ブルーアーカイブ~成り代わりの未来の戦士~   作:エルヤ

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またまたお久しぶりです。大学やら就活やらでまた間が空いてしまいすみません・・・前回あんなこと言ったのに面目ない。ていうか最近月に一回投稿がデフォになってるような・・・
別に投稿頻度を決めているわけではないんですがこんな作品でもお気に入り登録してくださる方もいるのでもうちょっと頑張って投稿していきたいですね。
できるだけ頑張っていくので今後もよろしくお願いします。


ゲヘナ風紀委員会

 

「便利屋ブラックから便利屋68へ仕事の依頼をしに来た」

 

「し、仕事の依頼?」

 

「ああ。仕事の内容はアビドス高校の生徒たちの援助だ」

 

「「「・・・え!?」」」

 

「・・・」

 

まさかの内容に驚く便利屋68。当然だろう。なにせ彼女たちの今の仕事の内容はアビドス高校の奪取、俺の依頼とは真逆の仕事なのだから。

 

「ブラック。私たちの今の仕事の内容、まったく知らないわけじゃないよね」

 

「ああ。君たちがカイザーからおそらくアビドス高校の奪取を依頼されていることはなんとなく理解してる。それでも頼みたいんだ。もちろんカイザーよりも高い報酬も払うし要望があるならできる限り用意しよう」

 

「・・・どうする社長?」

 

「・・・あなたには悪いけどそれはできないわ。こっちにも便利屋としての威厳があるの。今の依頼を完了するまでほかの依頼を受けるつもりはないわ」

 

「ごめんねー!そういう訳だから他をあたってねー!」

 

・・・どうやら俺は彼女たちのことを甘く見てたようだ。彼女たちの便利屋としての矜持は俺以上だ。俺はあくまで資金稼ぎのため便利屋をしている。しかし彼女たちは便利屋であること自体に誇りを持っている。

・・・これだけでは彼女たちを味方につけることはできないな。なら俺も()()()()として頼もう。

 

「・・・頼む。君たちの力を貸してくれ」

 

「「「「・・・!?」」」」

 

俺は被っていたフードを下ろし仮面も外し素顔を見せる。首に付けている変声機も外し本来の俺、孫ゴハンとして彼女たちと対面する。

 

「こ、これがブラックの素顔・・・」

 

「なかなかイケメンじゃーん」

 

「あんたのその顔・・・どこかで」

 

便利屋として活動し始めてから人に素顔を見せたことはなかった。そのため便利屋ブラックの素顔については様々な噂が立っている。そのためか俺の素顔を見た便利屋68はかなり驚いているようだ。

 

「ん?ああ!ゴハンの兄ちゃんじゃねーか!久しぶりだな!」

 

「お久しぶりです。柴大将」

 

厨房からこちらの様子を見ていた柴大将は俺の顔を見て一目で俺が孫ゴハンだと気が付いた。どうやら忘れていなかったらしい。

 

「さて・・・改めて自己紹介を。俺の名前は孫ゴハン。元アビドス高校生徒会書記。本当なら今年で3年生になるな」

 

「・・・思い出した。たしか2年前にゲヘナで賞金首を片っ端から捕まえたり風紀委員を手伝ってるアビドスの生徒がいた。そのとき一度だけあんたの顔を見たことがるよ」

 

「ええっともしかして魔人って呼ばれていたっていうあの?」

 

「そう。たしか死んだって聞いたけど・・・」

 

「ああ。俺は確かに死んだことになってる」

 

実際現在俺が生きていることを知っているのは俺を助けた黒服含めて数人しかいない。

 

「俺はある人物に助けられてから死んだことになっていることを利用して裏からカイザーのことを調べていた。便利屋を始めたのもアビドス高校を守るためだ」

 

「うん??なぜカイザーのことを調べていたのかしら?」

 

「カイザーがユメ先輩、あの盾を持ったアビドス高校の教師を殺そうとしたからだ」

 

「「「「!?」」」」

 

「2年前、アビドス砂漠には機械の化け物がいた。そいつを利用してユメ先輩を消そうとしたんだ。生徒会長だったユメ先輩が消えればアビドス生徒会はの力は弱まる。そこまでして奴らはアビドス高校を奪おうとしたんだ」

 

いつか黒服から聞いた話だ。手柄に焦った部下の一人がバイト先でユメ先輩にある情報を教えて砂漠に向かうようけしかけたらしい。

 

「俺はなんとしてでもカイザーからアビドス高校を守る。ユメ先輩やホシノ、対策委員会のみんなも助ける。でも俺一人の力じゃ限界がある。だから君たちの力を貸してほしいんだ」

 

「あんたの力ならあんな奴ら楽勝でしょー。私たちの力なんて必要ないと思うけど?」

 

「力で無理やり解決しても意味はない。それに俺はこれから色々やることがある。俺がいない間にカイザーが何をしてくるかわからない」

 

「「「「・・・・」」」」

 

「頼む。俺に、俺たちに力を貸してくれ」

 

俺は彼女たちに頭を下げる。これは便利屋ブラックではない。元アビドス生の孫ゴハンとしての頼みだ。

 

「・・・ええ、わかったわ。あなたの依頼、引き受けたわ」

 

「いいの?社長」

 

「こんなに真剣にお願いされて断れるわけないでしょ。それにカイザーがアビドスにやってきたことを聞いた今、彼らの依頼も続けるつもりもないわ」

 

「・・・ふふ、そうだね」

 

「そういう訳でこの便利屋68、アビドス高校へのの援助の依頼、受けさせてもらうわ!」

 

アルは俺の頼みを受けてくれた。

 

「ありがとう。対策委員会と先生には俺から話しておくから後でアビドス高校まで来てくれ。もし何かあったら連絡してくれ」

 

俺はアルに自分の連絡先を渡す。連絡先を渡した後俺は再びフードと仮面、変声機をつけ便利屋ブラックとしての姿へ戻る。

 

「それと対策委員会と先生には俺の正体は黙っておいてくれ。俺の存在は対策委員会とカイザー双方に影響があるだろうから」

 

「わかったわ」

 

「柴大将もお願いします」

 

厨房でずっとこちらの様子を見ていた柴大将にもお願いしておく。

 

「兄ちゃんにも事情があるんだろう?なら今日のことは嬢ちゃんたちには内緒にしておくよ。でもいつかちゃんと嬢ちゃんたちにも教えてあげろよ。嬢ちゃんたちもきっと会いたいだろうからな」

 

「ええ、もちろん。いつかちゃんと謝りますよ」

 

「ああ!そのときは2年前みたいにみんなでうちのラーメン食べにきな!」

 

柴大将・・・俺のわがままに付き合っていもらいありがとうございます。今度必ず食べに来ます。

 

「さてと俺は一足先にアビドス高校に向かうよ。それじゃまたあと・・・ん?」

 

紫関ラーメンから出ようするとなにやら外が騒がしい。

 

「・・・なんか外、騒がしくない?」

 

外の異変にカヨコも気づいたようだ。

 

(これは足音?しかし人数が多い。今のアビドスにそんな人数・・・)

 

その時足音とは別の音が聞こえる。この音は・・・まさか!?

 

「みんな伏せろ!伏せろー!!」

 

「「「「!?」」」」

 

俺はアルたちに対して叫ぶ。瞬間アルたちは床に伏せる。

 

ドカァァァァァン!!

 

次の瞬間、紫関ラーメンは謎の攻撃を受け爆発する。俺と便利屋68はその爆発に飲み込まれた。

 

 

 

 

「前方、半径10㎞内にて爆発を検知!近いです!」

 

「10㎞ってことは・・・市街地?まさか襲撃!?」

 

「衝撃波の形状からすると・・・砲撃だと思われます!」

 

「「「「!?」」」」

 

「それにC4爆弾の連鎖反応と思われる反応も確認しました。・・・爆発地点確認。市街地です!正確の位置は・・・紫関ラーメン・・・!?」

 

「はぁ!?どういうこと!なんであの店が狙われるのよ!」

 

「一体誰が・・・」

 

「ま、まさか私を狙って・・・?」

 

「憶測は後でも遅くない。まずは何か手を打たないと!」

 

「そうですね!今はそれどころじゃありません!向かいましょう!」

 

「柴大将さんを助けないと!」

 

「ホシノ先輩には私から連絡します、出動を!!」

 

”みんな、急ごう!”

 

「ど、どうなっちゃったのよ!!大将・・・無事でいて・・・!」

 

 

 

 

「っ!みんな無事か!」

 

「え、ええ。私たちはなんとか・・・」

 

半壊した紫関ラーメンの崩れた瓦礫の中からアルたち出てくる。どうやらみんな無事のようだ。

 

「ブラック、大将さんは無事?」

 

「ああ。目立った怪我はない。気を失っているだけみたいだ。あと少しバリヤーを張るのが遅れたら危なかった」

 

柴大将にも目立った外傷はないようだ。爆発する寸前、咄嗟にバリアーを張ったため被害は少なく済んだ。

 

「今の攻撃は・・・」

 

「たぶん砲撃だ。砲撃だとは思うんだが・・・なぜか店の中からも爆発したんだけど・・・何か心辺りは?」

 

「・・・あ、もしかして・・・」

 

「すみませんすみません!!私が仕掛けたC4がすみません!」

 

「はぁ・・・」

 

「・・・なるほど」

 

通りで店の中からも爆発したわけだ。しかし何でこの子は店の中にC4なんて仕掛けてるんだ?しかし今はそんなこと考えている場合ではない。

 

「誰だ。ここを攻撃してきたのは・・・」

 

店の前を見てみる。黒煙が徐々に晴れてきて襲撃者の姿が見えてくる。

 

「ッ!!社長!ムツキ!ハルカ!早く隠れよう!奴らが来た!」

 

「奴らって?」

 

「うちの風紀の連中だよ!ここまで追ってくるなんて!それもこのタイミングで・・・!いや、こんなタイミングだからこそ・・・!?」

 

「ゲヘナ風紀委員会か!」

 

煙が晴れ襲撃者を確認する。襲撃者はゲヘナ風紀委員会。現在はあのヒナが委員長を務めているあのゲヘナ風紀委員会が攻撃してきたようだ。便利屋68を追ってここまで来たらしい。

 

ドゴォォォン!

 

風紀委員会が再び砲撃を放ってくる。

 

「ふっ!」

 

その砲撃を再びバリヤーで防ぐ。

 

「2射目、何者かによって防がれました。ターゲットは今だ健在」

 

「防がれた?便利屋の連中にそんな装備あったか?・・・まあいい。歩兵、第2小隊まで突入」

 

「・・・イオリ、あの方たちはどうします?」

 

「ん?ああ、向こうの側の生徒?なんだっけ・・・アビドス?そんなの当然、公務の執行を妨害する輩は全員敵だ」

 

「ならば大人しくしていてもらいたいものですね・・・しかしこちらの事情を説明するのが先かと・・・」

 

「ああ。説明してほしいな」

 

「「!?」」

 

俺は突入してきた歩兵部隊を気絶させた後、彼女たちに問いかける。

 

「いつからゲヘナ風紀委員会は他校の自治区内でこんな無差別攻撃をするようになったんだ?」

 

「あなたは・・・!?」

 

「ブラック!?」

 

俺は紫大将をアルたちに任せて彼女たちの前に出て質問を続ける。

 

「君たちゲヘナ風紀委員会が他校の自治区で勝手にこんなことすれば問題になることぐらいわかってるだろ」

 

「それは・・・」

 

「それにいきなり砲撃なんか、ここには便利屋68以外にも人が・・・」

 

「ああもうめんどくさいな!こっちは便利屋の連中を取っ捕まえに来たんだ!ブラック、あんたの後ろに便利屋がいるだろ!そいつらを捕まえたらさっさと撤退してやるからそこをどけ!」

 

「悪いけど断る」

 

「なぜだ!」

 

「今、俺と便利屋68は協力関係なんだ。だから悪いけどここを通すわけにはいかない」

 

「邪魔をするならお前ごと叩き潰す!総員戦闘準備!」

 

「ッ!イオリ!」

 

風紀委員会がこちらに向け銃を構える。相手の数はおよそ一個中隊。

 

「なら・・・はあぁぁぁぁぁ!!」

 

「な、なんだ!?」

 

「この風圧は・・・!?」

 

俺は気を開放する。解放された気は周囲に突風巻き起こす。気を開放した俺の身体からは金色のオーラが放たれる。

 

「なんだ・・・それは・・・?」

 

イオリが俺の姿を見て驚嘆する。それもそうだろう。ここまで気を開放したのビナーと戦った時以来だ。

 

「これが俺の本気だ」

 

「くっ!そんなものただのコケ脅しだ。くらえ!」

 

イオリが銃を放つ。

 

「・・・!」

 

「なっ・・・!消えた!?」

 

「こっちだ」

 

「ッ!?」

 

俺はイオリが銃を撃った瞬間、瞬時に彼女の背後に移動する。イオリは俺のスピードに全く反応できていなかった。

 

「だあっ!!」

 

「がっ!?」

 

俺の拳がイオリの腹に入る。拳をまともに受けたイオリは数メートル先の建物へものすごいスピードで吹っ飛んでいった。

 

「イオリ!」

 

「っ!?総員攻撃開始!」

 

チナツは吹っ飛んだイオリの元へ行き他の風紀委員会の部隊が一斉に銃を発砲する。

 

「だだだだだっ!」

 

俺はその銃弾を素手で弾きながら風紀委員会へ接近していく。

 

「じゅ、銃弾を素手で弾いてる!?」

 

「そんなことできるのか!?」

 

「こ、こっちに来ます!?」

 

「はあぁぁ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

風紀委員会の部隊のところまで接近するのにそんなに時間はかからなかった。迫ってくる銃弾の中を突っ切り数秒も立たないうちに風紀委員会との距離を詰める。俺は先頭にいた風紀委員に蹴りを入れる。そのまま周りの風紀委員に次々に拳や蹴りを放ち風紀委員を無力化していく。

 

「奴を囲め!全方位から一斉に攻撃する!」

 

リーダーと思われる風紀委員が指示を出す。風紀委員会は迅速に俺の周囲を囲む。正面からの銃撃は弾かれるため全方位から一斉に攻撃し確実の仕留めるつもりなのだろう。

 

「撃て!!」

 

合図とともに四方から銃弾が襲ってくる。

 

「はあっ!」

 

「なっ!?弾かれただと!?」

 

俺は自分の周りにバリヤーを張り銃撃を防ぐ。

 

「だぁぁぁっ!!」

 

「「「ぐわああああっ!?」」」

 

そのまま手を横に突き出し衝撃波を放つ。放たれた衝撃波は周りを囲んでいた風紀委員を一斉に吹き飛ばした。

 

「くそ!化け物め・・・砲撃部隊!あいつを狙え!」

 

ドオォォォォォン

 

後方にいた風紀委員が迫撃砲を放ってくる。俺はその砲撃をジャンプして躱す。

 

「奴は銃弾を弾く!砲撃部隊はそのまま砲撃を続けろ!他の奴らは銃撃で奴の動きを制限させろ!」

 

リーダーと思わしき生徒が的確に指示を出し次々と俺めがけて砲弾や銃弾が飛んでくる。

 

「他の学園の自治区なのに派手にやるなぁ!」

 

俺は飛んでくる砲弾をジャンプしながら躱し続ける。連続で砲撃してくるためそこら中砲撃により爆発まみれである。さすがにこれは派手にやりすぎではないだろうか?このままではさらに被害が大きくなりそうだ。

 

「なら・・・!」

 

拳に気を集中させる。そして溜めた気を風紀委員会めがけて放出する。放出された気、気功波は風紀委員たちがいた地点に命中し風紀委員会を巻き込みながら小さな爆発を起こした。

 

「「「うわあぁぁぁぁぁ!?」」」

 

「な、なんだ今のは!?」

 

予想外の攻撃に風紀委員会の攻撃が止まる。

 

「だりゃりゃりゃりゃ!!」

 

動きが止まった風紀委員会に向かって右手を突き出し連続で気弾を放つ。先の攻撃で動揺していた風紀委員は回避行動が遅れ多くの風紀委員はまともに気弾をくらい地面に倒れる。この攻撃により風紀委員が持ってきていた兵器もほとんどが破壊された。

 

「ば、ばかな・・・たった一人を相手に・・・」

 

気弾を何とか避けた者もいたがすでに残っている人数はたった数人のみだ。彼女たちは目の前の光景が信じられないという表情をしていた。

 

「どうする?まだやるか?」

 

「・・・」

 

俺の問いかけに残っている風紀委員会は答えない。しかしもう風紀委員に戦う力はほぼ残っていないだろう。

 

ダンッ!

 

「・・・ッ!!」

 

瞬間、横から銃弾が飛んでくる。俺は咄嗟に上半身を反らしその攻撃を躱す。そのまま数回バク転し風紀委員から距離を取る。

 

「ゲホゲホ・・・くっ・・・調子に乗るなブラック!ゲホ・・・」

 

銃弾が飛んできた方を見てみると銃を構えたイオリが立っていた。あの攻撃をまともに喰らって立てるとはなかなか頑丈だ。しかし無理をしているのか足が震えている。

 

「イオリ、無理はよくないです。先ほどまで気を失っていたのに・・・あなた、立っているのもやっとでしょう。それに見てください。風紀委員会も彼一人にほぼ全滅状態です」

 

「な、何!?」

 

周りを見渡しイオリが驚愕する。それもそうだろう。100人以上いた風紀委員会は残り数人を残して地面に倒れていたのだから。なんとか残っている数人もすでに戦意喪失している。

 

「なっ・・・!?たった一人に私たちが負けただと・・・!?」

 

俺はイオリが負けを認めたことを確認する。どうやら戦闘を続ける意思はないようなので気を収める。

 

「ちょっと!!これどうなってるの!?」

 

「この声は・・・」

 

「どうやら対策委員会も着いたみたいだ」

 

振り返ってみるとそこには対策委員会のみんなと先生がいた。

 

”ブラック!それにチナツ!?2人ともなんでここに?”

 

「先生!?まさかアビドスにいらっしゃったとは・・・」

 

先生たちがこちらに向かってくる。

 

「それにしてもこれは一体・・・」

 

「そこら中にゲヘナの生徒が倒れてる」

 

『アビドス対策委員会の奥空アカネです。所属をお願いします』

 

「それは・・・」

 

『それは私から答えさせてもらいます』

 

すると突如新たに通信が入ってくる。1台のドローンがイオリとチナツの前にやってきてホログラムを生成する。

 

「アコちゃん・・・?」

 

「アコ行政官・・・?」

 

「アコか」

 

通信の相手はゲヘナ学園3年の天雨アコであった。彼女はゲヘナ風紀委員会の行政官であり風紀委員会のナンバー2である。彼女とは2年前の時点で交流があった。便利屋を始めた後もブラックとして交流があるが俺の正体は知らない。

 

『こんにちは、アビドスの皆様。私はゲヘナ学園所属の行政官、アコとも申します。今の状態について少し説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか?』

 

「アコちゃん・・・その・・・」

 

「イオリ。反省文のテンプレートは私の机の、左の引き出しにあります。ご存じですよね?」

 

「・・・」

 

『行政官ということは・・・風紀委員会のナンバー2・・・』

 

『あら、実際はそんな大したものではありません。あくまで風紀委員長を補佐する秘書みたいなものでして・・・』

 

「本当にそうなら、そこの風紀委員会たちがそんなに緊張するとは思えない」

 

「だ、誰が緊張してるって!?」

 

『・・・なるほど。すばらしい洞察力です。確か・・・砂狼シロコさん、でしたか?』

 

「・・・」

 

『アビドスには生徒会の面々と教師が1人だけが残っていると聞きましたが、みなさんのことのようですね。アビドスの生徒会は5名と聞いていましたが、あと一人はどちらに?』

 

『今はおりません。そして私たちは生徒会ではなく対策委員会です、行政官』

 

『奥空さん・・・でしたよね?それでは、生徒会の方はいらっしゃらないということでしょうか?私は、生徒会の方と話がしたいのですが』

 

「アビドスの生徒会はずっと前に解散したの!事実上私たちが生徒会の代理みたいなものだから、言いたいことがあるなら私らに言いなさい!」

 

「それから私たち、さっきここに来たばかりだからここで何かあったか詳しくはわかってないんだけど・・・ゲヘナの風紀委員会さんたちはなんでアビドスに来たの?」

 

『・・・なるほど。ではまずここでなにが起こったのか説明させてもらいます。彼女たちは風紀委員会として便利屋68を捕えるためにアビドスにやってきました。しかしそこのイオリが無差別に砲撃を行った結果そこの便利屋68がいた建物ごと吹き飛ばしてしましました』

 

「あんたたちが紫関ラーメンを吹き飛ばしたのね!!なんてことするのよ!!」

 

『その愚行については私の方から謝罪させていただきます』

 

「なっ、私は命令通りにやったんだけど!?アコちゃん!?」

 

『命令に、「まずは無差別に発砲せよ」なんて言葉が含まれてましたか?』

 

「い、いや・・・状況を鑑みて必要な範囲で火力支援、その後に歩兵の突入・・・戦術の基本通りにって・・・」

 

『ましてや他の学園自治区の付近なのだから、きちんとその辺りは注意するのが当然でしょう』

 

(ん?)

 

他の学園自治区付近だと?ここはアビドスの自治区のはずだがなぜそのような言い方を?

 

『失礼しました。対策委員会のみなさん。私たちゲヘナの風紀委員会はあくまで、私たちの学園の校則違反をした方々を逮捕するために来ました。ですがそこのブラックが便利屋68の味方をしたためやむなく戦闘を行いました。まあ結果は御覧の通りですが』

 

アコはそこらに倒れている風紀委員に顔を向ける。

 

「ブラックがこの人数を相手を!?」

 

「見る限り100人は超えているように見えますが・・・」

 

”本当なの、ブラック?”

 

「ええ。俺は便利屋68を守るため風紀委員会と戦いました。紫関ラーメンを破壊された怒りも多少ありましたけどね」

 

「なんであいつらを庇ったのよ。敵でしょあいつら」

 

「それは後で説明します」

 

『ここまでがここで起こった出来事です。あまり望ましくない出来事もありましたが、まだ違法行為とは言い切れないでしょうし・・・やむを得なかったということでご理解いただけますと幸いです。風紀委員会はとしての活動に、ご協力できませんか?』

 

『・・・事情は理解しました。しかしそうはいきません!

 

『あらっ・・・?』

 

『他の学校が別の学校の敷地内で、堂々と勝手に戦闘行為をするなんて!自治権の観点からして、明確な違反です!』

 

「「「「・・・」」」」

 

『まさか。ゲヘナほど大きな学園がこんま暴挙に出るとは思ってもみませんでしたが、ここは譲れません』

 

『・・・なるほど。そちらの方々も同じ考えのようですね。ゲヘナ風紀委員会を敵にしても怯まないなんて・・・これだけ自身に満ちているのはブラックと・・・やはり、信頼できる大人がいるからでしょうか?・・・ねえ、先生?』

 

”・・・”

 

『シャーレの先生。あなたも、対策委員会と同じご意見ですか?』

 

”便利屋68は困った子たちかもだけど、悪人じゃないから”

 

「いやいやいや!悪人に決まってるでしょ!私たちの学校奪おうとしてるのよ」

 

「セリカ、それはあくまで私たちの視点。便利屋68はただ仕事をしてるだけ」

 

「あ・・・。たしかに・・・」

 

「でも学校を奪おうとしてるのは事実。このまま大人しく引き渡すわけにはいかない」

 

「そうですね、彼女たちの背後にいる方の正体もまだわかっていませんし。先にお話しを聞かせてもらいませんと」

 

「あの子たちには悪いけど、捕まえて情報を手に入れないと」

 

『そういうわけで、交渉は決裂です!ゲヘナの風紀委員会、あなた方に退去を要求します!!』

 

『・・・これは困りましたね・・・うーん・・・こうなったら仕方ありません。本当は穏便に済ませたかったのですが・・・ヤるしかなさそうですね?』

 

「「「「!?」」」」

 

アコがそう言うイオリたちの後方からさらなる風紀委員会の部隊がやってくる。先ほどのイオリの部隊よりもさらに多いだろう。

 

ダダダダダダッ!

 

「うわあっ!?」

 

ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

「ぐあっ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

新たにやってきた風紀委員に向かってどこからか銃撃が放たれる。俺や対策委員会ではない。ならば銃撃したのおそらく・・・

 

「許さない・・・!」

 

「はっ!?」

 

「許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!うあああああああああっ!!」

 

「ぐっ!?うぅ・・・っ!」

 

いつの間にイオリの背後にまでやってきていたハルカがイオリにショットガンを連続で叩き込む。まともに喰らったイオリは先のダメージもあり地面に崩れ落ちる。

 

「嘘つかないで、天雨アコ」

 

『あらっ?』

 

「偶然なんかじゃないでしょ、最初からあんたが狙っていたのはこの状況だった」

 

『カヨコさん・・・』

 

声の方を見てみるとそこにいたのはカヨコだった。アルとムツキもいる。どうやら柴大将を安全なところまで運んだ後こっそり回り込んでいたようだ。

 

「ハルカちゃんナ~イス☆」

 

「す、すみません!助けに来るのが遅くなりました・・・!」

 

「まあブラックがいるから必要なかったかもしれなかったかけどね~」

 

『あらっ?いつの間に包囲網を?』

 

「あいつら、姿を見ないと思ったらあんなところに・・・」

 

「・・・やるね」

 

『・・・面白い話をしますね、カヨコさん』

 

「・・・最初はどうして風紀委員会がここに現れたのか、理解できなかった。風紀委員会が他の自治区まで追ってくる理由、それも私たちを狙って?こんな非効率的な運用、風紀委員長のいつものやり方じゃない。だからアコ、これはあんたの独断的な行動に違いない」

 

(なるほど、アコの独断か。そういうことなら今のうちに・・・)

 

俺はスマホを取り出してある人物にモモトークを送る。みんなカヨコの方に意識が向いていて誰も気づいてないようだ。

 

「・・・」

 

「それに、私たちを相手にするにしたはあまりにも数が多すぎるこの兵力。他の集団との戦闘を想定していたとすれば、説明がつく。とは言えこのアビドスは全校生徒と教員を含めても6人しかいない・・・なら結論は一つ」

 

カヨコはアコから先生に視点を移す。

 

「アコ、あんたの目的はシャーレ。最初から、先生を狙ってここまで来たんだ」

 

「!?」

 

「な、何ですって!?」

 

「先生を、ですか・・・!?」

 

”私!?”

 

『・・・ふふっ、なるほど。・・・ああ、便利屋にカヨコさんがいることをすっかり忘れていました。のんきに雑談なんてしている場合ではありませんでしたね・・・』

 

アコは先ほどの指摘を認めるように言葉をこぼす。どうやらカヨコが指摘した通り彼女の目的は先生のようだ。

 

『まあ、構いません』

 

アコが指を鳴らす。

 

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・・

 

アコが合図を出すと四方かさらなる増援がやってきた。

 

「!?」

 

『12時の方向、それから6時の方向・・・3時、9時・・・風紀委員会のさらなる兵力が四方から集結しています・・・!』

 

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・・

 

『まだいただなんて・・・それに、こんなにも数が・・・!』

 

『うーん・・・少々やりすぎかとも思いましたが・・・シャーレを相手にするにはこれくらいあっても困らないでしょうし・・・ブラックもいますし、このぐらいで丁度よかったかもしれませんね』

 

「包囲網を抜けたと思ったけど・・・二重だったか・・・」

 

『はい、そうです。。それにしても、さすがカヨコさんですね。先ほどのお話は正解です。・・・いえ、得点としては半分くらいでしょうか?確かに私は、シャーレと衝突するという最悪のシチュエーションも想定していました。しかし、この状況を意図的に作り出したわけではありません。それだけは信じていただきたいのですが・・・どうやら、難しそうですね。仕方ありませんね。事の次第をお話いたしましょう・・・きっかけは、ティーパーティーでした』

 

アコはなぜ先生を狙っているのか話す。きっかけはティーパーティーだったらしい。ティーパーティーがシャーレに関する報告書を手に入れたという情報を得たアコは今まで気にしていなかったシャーレの情報を集めた。シャーレとは連邦生徒会長が残した超法的な部活。トリニティとの条約が控えているなかシャーレという不確定要素がどのような影響をもたらすか分からないため条約が無事締結されるまでシャーレの顧問である先生を風紀委員会の庇護下に置こうとしたらしい。ついでに居合わせた不良生徒、便利屋68たちも処理した上で。

 

「・・・」

 

「ん、むしろ状況が分かりやすくなって良いかも」

 

「・・・先生を連れて行くって?私たちがそれで『はいそうですか』って言うとでも思った?」

 

「・・・」

 

「先生は連れて行かせないよ!」

 

アコの説明を聞いた対策委員会だが、先生を連れて行くなど聞いて黙っているわけもなく全員が風紀委員会にむけて銃を構える。

 

『・・・ふふ、やっぱりこういう展開になりますか。では仕方ありませんね、奥空アヤネさん?』

 

『・・・?』

 

『ゲヘナ風紀委員会は、必要でしたら戦力を行使する場合もあります。私たちは一度その判断をすれば、一切の遠慮はしません』

 

『・・・!!』

 

アビドスと風紀委員会が戦闘に入ろうとする。一方便利屋は・・・

 

「社長、どうする?逃げるなら今しかないよ。戦闘が始まったら、もう後戻りはできない。風紀委員会はきっと、アビドスと私たちを同時に殲滅するつもり。でもアビドスがあっちの気を引いている間になら、包囲網が薄いところから突破・・・」

 

「・・・ふふっ。ふふっ、ふふふふっ」

 

「・・・社長?」

 

「・・・ねえカヨコ、あなたはもうとっくに私の性格、わかっているんじゃなくて?」

 

「・・・?」

 

「こんな状態で、こんな扱いされておいて・・・背中を向けて逃げる?そんな三流をの悪党みたいなこと、私たち便利屋がするわけないじゃない!!!」

 

「・・・あはー」

 

「あの生意気な風紀委員会に一発喰らわせいと気がすまないわ!」

 

「アルさま・・・!」

 

「・・・ふう・・・それは良いけど、あの兵力と真っ向から戦う気?アビドスとブラックと力を合わせてもキツイと思うけど・・・そもそもアビドスが私たちに協力してくれると決まったわけじゃ・・・」

 

「よっし、便利屋っ!挟み撃ちするわよ!!この風紀委員会、コテンパンにしてやらないと!!!」

 

「先生の盾になってもらう」

 

「!?」

 

「先生をみんなで守ります、いいですね?」

 

「よろしくね!」

 

「話が早いな・・・」

 

「どうやら話はついたみたいだな。ならさっさと片付けますか」

 

便利屋の話が終わったので俺は風紀委員会へと歩いていく。

 

『やはりブラックもそちら側ですか・・・できれば私たちに協力してほしかったのですが』

 

「そうはいかない。さっきイオリたちにも話したけど俺と便利屋68は協力関係なんだ。それに俺は今はシャーレ所属だ。先生を連れていくなんて聞いて黙って見てるわけにもいかないだろ」

 

『なるほど。ごもっともです。しかし予想通りです。ブラック、あなたの強さはよく知っています。おそらくこの中で一番強いのはあなたでしょう。しかしいくらあなたでもこの数を相手にするのは無謀ではないでしょうか。それにあなただって体力に限界はあるでしょう?先ほどあれだけ暴れて一体どの程度体力が残っているのでしょうね』

 

「たしかに俺にも体力の限界はある。だけどな・・・本気で俺を倒したいなら・・・この程度の戦力じゃ足りないぞ!!」

 

『!?』

 

風紀委員会の前で立ち留まった俺は気を一気に開放する。先ほどイオリたち戦ったより時よりもさらに大きな気が開放され当たりの大気をも揺るがしていく。

 

「これは・・・!」

 

「一体何なのよー!?」

 

「・・・この力、さっきよりも・・・!!」

 

”もしかして、これがブラックの本気・・・!!”

 

『な、なんですかその力は!?今までそのような力は見たことも・・・』

 

「見せたことないからな。言っとくけど俺の力はまだまだこんなものじゃないぞ」

 

『で、ですがこの人数を相手に・・・』

 

アコが何か喋っているが無視して風紀委員会に突っ込む。風紀委員は慌てて迎撃しようとするがそれよりも早く拳を叩き込む。そのまま次々と拳や蹴りを繰り出し風紀委員会たちを無力化していく。先ほどの戦闘よりも数倍も早く風紀委員を蹴散らしていく。

 

「は、速すぎる!?」

 

「銃弾が当たりません!!」

 

風紀委員会たちは高速で動く俺の姿をまったく追い切れていなかった。がむしゃらに銃弾を放ってくるが俺には全く当たらない。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

「「「うわあぁぁぁぁぁ!?」」」

 

拳を突きだし衝撃波を放つ。衝撃波は多数の風紀委員を吹き飛ばし進路上の廃ビルに衝突し一撃で破壊する。

 

「力加減をミスったか・・・気をつけないと」

 

力加減を間違えうっかりビルを破壊してしまった。しっかりとコントロールしないと当たりの建物がどんどん壊れてしまうな。

 

「・・・化け物め!」

 

戦闘が始まってからまだ数分だがすでに風紀委員会の3分の1が地面に倒れ伏していた。

 

「どうするアコ?まだやるか?」

 

『・・・まさかあなたがこれほどまでに強いとは・・・予想外でした。しかし問題ありません』

 

アコがそう言うとさらに部隊を展開してくる。

 

「はぁ!?まだいるの!?」

 

「この状況でさらに投入・・・!?」

 

「あなたの体力も無限ではない。あなた自身もそうおっしゃっていましたよね。こちらの戦力はまだまだあります。おそらくあなたのその力、相当体力を使うものと見ました。ならあなたの体力がなくなるまで持久戦を続ければいいだけです」

 

どうやらアコは持久戦に持ち込み俺の体力が切れるのを狙っているみたいだ。まあ確かにこれほど気を開放すればそれなりに体力も消耗するが、正直あといくら増援が来ても負ける気はしない。それほどまでに俺と風紀委員会の力の差は大きい。それにおそらくこの戦闘はもうすぐ終わるだろう。

 

「ん、ここからは私たちも戦う」

 

「そうよ!ブラック一人に任せっきりになんてさせないわ!」

 

「ええ!!私たちも戦うわ!」

 

「待って。これはもう、アコの権限で動かせる兵力を超えている。ということは子の襲撃、アコの独断じゃなくて、まさか・・・」

 

「・・・風紀委員長が?」

 

「えっ、ヒナが来るの!?無理無理無理!?逃げるわよ、早く!!!」

 

「いや、そうは言ってない・・・落ち着いて、社長・・・」

 

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・・

 

『ふふっ・・・これ以上は流石に・・・委員長に知られてしまったら、イオリと仲良く反省分ですね・・・さあ、では・・・三度目の正直と行きましょうか。風紀委員会、攻撃を・・・』

 

「・・・いや、三度目の正直はもうない」

 

俺は開放していた気を収める。

 

『・・・は?一体何を言ってるんですか』

 

「この戦いは終わりだ」

 

俺は風紀委員会から視線を外しこの場に新たにやってきた人物へと視線を移す。

 

「そうだろ・・・ヒナ」

 

「・・・アコ、これは一体どういう状況。説明して」

 

『ひ、ひ、ヒナ委員長!?』

 

そこにいたのはゲヘナ風紀委員会の委員長、空崎ヒナがこの場に現れたのだった。

 

 

 




今回は戦闘シーンもありましたが相変わらず描写は下手です。やっぱ戦闘描写って難しいですね。他の方は戦闘描写が上手で凄いと感じます。今回でアビドス対策委員会編も折り返しですね。構想はほとんど決まっているので頑張っていきたいですね。
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