ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ 作:ゴロリコン
新ツフル星の上空で、溢れんばかりの真紅のオーラと無数の赤い稲妻を纏った超フルパワーサイヤ人4ゴッドの悟空とベジータが、ベビーに対して猛攻撃を仕掛けていた。
「こっからは俺達が反撃する番だ……行くぞ!!」
「覚悟しやがれ、ベビー!!」
「ちぃっ……!!」
悔しそうに表情を歪めながらも、どうにか反撃の機会を窺いつつ攻撃を耐えているベビー。
いかな超フルパワー超サイヤ人4ゴッドと言えど、残念ながら単独でベジットベビーを超える程の力はない。だが、二人同時なら話は別だ。
ベビーが悟空の攻撃を防ぎ、カウンターを食らわせようとした瞬間、フリーになっていたベジータが即座にその動きを妨害する。
その逆もまた然りでベジータに向けて放たれた攻撃を即座に悟空がガードする。こうしてベビーは反撃に転ずる事が出来ず、二人の圧倒的なパワーとスピード、そして連携の前にジリジリとだが確実に追い込まれつつあった。
「く、ククク、弱い奴等は大変だな……格上相手には群れる事でしか太刀打ち出来ないんだから……!!」
「へっ、人の身体を乗っ取らなきゃまともに戦う事すら出来ねぇ奴にそんな事言われたかねぇぜ。」
「偉そうな事をほざいた所で、今の俺達に貴様は勝てん!!」
「うぐぁっ!?さ、猿どもがぁっ!!」
皮肉を言った瞬間、即座に悟空に皮肉を返され、青筋を浮かべた瞬間にベジータの右ストレートがベビーの頬に突き刺さる。
即座にベビーもスピリッツソードで反撃するが悟空は上体を反らす事で、ベジータは空中に飛び上がる事でそれぞれ回避し、更に悟空はパンチを、ベジータは蹴りをベビーに叩き込んだ。
「ぐっ……き、貴様等ぁ……!!調子に乗るなぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!」
ベビーの激しい怒りと共に気が大きく上昇し、勢い良く両手を広げた次の瞬間、ベビーの纏っていた気が膨れ上がり、周囲に大規模な爆発を起こした。
悟空とベジータも咄嗟に距離を取ったが、完全には避け切れなかったようで衝撃波に巻き込まれて吹っ飛ばされてしまった。
「ちっ、相変わらずとんでもない気をしてやがる……!!」
「でもよ、ベジータ。ベビーの奴ありゃあ相当頭に来てるみてぇだ。それだけ今の俺達の相手がキツいって事なんじゃねぇか?行けるぜ……!!」
「フン、当然だ。俺の足を引っ張るなよカカロット!!」
「馬鹿どもめ!!確かに前より格段に強くなったようだが、サイヤ人如きがこの俺に勝てる物か!!」
「その手の台詞は聞き飽きた。とっとと終わらせてやる!!」
気を全開にし、再度こちらへ向かって来るベジータ達を迎え撃つベビー。だが、どれだけベビーが強がって見せようと、ベジータ達は確実にベビーを敗北へと追い込みつつあった。
※※※
その頃、新ツフル星首都の上空では悟飯とトランクスが偽者のゴハンと激戦を繰り広げていた。
「ククク、どうした孫悟飯?二人掛りだと言うのに攻めあぐねているぞ。孫悟空をも超える潜在能力とはその程度の力か!!」
(こいつ……超サイヤ人4になった訳でもなければ界王神様に力を引き出して貰った訳でもないのに、どうしてこれ程の力を……!?)
この世界の自分は、言っては悪いが18号達に手も足も出ずに殺される程度の実力しか無い筈であり、今の自分の敵ではない筈だ。
だが、目の前の偽者は、自分とトランクスを相手に一歩も引かずに互角の戦いを繰り広げている。究極超サイヤ人4には変身出来ないとは言え、幾ら何でもこの偽者の強さは異常だ。
(ベビーに洗脳されて強化されたのかもしれないが、それにしたってここまで圧倒的に強くなるなんて事はあり得るのか……!?)
「余所見とは感心しないな?魔閃光っ!!」
「しまった!?うわぁっ!!」
「悟飯さん!?」
「お前も邪魔だ!!」
「ぐはぁっ!!」
一瞬の隙を突き、悟飯に魔閃光を直撃させる偽者。更に悟飯の被弾に気取られた隙を突き、回し蹴りをトランクスの横腹に叩き込み、二人まとめて岩盤まで叩きつけた。
「他愛の無い。どれだけ潜在能力を秘めていようと所詮はただの人間……神の加護を受け、限界以上の力を引き出されたこの俺に敵う筈も無い。」
「クッ……か、神……ベジータさんの言っていた邪悪龍の事か……!?」
「ほう、知っているのか。だが貴様如きが我が神と会う事は決してない。何故なら貴様の命運はここで……」
「とっつげきぃ〜!!」
「なっ!?ぐはぁっ!!」
話している途中で、いきなり飛び出して来た悟天の体当たりが脇腹に炸裂すると、偽者は数百メートル程吹っ飛ばされ、岩盤に激突した。
「ミントちゃん!!」
「木っ端微塵に吹っ飛びなさい!!クンッ!!」
偽物が動き出す前に、ミントがナッパ直伝のジャイアントストームを炸裂させ、岩盤の周囲に大規模な爆発を発生させた。
「ふぅ、これなら少しは効いたかしら?」
「いや、気は全然減っちゃいねぇ。流石は悟飯さんとデカい俺が苦戦するだけはあるぜ。」
「何もやってないあんたがなんで偉そうな事言ってんのよ!!」
「そりゃ、俺が一番年上だからな!!」
「そのドヤ顔ムカつくわぁ……」
「兄ちゃん、大丈夫!?」
「ご、悟天!?ミントに小さいトランクスまで!!ど、どうしてお前達がここに居るんだ!?伯父さん達を手伝うように言っただろう!!」
今回は危険過ぎる為、悟天達三人はラディッツ達と地球に残して来た筈なのだが、やはりと言うかなんと言うか三人とも着いて来てしまったようだ。
おそらく、気を消した上でミクロバンドを使って上手く隠れていたのだろう。
「ちっちっちっ、悟飯さんさぁ、こんな面白そ……もとい、凄そうな相手に俺達がじっとしてる訳ないだろ〜?」
「これは遊びじゃないんだぞ!?奴等は君達が考えているよりずっと危険なんだ!!」
「大丈夫、あたし達だって地球と合体しようとする超巨大変態親父と戦った事あるんだから、あれくらいの相手に負けやしな……」
「あれくらいの相手に、なんだ?」
「えっ……きゃあっ!?」
音も無く背後に現れた偽者に殴り飛ばされてしまうミント。そのまま地面に激突するかと思われたが、咄嗟に悟飯が受け止めた事でどうにか難を逃れた。
「い、いったぁ〜……!?お、女の顔を殴るなんて!!本物の悟飯さんとは似ても似つかない性格してるわね!!」
「生憎だったな小娘。俺は男女平等主義なんだ。」
(こ、この場に伯父さんが居なくて良かった……)
もしこの場にラディッツがいたら確実にブチギレて大暴れしていただろうと、内心で安堵の息を漏らす悟飯。一方で偽者は悟天達三人を見下ろすと、つまらなそうな表情を浮かべた。
「孫悟天に別世界のトランクス、そしてミントか。フン……小猿が三匹紛れ込んだ程度で何になる。」
「何を〜!?俺達を嘗めんなよ、この偽者野郎!!おい悟天、フュージョンだ!!あの偽者に目に物見せてやろうぜ!!」
「オッケー、トランクス君!!」
二人が気を同調させると一定の距離を取り、そのままフュージョンポーズを決める悟天とトランクス。
今回も失敗はしなかったようで、一発でゴテンクスへの合体を成功させた。
「イェーイ!!正義の死神、参・上っ!!そして更に更に〜!?うりゃああああああーーーーっ!!!!」
即座に気を高めて行き、黄金の気が青色に変化すると、周囲に眩い光を解き放つゴテンクス。そして光が晴れると、ゴテンクスは超サイヤ人ブルーへと変身を遂げていた。
「こいつが史上最強のゴテンクスブルーだぜぇ!!」
「ち、小さい俺と悟天君が合体した……!?それに、なんて大きな気なんだ……!!こ、これなら勝てるかもしれない……!!」
「かもじゃなくて、絶対に勝つのよ。でしょ?悟飯さん!!」
「ったく、三人とも昔からそう言う向こう見ずな所はちっとも変わらないんだから……でも、今回ばかりはありがたい……!!」
「行くぜぇ!!ハイパーゲロビィーッム!!」
まずはゴテンクスが口から極太の破壊光線を偽者目掛けて発射する。
空に急上昇する事で偽者は回避するが、破壊光線が着弾した際に発生した爆発の規模が予想を超える物だったのか、衝撃波に身体が揺さぶられ姿勢を崩してしまった。
そこへすかさず悟飯が飛び蹴りを放ち、偽者は左手でガードするが勢いを殺し切る事が出来ず大きく後退してしまい、更に追撃としてミントが気円斬を投擲。
流石に気円斬の直撃はまずいと思ったのか、偽者は超スピードで移動して回避するが、移動先が読まれていたのかトランクスが剣で切り掛かり、偽者の左頬に僅かに切り裂くと、切り跡から墨のように真っ黒な液体が流れ出した。
「血が、黒い!?貴様、それはいったい……」
「フン……」
「よぉし、みんな下がってろ!!このゴテンクス様があの偽者の兄ちゃんをやっつけてやる!!」
「何をするつもりだ……?」
「知ってるか偽者?能ある鷹は幽霊を隠すんだぜ!!」
「はぁ?」
意味不明な事を言い出したゴテンクスに、偽者は何言ってるんだこいつとばかりの表情を浮かべるが、ゴテンクスは偽者を無視して口の中から白い気の塊を吐き出し始めた。
それも一体や二体ではない。十体、二十体と増えて行き、瞬く間にその数は百を超え、遂には千体近くまでに膨れ上がり、その白い塊の全てがゴテンクスそっくりの姿へ変化した。
「はぁ、はぁ……さ、流石に千体も出すのはきつかったぜ……危うくゲロを吐く所……げふんげふん!!とにかく、これぞ俺様の最強必殺技、スーパーゴーストカミカゼアタック千連発だぜぇ!!」
『アハハハハ!!』
『ヒャッハー!!汚物は消毒だー!!』
『お化けだぞ〜〜〜〜!!』
『今の俺達のパワーで偽者をこの世から消し去ってしまえ〜〜〜!!!!』
「な、なんと面妖な……!?」
(って言うかゴーストの数多過ぎてゴテンクスの姿が見えなくなってるわね……)
なんと言うかお前馬鹿なんじゃないのかと言いたくなるくらい大量発生したゴーストに敵ばかりか味方ばかりも唖然としていた。
「総員特攻せよ!!くれぐれも仲間にぶつかって同士討ちするんじゃないぞ!!」
『『『『おおーーーーーー!!!!』』』』
「ちっ……!!」
ゴテンクスの合図と同時にゴースト達が一斉に偽者に向かって突撃を開始する。
偽者も後退しながら気弾を連射して迎撃を試みるが、いかんせんゴーストの数が多過ぎるのか全く間に合わず、一発、二発と次々と被弾し、強烈な爆発に飲み込まれて行った。
「……ど、どうしましょう?」
「どうって言われても……」
「下手に手ぇ出したら誘爆しかねないわよ、あんなに沢山居たんじゃ……」
今も尚続くゴースト達の特攻を見て、悟飯達は冷や汗を流していた。
その後も絶え間なくゴースト達が特攻して大爆発を連続で起こし続け、遂に最後の一体の爆発が終わり、ゴテンクスは固唾を飲んで爆煙を見つめていたが、突然偽者が爆煙の中から飛び出した。
「う、嘘だろ!?あれだけ食らって無事なのかよ!!」
「いや、流石にかなりのダメージを受けたようだ!!今なら倒せる!!」
トランクスの言う通り、偽者は体中から血を流し、上着は完全に消し飛び、更にズボンもボロボロと、相当な深傷を負っている事は誰の目から見ても明らかだった。
すると偽者は突然ゴテンクス達に背を向け、別方向に向かって飛んで行ってしまった。
「あっ!?この野郎逃げるんじゃねぇ!!」
「待って!!あいつが飛んでった方角……ピッコロさんが戦ってる場所よ!!」
「なっ……ザマスと合流するつもりか!?何を企んでいるんだ……!!」
「僕達も追いかけましょう!!」
※※※
「でりゃあっ!!」
「ぐっ!?たかが一惑星の神如きが、この私に傷を……!!」
その頃、パワーアップしたピッコロはザマスと戦闘を繰り広げており、終始ピッコロがザマスを圧倒していた。
唇から流れる血を拭うと、ザマスは屈辱に顔を歪ませるが、ピッコロはそんなザマスを鼻で笑い飛ばした。
「フン、あんな寄生虫みたいな奴の言いなりにまで落ちぶれた奴にそんな事を言われる筋合いはないな。」
「おのれ!!下級神の分際でベビー様を侮辱するか!!」
怒り狂いながらザマスは翳した掌から気功波を発射する。
だがピッコロは突撃しながら片手でそれを弾き飛ばし、ザマスに肉薄すると顎に飛び蹴りを入れ、相手が怯んだ隙に一瞬で頭上に移動し、後頭部にダブルスレッジハンマーを叩き込む。
更に地面に落下して行くザマスへ追撃として気弾を連続で命中させると、ダメ押しとばかりに特大の気弾を放ち、ザマスに直撃すると爆発を起こした。
「……なるほど、超ドラゴンボールで不老不死になったと言うのはどうやら本当らしいな。」
「ふ、ふふふ……そうだ、私は不死身だ!!」
爆風の中から当然のようにザマスが無傷で姿を現し、勝ち誇った笑みを浮かべた。
しかしピッコロはそんなザマスをまたしても鼻で笑い飛ばすと不敵な笑みを浮かべる。
「はんっ、大した実力も無い癖に口だけは一丁前じゃないか。別に貴様を殺さずともどうにかする方法くらいあるんだぞ?」
「フッ、哀れな下級神が。勝つ方法がないからと言って負け惜しみを……」
「孫から洗脳される前の貴様の人となりを聞いておいて良かったぜ。人間0計画なんぞを実行に移せる極悪非道の神なら、封印したとしても何の罪悪感も感じないからな。」
「封印だと……何を企んでいる!?」
ザマスの疑問には返事をせず、ピッコロは小瓶を取り出した。だが、その直後いきなりピッコロ目掛けて気功波が放たれた。
即座に感知したピッコロは咄嗟に舞空術を発動して回避したが、その隙に偽者がザマスと合流してしまった。
「貴様は……!!」
「危ない所だったな、ザマス。」
「はっ、危ない所なのは貴様の方ではないのか?なんだ、その無様な姿は。猿相手に随分と手酷くやられたように見えるが?」
「馬鹿め……後少しで貴様は封じ込められていたのがわからんのか?まぁ良い、それよりもこいつを受け取れ。」
ザマスへ何かを放り投げる偽者。そしてザマスは受け取ったそれを見て目を見開いた。何故ならそれはポタラだったからだ。
「これは……この世界のゴワスの分のポタラか?何故貴様が……」
「我が神からいざと言う時にと預かっていたのだ。貴様もピッコロ大魔王に敵わないのだろう?ならば、今がこいつの使い時だ。」
「…………仕方あるまい。ベビー様に仇なす愚か者どもの始末が最優先だ。」
「何を始めるつもりだ……!?」
「愚かな者どもよ……」
「ベビー様に逆らった事を後悔するが良い!!」
二人がそれぞれの耳にポタラを装着すると、身体が吸い寄せられて衝突し、眩い光に包まれ、閃光の中から巨大な気を持つ戦士が姿を現した。
そしてその姿は、奇しくも別の世界で合体ザマスと呼ばれる戦士の姿にそっくりだった。
「に、偽者の悟飯とザマスが合体しただと……!?」
「ピッコロさん!!」
「っ!!悟飯達か!!」
ピッコロのすぐ隣までやって来た悟飯達。だが、合体したザマスの姿と、その圧倒的な気を感じ取ったのか、冷や汗を流していた。
「あれはザマスなのか……!?」
「ま、まさか……偽者の悟飯さんとザマスがポタラで合体したと言うのか!?」
「ククク……一度ベビー様の合体を見ていた貴様にはわかるか、トランクス。そう……我こそはベビー様を守護する最強最大の戦士……!!貴様等の命運は今ここに尽きた!!」
「はっ!!偉そうな事言ったってよぉ、こっちにはこのゴテンクス様だっているんだぜ!?合体したってお前なんかに負けるかよ!!」
「ま、待てゴテンクス!!」
「愚かな……」
青いオーラを全開にして突撃し、合体ザマスに殴り掛かるゴテンクス。しかしあっさりパンチがガードされてしまうと、逆に腹部に蹴りを入れられてしまい、凄まじい勢いで吹っ飛ばされてしまった。
「がぁぁぁぁぁ!?」
「ゴテンクスっ!!」
「は、速い!!今の奴の動き、この俺でも視えなかった……!!」
「ベビー様に歯向かう愚か者どもよ……貴様等の罪、我が裁きの刃によって裁いてやろう!!」
「来るぞ!!」
両腕を広げると、合体ザマスの周囲に赤い針状のエネルギー弾が無数に形成されると、程なくして一斉に発射される。
「か、数が多過ぎる……ぐわぁっ!?」
「悟飯っ!!くっ、貴様……うおおおっ!?」
全員どうにか回避しようとするが、あまりにも相手の手数が多過ぎるのか、回避し切れずに次々と命中し、墜落してしまう。
それでも合体ザマスは攻撃の手を緩めずに針状のエネルギー弾を降り注がせ、やがて攻撃が止んだ時には悟飯達はズタボロになって地面に倒れ伏していた。
「なんとも呆気ない……所詮孫悟空とベジータ以外ではこの程度か。どれ、そろそろトドメを刺してやるとしよう!!」
右手を掲げると、クウラのスーパーノヴァを思わせる巨大なエネルギー弾を形成する合体ザマス。
「塵芥も残さず消え失せろ、下郎どもっ!!」
右腕を振り下ろすと共に、悟飯達目掛けて巨大なエネルギー弾を発射する合体ザマス。もはや悟飯達に残された手段はない……そう思われた。
だが突然ピッコロの身体を橙色の眩い光と炎のようなオーラが包み込み、悟飯達に命中する寸前でエネルギー弾は上空に弾かれ、爆散してしまった。
「何っ!?」
「神龍の奴……随分おまけしやがったな。」
「貴様……その姿、そのエネルギー、本当にピッコロ大魔王なのか……!?」
合体ザマスの言葉の通り、今のピッコロはこれまでのピッコロとは明らかに様相が異なっていた。
身体は一回り程大きくなり、より筋肉質な肉体へと変化し、肌の色も緑から橙色へと変わり、二本の触覚も逆立っていて、何より顔つきが普段よりかなり厳つくなっていた。
「さぁな……お前達、まだ立てるか!?」
「くっ……は、はい!!」
「まだ……まだやれます!!」
ボロボロの身体に喝を入れ、なんとか立ち上がる悟飯とトランクス。
「よし……悟飯、トランクス!!俺が奴の注意を引きつける!!その間にお前達二人でフュージョンしろ!!」
「えっ……ぼ、僕とトランクスさんでフュージョンですか!?」
「フュージョンって、さっき小さい頃の俺と悟天君がやっていた……?」
「そうだ、今の俺とお前達のフュージョンした戦士で戦えば、あの化け物も倒せるかもしれん!!」
「で、でも僕、これまでフュージョンは一度も……」
「つべこべ言わずにやれ!!このまま殺されたいか!?」
「馬鹿どもめ、我がそんな事を許すと思っているのか?」
悟飯達を嘲笑った次の瞬間、合体ザマスの姿が一瞬にして消えてしまう。そして気がついたらいつの間にか悟飯の前に姿を現しており、右手に気の刃を纏っていた。
「!!」
「まずは貴様から死ぬが良い、孫悟飯っ!!」
悟飯を一刀両断するべく、合体ザマスは腕を振り下ろす。しかし凄まじい勢いで伸びて来たピッコロの腕に右足を搦め取られ、ピッコロのすぐ近くまで強引に引き寄せられてしまう。
「カァッ!!」
「ぬがぁぁぁぁぁっ!?」
至近距離で魔口砲を合体ザマスの顔面に叩き込むピッコロ。流石にこれは合体ザマスと言えどダメージを受けたようで、吹っ飛ばされてしまった。
「二人とも早くしろ!!」
「っ……やりましょう、トランクスさん!!」
「は、はい!!」
「いいか、絶対に失敗はするな!!一発で成功させるんだぞ!!」
「おのれ、虫ケラどもがぁぁぁぁぁっ!!!!」
フュージョンすべく一旦この場を離れた悟飯とトランクス。直後激昂し禍々しい気を全開にした合体ザマスが飛び出し、ピッコロに猛攻撃を加えた。
「たりゃりゃりゃりゃりゃりゃっ!!!!」
「雑魚が!!確かに先程よりは強くなったが、その程度のパワーで我に敵う物かっ!!」
「ぐおっ!?」
激しい攻防を繰り広げる二人だが、合体ザマスの方がパワーが優っているようで、一瞬の隙を突いてピッコロの腕を弾くと、気の刃によって左肩が切り裂いた。
ピッコロもダメージから後退りしてしまい、その直後眼前に掌が翳される。
「さらばだ!!」
「やられる!?」
思わず目を閉じるピッコロ。しかし突如合体ザマスは気のリングによって拘束され、動きを封じられてしまった。
「なっ!?」
「誰か忘れちゃいませんかってんだ!!このゴテンクス様のギャラクティカ・ドーナツは簡単には千切れないぜ!!今だミント!!」
「真っ二つにしてやるわ!!気円斬!!」
特大の気円斬を投げつけ、合体ザマスを真っ二つ切り裂くミント。そしてダメ押しとばかりにゴテンクスと合わせてダブルかめはめ波を叩き込んだ。
「やったか!?」
「あっ、馬鹿!!その台詞は言っちゃ駄目でしょ!?」
ミントが危惧した通り、爆風の中から青筋を浮かべた無傷の合体ザマスが姿を現した。
「げぇーっ!?ま、真っ二つになったんじゃなかったのかよ!!」
「ゴテンクスがあんな事言うから……」
「なんだよ!!俺のせいだってのか!?」
「言ってる場合か!!来るぞ!!」
「虫ケラどもめ……次から次へと鬱陶しい!!こうなったら纏めて吹き飛ばし……っ!?」
体内に収束した気を一気に解放し、纏めて吹き飛ばそうとした合体ザマスだが、遠方に発生した光の柱を見て目を見開いた。
ピッコロ達も光の柱と、その中に生じた巨大な気を感じ取ったのか、それぞれが笑みを浮かべた。
やがて光の中から紫の前髪と逆だった黒髪、そしてメタモル星人の民族衣装を身に纏い、トランクスの剣を背負った戦士が姿を現した。
「貴様……いったい……!?」
「俺か?そうだな、人呼んでウルトラスーパーグレートサイヤマン……」
「悟飯さん、流石にそれはないと思うわ。」
「うん、俺もそう思う。」
「悟天とトランクスでゴテンクスなんだから、ゴハンクスで良いだろう。それが駄目ならトランハンでどうだ?」
「……ゴハンクスで行きます。」
「……ククククク……フハハハハ……ハーハッハッハッハッハ!!」
「何がおかしい?」
「クックック……兄弟揃って愚かな事だ。貴様、そこのガキどもと同じように、メタモル星人が神の力を模倣して生み出した技を使ったな?」
「……」
「しかし悲しいかな、憐れむべきかな?貴様等のは所詮下等な人間が生み出した技。対してこっちは神具を用いた崇高なる合体。同じ合体でも、その力には天と地以上の開きが」
「隙有りぃ!!」
「ぐはぁっ!?」
喋っている途中、急接近して来たゴハンクスのパンチをもろに受けてしまい、合体ザマスは岩盤に叩きつけられてしまった。
「下らないご高説をどーも。生憎だがな、お前の無駄話に付き合うつもりなんて欠片も無いんだよ。」
「おのれ、何と卑怯な……!!地獄で己の愚かさを後悔するが良いっ!!」
唇から流れる血を拭い、巨大なエネルギー弾を発射する合体ザマス。
するとゴハンクスはカッと目を見開き、気を急上昇させ、フュージョンした事でサイヤパワーも回復したのか、一瞬にして超サイヤ人4に……いや、それすらも上回る超サイヤ人4ゴッドに変身した。
悟飯は超サイヤ人4ゴッドへの変身はマスターしていなかったが、フュージョンした事で可能となったようだ。
そして超サイヤ人4ゴッドへと変身したゴハンクスは軽々とザマスの放ったエネルギー弾を蹴り上げ、遥か上空で爆散させてしまった。
「な、なぁっ!?」
「ポタラとフュージョン、そのどっちが優れているのかは知らないが、どちらにせよ一つだけはっきりしている事があるぞ。」
「何……!?なんだ、それは!!」
「お前をコケにするくらい、どちらの合体であっても余裕で出来るって事だ。」
「貴様ぁっ!!!!」
怒りを爆発させた合体ザマスがゴハンクスへと殴り掛かる。しかし突如ゴハンクスの姿が消えた事で、その拳は空振りに終わった。
「ど、何処だ!!何処へ行った!?」
「何処に目をつけている?こっちだ。」
「!!」
背後から声が聞こえ、慌てて振り返ると、そこには不敵な笑みを浮かべたゴハンクスが立っていた。
「ウスノロ……勝てんぜ、お前は。」
「…………!!い、良い気になるなぁっ!!」
再度合体ザマスが拳を振るうが、その時には既にゴハンクスが剣を振り下ろした後だった。
そして袈裟斬りにされた合体ザマスは、噴水のように血を噴き出すのだった。
※※※
その頃、ベジータと悟空は未だベジットベビーと激しい攻防を繰り広げていた。
しかし疲労と焦りからかベビーは隙を晒してしまい、その隙を突かれる形で二人のパンチが直撃してしまう。
「ぐぅっ!?く、クソッタレがぁっ!!も、もう遊びはここまでだ!!」
空高く上昇し、気を限界まで上昇させ、ファイナルかめはめ波の構えを取るベビー。
だがベジータも悟空も一歩も引かず、真紅のオーラを激しく上昇させると、それぞれが必殺技の構えを取った。
「今度こそ跡形も残さずに消えてなくなれ、醜い猿どもっ!!ファイナルかめはめ波ぁっ!!!!」
「消えるのは貴様だっ!!プロミネンスバーストフラァァァァァァッシュ!!!!」
「10べぇかめはめ波ぁぁぁぁぁっ!!!!」
ベビーの放ったファイナルかめはめ波を二つの赤い気功波が迎え撃ち、三つの気が激突すると、周囲に凄まじい衝撃波を起こした。
「ぐっ……べ、ベジータ、気合い入れろよ!!」
「誰に物を言ってやがる……!!これ以上あんな寄生虫野郎の好きにさせるかぁっ!!」
やがて二つの気功波は一つに合わさり、より大きな気の総流と化してベビーのファイナルかめはめ波を打ち消した。
「なっ……うおおおっ!?」
咄嗟に身を引いた事で直撃こそ避けたが、右肩に掠ってしまい、アーマーが消し飛ばされたばかりかダメージを受け、右肩を抑えるベビー。
対するベジータも悟空も疲労こそ見せ始めているがベビーと違ってそこまでダメージを受けていなかった。
「馬鹿な、俺は究極の力を手にしたのではなかったのか!?こ、このままでは……!!」
『諦めないで下さい、ベビー様!!まだ手は残されております!!』
「っ!!ブルマか!?手とはいったい……」
『まずは、タワーの方をご覧下さい。』
言われるがままタワーに目を向けると、何かしらの送電装置のような物が展開した。
『これはブルーツ波増幅装置……バビディ様が万が一の時に備え、開発するように命じられた物です。』
「バビディ……我が神がか!?」
『そうです。これさえあれば地球から発せられるブルーツ波を一千倍にしてベビー様に照射する事が可能となり、尻尾がなくともパワーアップする事が出来ます。』
「し、しかしそれでは大猿になってしまうではないか!!お、お前はこの俺に醜い猿の姿になれと言うのか!?」
『全次元をツフル化する為には已むを得ない事です。お覚悟を、ベビー様!!』
「よ、よせブルマ!!やめろぉぉぉぉっ!!!!」
『ブルーツ波増幅装置、照射っ!!』
ブルーツ波増幅装置が一斉に起動し、ベビー目掛けてブルーツ波を一斉に照射する。
そして高密度のブルーツ波を浴びたベビーの身体は大猿化を開始し、直ぐに身体が巨大化すると、黄金……いや、超サイヤ人ロゼを思わせる体毛をした大猿へと変身してしまった。
「なっ……べ、ベビーが大猿になりやがった!?」
「今のはブルーツ波増幅装置か!?馬鹿な、どうして……っ!!そ、そうか、ブルマも蘇っていたのか……!!」
『クククク……形勢逆転だな、サイヤ人ども……!!』
「ベビー……!!オメェ、意識が!?」
『俺の体の半分はベジータだと言う事を忘れたのか?大猿の状態だろうと理性を保つくらい訳はないのだよ!!』
「くっ……め、目眩がして来たぜ……!!」
さっきまででも二人掛かりでギリギリ優勢だったと言うのに、ここに来てまさかのベビーの大猿化である。これでは幾ら超サイヤ人4ゴッドがフルパワー化していても、まず勝ち目はないだろう。
『さっきまでの礼をしなければなぁ……覚悟しろ悟空、ベジータ!!』
二人を叩き潰すべく、口から破壊光線を連射するベビー。それ自体は難なく回避し、距離を詰めて攻撃を加える。
だが、凄まじい猛攻に晒されている筈のベビーが突然くつくつと笑い出した。
『クックックックック……よしてくれよ、悟空、ベジータ。そんなに暴れられちゃあくすぐったいじゃないか……』
「く、くすぐったいだと!?」
『今度はこっちの番だな。少しくらいは耐えてくれよ?簡単に死なれたらつまらんからなぁ!!そぉらっ!!』
右手に紫の気を纏い、ベジータと悟空を殴り飛ばすベビー。
そのパワーは圧倒的で、単なるパンチ一発で二人の変身が強制解除される程のダメージを与えてしまった。
「が、がはっ……」
「た、たった一撃で、こんなダメージを……た、確かにとんでもねぇパワーだ……」
『なんだ、呆気ない。たった一発でやられるとは情けの無い事だなサイヤ人ども!!だが、楽には死なさんぞ?どぉれ、まずは全身の骨を粉々にしてやるとしようか。』
残忍な笑みを浮かべながら、ベビーはベジータと悟空を掴み上げた。軽く力を込めるだけで二人とも呻き声を上げて苦しんでいる。
だが、そんな時でも悟空は不敵な笑みを絶やさずベビーを見上げていた。
『何がおかしい悟空。どうしようも無さ過ぎて、とうとう頭がイカれちまいやがったか?』
「へ、へへへっ……い、言った筈だぜベビー。こっからはオラ達が反撃する番だってな……」
『これだけ追い込まれてそのような減らず口を叩けるとは大した物だ。それとも単なる馬鹿か?今の貴様に何が出来ると言うのだ!!」
「前と同じだな、ベビー……ちょっとばっか有利になったからって油断し過ぎだぜ……太陽拳っ!!」
『なっ!?ぐおおおおおおおおおおっ!!き、貴様ぁっ!!ま、またこの俺様に、こんなつまらん技をぉぉぉぉ!!!!』
またも完全に油断し切っていたベビーに、悟空の太陽拳が炸裂する。
そしてたまらずベビーが二人を離した隙に、悟空はベジータの手を取り全速力でその場を離れた。
「はぁ、はぁ……こんだけ離れりゃ少しは時間を稼げるだろ……」
「こんな所まで逃げてどうするつもりだ、カカロット?今更奴が俺達にフルパワー化する時間を与えてくれるとは思えんぞ。いや、仮にもう一度フルパワー化した所で……」
「ああ、勝てやしねぇだろうな……だからこいつを使う。」
ポケットからイヤリングのような物を取り出す悟空。それは正しくポタラだった。
「なっ……それはポタラか!?」
「へへっ、界王神様から借りて来たんだ。こいつを使ってオラ達も合体すりゃ、今のベビー相手にも負けやしねぇだろ?」
「むっ……だ、だがカカロット、貴様は知らんのだろうがそいつを使って合体すれば二度と元の二人には戻れなくなるんだぞ!!」
「何言ってんだ、オメェにゃスピリットの強制分離があるじゃねぇか。」
「あっ……い、いや、自分に効くかどうかはわからんだろう!?」
「そん時は超ドラゴンボールを集めりゃ良いさ。とにかく、フュージョンじゃ時間内に倒せる保証がねぇし、もうこれしか手は残されてねぇんだ。わかるだろ!?」
「くっ……ぐ、ぐぅぅぅ……!!」
納得出来ないのか、そっぽ向いてしまうベジータ。悟空はそんなベジータを見て溜息を漏らすが、すぐに何かを閃いたようでベジータの肩を掴んだ。
「ベジータ……オラ達がここでやられちまったら、ベビーの奴はぜってぇにこっちの世界のトランクスもオラ達の世界のトランクスも殺しちまうぞ。」
「うぐっ!?」
「それによ、別の世界とは言え、せっかく蘇ったブルマがあいつの手下にされたまんまになっちまうぞ。」
「ぐ、ぐぅぅぅ……!!」
「それにあいつ、この世界が終わったら今度はオラ達の世界のみんなを洗脳するつもりだぞ。そうなったら愛するブルマとブラがベビーの奴の手下にさせられちまう。それでも良いんか?」
「ぬおおおおおおおっ!!!!」
「ベジータ!!愛する家族を守りたくねぇんか!?もう二度とブルマともトランクスともブラとも一緒に風呂に入れなくなっちまうぞ!!本当にそれで良いんかぁっ!?」
「ええい、喧しい!!は、恥ずかしい事を言うな、このバカタレが!!さっさとそいつを寄越せっ!!と言うか何故風呂の件を貴様が知っている!?」
「っ!!サンキュー、ベジータ!!」
歓喜の笑みを浮かべ、風呂の件は華麗にスルーしながらポタラをベジータに渡す悟空。
顔を真っ赤にしたベジータが渋々ながらもポタラを装着すると、二つのポタラが共鳴するように輝き、二人の身体が吸い寄せられて衝突し、眩い閃光を放ちながら光の柱が発生した。
当然ながらベビーもそれに気付き、警戒しながら光の柱を見上げる。
『あれは……』
「よっしゃーーー!!!!」
閃光の中から、悟空とベジータの服装を合わせたような格好をした、薄い茶髪の戦士が飛び出し、ベビーの目の前に着地する。
そして好戦的な笑みを浮かべながら腕を組み、舞空術でベビーの前まで浮かべ上がって見下ろした。
『貴様……っ!!そ、その姿はまさか!?』
「そう、俺こそがカカロットとベジータが合体した、本家本元のオリジナル・ベジットだ。そして……!!」
全身に力を込めると真紅のオーラが溢れ出し、一瞬にして超サイヤ人4ゴッドへと変身を遂げるベジット。
その凄まじいパワーに星全体が怯えているかのように激しく振動を始めた。
「こいつがベジット4ゴッド!!!!」
『……だ、だからどうした!?同じ合体でも、貴様如きがこの俺様に勝てる物か!!死ねっ!!リベンジデスボールッ!!!!』
フルパワーのリベンジデスボールをベジット目掛けて放つベビー。
だが、ベジットは軽くデコピンをリベンジデスボールに当てると、凄まじいスピードでベビーの方へ跳ね返って行った。
いや、それだけではない。ベジットがデコピンをした際、リベンジデスボールの気の性質も書き換えてしまったようで、真っ黒だった筈のエネルギー弾は真紅に染まり、より強大な一撃となってベビーに炸裂した。
『グギャァァァァァァァァ!!??』
「同じベジットっつったってよ、俺とテメェとじゃ格の違いってもんがあるんだぜ……?さぁ、とっとと掛かって来いよ王様。テメェの戯言はもう聞き飽きた!!ご自慢のツフル人のパワーとやらを見せてみな!!」
自らの技に焼かれ、悶え苦しんでいるベビーをコケにしたように見下ろすと、更に挑発するように手招きするベジット。
ベビーの地獄は、まだ始まったばかりだ。
偽物とザマスの合体は一応合体ザマス名義だけど未来悟飯由来の傷があったり片方の魂がザマスじゃなかったりするんで、合体には時間制限があったり声が野沢+三木ボイスだったりと原典とは色々違ってます。