ちっ、くだらん…何が強くてニューゲームだ、クソッタレめ 作:ゴロリコン
ここは未来世界の地球の西の都……復興されたカプセルコーポレーションの中庭にて、現在ベビーを倒した祝勝会が開かれていた。そして……
「う、うンめぇぇぇぇ〜〜〜〜!!やっぱベジータの料理はすんげぇうめぇぞ!!おかわり!!」
「喧しい!!黙って食いやがれ!!」
文句を言いながらもしっかり悟空の分のおかわりを(しかも超山盛り)用意してやるベジータ。
そんな二人を未来世界のブルマはポカンとしながら見つめていた。
ちなみにブルマを含め新ツフル星に居た地球人達は全員洗脳解除済みである。
「母さん、どうかしましたか?」
「あっ、いや……な、なんか私の常識からは考えられないような光景だから、唖然としちゃって……」
「そ、そうなんですか?」
「ええ……まず私の知ってるベジータは孫君とあんなに仲良くなかったわ。雰囲気だってもっと周りを寄せ付けないって言うか気難しかったと言うか……何よりも、まさか本当にベジータが料理を作るだなんて……あのお土産のお弁当で事実なのはわかってたつもりだけど……」
やはり、過去のベジータを知るこの世界のブルマは、あのベジータが料理をしている姿なんて目の前で見せられるまでは信じられなかったのだろう。
相変わらずツンツンしているが、それでも自分の知るベジータと比べれば別人のようだし、悟空や他の仲間達とも良好な関係を築けているのも信じ難い。
何と言うか、悟空以外の人間には殆ど興味を示さず、やたらと高圧的で、ある意味ピッコロ以上に他人との馴れ合いを嫌っていたのに、いったいどんなきっかけがあればあそこまで変われるのだろうか?
「ブルマ、デカい方のトランクス!!お前達の分のお好み焼きが焼けたぞ!!」
「ありがとうございます、父さん!!」
「あ、ありがとう……」
嬉しそうに皿を受け取る未来のトランクスと、ぎこちなくその後に続くブルマ。
すると、ブルマはベジータがじっと自分を見ている事に気づいた。
「な、何よ?」
「…………なんだ、その……身体はもう大丈夫なのか。」
「は?」
「いや、お前は蘇った瞬間ベビーに洗脳され、しかも殴られもしたんだろう?デンデに治療して貰ったとは言え、ひょっとしたら……」
「………」
どうやらベジータはブルマの事がまだ心配だったようだ。
しかしブルマの方はまるで妖怪でも見るような目でベジータを凝視していた。
えっ、何こいつ。私の心配してんの?あんたってトランクスを妊娠してる時も欠片も気にせず修行ばっかするような奴じゃなかった?
ひょっとして別世界のウーロンかプーアルが化けてるんじゃ……
「な、なんだその顔は?」
「いや……あんた、本当にベジータ?実はウーロンかプーアルが変身した偽物とかじゃないわよね?それともゴクウブラックならぬベジータブラックだったりする?」
「なっ……し、失礼な事を言うな!!この俺が偽物に見えるとでも言うのか!?」
「見えるから困ってるんじゃない!!キャラ崩壊なんて生やさしい次元じゃないわよ私からしたら!!」
「な、何ぃっ!?」
「なんだ、こっちの世界のベジータはそんなだったんか?オラ達の知ってるベジータは随分とめぇからこんな感じだったぞ。なぁ?」
「ええ、そうですね。逆にブルマさんの言うベジータさんの方が僕等にはイメージし辛いです。」
「ま、まぁ母さん、向こう側はこちらとはそもそもの歴史が色々と異なっていますから……」
「そうみたいね。孫君と一緒に死んだお兄さんも何故か蘇ってて、しかもうちの姉さんと結婚して姪っ子まで生まれてるみたいだし……」
元気にワーワーとはしゃいでいる子供達三人に目を向けるブルマ。
ちなみに小さいトランクスが「今度の土曜、二人とも家に泊まってけよ。朝まで新作のマリカやろうぜ!!全ちゃんも誘ってさ!!」と悟天とミントに提案した所、ラディッツが「いかん!!不純異性交遊なんてパパは許さんぞっ!!まして4Pなんて絶対にいかん!!」と顔を真っ赤にしながら意味不明な事を叫んで乱入し、ぶちギレたミントにかめはめ波を叩き込まれ綺麗なお星様となって飛んで行くのだった。
そして飛んで行くラディッツを「なんだいつものあれか」と言った感じの目で見ていたナッパとピッコロはすぐに興味を失い将棋を再開するのだった……(ちなみに将棋はナッパが教えたらしい)
「それにしても良かったですね、スピリットの強制分離がちゃんと効いてくれて。」
戦いの後、ベジットは一か八かで自分にスピリットの強制分離を打ち込んでみたらしい。
結果は見ての通り、元のベジータと悟空に分離したようだ。
「おう!!流石に超ドラゴンボールを集めんのはしんどそうだかんなぁ〜……」
「全くだ。まぁブウの身体の中に一度入れば解けたかもしれんが……」
「ブウの?どう言う事だ?」
「ん?ああ、そう言えば話してなかったか。前の世界では……」
前の世界での魔人ブウとの戦いを悟空達に説明して行くベジータ。ちなみに未来のトランクスとブルマはベジータが別世界の未来からやって来た事をここで初めて知り、びっくり仰天したようだ。
「そう言えば、デンデさん。ドラゴンボールは今使用可能になっていますか?」
「ドラゴンボールですか?はい。多分、問題なく使用できると思います。うっすらとですが、ベビーにドラゴンボールは精神と時の部屋で保管して、いつでも使用できるようにしておけと指示があった筈ですから……」
「界王神様、なんかあるんか?」
「それが、全王様にベビー……ではなく、その器となったベジットさんを連れてくるよう命じられているのですよ。なので蘇らせて頂けたらと……」
「なんだと?半分は俺とは言えもう半分はブラックのクソ野郎だぞ。蘇らせた瞬間何をするかわかったもんじゃないぞ。」
「そこはまぁ、全王様の事だから何かお考えがあるのだと思います。なのでお願いできませんか?」
「わ、わかりました。すぐに準備に取り掛かります。」
流石に界王神に頭を下げられたら無碍には出来ないのか、デンデはポポに頼んでドラゴンボールを用意させた。
それから少ししてドラゴンボールを使い、ベビーの器となったベジットを復活させたのだが……
「……なんか白目剥いて倒れてねぇかこいつ?」
「そ、そうですね。動き出す気配がないと言うか何と言うか……」
「界王神様、どう言う事なんでしょうか……?」
「ふむ……これはあくまで予想ですが、ブラックの魂と別世界のベジータさんの魂が凄まじく反発し合った結果、魂が一つに統合されず、自我崩壊を起こしてしまったのではないでしょうか?」
「別世界の俺からすれば、自分の意思で合体したのならともかく、知らん間に勝手に合体させられていた訳だからな。まして相手はカカロットの姿をした正真正銘の屑野郎だ。死んでも合体なんぞしたくないだろう。」
どうやらベビーはある種の安定装置のような役割を果たしていたようだ。
そのベビーがいなくなったら結果廃人同然になってしまった辺り、中々に皮肉が効いていると言えるだろう。
※※※
翌朝、元の世界へ帰るベジータ達をブルマやマイ達が見送りに来ていた。今回は行きと違って特別に界王神が全員を過去の世界に送って行ってくれるようだ。
また、トランクスにも迎えの者が来ており、このまま時の界王神の下へ行く事になるらしい。
「これでお別れね……生きてる孫君やベジータ達をこの目で見れて嬉しかったわ。」
「おう、オメェも元気でなブルマ!!」
「ブルマ、作り置きの料理は冷凍庫の中に入れてある。毎日三食ちゃんと食事は摂るんだぞ。」
「はいはい、わかってるわよ。すっかり主夫が板についちゃってまぁ……あんた、いっそこっちの世界に残ってかない?料理も凄く美味しかったし。」
「なっ……い、いや、俺はだな……」
「ふふっ、冗談よ。そんな事したらそっちの私が乗り込んで来ちゃうでしょうからね。……向こうの私と子供達をよろしくね、ベジータ。」
「……ああ。お前も元気で暮らせよ、ブルマ。」
「でも、どうしてトランクスまで……せっかく世界が平和になったってのに……」
寂しそうにトランクスを見つめるマイ。トランクスは苦笑しながらも、既に覚悟は決めているようだった。
「すまない、マイ……でも仕方ないんだよ。知らなかったとは言え、俺は大変な罪を犯してしまったようだから……」
「トランクス……」
「そんなしんぺぇすんなって。今生の別れっつー訳でもねぇんだしさ!!」
「悟空さんの言う通りだよ。それに、休暇……が貰えるかどうかはわからないけど、貰えたらここに帰ってくるつもりだ。」
「……わかった、気をつけてな。」
(にしてもこのマイって娘、どっかで見た事あるような?ピラフの隣にいた女もこんな見た目してなかったか?ひょっとしてあいつの娘だったり……)
娘も何も若返った本人なのだが、流石の悟空もそこまではわからなかったようだ。
そしてチビのトランクスはデカい自分に可愛い彼女がいる事を内心羨ましがっていたようで、帰ったらあの子を探そうと密かに決意したのだが……結果は敢えて言わないでおこう。
「トランクス。」
「父さん?」
「わかっていると思うが、俺達が手を貸してやれるのはこれが最後だ。そして……お前とは、もう二度と会う事はないだろう。」
「……はい……」
「だから、今度こそお前だけの力でブルマとこの世界を守ってみせろ。お前ならやれる筈だ……お前はこの俺の、誇り高きサイヤ人の王子、ベジータの息子なんだからな。」
「っ……!!はい!!俺、強くなりますよ……あの時言った通り、父さんよりも、悟空さんよりも、他の誰よりも!!」
「フッ、そいつは楽しみだ……達者でな。強くなれ、この世の誰よりも……!!」
「最後まで、本当にありがとうございました!!貴方に教えて貰った事……そして一緒に過ごした日々を、俺は一生忘れません、父さん……!!」
涙ながらにベジータに抱きつくトランクスと、照れ臭そうにしながらもトランクスを抱き返すベジータ。ブルマはそんな二人を涙ぐみながら見守っていた。
「じゃあな、ブルマ!!お互ぇの世界で頑張ろうぜ!!」
「ええ!!あんた達も元気でね!!」
「トランクス、気をつけてな!!絶対に……絶対に帰って来いよ!!」
「ああ!!必ず帰って来るよ、ここに……この愛すべき、俺の世界に!!」
「フッ……」
こうして未来世界での戦いは終わりを告げた。
そしてトランクスは時の界王神の世界へ、ベジータ達は自分達の世界へと帰還し、それぞれの日常へと戻って行くのだった……
※※※
「うーん、S◯itch2の抽選、中々当たらないなぁ……」
未来世界での戦いから一週間後、全王宮では全王が求人誌を読みながらコーヒーを飲んでいた。
「よろしかったのですか、全王様?」
「何が?」
「あの新型のポタラを、孫悟空さん達に差し上げてしまった事です。」
「ああ、構わないよ。元々彼等に託す為に作った物だからね。」
実は、悟空が界王神から借りたポタラは通常のポタラとは別の、全王が直々に新開発した物だった。
従来のポタラは界王神以外の者が使用すると一時間程度しか効果を発揮せず、フュージョンと同様力が大き過ぎる者が使用すると合体時間が短くなる欠点があった。
だが全王が新開発したポタラは違う。界王神以外が使おうと、どれだけ力が大きい者が使おうと合体は解除される事が無いのだ。
しかもフュージョンどころか今までのポタラよりも更に戦闘力が強化されるようになっているらしい。
それこそ、ブロリーを遥かに凌ぐ大猿ベビーがパワーアップし、そこに10倍界王拳を使っても全く差を縮められない程に……
「何故、全王様はそこまで彼等に入れ込むのですか?」
「理由は二つあるね。一つは、単純に彼等のような人間が好きだから。それからもう一つは……保険。」
「保険、ですか?」
「僕が"奴"を倒せるなら、それで構わない。だけどもし僕でも"奴"を滅ぼせなかったら……後はもう彼等に託すしかない。」
「"奴"……全ての世界を蝕む邪念、ですか……」
「うん……彼等はね、僕にとって最後の希望なんだよ。だから大神官。彼等の事、うんと強くしてあげてね?」
「全ては全王様の御心のままに。」
「そう言えば、そろそろかな……?」
腕時計を見ながら、小さく微笑む全王。そして……
※※※
「何の用だ界王神。いきなり人の事を呼び出しやがって……」
「そうだぞ。オラこれから仕事だったのに……あっ、そう言えばポタラけぇしてなかったな。返すよこれ。」
何故かベジータと悟空は、界王神界まで連れて来られていた。
「いえ、ポタラはそのまま悟空さん達が持っていて下さい。」
「えっ、良いんか?」
「はい。合体解除が出来ると判明した今、フュージョンよりもそちらを使う方が色々と便利でしょう?」
「……確かにあのみっともないポーズを取らずに済むのはありがたい。何より、フュージョンを遥かに超えるパワーアップを果たしていたからな。」
「オラとしちゃフュージョンも好きなんだがなぁ……」
「喧しい!!俺がフュージョンする度にどれだけ恥ずかしい思いをしたと思っていやがる!?」
「じょ、冗談だって、そんな怒るなよ……それで界王神様、いったい何があったんだ?」
「実はお二人に会わせたい方々がいまして……」
「合わせたい奴等だと?いったい何者……」
「ひゃー!!オメェ等がこの世界のオラ達か!!」
「フンッ……」
「!?」
「えっ……お、オラとベジータがもう一人ずついっぞ!?」
なんと、ベジータと悟空の目の前に、自分達と服装以外は全く同じ姿をした二人組が現れた。
これには悟空だけでなく流石のベジータも目を見開いていた。
「ど、どういう事なんだ、これは!?」
「彼等はベビーの器にされていたベジットさんです。今はそれが元の二人に分離していますが……」
「なっ、だがドラゴンボールの効果で合体が二度と解けないようになっていた筈だ!!」
「それにこっちのオラ、雰囲気だけでわかんぞ。間違いなくブラックじゃなくてオラだ!!」
「そ、それはですね……」
界王神は元の世界に帰った後、全王の下へ廃人と化したベジットを連れて行った。
すると全王は超ドラゴンボールを用意して待機しており、超神龍を呼び出してベジットの中のブラックの魂を本来の悟空の魂と入れ替えたのだ。
別世界の、それもあの世にいる悟空の魂との入れ替えなど、普通のドラゴンボールでは絶対に不可能な事だが、超神龍の力を持ってすればそれさえも可能になるらしい。
そして悟空の魂と入れ替わった事でベジットは正気を取り戻し、そこへ更に全王が自分の力を行使して強制的に合体を解除し、元の二人に戻したとの事だった。
「神龍の願いで合体が解けないようになっていた筈なのに、力技で無理矢理解除するとは……全王とはとんでもない存在なのだな……」
「全王様曰く、超神龍じゃないなら簡単に出来るよとの事でした。」
「よくわかんねーけど、オメェ達とこっちの全ちゃんのおかげで助かったんだろ?あんがとな!!」
「オメェすげぇな、全王様を全ちゃんって……」
「ん?そうか?」
別世界の自分が全王を全ちゃん呼びしている事に軽く引いている悟空。
どうやらラディッツのおかげで社会常識をそれなりに身につけたこの世界の悟空にとっては信じられない行いらしい。
兄の存在は偉大である。
「……で、俺達をここに呼んだのはこいつ等に会わせる為か。何の目的でそんな事をした?」
「何の目的って、そんなん決まってんだろ?」
「サイヤ人同士の用事など、一つしかあるまい。」
「……へへっ、なるほどそう言う事か。」
「面白い……別世界の自分を相手に腕試しというのもまた一興だ。」
四人とも好戦的な笑顔を浮かべて睨み合うと、界王神達は大慌てでその場から離れて行った。
その直後、この世界のベジータ達は超サイヤ人4に、別世界のベジータ達は超サイヤ人ブルーに変身した。
「お、おおっ!?なんだその超サイヤ人!!そんなのオラ初めて見たぞ!!」
「その力……超サイヤ人ゴッドとは明らかに違う。まさか、大猿由来の変身なのか!?」
「なるほど、俺達が超サイヤ人ブルーになるとそんな感じになんのか……」
「超サイヤ人4については、戦いの後にでも教えてやる。まずは貴様等の力を見せてみろ!!」
「言われるまでもない!!別世界の自分相手だからと言って容赦はせんぞ!!」
「へへっ、こんなワクワクする勝負はオラ初めてだぞ!!」
「そいつは俺もだ……行くぜっ!!」
黄金のオーラと青色のオーラを爆発させ、四人の戦士が激突する。
こうして彼等は別世界の己との戦いを存分に楽しむのだった。
この先、まだ見ぬ強敵が現れたとしても、地球は大丈夫だろう。地球には彼等が、Ζ戦士が居るのだから……
最終回じゃないぞよ。もうちっとだけ続くんじゃ。
次回は超17号編と……はなりません。力の大会編をやるかスーパーヒーロー編をやるか、それとも全く別の話をやるのかまだ決まっておりませんので、気長にお待ちください。それでは!!