ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ 作:ゴロリコン
「やぁみんな、帰ったよ。」
エコバッグ片手に全王宮へと帰還した全王。その表情は何処となく上機嫌そうにも見える。
「今日はね、ブルマのお勧めのお店で新作のケーキが出ていたからみんなの分も買って来たのね。早速みんなで……」
笑顔で全王が話している途中、いきなり「チュドォォォォォォォォン!!!!」と言うとてつもない爆発音が響き渡り、全王の全身を炎が包み込む……かと思われたが前面にバリアーが展開され、あっさり防いでしまった。
「えっ」
「こらザマス!!勝手に病室を抜け出すんじゃない!!って言うか何だその変な乗り物は!?何処から出した!!」
「離せ!!俺は豆腐の配達に行かなきゃならないんだ!!」
「訳のわからん事を言うな!!それから指を鳴らして炎を出すんじゃない!!」
「くっ、暴れ過ぎて手に負えん!!誰か鎖を持って来い!!それもカッチン鋼制の……ぐわぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ゲ◯ガンフ◯アーーー!!」
付き人の顔面を殴り飛ばし、その後も何処からか持ち出したハチ◯クで全王宮を走り回るわ指を鳴らして炎を出すわ、狙撃銃で付き人達を狙撃するわ暴れ回っているザマス。
そんなザマスを見て全王は珍しく唖然とし、何処ぞのヒトデ頭の少年のように「……なぁにこれぇ?」と呟くのだった。
※※※
「……と言う訳で、こいつは未来の……いや、別世界のお前なんだ。わかったか?」
「は、はぁ……」
未来トランクスをメディカルカプセルに入れて治療している間に、子供トランクスに未来トランクスについて説明しているベジータ。
子供トランクスは一応理解したようだが、何とも言え無さそうな表情を浮かべていた。
「別世界の俺かぁ……だからパパの技も使えたんだ。へぇ〜……なんか実感湧かないなぁ、別世界の自分とか言われても。」
「まぁ、無理もないかもしれんな。」
「いや、パパの言ってる事疑ってる訳じゃないんだよ。それに結構なイケメンだし、俺の大人になった姿って言われたら納得出来るし……いや、俺のがカッコいいけど。」
(こいつ……ここの所やけに自分の容姿に自信があるようだが……このナルシストっぷりは間違いなくブルマに似たな。)
どの口が言うんだてめぇ的な事を心の中で思っているベジータ。一方子供のトランクスはと言うと……
「へぇ〜!!このお兄ちゃん、おっきくなったトランクス君なんだ!?」
「良かったじゃない、ちゃんと身長が伸びる事が判明して。私てっきりトランクス君は悟天君みたいに一生チビのまんまなのかと思ってたわ。」
「ミント、てめぇ!!ここ最近一人だけ背が伸びて来たからって調子乗んなよ!?一生チビなのは悟天だけだ!!」
「僕だってちゃんと大っきくなるよ!!お父さんだって僕ぐらいの時はちっちゃかったって言ってたもん!!」
いつの間にやらやって来た悟天とミントに揶揄われているのだった……
ちなみにここ最近ミントは背が伸びて悟天とトランクスを完全に抜いてしまった。どうやら彼女は悟飯や未来のトランクスのように年相応に背が伸びているようだ。
三つ下の女の子に背が完全に抜かれた事に危機感を抱いていたトランクスは、ちゃんと成長してイケメンになる事を知って密かに安堵したそうな。
「にしてもチビ達もすげぇよな。ブルーがあるからでっかい方のトランクスでも厳しいかとは思ってたけど、まさかあそこまで一方的な勝負になっちまうなんてよ。」
「カカロット。そう言えば貴様も覗き見していたんだったな……趣味の悪い野郎だ。」
「わ、悪かったって!!それより、これからどうすんだ?やっぱゴッドの儀式をすんのか?」
「当然だ……ブラックのゴミクソ野郎は俺が始末してやるが、また同じような敵が現れないとも限らんからな。今度こそ出来得る限りの修行はしてやるつもりだ。貴様にも協力して貰うぞ、カカロット。」
「オラもか?勿論協力すっぞ!!」
(それから、あいつに武術を教えたのは未来の悟飯だと聞く……それならいっそピッコロとこっちの悟飯を巻き込むのも有りか。悟飯は仕事もあるが、ピッコロはいつも暇だろうしな。)
大変失礼な事を考えながらも、ベジータの中で着実に未来トランクス強化計画が進んで行くのだった。
※※※
「そう言う訳で、貴様等には未来のトランクスを鍛えるのを手伝って貰いたい。」
「いや、いきなり何の話をしているんだお前は……?」
悟空の瞬間移動で悟飯とビーデルの家までやって来たベジータは、パンの子守をしていたピッコロと悟飯にトランクスの修行の手伝いを要請した。
まぁ、何の説明もなかったのでピッコロ達からは何言ってんだこいつ的な目で見られたが……
その後仕方ないので悟空が事情を説明すると、悟飯は快諾したのだが……
「わかりました、是非協力させてください……あれ、ピッコロさん?どうかしたんですか?」
「いや、ここの所俺の実力は伸び悩んでいてな。俺が協力しても意味があるかどうか……」
「らしくない弱音を言うようになったじゃないか。だったら悟飯のようにあの老耄界王神に潜在能力を引き出して貰えばどうだ?悟飯程ではないにしろ、だいぶマシにはなるかもしれんぞ。」
「い、いや、流石に界王神様のお手を煩わせるのは恐れ多いと言うか、何と言うか……」
神と同化したからか、ピッコロとしては遥か格上の存在である界王神に才能を引き出して貰うと言うのは中々に恐れ多いと感じているようだ。
一方で老界王神の人となりを知っているベジータはそんなピッコロを鼻で笑い飛ばした。
「フン、あんなスケベジジイにそこまで気を使う必要などあるものか。」
「そうそう、老界王神のじっちゃんならエロ本の一冊や二冊でも持ってきゃ喜んでやってくれっと思うぞ?なんならウーロンにブルマに変身して貰っておっぱいでも見せれば大喜びで「ファイナルシャインアタァァァァァァック!!!!」うわああああああああ!?」
愛妻家ベジータの前で不用意な事を言ってしまったばかりに、悟空はほぼゼロ距離で超サイヤ人4ゴッドのファイナルシャインアタックを叩き込まれ、綺麗なお星様となって飛んでいくのだった……
ちなみにこの時悟空は一瞬ブルマも歳だしビーデルの乳と言おうと思ったが、なんか息子がとんでもない事になりそうだからやめておいたらしい。
「はぁ、はぁ……くっ、相変わらずな野郎だ!!自分の妻の乳を見せれば良いものを……!!」
「やめて下さいよ、目の前で母親のそんな話されて僕どんな顔すれば良いんですか……」
「フン!!とにかく、そんなにあの老耄を頼り辛いのならいっそ神龍にでも潜在能力を引き出すように頼めば良いだろう。その願いが有効かどうかは知らんがな。」
「神龍か……ふむ……」
何やら考え込むピッコロ。そしてベジータのこの何気ない一言がきっかけとなり、近々ピッコロがとてつもないパワーアップを果たす事になるのだが、それはまた別のお話である。
※※※
翌朝、ベジータ、悟空、悟飯、ラディッツ、ナッパの協力の下、未来トランクスは超サイヤ人ゴッドに変身を遂げていた。
「こ、これが超サイヤ人ゴッド……!!と、とてつもないパワーだ……で、でも、こっちの俺が変身していた超サイヤ人とは違うような……?」
「あれは超サイヤ人ゴッドの気を体内に取り込み、更に気のコントロール技術を上げる事で変身出来るようになる姿だ。ゴッドになったばかりのお前ではまだ変身する事は出来ん。そこで……ピッコロ、悟飯。こいつの事を任せるぞ。」
「えっ……と、父さんが鍛えてくれるんじゃないんですか?」
「俺は最後の仕上げだ。それに、お前は未来の悟飯に武術を習ったんだろう?なら、ピッコロと一緒に修行する事で基礎の部分が強くなるんじゃないかと思ってな。」
「そう言う事だ。これも良い機会だし、お前が悟飯に習った魔族の技を、この俺が鍛え直してやる。」
「……わかりました。よろしくお願いします、ピッコロさん、悟飯さん。」
「頑張りましょう、トランクスさん!!」
(違う世界の自分だけど、なんか悟飯さんが俺をさん付けで呼んでると違和感あるなぁ……)
親し気に話す未来の自分と悟飯を見て、子供のトランクスは何とも言えない違和感を感じているようだ。
「よし……では早速精神と時の部屋に行くか。ついて来い、トランクス。」
「えっ……せ、精神と時の部屋は二人までしか入れないのでは?」
「それならデンデが改良してくれたんですよ。」
「俺達も行くぞ、カカロット。」
「おう!!」
「……?父さん、悟空さんと何処かへ行くんですか?」
「決まっているだろう、修行だ。」
「この前ビルス様に二人掛かりなのに手も足も出ねえでボコボコにされちまったかんな〜……オラ達ももっともっと鍛えねえと!!」
(そうだ……神は味方であれば心強いが、状況次第で敵にもなり得る……!!もっともっと強くならなければ、ブルマ達を守る事は出来ん……!!)
今回の一件のように、神々は必ずしも自分達の味方と言える存在ではないのを痛感したベジータは危機感を募らせているようで、今後はこれまで以上に修行に力を入れるつもりのようだ。
そしてこの後未来トランクスは悟飯、ピッコロと共に精神と時の部屋に入り、ベジータは悟空と修行を開始するのだった。
余談だが悟空が「修行ならちょうど良い場所があるぞ!!」と界王星にベジータを連れて行った結果、超サイヤ人4ゴッド同時の激突で再生した界王星が半壊してしまい、北の界王がぶちギレてしまったようだ……
※※※
更に翌日、ピッコロ達との修行を終えて精神と時の部屋から出て来た未来トランクスは、早速ベジータと悟空と共にもう一度精神と時の部屋に入っていた。
「よし……まずはピッコロ達との修行の成果を見せて貰おうか。」
「はい、行きます……はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
腰に両拳をあて、構えを取り、気を高める未来トランクス。そして一気に超サイヤ人ブルーへと変身を遂げた。
「おお、すっげぇ気だぞトランクス!!今ならこっちのトランクスにも負けねぇんじゃねぇか?」
「フン……これくらい出来んようでは困る。良いか、トランクス。あのブラックとか言う奴は俺が始末してやるが、あくまで手を貸してやるのは今回だけだ。次からはお前がどんな絶望的な状況だろうと手を貸す事はない。だからこそ、ここに居られる間に物に出来る力は全部取り込んでおけ。良いな?」
「勿論です。俺、負けませんよ……父さんにも、悟空さんにも。誰よりも強い、最強のサイヤ人になってみせます!!」
「この俺に向かってよくもほざいた物だ!!ならば口先だけでない所を見せて貰おうか!!」
一気に超サイヤ人4に変身するベジータ。
そして二人とも同時に構えを取ると、まずはトランクスが一気に距離を詰めると高速ラッシュを仕掛けた。しかしベジータはその全てを苦も無く防ぐかかわすかしており、逆にカウンターを入れてトランクスを殴り飛ばす。
だが、トランクスもただやられているだけではなかった。吹っ飛ばされている最中にベジータ目掛けて気功波を放った。当然のように気功波は弾かれてしまうが、その隙に接近して来たトランクスが回し蹴りを放ち、ベジータは左腕でガードしたが、勢いを完全に殺す事は出来ずに吹っ飛ばされてしまった。
「っ……ほう、少しはやるようになったな。だが、甘い!!」
「ぐっ!?」
追撃を仕掛けて来たトランクスの顎に、ベジータの蹴りが炸裂し、トランクスは空中まで蹴り飛ばされてしまった。
そして気で急ブレーキを掛けた時には既にベジータが背後に回っており、殆ど零距離でビッグバンアタックが背中に叩き込まれ、一気に地面まで叩き落とされてしまった。
じっとトランクスが落下した地点をベジータは見下ろしていたが、突然爆風を切り裂くように螺旋を纏った一筋の光線が放たれる。
咄嗟に身体を逸らして直撃は避けたベジータだが、完全には避け切れずに左頬に掠ってしまったようで、一筋の傷から少しだけ血が流れた。
その血を拭い、改めて地上を見下ろすと、トランクスが魔貫光殺砲の構えを取りながらこちらを睨みつけていた。どうやら先程のベジータの攻撃は全くダメージになっておらず、逆に反撃して来たようだ。
「……どうしました、父さん?まさか、さっきのが全力なんですか?だとしたらガッカリです。」
しかも、こちらを挑発する余裕まであると来た。そんな息子の姿にベジータは不快さを感じていたが、それ以上にその成長に喜びを感じていた。サイヤ人たるものこうでなくては、と。
とは言え親に対して舐めた口を利いた以上、躾が必要だろう。
「フン……色々とピッコロ達から習ったらしいな。だが、親に対してその態度……全く誰に似たんだか。お仕置きしてやるぞ、クソガキめ!!」
気を荒々しく上昇させ、トランクスへ突撃して行くベジータ。そしめ、そのまま二人は笑顔を浮かべながら激しい戦闘を繰り広げて行く。
途中、我慢出来なくなった悟空が乱入。三人は暫く乱闘を楽しむのだった。そしてそれから一年……現実世界で言う一日後、三人は元の世界へと戻るのだった。
※※※
精神と時の部屋を出た翌日、身なりを整えた三人は早速未来世界へ行く為にブルマが整備したタイムマシンの前に集まっていた。
「一応整備は済ませたから問題なく未来の世界に行けると思うけど……くれぐれも気をつけてね?」
「フン、余計な心配など不用だ。既にブラックの野郎との格付けは済んでいる。たとえ奴がサイヤ人の特性でパワーアップしていたとしても、俺の敵ではない。」
「にしても結局ブラックの正体はわかんなかったなぁ……」
「向こうであの野郎に直接聞けばいいだろう。あの程度の男、少し痛めつければすぐに吐くだろうよ。」
別世界とは言えブルマを殺されたからか、ベジータは何処までもブラックに対して辛辣だった。
そしてその後ベジータ、悟空、トランクスの三人はタイムマシンに乗り込み、未来世界へと出発するのだった……
※※※
「……な、なんだ、ここは……?」
目の前に広がる光景を見て、トランクスは唖然としながら呟いた。それもその筈、ブラックの手によって世界中が荒廃し、人口も激減していた筈なのに、街はブラックの襲来などなかったかのようにかつての豊かさを取り戻しており、人々で満ち溢れていたのだ。
「……おい、トランクス。確かお前の世界はブラックのせいで滅亡寸前になっていたんじゃないのか?」
「お、オラ達の世界と変わらねえくらい栄えてるぞ。」
「ま、待ってください、そんな筈は……!!ざ、座標は間違っていない、確かに俺の世界だ……こ、この短期間でいったい何があったって言うんだ……!?」
何度もタイムマシンの様子を確認するが、表示されている座標は間違いなく元いた自分の世界の物だった。そして混乱の抜け切らないトランクスへ、不意に誰かが声をかけて来た。
「……トランクス、か?」
「っ!!そ、その声は……マイ!?」
急にトランクスが顔を上げると、視線の先にはレジスタンスの仲間であり、恋人でもあるマイがこちらを見ていた。
「……誰だ?」
「お、俺の仲間です!!マイ、生きていたんだな!!」
(あいつ、どっかで見た事あるような気が……誰だったっけ?)
急いでタイムマシンから飛び降り、マイの下へと走って行くトランクス。悟空はマイに見覚えがあるようで、首を捻っていた。
「良かった、マイが生きていてくれて……!!」
「そう言うお前こそ……これまで何してたんだ?」
「それは話せば長くなるんだが……それより、いったい何があったんだ?いつの間に街がこんなに復興を……それに、ブラックはどうしたんだ?」
「っ……!?トランクス、その女から離れろ!!」
「えっ?」
「死ね、サイヤ人っ!!」
突如態度を豹変させたマイが、まるで親の仇でも見るかのような憎悪に満ちた表情でトランクスを睨みつけながらナイフを振り翳した。突然の出来事でトランクスは対応出来ず、そのままマイの腕が振り下ろされ……
※※※
「……来たか。」
玉座のような物に腰をかけていたブラックベビーは、ベジータ達の気を感じ取り、邪悪な笑みを浮かべながら立ち上がった。
「サイヤ人は一匹たりとも生かしてはおかん。さぁ、今こそ復讐の始まりだ!!ふはははははは!!!!」
高笑いしながら城から飛んで行くブラックベビー。そしてその後に続くようにザマス、そして孫悟飯が飛び立つのだった……
ここからが(トランクスにとっての)本当の地獄だ……!!
多分オレンジピッコロさんは短編で出ると思う。