハーハッハッハッハッハ!!!!』

 

 鼻血を流し、左手が溶けると言う異常事態に絶叫するレッド。そしてそのレッドを見て、ウィローは狂ったように高笑いをしていた。

 はたして、レッドの身に一体何が起きたのだろうか?

 

 次回、次鋒戦決着!!




と言う事で謎の科学者は第六宇宙のドクターウィローでした。まぁ名前が同じなだけのほぼオリキャラと化してるけどな!!
ついでにドクターウィローの過去についてはロックマンゼロのドクターバイルって悪役を元にしております。わかる人にはすぐにわかるレベルだと思う。

第七宇宙のドクターウィローの出現時期ですが、サイヤ人編直後だとドラゴンボールが使えないし、それ以前に出現してたら悟空もベジータも不在で全滅不可避なので、ちょいと時期を変えてヤードラット星帰還後に変更しました。
そんでもって呆気なくベジータ一人に成敗された設定なので悟空はその存在すら知りません。

地獄編で出てなかった理由はただ一つ、地獄編書いてた当時本編にウィローを出す予定がなく、今もツルマイツブリ山で冬眠中と考えていたからです。
まぁどの道第七宇宙のウィローは出る事はないでしょうけど……
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